【墓じまいで必須】閉眼供養とは?目的・タイミング・費用を解説

【閉眼供養】アイキャッチ画像

閉眼供養とは?徹底解説

  • 閉眼供養は魂を抜く儀式で、墓じまいや仏壇処分前に実施。
  • 墓じまい時に行う閉眼供養、お布施は大体3〜10万円。
  • 閉眼供養は祭祀承継者が主導し、僧侶手配や供え物準備が必要。
  • 閉眼供養は処分する側と業者のために行われる。

閉眼供養とは、仏様の魂を抜く儀式のことです。これまでお参りしてきた仏壇や、墓じまいをするときに行います。

お墓やお仏壇には仏さまやご先祖さまの魂が込められているため、処分の際には魂を抜く=閉眼供養をしなければならないのです。

この記事では、閉眼供養の目的やタイミング、必要な費用(お布施)について解説しています。
また、「閉眼供養って必ずしなければいけないの?」と思っている方に向けたアドバイスも紹介しています。

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この記事の目次

  1. 閉眼供養とは「仏さまの魂を抜く儀式のこと」
  2. 閉眼供養はいつ・誰が・何に対して行う?
  3. 閉眼供養のお布施
  4. 閉眼供養はできる限りすべきである!その理由とは?
  5. 閉眼供養の準備~当日の流れ
  6. 閉眼供養当日の持ち物・服装マナー
  7. 【コラム】何らかの事情で閉眼供養ができない時はどうしたらいい?
  8. まとめ
  9. 監修者コメント

閉眼供養とは「仏さまの魂を抜く儀式のこと」

お墓の前で読経する僧侶

閉眼供養とは、仏さまの魂を抜く儀式のことです。読み方は、「へいがんくよう」「へいげんくよう」。

その他、「魂抜き(たましいぬき)」「性根抜き(しょうこんぬき)」などとも呼ばれます。霊魂に対する考えの違いにより、浄土真宗では「遷座(せんざ)法要」や「遷仏(せんぶつ)法要」などと呼びます。

墓じまいや仏壇の処分の前には、まず寺院に閉眼法要をしてもらってから、作業に取りかかります。

お墓やお仏壇には、仏様やご先祖様の魂が込められていると信じられています。これらを移動や処分するときには、僧侶にお経を読んでもらうことで、中にいる魂を抜くことが慣例となっているのです。

閉眼供養の対になる言葉で「開眼供養(かいがんくよう・かいげんくよう)」というものがあります。これは仏像やお墓などの礼拝物に魂を込めるための儀式です。魂を込めるときは「開眼」、そして魂を抜くときには「閉眼」をします。

閉眼供養の目的

閉眼供養の目的は、お仏壇やお墓の中に込められている仏さまやご先祖様の霊魂を敬うことです。またそれをすることで家族の人たちが心に抱えるうしろめたさをケアしてくれる役割もあります。

お墓やお仏壇は、家族にとっても祈りや想いの込められた場所で、ただの「モノ」ではありません。また、これまでご先祖さまがつないできてくれたお墓やお仏壇を処分することにうしろめたさや罪悪感を覚える人もいることでしょう。

だからこそ、供養の専門家である寺院を招いて丁重に閉眼供養をすることで、家族は安心感を得ます。この安心感こそが、その後の弔いや供養に大きく影響していきます。

閉眼供養はいつ・誰が・何に対して行う?

供花が供えられた墓前で合わせている両手

閉眼供養は具体的にはどのように行われるのでしょうか。いつ、誰が、何に対して供養するのか、下の表に分かりやすくまとめました。

何に対して行うかお墓、仏壇、位牌、遺影、仏像など
いつ行うかお墓や仏壇を移動、処分する前
誰が行うか祭祀承継者(お墓や仏壇を見ていた人)

閉眼供養は「お墓」「仏壇」を前にして行う

閉眼供養は、お墓や仏壇など仏さまやご先祖さまなどの魂が込められたものに対して執り行われます。また、仏壇の中には入っていないものの、家族の趣味で蒐集した仏像や、ご先祖さまの遺影写真などに行うこともあります。閉眼供養をすべきか否か判断が付かない場合は、寺院に相談してみましょう。

