改葬とは?費用相場や手順・お墓の引越しにまつわるQ&Aを解説
「改葬」や「お墓の引越し」という言葉を耳にしたことはありますか?
改葬(お墓の引越し)は同じ意味として使われることが多く、既にお墓や納骨堂に納めた遺骨を、他のお墓に移すことを言います。実は最近、この改葬(お墓の引越し)をする人が増えてきています。
よくある理由としては、「お墓が遠方にあって墓参りに行くのが困難だ・・・」「お墓を継ぐ人がいない・・・」といったものです。
- 改葬(お墓の引越し)に関するこのような疑問解消に役立ちます!
- 「改葬って簡単にできるものなの?何から手をつけたらいいかわからない…」
- 「上京してお墓が遠くなってしまった…お墓の引越しってどうやってやるの?」
- 「改葬って、また一からお墓を建てないといけない?金額はどのくらい?」
この記事では、改葬(お墓の引越し)にかかる費用や手続きの方法・順番、マナーについて紹介します。
なお、「お墓の引越し」は正式には「改葬」とも呼ばれています。改葬=お墓の引越し、と捉えていただいて構いません。
墓じまいを検討されている方
- 墓じまいはどこに相談するのかわからない
- 複雑な事務手続きをやりたくない
- 墓じまいにいくら必要なのか知りたい
親族や知人などに墓じまいを経験した人がおらず、不安に感じる人もいるかと思います。
また、今あるお墓を片付けることに抵抗感がある方もいるかもしれません。
しかし、大切なのはお墓をきちんと片付け、あとの供養に繋げていくことです。
ライフドットでは、墓じまいの複雑な事務手続きの代行、新しい墓地・霊園への引越しの提案までサポートします。
墓じまいで悩まれている方は、まず一度ライフドットにお問い合わせください。
この記事の目次
改葬とは
改葬とは、今あるお墓の遺骨を取り出し、新しい供養先に移動させることを言います。簡単に言うとお墓の引越しです。
改葬は、遺骨を取り出して引越しをするだけでなく、改葬許可証の手続きや今あるお墓の墓じまいなどの手順を踏む必要があります。
必要書類の手続きに関しては、墓埋法という法律で決まっているため必ず行わなければなりません。書類手続きと聞くと難しく感じるかもしれませんが、正しい手順で行えば簡単に発行することが出来ます。
また、改葬と墓じまいの意味は似ているようで異なり「墓じまいはお墓を完全になくしてしまう事」で「改葬はお墓を移すことも含む」ため完全になくしてしまう墓じまいとは少し意味が異なります。
墓じまいについて詳しく知りたい人はこちらの記事もご覧ください。
改葬(お墓の引越し)にかかる費用相場と内訳
改葬の費用は、お墓の立地や遺骨の数、新しい供養先で費用が大きく変動します。平均して100万円~250万円の費用相場で行う人が多い傾向があります。
改葬は大きく分けると、以下の3つとなります。
- 「遺骨のみの引越し」:今あるお墓の墓じまいをを行い新しい供養先に遺骨を供養する
- 「遺骨と墓石両方の引越し」:今あるお墓と遺骨どちらもを引越し供養する
- 「分骨」:今あるお墓を残し遺骨の一部を新しく供養する
最も一般的なのは、「遺骨のみの引越し」です。そのため、ここでは「遺骨のみの引越し」の費用や内訳をメインに解説していきます。
内訳は以下の通りです。
引越し前 | お墓の撤去・解体費用 | 8万円~15万円/㎡ |
---|---|---|
離檀料(寺院墓地の場合) | 5万円~20万円 | |
閉眼供養のお布施 | 3万円~10万円 | |
手続きに必要な費用 | 3000円ほど | |
移動 | 遺骨の移動費用(ゆうパックにて) | 1000円ほど |
引越し後 | 新しいお墓にかかる費用 | 5万円~150万円 |
開眼供養のお布施 | 3万円~5万円 |
それでは、各費用項目について詳しく説明していきます。
お墓の撤去・解体費用
元あるお墓を撤去・解体、墓所を更地にするための費用です。費用は8~15万円/㎡が目安です。
