お墓を撤去して檀家(だんか)を離れるとき、離檀料(りだんりょう)が必要と聞くと、一体どのくらい払えばいいのか不安になってしまいますね。

テレビやネットなどのメディアで「離檀料をぼったくられた」なんて話を聞くと、ますます不安になることでしょう。
墓じまいをしたいと考えている人にとっては、とくに他人事ではありません。

この記事では以下のような疑問を解消!

  • 「離檀料の相場を知りたい。いくら払えば失礼にならない?」
  • 「多額の離檀料を請求されてしまったらどうしよう」
  • 「円満な檀家のやめ方を知りたい」

この記事では、以上のような疑問や悩みを持つ人のために、離檀料の相場やスムーズな檀家のやめ方について解説します。

また、離檀料を巡るトラブル事例や、もしトラブルに巻き込まれてしまった場合の対処法などもご案内しますので、檀家を離れる決心をしたときにも、落ち着いて行動に移すことができます。

墓じまいを検討されている方

  • 墓じまいはどこに相談するのかわからない
  • 複雑な事務手続きをやりたくない
  • 墓じまいにいくら必要なのか知りたい

墓じまいを何度も経験したことがあるという方は少ないため、不安に感じる方もいるかと思います。
また、今あるお墓を片付けることに抵抗感がある方もいるかもしれません。
しかし、大切なのはお墓をきちんと片付け、あとの供養に繋げていくことです。

ライフドットでは、墓じまいの複雑な事務手続きの代行、新しい墓地・霊園への引越しの提案までサポートします。
墓じまいで悩まれている方は、まず一度ライフドットにお問い合わせください。

離檀料の意味

離檀料とは、お寺の檀家を離れる際に納めるお金のことです。
離檀料は、今までお世話になったお礼の意味も含め、普段の法要のお布施などよりも厚く包むのが一般的とされています。

離檀料の支払い義務はない

離檀料は、寺院と契約書における取り決めを行っていなければ、支払いをする義務はありません。そもそも離檀料は、言い値で費用が決まるものであり、法律やルールが定められておらず曖昧な部分が多く残っているのです。
そのため、菩提寺の住職から強制的に支払いを強要されても、檀家側は断ることが出来ます。

このような話を聞くと離檀料を支払っている人が少ないように感じますが、全体でみると離檀料を支払う人の割合の方が多くなっています。

離檀料は、菩提寺の住職にお世話になった感謝の気持ちを伝えるものとなっているため、払う払わないは檀家側の気持ち次第です。
一度、自分達がこれまで菩提寺とどのように関わってきたのかを家族で話し合い、離檀料を支払うかどうか考えてみましょう。

永代供養のためのお金を離檀料と表現することもある

永代供養のためのお金を離檀料と表現することもあります。
永代供養とは、承継者ではなく霊園の管理者がお墓の管理や供養を行う仕組みです。

菩提寺が持っている供養塔などへ遺骨を引き取ってもらうと、先祖代々の遺骨は、菩提寺によって半永久的に管理・供養されることになります。つまり永代供養になるのです。

遺骨を永代供養してもらうために支払うお金は、通常「一体につき○万円」と具体的に決められています。
指定された料金のとおりに、またはお礼の気持ちで少しプラスして「御布施(おふせ)」として包むことで、離檀料を兼ねるのです。

閉眼供養のお布施をもって離檀料とすることもある

閉眼供養のお布施をもって離檀料とする場合もあります。
閉眼供養とは、お経によりお墓や仏壇から先祖の魂を抜いて、「お参りの対象」から「ただのモノ」にする儀式のことをいいます。

お墓を撤去する際には、閉眼供養を行うことが多いです。
閉眼供養の相場は、一般的な法要のお布施と同様で3万円~5万円程度と言われています。「今までお世話になったお礼も含めて」と、少しプラスして「御布施」として包むことで、離檀料を兼ねます。

墓じまいのお布施・閉眼供養について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

離檀料の相場

離檀料の相場は、5万円~20万円程度といわれています。
とはいえ、離檀料(お布施)の相場はあってないようなもので、自分と住職が納得がする金額であれば、相場通りでなくてもかまいません。

