永代供養と納骨堂の違いは?メリットやデメリット・費用相場で比較

納骨堂への参拝

永代供養と納骨堂の違いとは?徹底解説

  • 永代供養は管理者が供養し、納骨堂は屋内に骨壺を納める。
  • 永代供養は後継者不要だが個別供養が難しい。
  • 納骨堂は便利だが子孫の感情や老朽化が課題。
  • 費用は永代供養が10~150万円、納骨堂が10~100万円+管理費。

お墓について考え始めた人のなかには、「永代供養」や「納骨堂」と聞いて戸惑う人もいるでしょう。

この記事では、永代供養と納骨堂の意味や違い、メリット、デメリット、費用相場について解説します。

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この記事の目次

  1. 永代供養と納骨堂の違い
  2. 永代供養とは霊園管理者に維持管理をしてもらうこと
  3. 納骨堂とは骨壺がたくさん納められた屋内施設
  4. 永代供養と納骨堂の価格相場
  5. 永代供養のメリットとデメリット
  6. 納骨堂のメリットとデメリット
  7. 納骨堂以外にある永代供養のお墓
  8. まとめ

永代供養と納骨堂の違い

永代供養と納骨堂では、そもそもの意味合いが違います。
永代供養はお墓のスタイル、契約形態を指し、納骨堂はお墓の形を指すのです。

以下2つの違いを表にしてまとめました。

永代供養納骨堂
言葉の意味家族の代わりにお寺や霊園側が
供養や管理をすること
骨壺がたくさん納められた屋内施設のこと
何を指すか遺骨の管理と供養(祭祀儀礼)方法お墓の種類
並ぶ言葉継承一般墓、樹木葬

また、永代供養とは、納骨堂の特徴の一つともいえます。※一部そうでないものもあります。

納骨堂の特徴として、家族の代わりにお寺・霊園が遺骨を管理してくれる(=永代供養)というものがあります。

このことからも、納骨堂と永代供養が混乱してしまう方が多いのでしょう。

次の章では、永代供養、納骨堂、それぞれについて詳しく解説してきます。

永代供養とは霊園管理者に維持管理をしてもらうこと

永代供養とは、家族ではなく、霊園管理者が維持管理をするお墓のシステムをいいます。
まずは永代供養の意味や特徴についてご案内します。

家族の代わりに寺院や霊園側が供養と管理を行う

永代供養では、家族に代わって、寺院や霊園側が供養と管理を行います。
一般的なお墓は、残された家族が草むしりをするなど掃除をし、お盆やお彼岸といった節目にはお墓参りをして供養を行います。

しかし、永代供養では、家族の役割を霊園管理者が一挙に引き受けてくれます。
具体的には、霊園の管理人が霊園全体の整備を行ったり、お盆やお彼岸にはお坊さんが合同で供養祭を行ったりしてくれます。

契約時の一括払いで承継者いらず

永代供養は、契約時にお墓の使用料はもちろん、維持費も含めて支払いを済ませるため、お墓の承継者を用意する必要がありません。

一般的なお墓は、子世代などの承継者がお墓の管理を引き継ぎ、寺院や霊園に年間管理費を支払い続けます。
しかし、永代供養は契約時の一括払いで、しかも家族が供養をする必要がないので、承継者を立てなくてもお墓に入れるのです。

永代供養のタイプは主に2種類

永代供養のタイプは、大きく分けて2種類です。

  • 合葬型・合祀型(ごうしがた)
  • 個人墓つき永代供養墓

それぞれ説明します。

合葬型・合祀型

「永代供養塔」「合祀墓」といった名称の大きなお墓に、最初から他の人の遺骨と一緒に納骨されるのが合祀型です。
多くは、骨壺から遺骨を取り出して埋葬されるため、後から個別に遺骨を取り出せません。

永代供養霊前

個人墓つき永代供養墓

初めは一般的なお墓の形で供養され、後から他の人の遺骨と一緒に合祀となるのが、個人墓つき永代供養墓です。
10年から30年程度の契約期間を設け、契約期間が過ぎたら霊園管理者が合祀を行ってくれます。