閉眼供養のタイミング

閉眼供養は、墓じまいや仏壇の処分に先立って行われます。また、お引越しの時も一度そこにあるお墓や仏壇を片付けなければならないために閉眼供養を行います。

具体的なタイミングはさまざまですが、業者が作業に入る数日前に、寺院に来てもらって閉眼供養をしてもらうことが多いようです。なぜ当日にしないかというと、寺院の都合と業者の都合を合わせる手間が省け、また当日に慌ただしい思いをしなくて済むからです。
とはいえ、もちろん閉眼供養と墓じまいや仏壇の引き取り作業を同じ日に行っても構いません。

閉眼供養は祭祀承継者が進めます

閉眼供養は祭祀承継者、つまりお墓や仏壇を守ってきた人が務めるのが慣例です。とはいえ、お墓や仏壇はその人だけのものではなく、家族や親族全員がお参りする大切な場所です。だからこそ付き合いの深い親族には事前の相談をしておきましょう。

閉眼供養のお布施

【墓じまいーお布施】アイキャッチ画像

閉眼供養のお布施の相場は3万円から10万円程度だと言われています。また、包むべきものとして、お布施以外にもお車代があるので、あわせて用意しておくと丁寧です。

お布施は3万~10万円ほど

閉眼供養のお布施の相場は3万円~10万円と言われています。お布施とは、供養をしていただいた寺院に対する感謝の気持ちを形にしたものです、本来はその「気持ち」を包めばよいとしています。ですから、金額で悩んだときは、まずは寺院に相談してみましょう。

お車代は5,000円~1万円ほど

閉眼供養の時には、墓地や自宅まで足を運んでもらいます。その交通費としてお車代を包みます。

お車代は5,000円~1万円ほどです。こちらはお布施と別途必要になります。よほど遠方から来てもらうなどの場合は、交通機関や高速道路、ガソリン代など、実際にどれくらいの費用がかかるのかを調べた上で、お車代を準備しましょう。

お布施とお車代は分けて包むのが丁寧

お布施とお車代は分けて包むのが丁寧でしょう。というのも、お布施は供養に対しての謝礼であるのに対し、お車代は本来遺族がお迎えに行くところを包みに代えたものだからです。ただし、お寺によっては1つの袋にまとめてよいとするところもありますので、迷ったときは直接相談しましょう。

【Q&A】閉眼供養の対象(お墓・仏壇)によってお布施の相場は異なる?

供養の対象がお墓だから、あるいは仏壇だから、という理由で、お布施の額が変わるということはありません。

閉眼供養はできる限りすべきである!その理由とは?

閉眼供養は、できる限り行うことをおすすめします。その理由は下記の二点です。

  • 墓じまいや仏壇を処分する人の気持ちのため
  • 処分業者が依頼を受けてくれないことがあるため

一つ目の理由は、閉眼供養で、お墓や仏壇に込められているご先祖様の霊魂を抜くことができるからです。ただの石、ただの置物にして処分をすることで、後ろめたさが軽減されるのではないでしょうか。

墓やお仏壇の中には、仏様やご先祖様の霊魂が込められているとされています。霊魂は目に見えるものではありません。しかし、目に見えないからこそ、処分にあたって違和感や後ろめたさを覚えてしまうこともあります。

これまでご先祖様に向かって手を合わせていたのですから、処分するときも丁重に進めたほうが良いでしょう。供養の専門家による供養で、安心感を得ることができると思います。

そしてもう一つの理由について。

ほとんどの石材店・仏壇業者は、閉眼供養をしていないと処分してくれません。罰当たりを恐れて、親族間のトラブルに巻き込まれたくないなど理由はさまざまです。

多少の費用はかかりますが、これまでお世話になってお墓やお仏壇です。感謝の気持ちを伝えるという意味でも、閉眼供養をしてもらうことをおすすめします。

施主の判断や何らかの事情で閉眼供養ができない・・・という人は「【コラム】何らかの事情で閉眼供養ができない時はどうしたらいい」をご覧ください。

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閉眼供養の準備~当日の流れ

閉眼供養の準備や流れは、そう難しいものではありません。しなければならないことや当日の流れなどご紹介します。

まず、閉眼供養を執り行うためにどのような準備をしておかなければならないのでしょうか。事前に準備しておくべきことをひとつずつ見ていきましょう。

閉眼供養の事前準備の流れ

  • 僧侶・菩提寺の手配
  • お供え物、服装、日程の確認
  • 参列者(親族)への日程の連絡
  • お墓やお仏壇の掃除
  • お布施の準備

【準備1】僧侶・菩提寺の手配(遅くても2週間前)

