【墓じまい】アイキャッチ画像

この記事は「墓じまい」について、以下のような疑問解消に役立ちます

  • そもそも墓じまいとは何?意味は?
  • 墓じまいに必要な費用はいくら?
  • 墓じまいのメリット・デメリットは?
  • 墓じまいのトラブルに巻き込まれたくない

墓じまいとは、今あるお墓を解体・撤去し、別の形で供養することです。

近年「墓じまい」という言葉は非常に注目されるようになってきています。

その背景には、「お墓の継承者がいない」「遠方に住んでいて満足にお墓参りができない」といった人が増えていることが挙げられます。

しかしこの墓じまい、もちろん費用はかかりますし、事前知識がないとトラブルに巻き込まれてしまうこともあります。

そこでこの記事では、墓じまいについて費用相場・メリットやデメリット・事前に知っておきたいトラブル事例などを徹底的に解説しています。

記事を読んでいただけたら、墓じまいをする・しないの判断がつくことはもちろんのこと、墓じまいをトラブルなくスムーズに進められるようになるでしょう。

墓じまいを検討されている方

  • 墓じまいはどこに相談するのかわからない
  • 複雑な事務手続きをやりたくない
  • 墓じまいにいくら必要なのか知りたい

墓じまいを何度も経験したことがあるという方は少ないため、不安に感じる方もいるかと思います。
また、今あるお墓を片付けることに抵抗感がある方もいるかもしれません。
しかし、大切なのはお墓をきちんと片付け、あとの供養に繋げていくことです。

ライフドットでは、墓じまいの複雑な事務手続きの代行、新しい墓地・霊園への引越しの提案までサポートします。
墓じまいで悩まれている方は、まず一度ライフドットにお問い合わせください。

墓じまいとは?意味を解説

砂利が敷き詰められている墓地の区画

墓じまいとは何かというと、「今あるお墓を解体・撤去し、別の形で供養すること」です。

例えば、今ある墓石を撤去して、永代供養のお墓に移すこと。今ある墓石を撤去して、別の地域に新しい墓石を建てること。これらは全て「墓じまい」と捉えられます。

時々、墓じまいの意味を「墓石を撤去すること」のみで考える方がいらっしゃいます。しかし、元々のお墓に埋葬されていたご先祖様のご遺骨を、そのまま処分するわけにはいけません。

そのため墓じまいは「別の形で供養する」という意味が含まれていることも理解をしましょう。

「墓じまい」という言葉の響きから、あまり良い印象を持たれない方もいらっしゃるかもしれません。しかし、この「別の形で供養する」ことからわかる通り、墓じまいとは、お墓を片付けて先祖を供養する場所を整えるというプラスなことなのです。

【まず知りたい】墓じまいの費用と大まかな流れ

まず初めに墓じまいに必要な費用と、墓じまいの大まかな流れについてご紹介します。

墓じまいの費用はどれほどかかる?

墓じまいの費用は、条件によって大きく異なります。

内訳は大きく分けて2つ「墓石を撤去するのにかかる費用」 +「新しい納骨先にかかる費用」といえるでしょう。

墓じまいの費用内訳(墓石の撤去+新しい納骨先の購入)

それぞれの相場を解説します。 

①墓石の撤去にかかる費用

墓石の撤去にかかる費用相場は、比較的わかりやすく、以下のようになっています。

墓石を撤去するのにかかる費用
撤去工事費:8万円~15万円 / 墓地面積1㎡あたり
閉眼供養 :3万円~10万円
行政手続き:~3,000円
合計 20万円~40万円ほど(墓地面積2㎡の場合)

墓地面積が2㎡の場合、20万円~40万円ほどが相場でしょう。

この中で費用の割合を最も多く占める「撤去工事費」は、墓地の区画面積に比例して決まります。ご家庭の墓地面積を当てはめて考えてみてください。

②新しい納骨先にかかる費用

新しい納骨先にかかる費用は、納骨先のお墓の種類によって大きく異なります。

ここでは、墓じまい後の納骨先として多いお墓の種類の費用相場をまとめました。

お墓の種類 費用相場
永代供養墓(合葬墓) 10万円~30万円
樹木葬 70万円~150万円
納骨堂 50万円~100万円
散骨 3万円~30万円

永代供養墓(合葬墓)や散骨であれば費用は抑えられる傾向にあります。ただ樹木葬・納骨堂の場合、100万円をこえるものも出てきます。

墓じまい後の納骨先には、永代供養墓(合葬墓)を選ぶ方が多いです。費用が安価で、お墓の維持・管理を霊園管理者に任せられることが理由です。

寺院墓地の墓じまいをする場合「離檀料」が追加で必要

加えて寺院墓地のお墓を墓じまいする場合、「離檀料」を支払うことが一般的です。

相場は10万~20万円(通常のお布施の2~3倍)と言われています。

墓じまいするお墓がお寺にある人は、離檀料の存在を把握しておきましょう。

以上、墓じまいの費用相場の全体像をお伝えしました。費用についてより詳しくは、この記事の「墓じまいの費用相場|内訳と費用を安くするためにできること」の章をご覧ください。内訳の細かい部分まで紹介しています。

次に、墓じまいはどのような手順を踏んで進められるのか?ということを見ていきましょう。

墓じまいを進める手順

墓じまいは大まかに以下の5つの手順で進められます。

ステップ1:関係者の理解・納得を得る

そのお墓に訪れる可能性のある親族や、お墓の管理人・お寺に墓じまいをする旨を相談します。関係者の理解・納得が得られて初めて墓じまいを進めることができます。

ステップ2:新しい供養先を確保する(1~3か月)

次に墓じまいをした後、遺骨をどうするかを決めます。様々あるお墓の種類から、最適なものを選びましょう。

ステップ3:墓じまいの手続きを進める(約1か月)

新しい納骨先が確保できたら、墓じまいの手続きを進めます。決して多くはありませんが、いくつか行わなければならない行政手続きがあります。

ステップ4:ご遺骨を取り出す(約1か月)

新しい納骨先が確保でき、手続きが完了したら、遺骨を取り出します。遺骨を取り出したら、墓石の撤去・解体工事をしてもらいます。

ステップ5:新しい埋葬先に納骨する

遺骨を取り出せたら、新しい納骨先に遺骨を納骨し、墓じまいが完了します。

大まかな流れはご理解いただけましたでしょうか。より詳しくは、この記事の「墓じまいの具体的な流れ」の章をご覧ください。

墓じまいの費用・大まかな流れを掴んだところで、墓じまいのメリット・デメリットを見ていきましょう。まだ墓じまいをする・しないの判断がついていない方は、ぜひ参考にしてください。