このほか、墓石ではなく樹木を墓標とする樹木葬の場合は少し特殊です。
樹木の周りに多数の遺骨を埋葬し、小さな個人スペースをキープしたまま永代供養となるタイプがあるためです。

永代供養の特徴を抑えたところで、次章では納骨堂の意味や特徴についてご紹介します。

納骨堂とは骨壺がたくさん納められた屋内施設

納骨堂とは、骨壺がたくさん納められている屋内施設のことを指します。

「堂」という言葉が用いられているために、室内でお参りできるお墓や納骨壇の総称です。納骨堂とは、永代供養の施設ではなく、あくまでも堂内でお参りできる施設のことです。

特徴やタイプについて具体的にご案内します。

一般墓が一戸建てなら納骨堂はマンション

よく、一般墓は一戸建てに、納骨堂はマンションにたとえられます。
一般的なお墓は屋外に建てられ、石塀などで各家のスペースが仕切られています。

一方、納骨堂は屋内施設であり、棚などに番号が振り分けられ、一つ一つのスペースに骨壺が収まっています。
この形は、確かに一戸建てとマンションとの違いに似ています。

タイプは主に4種類

納骨堂のタイプは、主に次の4種類です。

  • ロッカー型
  • 棚型
  • 仏壇型
  • 自動搬送型

それぞれ説明します。

ロッカー型

ロッカー式の納骨堂
まるでコインロッカーのような形をしている納骨堂で、一つひとつのロッカーに骨壺が収容されます。
コインロッカーというと寂しい印象を与えてしまいますが、シンプルなものからきらびやかな装飾が施されているものまで、デザインはさまざまです。
カギをかけることができ、ロッカーの中には骨壺のほか、故人の形見などを入れておくことができます。

棚型・位牌型

位牌タイプの納骨堂

棚型の納骨堂は、扉のないロッカーのような形をしています。
あるいは、個人スペースがなく、棚に骨壺が並んでいるだけという場合もあります。

基本的には遺骨はバックヤードに納められているため、お参りする際は間接参拝になります。
専用の骨壺に入れて納骨するケースと、骨壺から遺骨を取り出して納骨するケースがあります。

仏壇型

仏壇タイプの納骨堂
個別スペースごとに仏壇が置かれているのが、仏壇型の納骨堂です。
仏壇下部に骨壺を置くことができます。
仏壇に位牌を置ける納骨堂があるため、自宅に仏壇を置くことができない人にも最適です。

自動搬送型

自動搬送式の納骨堂

納骨堂内に設けられたお参りスペースに、骨壺が自動搬送されてくるのが、自動搬送型の納骨堂です。

普段は、お参りスペースの裏側などに骨壺がぎっしり並んでいます。

お参りスペース内に設けられた機械にIDカードなどをかざすと、自動的に骨壺が選ばれ、機械によってスペース内に運ばれます。
最新型の納骨堂として注目されているタイプです。

永代供養型の納骨堂もある

なかには、永代供養型の納骨堂もあります。
屋外の永代供養墓と同様に、初めから合祀されるタイプと、最初は個別スペースを設け、契約期間が済んだら合祀となるタイプの2種類があります。