閉眼供養をするには、何よりもまず先に僧侶にお願いしなければなりません。

急に依頼されると寺院も困ってしまいます。なるべく早めに連絡するのが望ましいでしょう。どんなに遅くても、2週間前までには連絡しておくことがマナーでしょう。

菩提寺がある人は菩提寺に連絡します。菩提寺や付き合いの寺院がない場合は、石材店や仏壇店に相談すれば紹介してくれるでしょう。最近では、インターネットでも寺院派遣のサイトがあるので、こちらを利用してみるのもよいでしょう。

【準備2】お供え物・服装・日程の確認(決まり次第すぐ)

法要当日に何を用意しなければならないかは、僧侶を手配する時にあわせて聞いておきましょう。通常のお墓参りではお花と食べ物(果物やお菓子)をお供えして、線香とローソクを灯します。その他、寺院によっては塔婆など、特別に用意しなければならないことがあるかもしれないので、直接聞いておくのがよいでしょう。

【準備3】参列者(親族)へ日程の連絡(決まり次第すぐ)  

日程が決まりましたら、すぐに参列してほしい親族に日程を伝えます。

ただし、開眼法要や年忌法要と比べて、閉眼供養には親戚を呼ばずに、家族だけで執り行うケースが多いようです。どこまで呼ぶべきかに決まりはありませんが、家族や親族、とくにお墓参りに来てくれていた人には声をかけてもよいでしょう。

【準備4】お墓や仏壇の掃除(供養の前日まで)

あらかじめ掃除しておくことで、閉眼供養当日に慌ただしい思いをしなくて済みます。これまでお世話になったお墓やお仏壇ですから、心を込めてきれいにしたいものです。時間に余裕があれば供養の前日までに済ませましょう。

【準備5】お布施の準備(供養の前日まで)  

当日僧侶にお渡しするお布施を用意します。お墓の閉眼供養の時は袱紗に包み、仏壇の閉眼供養で家の中で手渡すのであれば切手盆に載せて差し出しますので、あわせて用意しておきます。余裕を持って、供養の前日までに準備しておきます。お布施の相場は3万~10万円です。

閉眼供養の準備が整ったら、あとは当日を待つばかりです。閉眼供養当日はどのような流れで進んでいくのでしょうか。供養自体は30分~1時間程度で終わりますが、僧侶がやって来るまでに準備しておかなければならないこともあります。閉眼供養の準備から供養が終わったあとまでの、全体の流れを見ていきましょう。

閉眼供養当日の流れ

当日の流れは以下の通りです。

  • お墓や仏壇の掃除
  • 供花や供物を供える
  • 僧侶による読経
  • お参り?
  • 会食

【当日1】お墓の掃除

墓地に到着したらまずはお墓をきれいに掃除してあげましょう。これで最後になるとはいえ、これまでお世話になったお墓です。心を込めて掃除をします。墓石を拭くだけでなく、足元の雑草なども抜いておきます。

【当日2】供花・供物をささげる

お墓の掃除が終わったら、お供え物を捧げます。お供えものに決まりはありませんが、お花を1対供え、お菓子や果物などの供物もささげてあげましょう。お供え物の下には半紙を敷きます。線香やローソクは僧侶が来てから灯しますが、あらかじめ準備しておいて、その場の空気を清らかにしておくのもよいでしょう。

【当日3】僧侶による読経

僧侶がやってきたら、読経が始まります。基本的には僧侶の横で読経を聞いて一緒に手を合わせます。指示に従って、お焼香をし、墓石に水をかけます。 

【当日4】会食

閉眼供養が済んだら会食の席を設けますが、これは絶対にしなければならないというものではありません。

もしも親戚の参列があった場合には、おもてなしをするという意味でも場を設けておくと丁寧な対応となるでしょう。

閉眼供養の場合は、葬儀や法事と異なり、気心の知れた人たちだけが集まることが予想されるので、そこまで改まった懐石料理などにしなくてもよいでしょう。一人当たりの費用が1,000~2,000円程度の昼食で十分です。また、僧侶が同席しない場合は、お布施に加え、お車代、お膳料を手渡します。お車代、お膳料の相場は、それぞれ5,000~1万円です。

【当日5】墓じまい

もしも閉眼供養当日に墓じまいをするのであれば、石材店にそのまま作業に入ってもらいます。ただ、僧侶と石材店と施主の三者の都合を合わせなければならないため、日を改めて墓じまい工事にかかるのが慣例です。