墓じまいのメリット・デメリット

メリットとデメリットを考える男性

まずは墓じまいのメリットからご紹介します。

墓じまいのメリット

メリットは主に以下の4つです。

  • お墓の維持・管理負担がなくなる
  • お墓の継承者の負担が軽減される
  • 無縁仏を防ぐことができる
  • 墓地管理費の支払いがなくなる

メリット1:お墓の維持・管理負担がなくなる

墓じまいをすることで、お墓の維持や管理の負担がなくなります。
遠方にお墓がある場合、なかなかお墓参りに行けません。

お墓の掃除も満足にできず、雑草が生えて周りのお墓に迷惑がおよぶこともあります。
しかし墓じまいをすることで、そうした負担が軽減され、不安もなくなるでしょう。

メリット2:お墓の継承者の負担が軽減される

もしも将来お墓を継ぐ人がいない、子供がいたとしても女の子であったり居住地が離れていたりする場合、墓じまいすることで将来の不安が解消されます。

もしお墓がそのまま放置されてしまったら、ゆくゆくは子や孫が墓じまいをしなければなりません。

承継者の負担軽減の意味でも、いまのうちから墓じまいを考えてもよいのかもしれません。

メリット3:無縁仏を防ぐことができる

無縁仏とは、供養してくれる人がいない仏様のことです。

墓地を歩いていると、まれに草が生い茂って手入れが全くされていない無縁仏を見かけます。無縁仏にしてしまうことは、先祖に申し訳ない・顔向けできない気持ちを抱くことにも繋がります。誰もがなるべく避けたいと思いますよね。

墓じまいをすることで、そのような申し訳ない気持ちを拭うことができるでしょう。

メリット4:墓地管理費の支払いがなくなる

お墓を所有していると、必ず毎年の墓地管理費を支払わなければなりません。

墓じまいをすることで管理費の負担がなくなります。※墓じまい後、新しい遺骨の納骨先によっては、管理費が必要なところもあります。

では次に、墓じまいのデメリットをご紹介します。

墓じまいのデメリット

デメリットは主に以下の2つです

  • 墓じまいには費用がかかる
  • 親族・寺院とトラブルになることがある

デメリット1:墓じまいには費用がかかる

一番は、墓じまいにはお金がかかるということです。

お墓を撤去するには撤去工事をしてもらうための費用が必要です。また遺骨の新しい納骨先にも費用がかかります。このように、経済的負担がかかってしまうことは墓じまいのデメリットと言えるでしょう。

デメリット2:親族・寺院とトラブルになることがある

2つ目は、墓じまいを巡り親族や寺院とトラブルに繋がる可能性がある、ということです。親族とは墓じまいの意思疎通ができていなかったことによるトラブルが多いです。

お寺の場合は、寺院墓地の墓じまいをする人に限りますが、檀家関係を解消する時に「離檀料」を巡ってトラブルに発展することがあります。

墓じまいのトラブルについてより詳しく知りたい方は、この記事の「実際にあった墓じまいのトラブル事例」の章をご覧ください。

墓じまいに たたりはない

デメリットの話ではありませんが、「墓じまいをしたら祟りがあるのではないか」と心配される方がいらっしゃいますが、祟りは全くありません

むしろ管理できないお墓をそのまま放置しておくほうがよっぽど罰当たりな行為であると言えます。

墓じまいをすることで、しっかりと供養する環境を作ってあげることは、残された身として非常に立派な行為でしょう。

以上、墓じまいのメリット・デメリットをご紹介しました。

次の章では、墓じまいに向いている人・向いていない人のご紹介をします。自分が当てはまるかどうか、ぜひ見てみてください。

墓じまいに向いている人・向いていない人

お墓について考える夫婦

墓じまいに向いている人からご紹介します。

墓じまいに向いている人

墓じまいに向いている人は、以下のような不満・不安を持っている人です。

  • お墓を継ぐ人がいない
  • お墓と自宅の距離が離れておりお墓参りができない
  • お墓の管理が面倒でお墓参りをしていない
  • 子供に迷惑をかけたくない

実際に、墓じまいを実行した・又は検討している336名にアンケートをとったところ、墓じまいを検討する理由は以下のような結果となりました。

墓じまいをしたいor検討したい理由のアンケート結果(n=336)

上記に当てはまる人は、ぜひ前向きに墓じまいを検討してみてください。きっと墓じまいをして、これまで感じていた負担・先祖への罪悪感から解放されることでしょう。

墓じまいに向いていない人

反対に以下のような特徴を持つ方は、墓じまいに踏み切ることを少し考えた方が良いかもしれません。

  • 定期的にお墓参りに行っている人
  • 自分の子供に限らず、兄弟も含めてお墓を継承できそうな人がいる人
  • 先祖との繋がりを大切にしたい人

これらに当てはまる方は、本当に墓じまいをする必要があるか?考えてみてください。

墓じまいをしたことで、より快適にお墓参りができそうだとか、より先祖との繋がりが深まりそう、と考えられたら墓じまいに踏み切ってよいでしょう。

しかし、墓じまいをしなくてもお墓を維持できそう、自分の兄弟に相談することができそう、という方は、親族などとじっくり話し合ってみてください。もしかしたら自分にとっては通いづらいお墓でも、他の親戚にとっては通いやすいお墓である可能性もあります。

以上、墓じまいに向いている人・向いていない人はどんな人かをご紹介しました。

墓じまいをするか・しないか、納得して決めることはできそうでしょうか?もしも悩んでしまう・・・ということであれば、「ライフドットの墓じまい無料相談窓口(24時間対応)」にお気軽にご相談ください。お墓のプロが、皆さまのお悩みに寄り添って話を聞かせていただきます。

次の章からは、実際に墓じまいをしたいとお考えの方に、墓じまいの費用の詳細・墓じまいの具体的な流れ・未然に防ぎたいトラブル事例などについて丁寧に紹介していきます。

墓じまいの費用相場とその内訳

墓じまいの費用は、条件によってかなり変わります。費用の内訳は大きく2つ、「墓石の撤去にかかる費用」 +「新しい納骨先にかかる費用」  に内訳されます。 

墓じまいの費用内訳(墓石の撤去+新しい納骨先の購入)

ライフドットが集計したアンケートによると、「墓石の撤去にかかる費用」と「新しい納骨先にかかる費用」を合わせた墓じまいの費用は、以下のような結果が出ています。

墓じまい(ご遺骨の処理含む)にかかった費用は?(n=76)

