浄土真宗の仏壇には位牌は置かない!理由や宗派の考え方を解説

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真宗大谷派のお寺

この記事では、浄土真宗の仏壇について詳しく解説します。
家の宗派が浄土真宗で、これから一式を揃えなければならない人。
はたまた、親の後を継いで仏壇を受け入れなければならなくなった人。

この記事ではこのような疑問を解消!

  • 「浄土真宗の仏壇はどのような特徴があるの?」
  • 「浄土真宗の仏壇の飾り方に決まりはある?」
  • 「浄土真宗では、仏前のお供えに決まっているものはある?」

さまざまな人の疑問や不安を解消し、仏具の飾り方やお供え物などで悩まなくなりますよ。
ぜひ最後まで読んで、参考にしてください。

浄土真宗とは

浄土真宗の仏壇について綴る前に、まずは浄土真宗がどのような宗派なのかを簡単にご説明いたします。

浄土真宗は日本最大級の仏教教団

浄土真宗とは、親鸞を開祖とする、日本仏教の内の1つの宗派です。
所属寺院、信者数ともに、日本で一番多い教団です。

浄土真宗は、「真宗十派」と呼ばれる十の宗派に分かれていますが、特に有力なのが、浄土真宗本願寺派(通称「お西」)と、真宗大谷派(通称「お東」)です。

浄土真宗の本尊は阿弥陀如来

浄土真宗の本尊(宗派の中心となる仏様)は阿弥陀如来(あみだにょらい)です。

この阿弥陀如来に帰依(きえ)する言葉として、門徒(もんと)は「南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)」の念仏を大切にします。

用語解説

  • 帰依・・・その力を拠り所とすること
  • 門徒・・・特定の宗派に属する信徒や檀家

浄土真宗では位牌を祀らない

浄土真宗では、位牌を不要としています。

なぜなら、阿弥陀如来を信じるものは、どんなものでも極楽往生できると約束されているからです。
よって葬儀後の追善供養(ついぜんくよう)や、閻魔大王(えんまだいおう)による裁きなどを必要としません。

そもそも日本の仏教は、出家主義から始まる古代仏教と、儒教の思想に基づく先祖祭祀が混在しています。
仏壇に、本尊と位牌、つまり仏様とご先祖様を祀るのはそのためです。

しかし、亡くなった先祖はみなが阿弥陀如来(あみだにょらい)のいる極楽浄土に還ると考える浄土真宗では、本尊のみを礼拝の対象としているのです。

浄土真宗の仏壇の特徴

浄土真宗の仏壇は「塗り仏壇」や「金仏壇」などと呼ばれます。
黒や朱などの漆塗りと、金箔や金具などのきらびやかな金色が特徴です。

浄土真宗の仏壇は、極楽浄土を表している

浄土真宗の仏壇がどうして金ピカなのか。
それは、阿弥陀如来がいるとされている極楽浄土を表しているからです。
『仏説阿弥陀経(ぶっせつあみだきょう)』の中には次のような一節があります。

又舎利弗 極楽国土 有七宝池 八功徳水 充満其中
池底純以 金沙布地 四辺階道 金銀瑠璃 玻璃合成
上有楼閣 亦以金銀瑠璃 玻璃シャコ 赤珠碼碯 而厳飾之

▼ 現代訳

舎利弗よ。極楽浄土には七宝の池あり、8つの功徳をもたらす清らかな水が池の中に充満している。
池の底には一面に黄金の金の砂が敷き詰められている。
四方には階段がかかり、金・銀・瑠璃・水晶で作られていて、それを登る詰めると楼閣があり。
また金・銀・瑠璃・水晶・宝石・赤真珠・碼碯の七宝できれいに飾られている。

このように、『阿弥陀経』の中に、極楽浄土のきらびやかな世界が描写されており、浄土真宗の寺院や仏壇はその世界を再現しているのです。

位牌を置く段がない

仏壇は基本的に4段で構成されていますが、浄土真宗は違います。
位牌を置く段が不要だからです。

通常、一番上から仏様の段(=本尊)、ご先祖様の段(=位牌など)、五具足(ごぐそく:香炉、花立て1対、火立て一対)、そしてお供え物の段です。

ところが浄土真宗の場合、位牌を祀らないために、位牌段が作られておらず、他の宗派にはない”前卓”と呼ばれる机があり、その上に五具足を並べます(そうでない仕様のものもあります)。

また、位牌は祀りませんが、故人や先祖の名前を記すために”過去帳”と呼ばれる手のひらサイズの帳面を祀ります。

浄土真宗でよいとされる仏壇の配置(方角)