目安はありますが、墓所の立地や規模によって費用は大きく異なります。半日で終わるような作業が3日かかってしまうこともあるでしょう。そのようケースがあれば、費用はプラスでかかってしまいます。
離檀料
離檀料とは、檀家をやめる場合にお寺にこれまでの感謝の気持ちを込めて包む費用です。よって寺院墓地にお墓を構えている人が対象になります。
離檀料の相場は普段の法要などで渡すお布施の2~3倍と言われており、5~20万円が妥当でしょう。
また近年、この離檀料をめぐるトラブルが増えてきています。中には100万円など高額請求された事例もあります。「檀家」にまつわる費用や流れに関しては、この章の後半に詳しく紹介しますので、そちらをご覧ください。
閉眼供養のお布施費用
閉眼供養(魂抜き)とは、お墓の処分や移動、遺骨の取り出しに際して行われる儀式のことです。
一般的に閉眼供養のお布施の相場は3万円~10万円ほどと言われています。お布施は、閉眼供養をしていただいたことへの感謝の気持ちを形にしたものでもあるため、金額に明確な決まりはありません。
地域によっても相場に違いがあるため、悩んだ場合はお寺の住職に相談しても良いでしょう。
手続きに必要な費用
改葬に必要な書類にも費用がかかってきます。必要書類には以下のものがあります。
- 改葬許可申請書
- 受入証明書
- 埋葬許可証
- 改葬承諾書(一部条件に当てはまる人)
- 改葬許可証
各書類は、地方自治体のHPや霊園などから申請することができます。無料で発行できるところもあれば、1000円弱の費用がかかるところもあります。
書類は、お墓1つにつき1枚ではなく、遺骨1柱につき1枚必要となるため、遺骨が複数ある場合は費用がかさむ事も覚えておきましょう。
遺骨の移動費用
遺骨のみであれば、費用はそれほど高くなく1000円ほどで移動できます。
その詳細は各都道府県からどこに郵送するかによって変わりますが、一番安くて800円、高くても1600円ほどでできます。
日本郵便の「ゆうパック」でのみ送骨することが出来ます。また、荷物の追跡サービスもあるため安心して遺骨を送ることが出来ます。
移転先のお墓に必要な費用
お墓の引越しということで、今ある墓石の撤去だけしたらよいわけではありません。遺骨の移転先を考える必要があります。
移転先のお墓は、墓石を必要とするお墓、墓石を必要としない「納骨堂」「樹木葬」といった新しいタイプのお墓、複数人が一緒に埋葬する「合葬墓」といったタイプのお墓など様々です。お墓の種類によって、費用はかなり変化します。
開眼供養に必要な費用
開眼供養とは、新しい納骨先に魂を入れるための儀式です。※魂入れと言うこともあります。
こちらも「閉眼供養」同様、僧侶を招いてお経をあげてもらいます。
費用は3万円~5万円といったところでしょう。
改葬に必要な費用とその内訳について詳しく紹介しました。次の章では改葬の手順と手続きについて紹介します。
改葬(お墓の引越し)の手続きと手順
この記事を見ていただいている人の中には、お墓の引越しをしたい…!でも何から手をつけたらいいのかわからない・・・という人もいらっしゃるのではないでしょうか。
実際問題、「お墓の引越しをしたい!」と石材店に問い合わせる人の多くが、その手順の不明瞭さによって挫折してしまい、お墓の引越しが実現されないケースがあります。
改葬を実現させるためにも、今から紹介する手順を理解することは非常に重要なことです。
改葬のステップは、以下の通りです。
- 関係者と話し合い理解・納得を得る
- 新しい供養先を確保する
- 墓じまいの手続きを行う
- ご遺骨を取り出す
- 新しいお墓に納骨する
では1つずつ詳しく紹介します。
①関係者と話し合い理解・納得を得る
まず親族や住職との話し合いをすることを忘れないようにしましょう。
自分にとっては通いづらい厄介なお墓であったとしても、他の親族はそのように思っていないかもしれません。またお墓は代々継承していたものですから、一人の判断で改葬を決めることは避けましょう。