※実際に墓じまいをした20代~70代の男女76名にとったアンケート

50万円以下に抑えている人が全体の25%強を占めており、150万円以下に抑えている人が全体の60%を占めていることがわかります。

しかし中には300万円以上費用をかけている人もおり、費用には差があることもわかりますね。

なおアンケート結果についてより詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

それでは、墓じまいの費用の内訳「①墓石の撤去にかかる費用」 と「②新しい納骨先にかかる費用」について、詳しくご紹介します。

①:元あるお墓の撤去に必要な費用

墓石の撤去に必要な費用は以下の通りです。

墓石を撤去するのにかかる費用
撤去工事費:8万円~15万円 / 墓地面積1㎡あたり
閉眼供養 :3万円~10万円
行政手続き:~3,000円
合計 20万円~40万円ほど(墓地面積2㎡の場合)

項目をひとつづつ詳しくご紹介します。

墓石の撤去工事代

墓地による解体撤去工事の費用です。石材店に依頼します。墓石の大きさ、墓地の広さ、撤去工事の作業方法などによって費用は異なりますが、相場は1㎡あたり8万円〜15万円だと言われています。

たとえば、墓地の幅が2メートルで、奥行きも2メートルだとします。するとこの墓地の面積は4㎡で、相場を当てはめると、28万円〜60万円という単純計算ができます。

ここまでの開きがあるのは、石材店によって金額設定に差があるということです。 

しかしこれはあくまでも目安です。墓石の撤去は石材店に依頼し、ひとつひとつの案件で見積もりをしてもらう必要があります。しかしあまりにも相場とかけ離れた金額を提示された場合、その石材店に依頼をするのはやめましょう。

正確なお墓の撤去工事費を把握するには・・・

正確な工事費の見積もりを出すには、工事業者(石材店)が実際霊園に出向いて状況を確認する必要があります。そのため、具体的には以下の項目を石材店に伝えなければなりません。

  • 元の墓石がある霊園・寺院名と所在地
  • 元の墓石がある区画番号、又は場所がわかる情報(例:入って左手の水場の前)、墓石に彫刻された文字など。※スマホで撮影した写真でも概算見積もり可能なこともあります。

基本的には、お墓を建立した時の石材店に相談をすると良いでしょう。また【ライフドットの墓じまい】は全国の墓じまい可能業者と提携しています。ご希望いただけたら全国対応いたします。

墓石の撤去代に影響するものとして、以下の項目があります。

石塔や石製品の解体撤去費用

石塔、霊標、灯籠、根石(巻石)、玉垣など、お墓はさまざまな石の部材の組み合わせでできています。まずはこれらの石塔や石製品を解体撤去します。

石は大変重いものなので熟練の職人でないと墓じまいはできません。さらに、両隣や後ろにお墓が隣接している場合は、それらを絶対に傷つけてはならないために作業は慎重を要します。

解体撤去の費用は、それぞれの石のボリュームによって値段が増減します。石塔ひとつとっても、仏石の横幅が8寸の小さいものもあれば1尺のように大きなものもあります。

もしも墓地の中に石塔が2つ、3つと複数ある場合は、それらの費用も加算されます。また根石も墓地の面積によっては短いものから長いものまであるので、こうした石のボリュームが費用に大きく影響します。

石塔や石製品の処分費

解体撤去した石塔や石製品は、産業廃棄物として処理されます。多くの石材店は自社で石材を処分できないため、産業廃棄物運搬収集許可を得た専門業者に委託します。

回収された石材はリサイクル業者に移して、採石などに再利用します。石材を処分するにはこうしていくつかの専門業者が入らなければならないために、各方面へのコストがかからざるを得ないのです。

コンクリート基礎の解体・残土の処分・整地化

石塔を解体し、根石を外してみると、墓地の中に敷き詰められた玉砂利や採石、あるいは土が出てきます。さらにそれらをも解体すると、墓地を頑丈に支えた鉄筋コンクリートの基礎が出てきます。

古いお墓では土の上に石塔を置くだけというのもよくあるのですが、最近のお墓ではほぼ100%の割合で、鉄筋コンクリートの施行がなされています。
コンクリートと、その中に組まれている鉄筋も解体しなければなりません。

さらにはこれらの作業の中で出てしまった残土は、それぞれ、土、石(玉砂利)、コンクリートガラ、鉄筋に分類して処分に出します。
当然墓地の面積が広い方が、残土の量も増えてしまいます。

重機回送費

墓じまいの工事をする場合にはさまざまな重機やトラックを用意しなければなりません。
墓地によっては、地面を傷つけたり汚したりしないためにきちんとした養生を求めてくることもあります。
そうした費用も作業の中では必要になってくるのです。

閉眼供養のお布施

お墓を撤去する時には、閉眼供養をする必要があります。僧侶を招き、墓前で行うことが多いといえるでしょう。

閉眼供養(魂抜き)のお布施は3万円~10万円ほどが相場です。一般的には3万円~5万円が多いですが、これまで僧侶にお世話になっていたという方は10万円ほど渡す方もいます。

この他にも、「お車代」を包むとより丁寧な対応でしょう。お車代は追加で五千円程度です。

撤去するための手続き代

お墓を撤去し、別の場所に納骨するには、行政の手続きが必要となります。手続きには3枚の書類を準備する必要があり、それらを用意するために合計3,000円ほど必要となるでしょう。

必要な書類とかかる費用は以下の通りです。

  • ①改葬許可証(無料~500円)

改葬(墓じまいをして別の場所に納骨すること)を許可する書類

  • ②埋蔵証明書(400円~1,500円ほど)

「遺骨を確かに埋蔵していること」を証明する書類

  • ③受入許可証(400円~1,500円ほど)

「遺骨の受け入れ」を許可したことを証明する書類

以上、墓石の撤去に必要な費用についてご紹介しました。

次は墓じまいの費用の内訳2つ目、遺骨の新しい納骨先に必要な費用についてご紹介します。

②:遺骨の新しい納骨先に必要な費用

遺骨の新しい納骨先に必要な費用は、納骨先のお墓の種類によって大きく異なります。

遺骨の行き先として考えられるのは、永代供養墓(合葬墓)、樹木葬、納骨堂、散骨、手元供養、新しいお墓、お墓のお引越しなどです。

それぞれ費用の相場は以下の通りです。

永代供養霊前

永代供養墓(合祀墓)

10万円~30万円

霊園タイプ合葬型の樹木葬

樹木葬

70万円~150万円

清法山 東京徳純院 納骨堂の位牌型納骨堂施設

納骨堂

50万円~100万円

ここでは墓じまいをした後によく選ばれている「永代供養墓」「樹木葬」「納骨堂」の費用をご紹介します。

永代供養墓(合葬墓) 10万~30万円

合葬タイプの永代供養墓は、墓じまいをした後の納骨先として一番選ばれているものです。

他の人と一緒にお墓に入る合葬タイプの永代供養墓は、1体あたりの費用が10万~30万円ほどでしょう。また中には、安くて5万円ほどから納骨できる霊園もあります。

永代供養墓とは、ご家族に代わり霊園や墓地の管理者が、永代にわたって供養してくれるお墓のことです。なお永代供養墓には合葬だけでなく個別納骨のものもありますが、ここでは合葬の費用をご紹介しています。