墓じまい・改葬について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

次に、閉眼供養当日にお墓まで持っていかなければならないもの、さらには服装のマナーについてまとめました。

閉眼供養当日の持ち物・服装マナー

数珠と供花

まずは当日の持ち物についてご紹介します。

閉眼供養当日の持ち物

持ち物は以下の通りです

  • お布施
  • 供花・供物
  • ろうそく
  • 線香
  • 数珠

お布施

僧侶に渡すお布施を持参します。お布施の費用は3万円~10万円くらいと言われていますが、具体的な金額を知りたい場合は直接僧侶に尋ねてみましょう。のし袋は黄白や無地のどちらでも構いません。「御布施」あるいは「閉眼供養御礼」などと書きます。

お布施とあわせてお車代やお膳料も用意します。それぞれ5,000円~1万円が相場です。

袱紗も忘れないようにしましょう。お布施の袋は袱紗に包んで準備しておくだけでなく、僧侶に差し出すときに外して袋の敷物として用います。

墓じまい時のお布施について詳しく知りたい方は「墓じまいのお布施の費用相場|包み方・表書きについても解説」の記事をご覧ください。

供花・供物

お墓に供える供花や供物を準備します。お供えものに特に決まりはありませんが、もしもあなたが参列者として体裁を整えたお供えをしたいのであれば、包装やのしを掛けたものを準備しましょう。のし紙は黄白で「御供」と書きます。

ろうそく

墓前に灯すろうそくを用意します。

線香

墓前で焚く線香を用意します。また、参列者の人数が多い場合は焼香にすることもあります。

数珠

礼拝のときには必ず手に数珠を掛けます。

閉眼供養当日の服装

閉眼供養には特に親しい近親者だけが集まる傾向にあるため、服装にもそこまで気を使わなくてよいでしょう。あまり派手でない平服であれば充分です。それでも丁寧に供養をしたいと思うのであれば、一般的な喪服、いわゆる準喪服を着用します。

男性の服装

男性にとっての平服とは、黒や紺やグレーなどの落ち着いた色のスーツやジャケットのスタイルを指します。準喪服は一般的な喪服、ブラックフォーマルのことです。  

女性の服装

女性にとっての平服とは、男性同様、あまり派手でない色や柄のワンピースやアンサンブル、スーツなどです。準喪服は、黒のワンピースやアンサンブルです。

子供の服装

子供の服装も落ちついた色や柄のものにすれば、特に神経質になる必要はありません。制服があればそれを着用します。

墓じまい・閉眼供養で適切な服装が知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

【Q&A】宗教によって閉眼供養のマナーは異なる?

仏教以外の宗教では、閉眼供養をどのように捉えているのでしょうか。ここでは、神道とキリスト教の閉眼供養について、マナーとあわせて解説いたします。

神道

神道では、神社の宮司に来てもらって御霊抜き(みたまぬき)の祭礼を執り行っていただきます。御霊抜きに必要な道具は基本的には神社側で用意しますが、家族で用意しておかなければならないものもあるかもしれません。詳しくは事前に神社に確認しておきましょう。

服装などのマナーに決まりはなく、平服で構いません。また神道では数珠は用いません。

御霊抜きの謝礼(御玉串料)は、3万円~5万円が相場です。

キリスト教

キリスト教では、閉眼供養にあたる儀式は基本的にはありません。なぜなら、死後の魂は天に召されるものであり、地上の留まることはないからです。キリスト教にとってのお墓は、亡き人を供養するものではなく、想いを馳せるための「記念碑」なのです。

とはいえ、想いの込められたお墓の前でお祈りをすることで、家族の心に平穏が訪れるのであれば、神父や牧師を招いてお祈りを捧げてもよいでしょう。お近くの教会に相談してみましょう。

キリスト教でも、服装などのマナーに決まりはなく、平服で構いません。また、キリスト教でも数珠は用いません。

そもそも閉眼供養というしきたりがないため、謝礼の相場もないのですが、いくつかの教会に確認したところ、1万円程度でよいそうです。

【コラム】何らかの事情で閉眼供養ができない時はどうしたらいい?