「自分の懐具合を考えると、5万円が限界」
「先祖代々、本当にお世話になったから、100万円でも足りないくらい」

どのような金額でも、感謝の想いを込めて渡し、住職にその気持ちが伝わればいいのです。

また、離檀料は、宗旨宗派や寺院によって大きく異なり、浄土真宗のお寺では離檀料が必要ないケースもあります。

そもそも浄土真宗では、檀家を門徒と言うため離檀料と言うことは少なくなっています。

離檀料について基本的な部分を押さえたうえで、次は離檀をする時に必要となる手続きについてご紹介します。

離檀で必要となる5つの手続き

曹洞宗のお寺

離檀の手続きは、言い直すと墓じまいや改葬(お墓の引っ越し)で必要となる手続きです。
具体的には、「改葬許可証」を新しく入る霊園や寺院に提出することで完了となります。

「改葬許可証」は法律で必要となる書類となっているため、墓じまいや改葬を検討している方は、必ず準備をしましょう。

墓じまい・改葬の手続きの流れは以下になります。

墓じまい・改葬の手続きの流れ

  1. 新しく入る霊園や寺院から「受入証明書」を発行してもらう
  2. 現在お墓のある市区町村の役所から「改葬許可申請書」を発行してもらう
  3. 現在お墓のある寺院から「埋葬許可証」を発行してもらう
  4. 改葬承諾書を発行してもらう(一部条件に当てはまる方)
    ※墓地の使用者と改葬申請者が異なる場合に発行してもらう書類
  5. ①~④の書類をお墓のある市区町村の役所に提出して「改葬許可証」を発行・提出する

手続き完了にかかる期間も人それぞれ異なっており、早くても2~3か月程度かかるため、余裕を持って行動しておきましょう。

墓じまい・改葬で必要となる手続きについて、より詳しく知りたい方は「墓じまいで必要な手続きまとめ!流れ・手順を5つのステップで紹介」の記事もご覧ください。

スムーズに離檀を行う3つのヒント

【浄土宗 お墓】アイキャッチ画像

スムーズに離檀を行うには、次の3つに気をつけましょう。

  • 離檀を切り出すときはこれまでの感謝の気持ちを伝える
  • 改葬時、離檀料のほかにかかる費用について知っておく
  • 親戚を味方につけておく

それぞれ説明します。

離檀を切り出すときはこれまでの感謝の気持ちを伝える

離檀を切り出すときには、ただ「檀家を離れます」と言うのではなく、これまでの感謝の気持ちを伝えましょう。

菩提寺は、今まで先祖代々の遺骨を守り、供養してきてくれたかけがえのない存在です。

ただ事務的に「○月○日、お墓を撤去します」と告げるだけでは、角が立ってしまいます。
その結果、住職側を感情的にさせてしまい、「離檀するなら離檀料を」と言わせてしまうかもしれません。

菩提寺側の心情も考え、感謝の気持ちをしっかり伝えることは忘れないようにしましょう。

改葬時、離檀料のほかにかかる費用について知っておく

離檀料のほかにかかる費用について知っておくと、どの程度の離檀料であれば納められるかが明確になります。

お墓の引っ越しをするには、離檀料のほかに次のような費用が必要です。

  • お墓の撤去料
    1㎡あたり10万円が相場です。

  • 閉眼供養のお布施
    3万円から5万円が相場です。

  • 新しいお墓のための費用
    一般的な継承墓であれば150万円から250万円ほどが相場です。
    永代供養墓や樹木葬など、やや求めやすいお墓の形もあります。

改葬時にかかる費用についてより詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。

親戚を味方につけておく

とくに、自分よりも高齢でお寺のことにも詳しい親戚を味方につけておくと、何かと助けになってくれます。

離檀を打ち明けに行くとき、連れて行くだけで、お寺側にきちんとした印象を植え付けることができます。

メディアを覗くと離檀料の暗い話題ばかりが飛び交っているように見えますが、トラブルになるのは、本当に極端な例ばかりです。

大半のご住職は事情を分かってくれますし、常識的ですから、必要以上に不安になることはありません。
ただ、高額な離檀料を請求されてしまったときの対処法を知っておけばさらに安心です。

離檀料をめぐるトラブル事例と対処法

危篤の知らせを受ける女性

離檀料を巡るトラブル例と対処法をご紹介します。
もし自分がその立場だったらどのように対処するのかも考えてみると良いでしょう。

離檀料の2つのトラブル事例

ここでは、実際にあった離檀料をめぐるトラブルを2つ紹介します。

トラブル①100万円を請求され遺骨を人質にされてしまったケース

週刊朝日に掲載されていた記事によると、東京都の60代後半の男性は、菩提寺に墓じまいを切り出したところ、離檀料として100万円を請求されてしまったとのこと。
支払えないと言うと、「墓の移転に必要な書類にハンコを押さないぞ」と脅されてしまいました。
「遺骨を人質にとられてしまったようなものです」と、男性は嘆いています。

