樹木葬の費用は安価、人気の理由と思わぬ落とし穴を分かりやすく解説

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樹木葬の風景

昨今、テレビやネットなどのさまざまなメディアで話題の樹木葬。

旧来のお墓が立ち並ぶ薄暗い墓地のイメージではない、明るくて開放的な樹木葬がいいなと思う人も数多くいるのではないでしょうか。

しかし、新しい供養法だからこそ、気を付けなければならない点や落とし穴が潜んでいます。
この記事ではそんな樹木葬について、丁寧に、そして細かくご説明します。

樹木葬とは

樹木葬とは、礼拝の対象となる墓標を石碑ではなく樹木にしたお墓のことです。
私たちは、「お墓」と聞くとついつい石塔をイメージします。

しかし、土まんじゅうでも、樹木でも、あるいは塔婆が一本立っているだけでも、そこに遺体や遺骨が埋葬されていれば、そこは「お墓」になるのです。
樹木葬とは、そんなお墓の内の一形態なのです。

樹木葬の特徴

樹木葬では、樹木を墓標として礼拝します。
石塔を作るほどの費用がかからないこと。

さらには、いざ墓じまいをしなければならない時もその手間が簡単であること。
夫婦や個人で利用する人が多く、ゆくゆくは永代供養にしてもらえる。
そんな理由から、注目を浴びています。

樹木葬のイメージは、「明るい」「開放的」「自然志向」

樹木葬が私たちに喚起するイメージはそれとはまったく逆で、明るく、開放的で、自然志向。
従来の墓地は、「暗い」「怖い」「気味が悪い」などのネガティブな要素が付きまとっていました。

最近こそ、開放的な墓地が増えてきているとはいえ、お墓はやはりイエ制度に縛られていますし、石塔は、そのイエ制度の重厚さや堅牢さを象徴しています。

いまの時代、イエを背負う、先祖を守るという考え方を負担に感じる人が多く、こうした人たちにとって従来のお墓は重荷でしかありません。

樹木葬には、石塔のような重厚さはなく、木々は明るくのびやかに育ち、遺骨はその大地へと循環されていく。
こうしたイメージが現代の人々に受け入れられているのでしょう。

昨今樹木葬が増えている背景

樹木葬が増えいている理由には、現代の社会構造が大きく影響しています。

単身者世帯や子のない世帯の増加

少子化や非婚化が進むことにより、単身者世帯や子のない世帯が増加しています。
従来のお墓は、先祖代々が受け継ぐことが前提で作られていましたが、こうした世帯ではお墓を受け継ぐことができません。

また、せっかくお墓を建ててしまっても、ゆくゆくはお墓を見るものがいなくなり、処分しなければならないことが分かっています。
樹木葬であれば、石塔は残りませんし、墓じまいの必要もありません。

子どもに迷惑を掛けたくないという考え方

お墓を建てることで子や孫に迷惑をかけたくないと考える人もたくさんいます。
子や孫はいるけれど、核家族が当たり前となると、親子が別々に暮らします。

遠方で、故郷のお墓参りがなかなかできない場合、いつかはお墓の引っ越しや墓じまいをしなければなりません。

それであれば、はじめから樹木葬にすることでお参りができるうえに、ゆくゆく管理しなければならない石塔は残らないので墓じまいが不要です。

供養の多様化による墓離れ

ライフスタイルの変化に伴い、さまざまな供養の方法が登場しています。
樹木葬に限らず、永代供養や、散骨や、手元供養など。

これまでお墓以外に遺骨の供養の方法はありませんでしたが、さまざまなスタイルが浸透する中で、樹木葬も選ばれているようです。

環境問題への関心の高まり

樹木葬には自然にも優しい供養スタイルです。
お墓を建てるためには、山から切り崩した石材を加工しますし、墓地にも基礎工事をして地盤を固めます。

省スペースで埋葬できるため、大規模な墓地の造成も不要です。

何よりも骨壺をお墓のカロート納めたままで土に還らないよりも、土に還って樹木も含めた大自然の中で循環していくことに、多くの人が心を惹かれているようです。
環境にも優しく、自分たちも自然に還ることができることが、人気に理由です。