また、お寺にお墓がある場合は、お寺の檀家から離れるという意味にもなります。
そのため、寺院墓地にお墓がある人は特に、相談をいきなり/一方的にするのはやめ、改葬(お墓の引越し)をするに至った背景をしっかり伝えるようにしましょう。
またこの段階で、霊園の管理者に話をしておくと後でスムーズに改葬をすることが出来ます。
話し合いをせずに決めてしまうと、後々トラブルに発展することもあります。
②新しい供養先を確保する
親族との意見が一致したら、次に新しい納骨先を検討します。
新しい納骨先の探し方については、以下の記事を参考にしてみてください。
③改葬の手続きを行う
改葬(お墓の引越し)をするためには以下の書類を準備する必要があります。
- 改葬許可証…改葬するのに必要な書類。各自治体に問合せ、手に入れることができます。
- 受入許可証…「改葬許可証」を発行するのに必要な書類。新しい納骨先に受け入れ許可してもらえることを証明する書類です。新しい納骨先から手に入れることができます。
- 埋蔵証明書…「改葬許可証」を発行するのに必要な書類。現在の納骨先で、埋蔵されていることを証明する書類です。現在の納骨先から手に入れることができます。
- 改葬承諾書(一部条件に当てはまる人):墓地の使用者と改葬申請者が異なる場合に必要な書類です。各地方自治体から手に入れることができます。
- 改葬許可申請書…「改葬許可証」を発行するのに必要な書類。各地方自治体から手に入れることができます。
改葬の行政手続きでは、お墓が埋葬されている状況によって異なり、役所に足を運んだり必要書類を手に入れる必要があります。また、改葬においての手続きも基本的には「墓じまい」の手続きと同じになります。
改葬の行政手続きについてより詳しく知りたい人はこちらの記事もご覧ください。
④ご遺骨を取り出す
納骨先と必要な書類がそろったら、遺骨を取り出します。
遺骨は個人でも取り出すことが可能ですが、大きな石を動かす必要があるため業者に頼むことが一般的です。
遺骨は保存状態などによってカビや虫が湧いていることもあります。遺骨の状態次第では、運び方も検討する必要があるため専門の業者に依頼・相談をすると良いでしょう。
また、このタイミングで「墓じまい」を行う場合は、墓石の撤去工事や閉眼供養が必要となります。
閉眼供養を行う場合、お布施や服装のマナーもありますので知りたい人はこちらの記事をご覧ください。
墓じまいの閉眼供養は平服が一般的!喪服での参加や準備物についても解説
この記事ではこのような疑問の解消!「墓じまいの服装は何が適切?」「ちゃんとした喪服でないといけないの?」「夏の暑い日・冬…
墓じまいのお布施の費用相場はいくら?包み方・表書きについても解説
この記事ではこのような疑問を解消!墓じまいのお布施の金額目安はいくら?墓じまいでお布施が必要なタイミングはいつ?墓じまい…
⑤新しいお墓に納骨する
新しいお墓に納骨します。納骨の際は、手続きで発行した改葬許可証を忘れずに持参しましょう。
以上流れを軽くおさらいします。
- 関係者と話し合い理解・納得を得る
- 新しい供養先を確保する
- 墓じまいの手続きを行う
- ご遺骨を取り出す
- 新しいお墓に納骨する
改葬の手順は地域によって差があるため、今あるお墓の地域と新しく改葬する先の手順については事前に調べておきましょう。
横浜の改葬手続きを一例にご覧ください。
新しい納骨先をお探しの方
納骨先といっても、その種類はさまざまで、種類ごとの特色は全く異なります。
- 自分に適切な納骨先がわからない。
- 新しい納骨先の探し方がわからない。
- お墓選びで注意するべきポイントがわからない。
など、納骨先選びで不安をお持ちの方は多いのではないでしょうか。
当サイトには全国7,000件以上の墓地・霊園情報が掲載されています。最近人気がでている「納骨堂」や「樹木葬」の掲載も豊富です。