樹木葬 40万~150万円前後

樹木葬とは、石ではなく樹木を墓標としたお墓のことです。従来の石のお墓に抵抗感がある人や、エコ志向の強い人たちに選ばれています。

樹木葬の中でも個別納骨タイプのものは40万円~200万円、合葬タイプのものは5万円~40万円ほどでしょう。

また樹木葬には市街地の霊園や寺院で行われる「霊園型」、自然の里山を利用した「里山型」があります。一般的に「里山型」の方が費用は安くなる傾向にあります。 

納骨堂 50万円~100万円

納骨堂とは、屋内に設けられた納骨施設で、中には「納骨壇」と呼ばれる遺骨を安置する施設が並べられています。

納骨堂の費用も、さまざまですが、使用する施設が簡素なものは安く、しっかりしたものであればそれなりに高くなります。

遺骨を収蔵するだけの「ロッカー型」だと20万円〜50万円、手を合わす仏壇部分と納骨が一カ所でできる「仏壇型」や、ビル一棟を納骨堂とした「マンション型」だと50万円〜100万円前後が相場です。

【+α】開眼供養のお布施が必要な場合がある

遺骨の新しい納骨先によっては、開眼供養のお布施が必要となります。開眼供養とは死者の魂をお墓に入れる儀式のことです。

開眼供養の費用相場は平均で3万円~10万円です。墓じまいをした後も、家族単位で個別に納骨する場合は、開眼供養をする必要があります。

以上、墓じまいの費用の内訳2つ目、「遺骨の新しい納骨先」に必要な費用についてご解説しました。
次の章では、その他ケースによって必要となる費用についてご説明します。

その他ケースによって必要になる墓じまいの費用

墓じまいで追加でかかることのある費用には以下の3つがあります。

    • 離檀料
    • 土葬のご遺骨を火葬する費用
    • ご遺骨を預かってもらう費用

それぞれどんな場面で必要となるのか、また費用相場はいくらか、解説します。

離檀料(寺院墓地の墓じまいをする場合)

離檀料とは、寺院と檀家関係を解消する時にお寺に支払うお布施のことです。よって元々お墓が寺院墓地であった場合、必要となる費用です。

※もしも元々のお墓が、自治体が運営する公営霊園や民間霊園にあった場合、離檀料は不要です。

扱いとしてはお布施の一種なので、金額に決まりはありません。離檀する時には用意する慣例があり、相場は10万円から20万円(通常のお布施の2~3倍)ほどと言われています。

土葬のご遺骨を火葬する(又は洗骨する)費用

珍しいケースではありますが、先祖代々古くからあるお墓を墓じまいする場合、完全な火葬がされていないお骨・又は土葬されたお骨が出てくることがあります。そのような場合、土が骨に残っているとバクテリアが付着していることがあります。そのため、専門の業者に洗骨(せんこつ)してもらわなければなりません。又は役所で再火葬することもできます。

洗骨には2寸~7寸の骨壺で2万円ほど費用がかかります。

火葬する場合は、自治体によって料金が異なります。名古屋市の場合は、市民であれば5,000円、それ以外の方であれば7万円です。再火葬をする場合は、役所に再火葬する旨を問合せ、手配をしてもらいましょう。 

またこのように洗骨や再火葬が必要なケースに直面した場合は、遺骨を取り出した際にお世話になった石材店に相談することをおすすめします。

ご遺骨を預かってもらう費用

ご遺骨を一時的に預かってもらえるサービスのことを「預骨(よこつ)」と言います。墓じまいをするとき、ご遺骨の新しい納骨先が決まり、手続きも終わり、撤去も完了した。しかしまだ新しい納骨先の準備が整っておらず、ご遺骨を家で保管しなければいけない・・・という事態が生じてしまうことがあります。そんな時に「預骨」を使う人が多いです。

預骨の費用は、月1,000円ほどが相場でしょう。

以上、墓じまいで追加でかかることのある費用について解説しました。思った以上に費用がかかるな…という印象を持たれる方は多いです。そこで、次の章では「墓じまいの費用を抑えるためにできること」について解説します。

墓じまいの費用を安く抑えるためにできること

お金と電卓

墓じまいの費用を抑えるためにできることは、以下の2つです。

  1. 新しい納骨先として合葬墓・手元供養・散骨を選ぶ
  2. 墓地を撤去する業者は複数見積もりをとる

①新しい納骨先として合葬墓・手元供養・散骨を選ぶ

まず一番は、新しい遺骨の納骨先にかける費用を安く抑えることです。墓じまいをする上で何よりも大きな金額が、この「新しい納骨先」に必要な費用です。

具体的な値段の違いは、以下の表の通りです。

供養のタイプ 値段の相場
永代供養墓(合葬墓) 10万~30万円
樹木葬 70万~150万円
納骨堂 50万~100万円
散骨 3万~100万円
手元供養 数千円~50万円
新しい墓石のお墓 100万~300万円

上記の表の中で、比較的安価な供養方法は以下の3つです。

  • 手元供養(数千円~50万円)
  • 散骨(3万円~100万円)
  • 永代供養墓/合葬墓(10万円~30万円)

これらを選ぶと、費用を安く抑えることができます。とはいえ、新しい納骨先のタイプは「費用」だけで決めるべきではありません。ご先祖様の納骨先は、もちろん親族の同意や、ご自身の納得の上、決めるべきことであります。

手元供養や散骨・合祀墓は、料金が手軽であることは確かです。しかしこれらを選んで後悔する方もいらっしゃいます。他の要素も複合的に見た上で、納得のいく納骨先を選びたいものです。

