樹木葬を選んで後悔しないために!デメリットをしっかり把握しよう
先読み!この記事の要点
- 樹木葬とは、墓石ではなく樹木を墓標とするお墓
- 樹木葬はタイプ別に後悔する理由と対処法がある
- 後悔しないために埋葬方法・費用・納骨期間について確認する
この記事では、樹木葬を選んで後悔する理由・樹木葬のデメリットを重点的にご紹介します。
事前に樹木葬について知っておくことで、対策できることもあるので、1つずつ確認しましょう。
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この記事の目次
樹木葬とは墓石ではなく樹木を墓標とするお墓
樹木葬は「里山タイプ」と「霊園タイプ」に大別されます。
石を使わない【里山タイプ】の樹木葬
里山タイプの樹木葬は、基本的には石を使いません。石の代わりに樹木を用いた、自然にあふれた納骨方法です。
墓石を使わないことから安価で、お墓を継ぐ必要がない、という特徴があります。
石・プレートを使う【霊園タイプ】の樹木葬
霊園タイプの樹木葬は、石やプレートを墓標とし、シンボルとして樹木を用いることが一般的です。
霊園タイプの樹木葬は、一般の墓地と同じように区画が整地されています。
次の章からは、「樹木葬を選んだ後悔しないために」という内容に踏み込んでいきます。
【里山型】樹木葬で後悔する4つの理由と対処法
里山型の樹木葬で後悔する理由・デメリットは、以下の4つが主でしょう。
- 遺骨を後で取り出せない
- 家族・子供に受け入れられない
- 自然に還れると思っていたが骨壺のままの供養形態だった
- アクセス良好とはいかないケースが多い
対策と合わせて解説します。
①遺骨を後で取り出せない
樹木葬では、遺骨のまま土中に還すケースがあり遺骨を後で取り出せないというデメリットがあります。
遺族が「みんなで眠れるお墓が見つかったから」と遺骨を迎えに来たとしても、土の中で分解が進んでいると、埋葬した場所の土を持ち帰るしか方法がありません。
また、合祀型では他の人の遺骨と混じってしまうため、個別に遺骨を取りだすことができません。
遺骨が他人と一緒に混ぜられることに抵抗がある場合は、一般墓などを検討する・親族に納得してもらえるように話をすると良いでしょう。
②墓石がないと違和感があると子どもに訴えられた
樹木葬はまだまだ新しい形式なので、「墓石がないと、手を合わせていても先祖を供養している気がしない」と思う人もいます。
違和感を感じたままお墓を選んでしまうと、当然ながらお墓から足が遠のいてしまうでしょう。
どうしても子世代の違和感が無くならないようであれば、再度お墓の種類を検討することをおすすめします。
お墓はそこに眠る人だけのためのものではなく、お参りする人のためのものでもあるからです。
③自然に還れると思っていたのに骨壺のままの埋葬形態だった
樹木葬の多くは土中に遺骨を還す形態をとりますが、骨壺のまま埋葬する方針をとっている霊園もあります。
自然に還れることに魅力を感じて樹木葬にしたのに、骨壺のまま埋葬されたのでは、希望はかないませんよね。
都市部からアクセスが良く、公園風にきちんと整備されている樹木葬霊園を選んだ人は、とくに要注意です。
「樹木葬だから自然に還れる」と早合点せず、埋葬方法をしっかりと確認しましょう。
霊園の1つ1つに方針があります。パンフレットを読んで、不明点はよく確認することが重要です。
④アクセス良好とはいかないケースが多い
樹木葬の霊園は、自然あふれる環境に立地しているため、アクセス良好とはいかないケースが多いのが特徴です。
都心から遠く離れないと、希望の霊園が見つからないと悩むこともあるでしょう。
里山の中にあるような、かなり自然派の樹木葬にあこがれている場合はアクセスが不便になりがちです。
そのため、実際に霊園へ足を運び、利便性を確認することが大事です。公共機関、送迎バス、タクシーなど自家用車以外でのアクセス方法も考えておきましょう。
以上、里山型の樹木葬で後悔する4つの理由を紹介しました。
次の章では【都市型】の樹木葬で後悔する2つの理由と対処法をご紹介します。【霊園型】樹木葬で後悔する2つの理由と対処法
霊園型の樹木葬で後悔する理由・デメリットは以下の2つがよく挙げられます。
- 値段が高くなりがちである
- 家族単位で納骨できる契約期間が短い
①霊園型の樹木葬は値段が高くなりがち
霊園型の樹木葬は、アクセスなどが良好なケースも多く費用が高くなりがちです。
開発するための土地が都市部の場合は、当然郊外や山奥よりは高くなります。
そのため、樹木葬の利用料金に上乗せされていることも少なくありません。
樹木葬の醍醐味の一つはコストの安さなので、予算の関係で樹木葬を選んでいる場合は大きなデメリットとなってしまいます。
②家族単位で納骨できる契約期間が短い
樹木葬は契約期間が決まっている場合があります。
一般的には、33回忌以降は合祀墓に移すなど具体的に契約書へ内容が明記されていることが多い傾向です。
しかし、思ったよりも納骨できる契約期間が短かった・・・という声があります。
樹木葬を運営する霊園によっても契約書の内容は異なりますので、契約前の見学の際などに確認しておけると安心です。
【共通】樹木葬で後悔する2つの理由と対処法