合祀墓も、同じ納骨堂内に設置されているケースがほとんどですが納骨堂を経営している寺院の合祀墓に埋葬される場合もあります。

納骨堂について詳しくは、「【納骨堂の基本情報】費用・種類・仕組みを分かりやすく解説」の記事でもご紹介していますので、気になる方はご覧ください。

永代供養と納骨堂の価格相場

永代供養と納骨堂の価格相場を表にしました。

とくに納骨堂は、都市部の場合、値段が跳ね上がる傾向にありますし、単身用、夫婦用などでも価格帯が違ってきます。

あくまで目安として参考にしてください。

形式

概要

価格相場

永代供養

合祀型

初めから合祀される

10万円~30万円

個人墓つき永代供養墓

契約期間内は一般墓の形をとる

契約期間が切れたら合祀される

70万円~150万円

納骨堂

ロッカー型

カギがかかるロッカータイプ

20万~50万円

+年間管理料

棚型・位牌型

扉のない棚タイプ

10万~20万円

+年間管理料

仏壇型

上部が仏壇、下部に納骨するタイプ

50万~150万円

+年間管理料

自動搬送型

お参りスペースに骨壺が搬送されてくるタイプ

100万円前後

+年間管理料

合祀型

初めから合祀される永代供養タイプ

10万円~30万円

納骨堂を選び、さらに永代供養としたい場合は、契約期間分の年間管理料と合祀のための料金もプラスされます。

なお、それぞれの費用について詳しくは以下の記事で紹介しています。

相場を見てもまだ決めかねている人のために、次章以降は永代供養と納骨堂それぞれのメリット・デメリットについてご案内します。

永代供養のメリットとデメリット

永代供養にはメリットも多いですが、もちろんデメリットもあります。
メリットとデメリットを比較して、メリットが自分にとってどれだけ大事か、デメリットを解消できるかどうか
ご一考ください。

永代供養のメリット

永代供養のメリットは、以下の通りです。

  • 子世代に迷惑をかけずに済む
  • 承継墓に比べて割安

それぞれ詳しく説明します。

子世代に迷惑をかけずに済む

永代供養のメリットは、子世代に迷惑をかけずに済むところです。
お墓の管理は寺院や霊園任せでOK、年に一度管理費を支払う必要もありません。

子世代はお墓の管理や維持費について心配することなく、都合のつくときにお墓参りをすればいいことになります。
また、子どものいない夫婦や単身者にも最適です。

承継墓に比べて割安

永代供養は、200万円から250万円程度を相場とする一般的な承継墓と比べれば、ぐっと割安です。
初めから合祀されるタイプであれば、承継墓の10分の1の費用で済んでしまう上、年間管理料は必要ありません。

永代供養のデメリット

永代供養のデメリットは、以下の通りです。

  • 遺骨を後から個別に取り出せない
  • 承継できない
  • 子世代とトラブルになる危険がある

遺骨を後から個別に取り出せない

永代供養のデメリットは、合祀されると遺骨を後から個別に取り出せないところにあります。
子世代が「自分たちのお墓を用意したから、両親の遺骨もそちらへ移したい」と考えても、それができません。

承継できない

承継者がいなくてもいいことが、デメリットになるケースもあります。
永代供養墓は承継墓と比べれば確かに安価ですが、承継墓を「世代を超えてずっと使えるお墓である」と捉えると、
決して破格に安いわけではありません。
子世代に「自分たちがお墓を継ぎ、使っていきたい」という気持ちがあるのなら、承継墓のほうがかえって割安です。

子世代とトラブルになる危険がある

永代供養の形が子世代に受け入れられない恐れもあります。

家族会議をする3人

「個別のお墓がないと、先祖に手を合わせている感じがしない」と、子世代が違和感を覚える場合も考えられるのです。
事前に、永代供養について親子のコミュニケーションがなければ、トラブルになるかもしれません。

納骨堂のメリットとデメリット

永代供養と同様に、納骨堂にもメリットとデメリットがあります。
永代供養のメリット・デメリットと引き比べて、どちらが自分と家族に合っているかを見極めましょう。

納骨堂のメリット

納骨堂のメリットは、以下の通りです。

  • 都心でアクセスが良い場所にあることが多い
  • お墓参りが簡単、便利
  • 骨壺のまま預けられる
  • 墓石を用いた一般墓と比べると費用が安く抑えられる

詳しく説明します。

都心でアクセスが良い場所にあることが多い

納骨堂の中でも最近数が増えてきた「自動搬送式納骨堂」は、アクセスの良い・駅から近い場所にあることが多いです。
歳をとって車が使えなくなったとしても、公共交通機関を利用してお墓に通えることは大きなメリットとなるでしょう。

お参りが簡単、便利

納骨堂は屋内でのお参りなので、雨に降られながらお墓参りをする必要はありません。
草むしりやお墓掃除もいりません。
防災上の理由でお線香をあげることを禁止している納骨堂もあるため、お参りに手ぶらで行けることになります。