その点、2つ目にご紹介する「墓石を撤去する業者の選定」は、墓じまいの値段を抑えたい方全員がすべきことです。デメリットはなく、メリットしかありません。

②墓石を撤去する業者は複数見積もりをとる

墓じまいの値段を抑えるため、2つめにおすすめしたいことは、墓石を撤去する業者は複数の見積もりをとって決めることです。

3つの見積もりをとると、例えば以下のような返答をもらうことがあります。

  • A石材店:24万円
  • B石材店:26万円
  • C石材店:30万円

それほど大きな金額にはならないかもしれませんが、それでも1万円~5万円ほど費用が抑えられることは家計にとっては有難いことでしょう。

また墓石撤去業者の中には、金額を大幅に持って提示する業者もいます。そのため、必ず複数の業者から見積もりをとるようにしましょう。

【注意】閉眼供養のお布施は支払うべき

費用を抑えたいとしても「閉眼供養」はできる限り行いましょう。閉眼供養とは、墓石に宿っている仏様の魂を抜く儀式のことです。なぜ閉眼供養をするべきかというと、墓石を撤去する石材店の中には「閉眼供養」をしていない墓石を取り扱ってくれない場合があるからです。お墓を粗末に扱うことは罰当たりな行為である、という意識は多くの石材店の方が持っています。

以上、墓じまいの費用を抑えるためにすべきことについてご紹介しました。

ただ、それでも墓じまいの費用がどうしても支払えない・・・という方もいらっしゃるかもしれません。次の章ではも墓じまいの費用が支払えない場合の対処法についてご紹介します。

墓じまいの費用が支払えない場合の対応

様々な事情により墓じまいの費用がどうしても支払えない、という場合は以下の3つの方法を検討してみましょう。

  1. 親戚に相談しお金を出し合う
  2. メモリアルローンを組む
  3. 地域の自治体に相談をする

一つずつ詳しくご紹介します。

親戚に相談し家族でお金を出し合う

まず初めに、墓じまいをしたいがお金がない、ということを家族・親戚に相談をすることから始めましょう。もし兄弟がいるのであれば、兄弟でお金を出し合うこともできるでしょう。

一人で抱え込まず、まずは周りの人に協力を仰ぐ判断が賢明です。

メモリアルローンを組む

家族・親戚に相談してもどうしてもお金がない、という場合は「メモリアルローン」を検討してみましょう。

メモリアルローンとは、お墓・仏壇・葬儀などにかかる費用に利用することができるローンのことです。

審査が早く、スムーズに契約ができる特徴があります。ただ、やはりローンは組まないに越したことはありません。最終手段として考えましょう。

地域の自治体に相談をする

地域によっては、墓じまいの補助金制度を設置している自治体があります。

(例)千葉県市川市の市川霊園の助成制度 

1種 普通墓地 4平方メートル 24万円

4種 芝生墓地 2.5平方メートル 7.5万円

参照:市川市霊園一般墓地返還促進事業

すべての自治体に共通している訳ではありませんが、まずは自分の自治体を調べてみることをおすすめします。

たとえ助成制度がない自治体であっても、住民が金銭的な理由で墓じまいをせずにお墓を放置してしまわれては、自治体にとっても良くありません。適切な援助を提示してくれる場合もあるでしょう。

これまでで、墓じまいの費用については全てご解説いたしました。次の章からは墓じまいの具体的な流れを見ていきましょう。

墓じまいを検討されている方

  • 墓じまいはどこに相談するのかわからない
  • 複雑な事務手続きをやりたくない
  • 墓じまいにいくら必要なのか知りたい

墓じまいを何度も経験したことがあるという方は少ないため、不安に感じる方もいるかと思います。
また、今あるお墓を片付けることに抵抗感がある方もいるかもしれません。
しかし、大切なのはお墓をきちんと片付け、あとの供養に繋げていくことです。

ライフドットでは、墓じまいの複雑な事務手続きの代行、新しい墓地・霊園への引越しの提案までサポートします。
墓じまいで悩まれている方は、まず一度ライフドットにお問い合わせください。

墓じまいの具体的な流れ5ステップ

墓じまいをするためには複数の窓口に連絡をしなければなりません。大まかには以下の5ステップで進められます。

  1. ステップ1:関係者の理解・納得を得る
  2. ステップ2:新しい供養先を確保する(1か月~3か月)
  3. ステップ3:墓じまいの手続きを進める(約1か月)
  4. ステップ4:ご遺骨を取り出す(約1か月)
  5. ステップ5:新しい埋葬先に納骨する

一つひとつの手順について注意点など詳しくご説明いたします。

ステップ1:関係者に相談し、理解・納得を得る

中高年夫婦の相談を受ける終活カウンセラー

墓じまいを進める時は、必ず関係者に相談をして、納得・理解を得る必要があります。 

関係者とは、お墓に埋葬されているご先祖と関わりのある家族・親戚と、もとある墓地の管理者・僧侶のことです。

家族と言っても、自分の身の回りの家族・自分の兄弟だけではありません。必ずお墓に埋葬されているご先祖のご兄弟にも確認をとる必要があります。

またお世話になっている菩提寺がある場合は、僧侶に事前相談をしましょう。唐突に墓じまいの事実を伝えたら菩提寺とトラブルになった、という声はよく耳にします。

早めに相談することで、遺骨の引っ越し先についてもアドバイスがもらえるかもしれません。

一人だけで進めるのではなく、関係者の方にきちんと墓じまいをしたい理由や意図を伝えて、理解してもらいましょう。

なお、お寺の離壇をめぐることについてより詳しく知りたい人は、以下の記事をご覧ください。

ステップ2:新しい供養先を確保する(1か月~3か月)

位牌型の納骨堂

次に、ご遺骨の新しい供養先を確保しましょう。

墓じまいでは、墓地にある墓石を解体撤去するだけでなく、その中にある遺骨の引っ越し先を検討する必要があります。

永代供養墓なのか、納骨堂なのか、きちんと遺骨の引っ越し先を決めておきましょう。

選択肢によっては、供養できる状態になるまでに3か月以上かかることもありますから、新しい供養先は早めに検討をすることをおすすめします。とはいえ、新しい供養先の契約は、必ず関係者の了承を得た上で行いましょう。

以下に、供養のタイプと、供養するまでにかかる時間の目安をご紹介します。墓じまいを進める際の参考にしてください。

供養のタイプ 供養できるまでにかかる時間
永代供養墓(合葬墓) 契約して程なく~1か月
樹木葬 契約して程なく~2か月
納骨堂 契約して程なく
散骨 契約して程なく~1か月
手元供養 手元供養の方法により異なる
新しい墓石のお墓 1~3か月

墓じまい後の供養方法について、より詳しくは記事の後半で説明しています。今すぐ墓じまい後の供養先について見たい方は、「墓じまい後の供養|5つの方法を紹介」をご覧ください。

【コラム】ご遺骨を預けてもらえるサービス「預骨」がある

預骨とは、ご遺骨の一時的に預かってもらえるサービスのことです。

墓じまいをするとき、ご遺骨の新しい納骨先が決まり、手続きも終わり、撤去も完了した。しかしまだ新しい納骨先の準備が整っておらず、ご遺骨を家で保管しなければいけない・・・という事態が生じてしまうことがあります。