出典:AERA.net「遺骨を人質に、100万円請求も…お盆に家族と考える『墓じまい』」

トラブル②「永代供養するなら一体30万円」の遺骨が8体で240万円

筆者が取材先で話を聞いたケースです。
70代の女性が、今にも泣きそうな顔で言いました。

「お墓を撤去して、先祖の遺骨を永代供養してほしいとお寺に相談したら、一体30万円と言われた。
8体あるので、240万円になるが、とてもそんな大金は支払えない」

永代供養の相場を考えると、1体30万円というのは特別多額ではありません。
この場合、お寺側が遺骨の数を把握せず、一般的な価格を言ってしまったかもしれないので、具体的な遺骨の数をお知らせしたうえで、もう一度ご住職に相談してみてはとお話ししました。

高額な離檀料を請求されたときの対処法

高額な離檀料を請求されたときでも、すぐに支払う必要はありません。次のように対処しましょう。

専門家へ相談する

法律の専門家に相談するのも一つの手です。
行政書士や司法書士、弁護士などに相談しましょう。
とくにご住職がかなり怒っていて、関係性の修復が難しい場合には、第三者を介するのが有効です。

このままでは無縁仏となってしまうことを訴える

離檀料を払わなければお墓を撤去させない、移転のための書類にハンコを押さないなどと脅されたら
「このままでは、誰もお墓参りに訪れず、無縁仏になってしまう」と訴えましょう。

承継者が不明となってしまう無縁仏は、昨今のお寺にとって非常に頭の痛い問題です。
お墓参りに訪れる人がいないので草が生い茂り、隣の墓地を使用している人からクレームが出てしまいます。

年間管理費が支払われないのでお寺にとって益がなく、承継者に連絡が取れなければ、更地にもできません。
つまり、お寺にとって何のメリットもない存在になってしまうと訴えるのです。

以上のように、いくつかの方法を組み合わせて、高額すぎる離檀料を支払うことのないようにしましょう。

まとめ

この記事では、離檀料の相場や離檀の手続き、トラブル例と対処法、スムーズな離檀の方法についてお伝えしました。

最後にこの記事のポイントをまとめます。

POINT!

離檀料の相場は、10万円から20万円程度。

とはいえ、決められている訳ではないので、自分が納得する金額を支払うことができたらよいでしょう。

浄土真宗では、離檀料が必要ない場合がある。

POINT!

離檀手続きの5つの流れ

  1. 新しく入る霊園や寺院から「受入証明書」を発行してもらう
  2. 現在お墓のある市区町村の役所から「改葬許可申請書」を発行してもらう
  3. 現在お墓のある寺院から「埋葬許可証」を発行してもらう
  4. 改葬承諾書を発行してもらう(一部条件に当てはまる方)
    ※墓地の使用者と改葬申請者が異なる場合に発行してもらう書類
  5. ①~④の書類をお墓のある市区町村の役所に提出して「改葬許可証」を発行・提出する

POINT!

スムーズに離檀を行う3つのヒントは

  • 離檀を切り出すときはこれまでの感謝の気持ちを伝える
  • 改葬時、離檀料のほかにかかる費用について知っておく
  • 親戚を味方につけておく

特に、「菩提寺にこれまでの感謝を伝えること」は非常に重要。

これら記事の内容をおさえれば、きっとスムーズに離檀できるでしょう。

不安な人は、お寺について詳しい親戚に相談し、助言を得ることをおすすめします。

この記事が、離檀を考えている皆さまにとって少しでも参考になれば幸いです。


監修者コメント

監修者
終活・葬送ソーシャルワーカー
吉川美津子

離檀料という言葉が注目されるようになったのは最近のことです。改葬件数が増え、墓じまいが話題になるようになり、その際のトラブル事例として離檀料問題がクローズアップされるようになりました。たしかに一部の寺院では、檀家を離れるにあたって、高額な離檀料を要求するといったケースもありましたが、多くの寺院では、「お墓を移動したい」と言えば普通に応じてくれると思います。ただ寺院は単なるお墓の管理人ではありません。

お寺では日々勤行が営まれ、供養の空間が完成されています。お墓をいう装置を通じて、ご先祖を供養しているわけですから、賃貸マンションのように書類一つで契約解除というわけにはいきません。礼を示す意味でも、お布施は法要の2~3回分程度、包んでお渡しすると良いでしょう。