骨壺のまま預けられる

永代供養とは違い、骨壺のまま預けられることもまた納骨堂のメリットです。
事情があって納骨堂を使うことができなくなったら、骨壺を引き上げることができるためです。

墓石を用いた一般墓と比べると費用が安く抑えられる

納骨堂は墓石を用いることがないため、一般墓と比べると費用が安く抑えられる傾向にあります。

納骨堂なら都心でアクセスがよくても、たいてい200万円を超えることはありません。

一方で、都心でアクセスのよい場所にお墓を構えると、何百万円とかかってしまうことがあります。

納骨堂のデメリット

納骨堂のデメリットは、以下の通りです。

  • 子世代が違和感を覚える可能性がある
  • お線香やお花をあげられない場合がある
  • 建物が老朽化したときの対処が未知数

それぞれ解説します。

子世代が違和感を覚える可能性がある

納骨堂のデメリットとして一番怖いのが、子世代が「お墓に手を合わせている気になれない」と違和感を覚えることです。
実際に納骨堂へ行ってお参りをするのは子世代ですから、子世代が不満を抱えてしまうお墓では、その買い物は失敗です。
子世代とよく話し合い、できれば一緒に見学へ行ったほうがいいでしょう。

お線香やお花をあげられない場合がある

お線香、お供物、お花はお墓参りの必需品ですが、納骨堂では防災や衛生管理の関係上、これらをあげられない場合があります。
そのことで、お参りを行う人が物足りなさを感じるかもしれません。
事前に納骨堂の方針を良く確認しておきましょう。

建物が老朽化したときの対処が未知数

納骨堂は施設ですから、やがて老朽化します。
屋外にあるお墓であれば、破損や倒壊があったら契約者側で修繕しますが、納骨堂自体が老朽化した場合はそれができません。

運営側に建て直す資金がない場合は、そのまま納骨堂を閉じてしまうということも考えられます。
そのとき、遺骨がどうなるかはわかりません。
契約書や規約に老朽化の際の対処について書かれているか、注目してみましょう。

納骨堂のメリットとデメリットを比べてみて、メリットのほうがデメリットよりも大きいと感じることができたでしょうか。
また、永代供養と比べていかがでしょう。
さまざまな可能性を考え、自分なりの方針を立てましょう。

納骨堂以外にある永代供養のお墓

納骨堂は、あくまでも屋内に設けられた納骨施設であり、永代供養そのものを指すわけではありません。
ただし、納骨堂を利用する人の多くは、ゆくゆくは永代供養を考えている人が多いでしょう。
納骨堂以外のさまざまな供養の方法についてまとめました。

共同墓地

共同墓地とは、ひとつの石塔で複数の人の遺骨を納めるお墓です。「集合墓」「合葬墓」「総墓」とも呼ばれます。
個別に供養したい人には不向きです。

しかし、他の人と同じ場所への納骨で構わないという人は、はじめから共同墓地に埋葬します。
また、はじめこそは個別ですが、一定期間を過ぎることで共同墓地に合葬するケースもたくさんあります。

夫婦墓

夫婦墓とは、子や孫の代まで継がせずに、夫婦だけが入る前提で作られるお墓のことです。
夫婦だけが入るお墓ですから、省スペースで済みます。

また、子や孫が継ぎませんから、永代供養が前提となっています。
遺骨は合葬され、石塔は墓じまいされるのですが、中には寺院の施設として永代に渡って石塔を保存しておくところもあります。

樹木葬

樹木葬は、石塔ではなく樹木を墓標としたお墓です。
区画内に遺骨を納め、苗木や草花を植樹します。

省スペースで、石材が不要であるため、安く、楽に埋葬ができます。
その上、環境にも優しく、エコ志向であることから、近年注目を浴びている供養の方法です。

まとめ

この記事では、納骨堂と永代供養という、新しいお墓の形として注目されている2つの納骨方法をご案内しました。
自分と家族にぴったりの弔い方を、ぜひ見つけ出してください。

納骨方法には、他にも散骨や手元供養といった方法があります。
散骨は海や山へ遺骨を撒く方法で、手元供養は自宅で遺骨を供養する方法です。
さまざまな納骨方法を調べてみれば、ベストな供養が見つかることでしょう。