樹木葬の種類と費用について

樹木葬にもいろいろな種類があり、それによって費用も異なります。

里山型

里山型では、墓地として認められた山の中、割り当てられた区画内に埋葬します。
広大な土地を利用するので、都市部では現実的ではなく、地方や郊外などに限られるでしょう。

墓石やカロートなどの人工物を一切使用せず、埋葬地に草木や草花を植えます。

樹木葬のはじまりは、岩手県一関市の祥雲寺(現在は知勝院が運営)の取り組みによるものですが、本来樹木葬はこの里山型として始まったはずです。

草木や小動物などの自然生態系の中に、私たち人間の埋葬も共に行われることに意味がありました。
私たちの身体も自然に還り、人工物を使用しないために自然を守り、人と自然の共生を目指したものでした。

しかし、現実はカロートや石碑や石板を用いた樹木葬が広く普及しています。
里山型の樹木葬墓地は全国にいくつかありますが、割合としては少数です。
費用は50万円から100万円くらいでしょう。

都市型・公園型

都市型・公園型は、造成された墓地や寺院の中に設けられた樹木葬墓地です。
石塔が建たないだけで、ほとんど従来の墓地と同じで、現在運営されている多くの樹木葬はこのタイプです。
公園型の樹木葬墓地も、いくつかの方法に分けられます。

個別の樹木葬(樹木:個別 / 納骨:個別)

個別に割り当てられた区画の中で、埋葬と植樹をします。
遺骨は土を掘って埋葬するのではなく、カロートの中に納めることが多いでしょう。
また、植樹では、草木や草花を植えます。ハナミズキやツツジなどが選ばれます。

シンボルツリー(樹木:共有 / 納骨:個別)

シンブルツリーとなる大樹のまわりに複数のカロートが並び、その中に納骨をします。
納骨をしたら石碑や石板などでふたをします。
礼拝の対象となる樹木は共有し、納骨は個別のカロートに行います。

合祀タイプ(樹木:共有 / 納骨:共有)

合祀タイプでは、他の人と同じ場所に納骨をします。
また礼拝の対象となる樹木もシンボルツリーで、ひとつの樹木を共有します。
都市型・公園型の費用は30万円〜50万円くらいでしょう。

ガーデニング型

ガーデニング型とは、都市型・公園型の墓地をよりイングリッシュガーデン風に寄せて作られた樹木葬墓地です。
墓地を連想させないガーデン風の作りが特徴です。
また、より小規模、省スペースで納骨できるために、都心部で増加しています。

ガーデニング型の費用も30万円〜50万円くらいでしょう。

徹底比較!樹木葬と継承墓

時代にあった供養のスタイルとして樹木葬が注目を浴びています。
それでも、日本人になじみがあるのはやはり石塔のお墓だったりもします。

樹木葬と継承墓。それぞれにいい面があるのです。
それぞれを比較してみましょう。

墓石を立てないため樹木葬のほうが安い(費用面について)

費用面では圧倒的に樹木葬の方が安く済むでしょう。
墓地を購入して、墓石を建立する継承墓は、どうしても費用がかさんでしまいます。

継承墓を建てるには、200万円〜300万円の費用がかかるでしょう。
一方、樹木葬では、30万円〜100万円以内で済みます。

墓碑としての強さは継承墓が上回る(耐久性や堅牢性について)

石碑の最大の特徴は、その耐久性や堅牢性です。
どんなに草木が覆い茂っても、石碑がどこにいったか分からなくなることはありません。
いまでも鎌倉時代に作られた石碑が厳然としてお参りされている風景は、日本全国で見かけます。

一方、手を合わす対象としての墓碑を考えた場合、樹木は不安です。
たとえば、台風が来てしまって樹木が倒れ、根こそぎ吹き飛ばされることもあるかもしれません。
地震などの地崩れによって遺骨が表面に出てきたり、違う場所に移動してしまったりもあり得るでしょう。