そんな時は「預骨」というサービスを利用して、ご遺骨を預かってもらうことができます。しかし「預骨」は一時預かり所であるため、あくまで一時的な対処であることは忘れないでください。

ステップ3:墓じまいの手続きを進める(約1か月)

手続きする人

関係者の了承が得られ、新しい供養先が決まったら、次は墓じまいの手続きを行います。

墓じまいの手続きとは、行政から墓じまい(改葬)の許可を得るための手続きです。

最終的に「改葬許可証」を入手すれば、行政手続きは完了となります。

※なお行政手続きは、各自治体によって異なることがあります。詳しくは、現在ご遺骨が納骨されている自治体にお問い合わせください。

一般的に、「改葬許可証」を発行するには、3つの書類が必要となります。

書類①:改葬許可申請書

「改葬許可申請書」とは、墓じまい(改葬)の許可を得るために必要な申請書です。この申請書を、その他必要書類と一緒に行政へ提出することで、「改葬許可証」を手に入れることができます。

「改葬許可申請書」の入手方法は、各自治体に問合せをするか、又は各自治体のHPからダウンロードしてください。

書類②:受入証明書

「受入証明書」とは、今あるお墓を撤去した後、新しく遺骨を受け入れてくれる場所があることを証明する書類です。「受入証明書」は新しい遺骨の受け入れ先で手に入れることができます。

書類③:埋葬証明書

「埋葬証明書」とは、現在、遺骨がお墓に埋葬されていることを証明する書類です。入手するには、今の遺骨の埋葬先の管理者(お寺に納骨している場合は僧侶)に、「埋葬証明書がほしい」と問い合わせましょう。 

書類①~③を提出し「改葬許可証」を入手する

  • 書類①:改葬許可申請書
  • 書類②:受入証明書
  • 書類③:埋葬証明書

上記3つの書類をそろえて、書類に必要事項を記入し、行政の窓口に提出します。以上一連の流れを行うと、「改葬許可証」が手に入り、墓じまいをすることが可能となります。


【注意】改葬許可証がないと改葬することができません!

改葬許可証は、墓じまいをした後、遺骨を納骨せず、手元供養にする場合は必要ありません。しかしそれ以外の手段(永代供養墓・樹木葬・納骨堂)で供養をする場合は必須となります。散骨をする場合、改葬許可証が必要か否かは業者・自治体によって異なります。

改葬許可証を手に入れるには、自治体・元の納骨先・新しい納骨先、3つの関係者とやり取りをせねばなりません。場合によっては実際訪問する必要も出てきますから、計画的に手続きを行いましょう。

また改葬許可証は、元のお墓を撤去・ご遺骨を取り出すときに必要です。撤去する日までには手元に改葬許可証があるようにしましょう。なお、改葬許可証は1霊あたり1枚必要です。よって、予めお墓に何人のご遺骨が埋葬されているか確認する必要があります。

詳しくは、各自治体又は「ライフドットの相談窓口」にお問い合わせください。

ステップ4:ご遺骨を取り出す(約1か月)

石を砕く石材店

墓じまいの手続きが済んだら、次は遺骨を取り出す段階に入ります。

ステップとしては以下の通りです。

石材店(施工業者)を決める

まず墓じまいをする石材店(施工業者)を決めましょう。寺院墓地や民間霊園の場合は石材店が指定されていることが多いようです。もし石材店が指定されていない場合、基本的にはお墓を建てたときに依頼した石材店に相談をするスムーズでしょう。

また納得感をもって石材店を決めたい方は、費用を比較するため2~3社で相見積もりすることをおすすめします。

閉眼供養をしてもらう

墓石を解体撤去するには、必ず寺院に閉眼供養(へいげんくよう)をしてもらいましょう。読経していただくお坊さんにはお布施を納めます。

墓石には、仏様やご先祖様の魂が宿っていると考えられています。撤去工事を行う前に閉眼供養を行うことで、墓石から魂を抜き、ただの石へと戻します。

また閉眼供養は必ず行いましょう。なぜ強くそう主張するかというと、閉眼供養をしないと業者が作業に応じてくれないためです。また閉眼供養をしないことで後悔が生まれてしまうこともあります。

閉眼供養について詳しくは「【墓じまいに必須】閉眼供養とは?目的・タイミング・費用を紹介」の記事をご覧ください。

また墓じまいの服装については「墓じまい・閉眼供養の服装は何が適切?マナーを徹底解説」の記事をご覧ください。

墓じまいの工事に立ち会う(任意)

施工業者に工事に入ってもらいます。また希望をすれば工事に立ち会うこともできます。現在お墓の工事に立ち会う人はそれほど多くはありません。しかし大切なご先祖様の遺骨ですから、丁寧に扱われているか、自分の目で確かめてみてもよいでしょう。

墓地を返還する

工事が終わったら、墓地を返還します。また毎年墓地に支払っていた管理費の支払いも、止めてもらっているか確認します。

また、よく問合せで「旧墓地の購入代金はどのように戻されますか?」という質問をいただきます。しかし、そもそも墓地は"借りる"という考え方であり、"買う"という考え方ではないのです。

よって、墓地を返還してからといって金銭が戻ってくるわけではありません。墓地の返還料を次のお墓のあてにすることはできない、ということは覚えておきましょう。

ステップ5:新しい埋葬先に納骨する

喪服と数珠 通夜のマナー

既存のお墓の撤去が済んだら、新しい引っ越し先にご遺骨を納めましょう。納骨の際には、改葬許可証を忘れずに持参しましょう。

以上、墓じまいの手順を解説いたしました。もう一度流れを軽くおさらいします。

  1. 関係者の理解・納得を得る
  2. 新しい供養先を確保する
  3. 墓じまいの手続きを進める
  4. ご遺骨を取り出す
  5. 新しい供養をする

    墓じまいをするイメージが湧きましたでしょうか。

    次の章では、墓じまいをした後の遺骨の供養方法について、ご紹介します。

    墓じまいをした後の遺骨の供養方法

    墓じまいをした後の供養方法として選ばれているものは以下のものが挙げられます。

    なお、墓じまい後の供養先を選ぶときには、永代供養がついているかどうか、を必ず確認しましょう。

    永代供養とは、お墓の維持・管理を墓守に代わって霊園管理者・お寺がしてくれるシステムです。永代供養のお墓であれば、また同じように墓じまいをする必要はありません。

    これからご紹介する供養方法は、基本的に「永代供養」がついているものが多いでしょう。ただし、まれに永代供養でない場合もあるので、検討している納骨先の情報は必ず確認しましょう。