費用やアクセス、口コミの紹介もしていますので、きっとあなたの希望に沿った新しい納骨先を見つけることができるでしょう。
改葬(お墓の引越し)時によくあるトラブル
改葬に伴ってよく起こりがちなトラブルを親族・寺院・石材店に分けて紹介します。
親族とのトラブル
親族間で多いトラブルは大きく2つあります。
- 改葬もしくは墓じまいをする・しないについてのトラブル
- 新しい供養方法についてのトラブル
一般的に改葬を行うには、お墓の撤去や遺骨の移動をする必要があります。
例えば、「お墓の撤去や移動にかかる費用を誰が負担するのか」であったり「先祖の魂が宿っている神聖なお墓を撤去したくない」などの意見がまとまらずトラブルになるケースがあります。
トラブルを起こさず改葬を行うには、事前に親族で話し合い全員が納得できる部分で今後どうするべきかを決めておきましょう。
寺院とのトラブル
寺院とトラブルになる多くは離檀についてです。離檀とは、これまでお世話になった寺院からお墓を撤去して檀家を離れることを言います。
離檀をするタイミングで、これまでお世話になったお礼の意味も含めて寺院に離檀料5万円~20万円程度包むのが一般的とされています。
この離檀料を支払うタイミングで、寺院から高額な請求をされてトラブルに発展する場合があります。
寺院は、檀家からの費用をお寺の修繕費や衣服代に使用しています。檀家が少なくなるということは、そこにかけられる費用が少なくなるということでもあります。
トラブルを避けるためにも、離檀する場合はその旨だけではなく、これまでの感謝の気持ちも一緒に伝えましょう。
石材店とのトラブル
改葬でお墓を撤去する場合は、石材店にお墓の撤去・処分を頼む必要があります。
そこで石材店から高額な請求をされてトラブルに発展するケースがあります。
お墓にかかる撤去・処分の費用は、お墓の大きさや立地によって大きく変動します。
作業方法によって費用に変動ありますが相場は、1㎡あたり8万円~15万円と言われています。
お墓の撤去費用は、言い値の部分もあるため事前に見積もりをもらい複数の石材店から比較検討をしましょう。
改葬時のトラブルについて詳しく知りたい人は以下の記事をご覧ください。
改葬を行う理由は何?メリットを解説
最近「改葬」をする人が増えている理由は何なのでしょうか?
「継承者がいない」というものがよくある理由です。独身者の増加や、少子高齢化というのが要因でしょう。
また「お墓が遠くて、維持管理が大変」という声もよく聞かれます。近年では、大学や就職のタイミングで生まれ育った町を離れて都会に行く人が増えたため、先祖代々継承してきた「お墓」をそのまま維持管理するのに苦労する人が増えているようです。
他にも「お寺との関係維持が困難」といった意見もあります。
詳しく知りたい人は、全国石製品共同組合による”墓じまい”についてのアンケート調査結果をご覧ください。
メリット①自宅から近い場所に新しいお墓を設ければ、頻繁にお墓参りができる
お墓が身近になれば、自然とお墓参りの頻度がアップするでしょう。 お盆やお彼岸だけではなく、命日や家族にとって大事な日にお墓参りに行ければ、より故人を近く感じられます。
メリット②今のお墓を無縁墓にしなくて済む
遠すぎてお墓参りになかなか行けないと、草ばかりの荒れ地にしてしまうかもしれません。 改葬して頻繁にお墓へ通うようになれば、無縁になるのを防げます。
メリット③今のお墓の管理者に年間管理費を支払ってゆく必要がなくなる
今のお墓に対して年間管理費を支払っている場合がほとんどでしょう。 改葬を行えば、めったに行かないお墓のために管理費を支払わなくてよくなります。
メリット④次の世代がお墓のことについて悩まなくてよくなる
遠いお墓をそのままにしておけば、いずれ代替わりをして、子世代がお墓について悩むことになるでしょう。 「親がなんとかしておいてくれればよかったのに」などと言われずに済みます。