また、墓域を定期的に手入れしないことで、あっというまに雑草や草木に覆われます。
里山型などで雑木林のようになってしまい、どれが植樹の草木か分からなくなることもあります。

家族代々の繋がりを選ぶには継承墓(管理の方法について)

日本人は古来より先祖のつながりを大切にしてきました。
世代を超えたつながりを象徴するものとして、世代を超えても存在し続ける石が、墓碑として用いられたのです。

墓守が大変だ、と考えることは、それだけ先祖関係を繋ぎづらい時代なのかもしれません。
それでも、先祖や家族や親戚のつながりを大切に考えているのであれば、どんなに小さくても石碑でお墓を建てましょう。

雨や風にさらされてもずっとそこに居続けるのがお墓の最大の魅力です。
先祖代々という縦のつながりと、家族や親族という横のつながり。
お墓はいわば、ふたつのつながりの交差点なのです。

樹木葬のメリット・デメリット

樹木葬のメリットやデメリットをそれぞれまとめる、次のようになります。

樹木葬のメリット

樹木葬のメリットは次の通りです。

墓石の建立よりは費用を安く抑えられる

墓石の建立のためにかかる費用が200万円から300万円と言われているなか、樹木葬はほとんどの場合で100万円以内に抑えられます。

樹木葬の場合、永代使用料以外には、苗木を植えたりするだけなので、費用を大幅に軽減できるのです。
墓石の建立の場合は、墓地の永代使用料以外にも、墓石の建立に費用がかかります。

採石場から石を切り崩し、石工によって加工され、職人が現場で据付工事をします。
大変な手間暇がかかるために、石材費にはこうした職人たちの人件費も加算されます。

多くの樹木葬は永代供養を前提としている

多くの樹木葬墓地では、将来的には永代供養にすることを前提に利用者を募っています。

もしもお参りの人がいなくなっても、石碑がない分、墓じまいは簡単にできますし、個別納骨の場合は遺骨を合葬にします。
あととりがいない人たちに選ばれているのはそのためです。

自然志向やエコ志向を体現した供養法

樹木葬は、二つの意味で「自然」に根差した供養の方法です。
1つは、自分自身の肉体が自然に還るという意味での自然志向。
もう1つは、墓碑に人工物を用いないという意味での自然志向。

ただし、現実は造成された墓地の中に埋葬しますし、どんなに小さいものであれ、カロートや石碑や石板を使用するものが主流となっています。

大自然の循環の中に自分自身の身を置くという意味では、郊外の里山型樹木葬がいいでしょう。

樹木葬のデメリット

樹木葬のデメリットは次の通りです。

樹木葬よりも安い供養法がある

たしかに樹木葬は従来のお墓の建立よりは安く抑えられます。
しかし、安さだけで樹木葬を考えているのであれば、さらに安く抑える方法もあるでしょう。

寺院の永代供養でも、合葬であれば10万円程度で受け付けてくれるところはたくさんあります。
また、海洋散骨も20万円程度から可能でしょう。

墓地が荒れやすい

お庭のお手入れをされている方なら分かるかと思いますが、草花や普段お手入れをすることできれいさを保ちます。

ただでさえ、墓碑が樹木や草花ですから、お参りが滞り、墓地が荒れてしまうことに心を痛める人も多くいるでしょう。
特に里山型では、自生する草木の中に埋葬し、植樹をします。

他の雑草や草木とともに雑木林のようになり、一見墓地には見えないこともあるでしょう。

この状態を「自然」だと受け入れられればいいのですが、そうではなく「荒れている」と思われる方は、樹木葬は考え直した方がいいかもしれません。

そもそも永代供養を前提とした供養法ですから、墓地の管理も含めて寺院や霊園側がしてくれるかどうか、契約時にきちんと確認しましょう。

故人や先祖とのつながりが感じづらい

死者の埋葬地に石が用いられたのは、どんな自然物よりも固く、重いからです。
その堅牢性、重厚さが、永遠性の象徴です。
親から子へ、そして孫へと、いつまでも続いていく生命の連続性を、私たちは石に託してきました。