    永代供養墓

    永代供養の霊廟

    永代供養墓とは、他人の遺骨と一緒に埋蔵する集合墓です。永代供養墓は合葬墓(がっそうぼ)とも呼ばれるお墓のことです。

    合祀(合葬)するため、埋葬後はお墓の管理や手間が一切かかりません。

    「永代供養墓」はこんな人におすすめ

    • 継承者がいない人
    • 複数のご遺骨を墓じまいし、納骨したい人
    • 墓じまいの納骨先の費用を安くおさえたい人
    • 個別で納骨する必要が無い人

    永代供養墓について、詳しくは以下の記事で紹介しています。

    樹木葬

    霊園タイプ合葬型の樹木葬

    樹木葬とは、お墓の目印を墓石ではなく樹木や花などの植物にしたものです。

    樹木葬は永代供養であることが多いため、継承者や管理費はかかりません。※タイプによっては管理費がかかるものもあります。

    「樹木葬」はこんな人におすすめ

    • 少しの間は個別で納骨したい人(すぐ他人と一緒に納骨されたくない人)
    • 自然に還りたい人

    詳しくは以下の記事で詳しく紹介しています。

    納骨堂

    位牌型の納骨堂

    納骨堂とは、ご遺骨を安置するための室内施設です。

    ただ遺骨を安置するだけのロッカー型や、礼拝ができる須弥壇型などがあります。

    「納骨堂」はこんな人におすすめ

    • 少しの間は個別で納骨したい人(すぐ他人と一緒に納骨されたくない人)
    • アクセスが良いところに納骨したい人

    納骨堂については、下記記事で詳しく紹介していますので参考にしてください。

    散骨する

    海洋散骨

    散骨とは、山や川や海に遺骨を撒くことです。主に海洋散骨が主流でしょう。散骨するには散骨業者に依頼をしましょう。散骨する際には必ず遺骨を粉末状にしなければなりません。

    「散骨」はこんな人におすすめ

    • 故人が海が好きだった人

    散骨に関しては、「散骨には許可がいる?マナーや手順を紹介」の記事でも詳しくご紹介しています。

    手元供養する

    手の中にあるハートのペンダント

    手元供養とは、遺骨のすべてまたは一部を自宅で保管することです。

    小型のオシャレな骨壺や、身につけておくことができる遺骨収容型のペンダントなど、最近はさまざまな手元供養商品が販売されています。

    「手元供養」はこんな人におすすめ

    • 故人を身近に感じたい人

    普段のファッションの邪魔にならないものが増えていますので、探してみましょう。 手元供養について詳しくは、「手元供養の種類や流れを紹介!故人を近くに感じられる供養法」の記事をご覧ください。

    別の場所で墓石のお墓を建てる

    心と刻まれている墓石

    こちらは、元ある墓石のお墓を撤去・解体した後、別の場所に墓石のお墓を建て、納骨する方法です。

    墓じまいをする理由が「お墓と自宅が遠く離れているから」という方は、この方法を取る方が多いです。また、別の場所に墓石のお墓を建てる場合、「墓じまい」ではなく「お墓の引越し」と呼ぶことがあります。

    以上、墓じまい後の新しい供養先についてご紹介しました。墓じまいをするからには、後悔のないように、それぞれの納骨先について情報収集をすることをおすすめします。
    次の章では、実際にあった墓じまいのトラブル事例を見ていきましょう。

    実際にあった墓じまいのトラブル事例5つ


    危篤の知らせを受ける女性 

    本章では、墓じまいをするときに実際にあった5つのトラブルをご紹介します。5つのトラブルは以下の通りです。

    1. 親族から苦言をていされてしまった
    2. 菩提寺から高額な離檀料を請求されてしまった
    3. 墓じまいの工事業者に費用をぼったくられるところだった
    4. お骨を取り出そうとしたら正体不明のお骨が出てきた
    5. 骨壺から水が漏れ、車の中が水浸しになってしまった

    未然に防ぐことができるトラブルもあれば、中には防ぎようもないトラブルもあります。それぞれ詳しく見ていきましょう。 

    事例1:親族から苦言をていされてしまった

    トラブル内容

    祭祀承継者である自分には跡取りがないため、墓じまいをして先祖の遺骨を永代供養にした。両親や夫には相談をしていたが、離れて住む父の弟は疎遠になっていたため、墓じまいのことを伝えていなかった。ある時電話をする機会があったので、墓じまいのことを伝えたところ、「お墓参りをしたかった」と激怒されてしまった。

    原因・アドバイス

    お墓をどのように維持・管理するかは、祭祀承継者の権限なので法的にはとがめられません。しかし、法律で割り切れる問題ではないことは言うまでもありません。

    お墓が家のつながりを象徴している限り、祭祀承継者はその役目として亡き人やご先祖様の供養だけでなく、周りの人たちのお参りの環境を整えてあげなければなりません。なぜなら、お墓をどのように管理するかは祭祀承継者の権限ですが、お墓参りの権利は誰にでもあるからです。

    この場合、墓じまいを実行する前に一言、墓じまいの旨を伝えていたらトラブルが防げたかもしれません。

    事例2:菩提寺から高額な離檀料を請求されてしまった

    トラブル内容

    田舎の菩提寺にある墓石を墓じまいして、都会の民間墓地永代供養をしてもらおうと思う。住職にそのことを伝え、改葬に必要な埋葬証明を求めたところ、離檀料150万円を支払わないと埋葬証明は認めない、と言われてしまった。交渉をしたところ50万円までは下げることができ、埋葬証明書も手に入った。とはいえそれでも高額なため、晴れない思いである。

    原因・アドバイス

    高額な離檀料を請求されてしまうケースの多くは、事前に住職に墓じまいの相談をしていなかった、あるいは墓じまいをする理由や背景をしっかりと伝えていなかった場合が多いです。

    先祖代々お世話になってきた菩提寺であるため、墓じまいの事実だけを伝えるだけでなく、前から相談をしておくべきだったのでしょう。

    しかし本来、離檀料とは菩提寺にこれまでお世話になったお礼を「お布施」としてお渡しするものです。そのため、気持ちよく渡せる金額であればよいのです。

    また、離檀料は法的には不要だと言われています。檀家関係を結ぶ際に、離檀について取り決めが記載されていたら話しは別ですが、基本的に法的効力はありません。

    もし菩提寺との関係がこじれ、墓じまいが思うように進まないのであれば、弁護士に相談するほかないでしょう。

    事例3:墓じまいの工事業者に費用をぼったくられるところだった

    トラブル内容

    お墓の撤去・解体してもらおうと、業者に電話をしてみた。すると3㎡あたり80万円という金額を提示された。元のお墓がある墓地は、立地も良く平坦で、決してお墓を解体する重機が入りにくいようなところではない。その割に予想以上に高い金額だったため不信感を覚え、他の石材店でも見積もりを取ることにした。その結果、A石材店は24万円B石材店は30万円という金額であった。危うくお金を騙し取られるところだった。