仏壇の向きにこれといった決まりはありません。
室内で違和感のない場所に置けばそれで構いません。
仏間がある家では、仏間の中に仏壇を納めます。

それでも仏壇の向きが気になるという人は、次の3つのいずれかを選べばよいでしょう。

  • 南向き
    仏壇が南を向くようにします。
    南は太陽が昇る方角で、風水でも吉方位です。
    日当たりの良さから住宅でも南向きが好まれますが、それと同じで、仏壇や墓でも南向きがよいとされています。
  • 東向き
    仏壇を東向きに置くと、西に向かって手を合わせます。
    西は、阿弥陀如来が作った極楽浄土がある方角です。
    東向きに置くことで、仏壇への礼拝が、そのまま極楽浄土への礼拝にもなります。
  • 本山の向き
    手を合わす先がその宗派の本山を向くように置きます。
    浄土真宗本願寺派の本山寺院は西本願寺。真宗大谷派の本山寺院は東本願寺。
    ともに京都市にあります。

    この場合、家から見て京都の方角に礼拝できるように仏壇を置きます。

浄土真宗の仏壇の飾り方

それでは浄土真宗の仏壇の飾り方について細かく説明していきます。

仏壇は、家の中にあるお寺

仏壇は家の中にあるお寺と考えられています。
本山寺院を小さくしたのが全国の末寺で、その末寺をさらに小さくしたのが門徒の家に飾られる仏壇です。 ですから仏壇の飾りは、本堂の飾りをそのまま小さくしたものが用いられます。

浄土真宗本願寺派と真宗大谷派で、寺院や仏具の形が異なる

同じ浄土真宗ですが、本願寺派と大谷派では、本堂の作りや仏具の形が若干異なり、これがそのまま仏壇や仏具の違いに反映されています。
それぞれの違いから、本願寺派と大谷派の仏壇や仏具を見ていきましょう。

浄土真宗本願寺派の仏壇

▼ 仏壇

  • 屋根
    本願寺派の仏壇は屋根が一重です。

  • 本願寺派の仏壇の柱は、金箔を押して、金の金具を打ちつけます。

▼ 仏具

  • 本尊
    本願寺派の本尊は、阿弥陀如来の後光が8本の線で表されています。
  • 輪灯(りんとう)
    本願寺派の輪灯は「菊輪灯」と呼ばれるものを用います。菊の彫り物が施されています。
  • 灯篭
    本願寺派の灯篭は、足が「猫足」と呼ばれ、内側に曲がっています。
  • 五具足(※略式の”三具足”の場合もあります)
    本願寺派の五具足は宣徳色(黒に近い茶)のものが使われます。
  • りん台
    本願寺派のりん台は六角形のものを使用します。
  • 供具
    本願寺派の供具(お餅などを供える器)は六角形のものを使用します。

浄土真宗大谷派の仏壇

▼ 仏壇

  • 屋根
    大谷派の仏壇は屋根が二重です。

  • 大谷派の仏壇の柱は、漆の黒塗りで、その上から金の金具を打ちつけます。

▼ 仏具

  • 本尊
    大谷派の本尊は、阿弥陀如来の後光が6本の線で表されています。
  • 輪灯(りんとう)
    大谷派の輪灯は「本山輪灯」と呼ばれるものを用います。ヨーラクと呼ばれるものを取り付ける場合もあります。
  • 灯篭
    大谷派の灯篭は、足が「丁足」と呼ばれ、外側に伸びています。
  • 五具足(※略式の”三具足”の場合もあります)
    大谷派の三具足は金色のものが使われ、特に火立ては鶴と亀をあしらったものを使います。
  • りん台
    大谷派のりん台は四角形のものを使用します。
  • 供具
    大谷派派の供具(お餅などを供える器)は八角形のものを使用します

浄土真宗で使用する仏具

浄土真宗で使用する仏具をまとめました。

  • 輪灯
    灯明を灯すための、天井からつるされる仏具です。いまは電気で灯しますが、昔は皿に油を入れ、灯芯に火をつけました。
  • 華鋲(けびょう)
    仏前に供える水差しで、シキミやシャシャキの葉を1枝ずつ挿して供えます。
    浄土真宗では飲み物を供えません。『阿弥陀経』にあるように、極楽浄土には八功徳水という清らかな泉が広がっているためです。
  • 供具
    餅や砂糖菓子を盛るための道具です。
  • 過去帳
    死者や先祖の法名や命日などを記すための帳面です。
  • 三角内敷(うちしき)
    法事などでは三角形の「内敷」と呼ばれる敷きものを飾り、仏壇を華やかにします。
  • 御文章(ごぶんしょう)(御文)
    御文章(大谷派では「御文(おふみ)」は、8代門主の蓮如が、布教のために全国の門徒のために手紙の形で記した文章です。

    御文章の本は、塗り箱に入れて大切に保管します。

浄土真宗の仏前にお供えするもの

浄土真宗では、次のものを供えます。

  • ごはん
    本願寺派では3つ(阿弥陀如来、親鸞聖人、蓮如上人)に、大谷派では1つ(阿弥陀如来)にお供えします。
  • 樒(シキミ)やシャシャキの葉
    華鋲に入れて供えます。水や茶などの飲み物は供えないので気をつけましょう。
  • お餅
    供具にお餅を奇数個(1・3・5など)供えましょう。

まとめ

いかがでしたか?
浄土真宗の金仏壇は極楽浄土を表すものです。
きれいなお仏壇に手を合わすことで、きっと故人も極楽浄土へ行き、私たちの心も洗われることでしょう。

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