改葬は、自分のライフスタイルにお墓のほうを引き寄せてくるための方法です。 お墓が近くにあれば、自分も次世代も安心でき、先祖も手厚く供養することができます。
改葬は、お墓を無縁にしてしまわないための、有効な方法として注目されています。
お墓の引越し心配事は何?デメリットを解説
お墓の引越しには、デメリットもあります。主なデメリットは、以下の4点です。
デメリット①撤去費用がかかる
お墓の撤去には、1㎡につき10万円から15万円ほどの費用がかかります。
しかし、もし今後無縁仏になってしまう可能性があるならば、お墓の撤去は残された人ができるとよいのではないでしょうか。
デメリット②新しいお墓を建てるための費用がかかる
一般的なお墓を買うなら、200万円ほどが相場です。 もっとも、納骨堂や永代供養といったな方法も最近では増えてきています。
デメリット③菩提寺に離檀料(檀家をやめるための費用)を支払わなければならない可能性がある
菩提寺には、今までお世話になったお礼として20万円程度のお布施をするのが一般的です。 しかし、檀家を離れてほしくないお寺から、膨大な離檀料を請求される例も、まれにあります。
デメリット④親族を説得するのが難しい場合がある
先祖代々のお墓を移すことに、抵抗を感じる親族もいるでしょう。 目上の存在である年配者を説得するのは、骨の折れることです。
改葬のデメリットは、主に金銭的なことと、周囲の人を説得させることが大変だということに尽きます。
とくに人間関係のトラブルに陥ると、後を引く問題になってしまいます。 できるだけ円満にことを運ぶことはできないものでしょうか。
お墓の引越しを検討している方
お墓の引越し先、その種類はさまざまで、種類ごとの特色は全く異なります。
- 自分に適切な納骨先がわからない。
- 新しい納骨先の探し方がわからない。
- お墓選びで注意するべきポイントがわからない。
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改葬費用を抑える方法は?改葬後の新しい供養先
この章では、お墓の引越し先として増えている、一般墓以外の選択肢について解説します。
お墓の引越しで、必要となる費用に特に差があるのが「新しい納骨先の費用」です。 よって、できるだけ引越しの費用を抑えたい、という方は「費用を抑えられる納骨先」を検討することが一番です。
費用が抑えられる納骨先とは、永代供養墓、納骨堂、樹木葬などです。費用は一般墓と比べて、半分から10分の1程度までに抑えることができます。
また、筆者おすすめの供養法を使えば、数万円で先祖の供養を叶えることもできます。
管理を一括で任せられる永代供養墓
一般墓のように、家族がお墓の管理をするのではなく、墓地管理者に管理を一括で任せられるお墓を、永代供養墓といいます。
永代供養墓を買えば、買った後に年間の管理料を支払う必要はありません。つまり、お墓の後継者がいなくても、また子世代がお墓参りに来られなくても、墓地の管理者がずっとお墓を守ってくれるということです。
永代供養墓には、2つのタイプがあり、それぞれ相場が違います。
- 契約期間中の数十年は個別のお墓の形で供養が行われ、後に他の人の遺骨と一緒に供養されるタイプ(100万円程度)
- 初めから他の人の遺骨と一緒に供養されるタイプ(30万円程度)
契約期間中の数十年は個別のお墓の形で供養が行われ、後に他の人の遺骨と一緒に供養されるタイプは、「個別墓つき永代供養墓」といった名称で販売されています。
また、契約期間は33年とするところが多いでしょう。亡くなってから33年目というのは、人が完全に仏となる節目であると考えられているためです。
一方、初めから他の人の遺骨と一緒に供養されるタイプは、 たんに「永代供養墓」や、「合祀墓」「合葬墓」「合同墓」といった名称で販売されています。