    アドバイス・解説

    お墓の撤去・解体費用は1㎡あたり8~15万円と言われています。中には、墓地が山奥にあり工事の重機が入らず費用が高騰する、お墓がある区画に大きな植物の根が張っており費用が高騰する、というケースもあります。しかし、特に費用が高騰する理由がない平坦な墓地であれば、3㎡あたり80万円は明らかに高い金額です。

    今回のケースでは、ユーザーさんは他に見積もりを取ったため騙されることはありませんでした。しかし、工事費の相場感覚が分からずそのまま支払ってしまった、というケースは少なからず存在します。

    よって、お墓を撤去・解体する時は、できる限り複数の石材店に見積もりを取りましょう。

    また見積もりの結果相場より費用が高い場合は、石材店になぜその費用になるのか理由を聞いてみましょう。誠実に理由を話してくれる石材店であれば任せられますが、もし曖昧に回答されるようでしたら、別の石材店を検討するべきです。

    事例4:お骨を取り出そうとしたら正体不明のお骨が出てきた

    トラブル内容

    ご遺骨を元のお墓から取り出す日、自分では3つしか把握していなかったご遺骨が、なんと全部で4つ出てきた。一つは正体不明の骨壺である。

    石材店に協力してもらい、再度自治体で改葬許可証を発行。正体不明のご遺骨も無事新しい供養ができた。

    アドバイス・解説

    古くから先祖代々のお墓がある場合は、今回のように正体不明のお骨が出てくることがあります。古い時代の遺骨については、火葬された焼骨かどうかを確認する必要があります。

    土葬の場合、土が骨に残っているとバクテリアが付着していることがあります。専門の業者に洗骨(せんこつ)してもらってから埋葬し直しましょう。また自治体に申請をすることで、遺骨の再火葬を行うこともできます。

    これらの手続きは、石材店や地方自治体に協力・相談をして進めましょう。

    事例5:骨壺から水が漏れて車の中が水浸しに

    トラブル内容

    お墓から取り出した骨壺を車の中に入れて運んでいたところ、骨壺の中から水が出てた。車の中も濡れてしまい、非常に焦った。

    アドバイス・解説

    骨壺は、墓石の「カロート」と呼ばれる納骨室に埋蔵されています。

    お墓の内部構造

    長年開けられていなかったカロートの中にある骨壺は、結露しやすいのです。中には雨水が入ってしまったのではないか、というほど水が溜まっていることもあります。

    よって骨壺を取り出した際は、一度蓋を開けてみましょう。もし水が染みていた場合は骨壺の中の水を捨て、外気でご遺骨を自然乾燥させるとよいでしょう。

    以上、ここでは5つの墓じまいのトラブルをご紹介しました。トラブルは事前に知っておくことでスムーズに対処できることもあります。墓じまいのトラブルをもっと知りたい!という方は、以下の記事をご覧ください。

    次の章では、墓じまい代行についてご紹介します。

    墓じまい代行でよりスムーズに

    墓じまいの増加に伴い、墓じまいの代行業者が増えています。特に多いのが行政書士による代行サービスです。

    しかし、代行依頼することで費用が発生します。もし依頼する場合は、何をどこまで行政書士に依頼するかは、冷静に考えましょう。

    墓じまいの代行サービスにかかる費用は次のようになります。

    • 墓石解体撤去の費用 約20万円~30万円
    • 新しい納骨先の費用 約20万円~50万円
    • 行政書士への手数料 約5万円~15万円

    墓じまい代行についてより詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

    相談事・お困りごとがございましたら、墓じまいの相談窓口「ライフドットの墓じまい」にお問合せください。

    ライフドットの電話相談バナー

    まとめ ~墓じまいをして満足した人は85%~

    以上墓じまいについて、メリット・デメリットから、費用相場・墓じまいの流れ・トラブル事例など、墓じまいをする方に知っていただきたいことを全てお伝えしました。

    墓じまいをする・しないの判断はつきましたでしょうか?

    また墓じまいをされる方は、不安が払しょくされましたでしょうか?

    ライフドットが集計したアンケートによると、墓じまいをして満足した人は86.8%という結果でした。満足している人の理由は、「お墓参りができなくて感じていた罪悪感がなくなった」「気持ちが楽になった」といったものでした。

    墓じまいをするかどうか悩んでいる、墓じまいをしたいが思うように進まない、という方は、ぜひ一歩踏み出し、家族やお寺さん・お墓の管理人さんなどに相談してみてはいかがでしょうか。

    なお、当サイトを運営するライフドットでも墓じまいに関する質問・相談を承っています。ライフドットの「墓じまい・お墓の引っ越し相談窓口」でへお気軽にご相談ください。

    お電話・WEBお好きなほうでお気軽でお気軽にご質問いただけます。墓じまいの見積もり依頼や、遺骨の引っ越し先のご相談も承っております。


    監修者コメント

    監修者
    終活・葬送ソーシャルワーカー
    吉川美津子

    遠方にお墓があって墓守をしていくことが難しい、継ぐ人はいるけれど女子なのでこの先守っていくことができるか不安、等の理由で、墓じまいを希望する人が増えています。

    墓じまいという言葉が数年前よりメディアで取り上げられるようになると、ますます墓じまい人気に拍車がかったような気がします。
    しかし、墓じまいをしたために、親戚や寺院とトラブルになるケースもめずらしくありません。
    また「案外費用がかかってしまった。墓じまいをする必要がなかった」と後悔してしまう人もいます。

    一度たたんでしまったお墓を元に戻すことはできません。
    「墓じまいをしなくてもいい方法はないか」という方法も考えてみましょう。
    最近では「墓守代行」等のサービスもあります。まとめて数年分の管理費等を払うほうが、墓じまいよりも割安になるケースもあります。

    墓じまいを検討されている方

    • 墓じまいはどこに相談するのかわからない
    • 複雑な事務手続きをやりたくない
    • 墓じまいにいくら必要なのか知りたい

    墓じまいを何度も経験したことがあるという方は少ないため、不安に感じる方もいるかと思います。
    また、今あるお墓を片付けることに抵抗感がある方もいるかもしれません。
    しかし、大切なのはお墓をきちんと片付け、あとの供養に繋げていくことです。

    ライフドットでは、墓じまいの複雑な事務手続きの代行、新しい墓地・霊園への引越しの提案までサポートします。
    墓じまいで悩まれている方は、まず一度ライフドットにお問い合わせください。