そのような観点から見た時に、樹木は石に比べると頼りないでしょう。
家族のつながりを大切にしたい人、子や孫とのつながりが強い人はには不向きかもしれません。

樹木葬の探し方・申し込み方法と埋葬までの流れ

樹木葬墓地は、全体的にはまだまだ少数派です。
まずはこちらからインターネットなどを活用して積極的に情報収集をしましょう
そして、現地に出向いて、墓地の雰囲気を感じ、樹木葬がどのようにして行われるのか、管理者に話を聞きましょう。

樹木葬を探す上でのポイント

  • アクセスや利便性
    自宅から墓地までのアクセスを頭の中でシュミレーションしてみましょう。
    車で行く場合、交通機関を利用する場合、いずれにせよお参りしやすいかどうかをよく考えましょう。

    いまは元気でも、歳を重ねることで負担が増える面もあるので、そのあたりも考慮しましょう。
  • 墓地の環境と設備
    お墓参りしたくなるような気に入った雰囲気か。また、参道や水場などはきれいに整えられているか。

    墓地内の管理清掃の質は管理者によって異なりますので、きちんと確認しておきましょう。
  • 宗旨や宗派の有無
    どの宗旨や宗派でも受け入れてくれるかどうかも大切な要素です。
    寺院が運営する樹木葬の場合は、その宗派に則ります。
  • 費用
    樹木葬が比較的安いとはいえ、埋葬のスタイルによって数十万円の開きがあります。
    いくつかの樹木葬墓地を比較検討して、予算にあった墓地を選びましょう。
  • 永代供養の方法
    樹木葬は永代供養を前提としています。
    自分たちでお参りができなくなったあとに、どのように供養されるのかもきちんと確認してきましょう。

申込方法と埋葬までの流れ

申込は、それぞれの墓地に訊ねましょう。
その墓地が気に入れば、費用を支払い、契約となります。

また、埋葬までの流れは次のようになります。

  • 火葬
    火葬場で火葬して、「埋火葬許可証」を返却もらいます。
  • 樹木葬の管理者に「埋火葬許可証」を提出
    「埋火葬許可証」は埋葬当日に持参して提出しましょう。
  • 納骨式
    納骨式は宗旨によって方法が異なります。

    埋葬は、土をスコップで掘り起こしてその中に遺骨を納めるパターンと、カロートの中に納骨するパターンがあります。
    その後、個別に植樹する場合は、苗木を植えます。

樹木葬を検討するときに考えるべきポイント

同意を得るまではしなくとも、自分たちのお墓に対しての意志を伝えておかないと、まわりが不安になり、場合によっては迷惑を与えることにもなりかねません。
樹木葬にする場合は、予め家族や親族に伝えておきましょう。

樹木葬は、墓碑が樹木であるということがポイントです。
物理的には、費用の軽減や墓じまいが不要という利点があります。

また、自然志向を体現した供養の方法だと言えるでしょう。
反面、家族や親族とのつながりを考える上では、苦言を呈されることもあるでしょう。

人は死者を悼み、生命の連続性を感じながら生きていきます。
その象徴としては、樹木は多少頼りなく、刹那的なシンボルかも知れません。

この記事のまとめ

いかがでしたか?
では最後にこの記事の要点をまとめます。

今回の記事で解ったこと

  • 樹木葬は、樹木を墓碑としたお墓のこと
  • 樹木葬は、明るく、開放的で、自然志向
  • あととりのいない人、自然志向、費用を抑えたい人に選ばれている
  • 樹木葬の種類として、「里山型」「都市型・公園型」「ガーデニング型」がある
  • 樹木葬は30万円から100万円程度で済む
  • 家族や先祖のつながりを大切にするなら石碑のお墓の方がいいかもしれ為し
  • 樹木葬は墓地が荒れやすいという面がある

一口にお墓・霊園と言っても、豊かな自然を背景にしたり、規模や宗派だけではない様々な特色があります。
お住まいの地域・ご実家の近隣などで、どんな霊園があるかご覧になってはいかがでしょうか?

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