この場合、他の人の遺骨と混じってしまうため、あとから遺骨を取り出したいと思ってもできません。 注意したいポイントです。
さまざまな形式から選べる納骨堂
納骨堂といえば、「遺骨を一時保管する場所」というイメージが一般的でした。しかし 最近では、一般墓よりも安く買える「終の棲家」として、納骨堂を選ぶ人も増えています。
納骨堂にはさまざまなタイプがあり、それぞれ相場が違います。 手頃なものから並べてみましょう。
- ロッカー式納骨堂(50万円程度)
- 仏壇式納骨堂(80万円程度)
- 機械式納骨堂(100万円程度)
- 墓石式納骨堂(120万円程度)
ロッカー式納骨堂とは、コインロッカーのように並んだロッカーの中に遺骨を納める昔ながらのものです。
仏壇式納骨堂とは、小型仏壇の中に遺骨を納めるもので、位牌なども同時に供養できるメリットがあります。
機械式納骨堂とは、お参りスペースに遺骨が自動搬送されてきたり、スクリーンに遺影を映し出したりすることのできる近代的な納骨堂です。
墓石式納骨堂は、「屋根のあるお墓」のようなもので、建物内に墓石がずらっと並び、墓石の下へ遺骨を納めます。
納骨堂の費用・種類・特徴を比較!お墓との違いや注意すべき点とは?
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費用も安く新しいタイプの供養である樹木葬
新しいタイプの供養法として、樹木葬があります。
樹木葬とは墓石の代わりに樹木を墓標とするお墓のことで、墓石がないぶん、費用が安くなります。 樹木葬の相場は、50万円ほどです。
自然の中に葬られるエコなイメージ、明るいイメージから、人気急上昇中です。
費用が抑えられるお墓の引越し先について、紹介してきました。最後に「お墓の引越しをしたい!でも時間がない・・・」という人に向けて、お墓の引越し代行サービスについて紹介します。
時間がない人向け!改葬代行サービスの利用
改葬代行サービスとは、ごく簡単にいえば、「改葬にまつわるさまざまな手続きを、ご家族に代わって行うサービス」をいいます。
改葬には、時間とお金がかかります。しかしお金を使えば時間的な負担を大きく軽減することができますし、また時間や方法をかければ金銭的負担を大きく軽減することが可能です。
ここでは引越し代行の選び方についてそのポイント3つ紹介します。
改葬代行の選び方ポイント1 手順をどこまでやってくれるのか確認をする
ポイント1つ目は、「手順をどこまでやってくれるのか」の確認をしましょう。
お墓の引越し代行サービスを取り扱う業者は、それぞれの会社で「どこまでやるか」に違いが見られます。
たとえば、以下のような3つの異なる代行業者があります。
- 申請書類をすべて用意して、墓石の撤去から墓石の移設、ご遺骨の搬送、保管まですべて代行する
- 受入証明などはお客様にやってもらい、ご遺骨の移送だけを行う
- 各種申請書類はすべて用意する。ただし、納骨は行わない。墓石の撤去やご遺骨の取り出しは行えるが、これはオプション料金である
また上記に加えて、新しい墓地を探すのを手伝ってくれたり、法要を執り行ってくれたりするところもあります。
また、「さまざまなサービスを取り扱っているので、お客様のご要望に応じて必要なステップだけを代行する」としているところもあります。
「お墓の引越し代行サービス」といっても、業者ごとで違いが見られるので、このあたりはしっかりと確認しておかなければなりません。
引越し代行の選び方ポイント2 立ち合いが必要なのかを確認する
ポイント2つ目は、「立ち合いが必要か否か」を確認しましょう。
お墓の引越し代行サービスでは、「お客様の立ち合いを求めない」というところと、「原則として立ち合いが必要」としているところがあります。この部分も確認をしておきましょう。
「お墓を閉じる」ということを考えれば立ちあうのが理想的ですが、「そもそも非常に遠い所にいるので、立ち会うことが難しい。それが理由でお墓の引越しを考えた」という人は、業者にその旨を伝えるようにしてください。