里山型の樹木葬にも、都市型の樹木葬にも、共通して考えられる後悔・デメリットに繋がる事例は以下の通りです。
- 永代供養と言われ契約したら生前は管理費がかかった
- 永代供養と思い込んでいたが実際は檀家にされた
①永代供養といわれ契約したら生前に管理費がかかった
霊園によって、埋葬予定となる人が生きている間は年間管理費がかかる樹木葬霊園があります。
樹木葬は、一般的な霊園よりも自然や緑を大切にしている場所が多く、手入れに管理費がかかるためです。
契約をする前に、費用の総額と内訳をしっかり聞いておきましょう。
②永代供養と思い込んでいたが実際は檀家にされた
永代供養と聞けば、「檀家にならなくても済む」と思いがちですが、実際には檀家同様の扱いを受けたというケースがあります。
「年忌法要の案内を送るため、紙代だけでも負担してほしい」などといわれると、実際には年間管理費のような形で費用を払い続けなければならなくなります。
契約上費用のことが気になることもあるかと思いますが、お寺への感謝の気持ちも忘れないようにしましょう。
ここまで、樹木葬を選んで後悔する理由や事例をご紹介しました。
次の章では、契約後に後悔しないためのチェックリストをご紹介します。
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樹木葬を選んで後悔しないために!契約前に確認すべきチェックリスト
ここでは【里山型】と【霊園型】と分けてご紹介します。
樹木葬を契約される前に、これらの項目を再度必ず確認するようにしましょう。
【里山型】樹木葬を検討している方のチェックリスト
- 遺骨の埋葬方法はどうか
- どの季節でも満足できるお墓か
- 家族・親族と墓石を使わないことについて十分に話し合ったうえで決めたか
- お墓参りに通うことができそうか
- 費用の内訳はどうか?(想定外の費用はかかっていないか)
- 檀家にされることはなさそうか
【霊園型】樹木葬を検討している方のチェックリスト
- 値段は予算内か
- 家族単位で個別に納骨できる期間は何年か
- どの季節でも満足できるお墓か
- 費用の内訳はどうか(想定外の費用はかかっていないか)
- 檀家にされることはなさそうか
ここまで樹木葬のデメリットを中心にお話してきましたが、次の章では樹木葬のメリットをご紹介します。
樹木葬にはメリットもある!一般墓と比較して紹介
一般墓と比較した樹木葬のメリットは以下の通りでしょう。
- 基本的に宗教フリー
- 永代供養墓の形態が一般的
- 費用が安い
順に解説します。
基本的に宗教フリー
樹木葬は、種類にかかわらず、基本的に宗教フリーです。
どんな宗派の人でも関係なく、樹木葬を利用することができます。
ただ、寺院が直接管理運営している墓地内の樹木葬エリアには要注意です。
一般的なお墓と同様に、樹木葬でも檀家にならなければならない可能性があるためです。
永代供養墓の形態が一般的
樹木葬は、一度料金を支払ったら年間管理料の必要がなく、またお墓掃除やお墓参りも不要な永代供養墓がほとんどです。
ただ、全ての樹木葬が永代供養であるとは限らず、承継者を必要とするケースもあるので、注意が必要です。
費用が安い
樹木葬は、一般的なお墓よりも割安なのが特徴です。
個人でお墓を構える場合でも、墓石を建てるのではなく樹木を植えるので、そのぶん費用が安くなります。
タイプ別に費用の目安を用意しましたので、参考にしてください。
お墓のタイプ | 費用相場 |
---|---|
【比較参考】一般的な承継墓 | 200万~250万円 |
樹木葬の個人墓 | 50万~70万円 |
樹木葬の集合墓 | 30万~50万円 |
樹木葬の合祀墓 | 10万~30万円 |
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まとめ
樹木葬にはメリットもありますが、注意すべき点もたくさんあります。
後悔するケースを前もって知っておけば、対策を練るのは簡単です。
トラブルに陥らないよう、そして子世代に迷惑をかけないよう、事前の下調べは念入りに行いましょう。
そうすれば、心から安心して樹木葬を検討することができます。
ライフドットでは、樹木葬に関する記事をたくさん用意しています。気になる記事を読んでいただき、後悔のないお墓選びのお役に立てると嬉しいです。
監修者コメント

監修者
終活・葬送ソーシャルワーカー
吉川美津子
樹木葬墓地は、1999年、岩手県の祥雲寺でスタートした墓地です。
自然と共生する納骨方法で人気を集め多くのメディアで取り上げられました。
その後、「樹木葬」と称する墓地が注目されるようになり、特に都市部を中心に広がりを見せています。
そもそも樹木葬とは、樹木をシンボルとした墓地のことを指し、都道府県(もしくは市区町村)から墓地として認めらえたエリアに納骨することになります。
事業主体は、寺院、自治体が大多数で、株式会社等の法人には認められていません。
樹木葬といっても、樹木がほとんどなかったり、シンボルが墓石だったりするケースも少なくありません。遺骨は土に還らず骨壺に納める樹木葬墓地もあります。
何が良いというのは好みですので、一概には言えません。樹木葬墓地を検討していたけれど、いろいろ見学しているうちに一般の墓所にしたというケースも多々あります。