危篤の知らせを受ける女性

もしも何らかの事情で閉眼供養ができない時は、どのようにしたらよいのでしょうか。

遠方や高齢で閉眼供養できない場合は「お寺に相談して石材店に立ち会ってもらう」

遠方や高齢で墓地まで行けない場合も、まずはお寺に相談してみましょう。家族の立ち会いがなくても閉眼供養だけしてくれるところもあります。また、家族が行けなくても石材店が家族の代わりに立ち会ってくれることもあります。

お金がない場合は「石材店やお寺に費用の相談をする」

墓じまいをするためには数十万円の費用がかかります。そのうちの数万円が寺院へのお布施です。石材店やお寺などに費用の相談をすれば、少しでも価格を抑えてくれるかもしれません。また、ローンなどの分割払いにも応じてくれるかもしれないので、まずは1人で悩まずに相談してみましょう。

無縁墓になった墓石は最終的には墓地管理者の費用負担で解体撤去がなされますが、膨大な手間と費用がかかります。自分たちのご先祖様が眠るお墓です。なるべく無縁墓にはしたくないものです。

お願いするお寺がない場合は「近隣のお寺に事情を話してみる」

閉眼供養をお願いするお寺がないのであれば、近隣のお寺に相談して事情を話してみましょう。閉眼供養だけでも応じてくれるところはあるでしょう。

もしもお寺の敷居が高いと思われるようであれば、石材店に相談すれば紹介してくれます。

最近ではインターネットでも寺院の紹介サービスがあるので、こちらも参考にしてみましょう。

まとめ

お墓には仏さまやご先祖さまの魂だけでなく、手を合わせてきた家族の想いも込められています。墓じまいにはうしろめたさがつきものですが、丁寧な閉眼供養をして、心を込めて、これまでの感謝を墓石に伝えたいものですね。

では最後に、この記事のまとめを箇条書きにします。

  • 閉眼供養とは、墓石や仏壇の中にある仏さまの魂を抜く儀式のこと。
  • 閉眼供養は、墓石や仏壇以外にも、位牌や仏像など魂が込められるものに対して行われる。
  • 閉眼供養は墓じまいや仏壇処分に先立って行われる。
  • お布施は3万円~10万円程度。そのうちお車代は5,000円~1万円程度。
  • 事前に準備しておくことには次のようなことがある。
    • 僧侶・菩提寺の手配
    • お供え物、服装、日程の確認
    • 参列者(親族)への日程の連絡
    • お墓やお仏壇の掃除
    • お布施の準備
  • 当日の流れは次にように行われる。供養そのものは30分~1時間程度で終わる。
    • お墓や仏壇の掃除
    • 供花や供物を供える
    • 僧侶による読経
    • 会食
    • 墓じまい
  • 当日持参するものには次のものがある
    • お布施
    • 供花・供物
    • ろうそく
    • 線香
    • 数珠
  • 親しい近親者だけが集まるので、あまり派手でない平服であればよい。
  • 神道では「御霊抜き」の祭礼を行う。
  • キリスト教では閉眼供養はないが、希望すれば現地でのお祈りをしてもらえる。
  • お願いするお寺がない、遠方や高齢で現地に行けない、お金がないなどの理由で閉眼供養ができないと思っている人も、まずは近くの寺院や石材店に相談すれば、なんらかの解決策を提示してくれる。

墓じまいをする中で閉眼供養を考えている人は、あわせて以下の記事をご覧ください。

新しい納骨先・仏壇の開眼供養については、以下の記事をご覧ください。

監修者コメント

監修者
終活・葬送ソーシャルワーカー
吉川美津子

墓石を建てたときには「開眼供養」、撤去するときは「閉眼供養」が行われます。必ずしなければ納骨できない、撤去できないというわけではありませんが、菩提寺に確認しておくようにします。

閉眼供養をするときは、日時を決め墓前で法要をしてもらいます。閉眼供養のときに、遺骨を取り出すことが多いので、石材店も同席してもらいましょう。お花やお供え物の準備もしておきます。

閉眼供養は、通常家族だけでこぢんまりと行います。服装はさほど気にする必要はありません。しかし僧侶も略式ではあっても僧衣でお勤めをされるわけですから、あまりカジュアルになりすぎないようにしましょう。天候に左右されることもあります。霊園によって大型の傘の準備もあります。天候が悪い場合の対応について、霊園や石材店に確認しておくと良いでしょう。

墓じまいを検討されている方

  • 墓じまいはどこに相談するのかわからない
  • 複雑な事務手続きをやりたくない
  • 墓じまいにいくら必要なのか知りたい

親族や知人などに墓じまいを経験した人がおらず、不安に感じる人もいるかと思います。
また、今あるお墓を片付けることに抵抗感がある方もいるかもしれません。
しかし、大切なのはお墓をきちんと片付け、あとの供養に繋げていくことです。

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墓じまいで悩まれている方は、まず一度ライフドットにお問い合わせください。