引越し代行の選び方ポイント3 書類の用意もしてくれるのか確認をする
ポイント3つ目は、「書類の用意もしてくれるのか」を確認しましょう。
「どこまでやってくれるかには違いがある」としましたが、書類を用意してくれるかどうかも業者によって違いがみられます。
書類は、元あるお墓の所在地に実際訪れなければいけないこともあります。そのため「極限まで手間を軽減すること」を目的とするのであれば、書類一式も用意してくれるお墓の引越し代行サービスを選ぶべきでしょう。
ただし、「書類の代行ができると謳っているところはあるが、あまりおすすめはしていない。行政書士などが行うのであれば問題はないが、そうではない場合、不備が出たら再度の手続きが必要になるからだ」としているところなどもあり、このあたりも慎重に考えなければなりません。
まとめ
この記事では、改葬の流れや手続きの内容についてお伝えしました。
ここまでの内容をまとめて紹介します。
改葬:今あるお墓の遺骨を取り出し、新しい供養先に移動させること
改葬にかかる費用:平均して100万円~250万円
改葬の流れ
①関係者と話し合い理解・納得を得る
②新しい供養先を確保する
③墓じまいの手続きを行う
④ご遺骨を取り出す
⑤新しいお墓に納骨する
改葬のトラブル:親族や寺院、石材店とトラブルになる可能性があるため事前に話し合う必要がある
改葬を行うメリット
メリット①自宅から近い場所に新しいお墓を設ければ、頻繁にお墓参りができる
メリット②今のお墓を無縁墓にしなくて済む
メリット③今のお墓の管理者に年間管理費を支払ってゆく必要がなくなる
改葬のデメリット
デメリット①撤去費用がかかる
デメリット②新しいお墓を建てるための費用がかかる
デメリット③菩提寺に離檀料(檀家をやめるための費用)を支払わなければならない可能性がある
デメリット④親族を説得するのが難しい場合がある
改葬に必要なのは、何より周囲からの快諾であることがおわかりいただけたかと思います。 費用的なことでいえば、一般的なお墓を新しく買うならかなりの額にのぼりますが、工夫次第で節約できます。
遠くにお墓がある人は、無縁墓になる前に改葬を行うことが、今の世代の自分の務めと考えましょう。
監修者コメント
監修者
終活・葬送ソーシャルワーカー
吉川美津子
「お墓の引越し」とは、正確には「遺骨を取り出して別の場所に移動する作業」までの一連の流れを指しますので、遺骨の引越しといったほうが適当かもしれません。これを墓地埋葬等に関する法律(墓埋法)では、改葬といいます。ひとつのお墓に数人分の遺骨が納骨されている場合は、改葬件数は、その遺骨の分だけすべてカウントされます。
(なお分骨は、ひとりの遺骨の一部を分けるという考え方になるので、法的には改葬とは異なる位置づけになります。)
近年、「遠方のお墓を守っていくことが難しい」「お墓を継ぐ人がいない」等の理由で、改葬を考える人が増えています。新規墓所の選定や、親戚や寺院との話し合い等、クリアしなければいけない課題が多いため、決して楽な作業ではありませんが、先祖や供養について改めて考える良い機会にもなるでしょう。弔いの文化をどのように次世代へつないでいくか、これを機に考えてみてはいかがでしょうか。
墓じまいを検討されている方
- 墓じまいはどこに相談するのかわからない
- 複雑な事務手続きをやりたくない
- 墓じまいにいくら必要なのか知りたい
親族や知人などに墓じまいを経験した人がおらず、不安に感じる人もいるかと思います。
また、今あるお墓を片付けることに抵抗感がある方もいるかもしれません。
しかし、大切なのはお墓をきちんと片付け、あとの供養に繋げていくことです。
ライフドットでは、墓じまいの複雑な事務手続きの代行、新しい墓地・霊園への引越しの提案までサポートします。
墓じまいで悩まれている方は、まず一度ライフドットにお問い合わせください。