位牌は供養するのに必要!?その目的や意味について詳しく紹介

位牌

仏壇に飾る「位牌」。裏側には故人の名前が彫ってありますが、一体どのような役目を果たしているのか知っていますでしょうか?

  • 「位牌の役目って何?どのタイミングで購入すればいいの?」
  • 「位牌って個人の人数分必要?」
  • 「位牌を購入してからの流れって?処分はしてはいけないの?」

この記事では、「位牌」を置くことの意味や、供養について紹介しています。ただ置くのではなく、意味を知ることで仏壇に向かうときの気持ちが変わりますよ。

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この記事の目次

  1. 位牌とは亡くなった人そのもの ~意味や目的について~
  2. 位牌は必ず必要なのか
  3. 位牌は四十九日法要までに準備する
  4. 位牌は仏壇店で購入する
  5. 位牌の購入前から購入後にするべきこと
  6. 亡くなった人も「仏」となる ~仏壇に仏様とご先祖様を祀る理由~
  7. 位牌の種類について
  8. 位牌の選び方(基準)と気をつけるポイント
  9. 位牌を処分しなければならない時にすべきこと
  10. まとめ
  11. 監修者コメント

位牌とは亡くなった人そのもの ~意味や目的について~

位牌とは、亡くなった人の戒名、名前、命日や年齢などを書き記す木の板のことです。
もともとは中国の儒教で用いられていた「神主」と呼ばれる祭具がもとになっているようです。

位牌は霊の「依代」(よりしろ)です。つまり亡くなった人の霊が宿る場所で、もっと押し進めた考えで、位牌は亡くなった人そのものだという人もいます。

昔からもよく、「火事になっても位牌だけは持って逃げだせ」、と言われていたほどで、仏壇の中の仏様や、家の中の家具や調度品や貴重品よりも、ご先祖様である位牌をなによりも大切に考えていたことが伺いしれます。

位牌は必ず必要なのか

さて、位牌は必ず必要なのでしょうか?
亡くなった人への供養は「想い」や「気持ち」の問題だという人もいます。
そのことについて、少し深く考えてみましょう、

位牌がなければ供養ができない

従来の仏教寺院の教えでは、位牌は必ず必要なものです。
なぜなら、亡くなった人の魂は位牌に戻ってきて、そこにいてくれると考えられているからです。
そのため、位牌がなければ故人の行き場所がなく、供養ができないのです。

浄土真宗は位牌を不要とする宗派

ちなみに浄土真宗では位牌は必要ないと考えます。
浄土真宗ではただ一心に「南無阿弥陀仏」を念仏し、阿弥陀如来に手を合わせればすべては救われるとして、ご先祖様を礼拝の対象にしていないのです。

遺骨や写真に礼拝する方法もある

また昨今では、無宗教で葬儀をして、仏壇もいらないという人も一定数います。
このような人たちは、故人を偲ぶために、遺影や遺骨を安置したり、手元供養という方法を選んだりしています。
死生観は人それぞれですから、「位牌が必ず必要か」と問われると、「必要だ」とは断言できません。

ただし、寺院に供養をしてもらいたいと思うのなら、位牌は必ず用意しましょう。

人数分の位牌は必要なのか

さて、位牌の数はひとりにつき1つとは限りません。
たとえば、夫婦の名前を並べて彫刻する「夫婦位牌」や、古いご先祖様をまとめて納める「先祖代々乃位牌」などがあります。ですから、人数分の位牌は必ずしも必要ではありません。

位牌は四十九日法要までに準備する

位牌は四十九日法要までに用意します。
49日間の中陰を経ることで、死者は祖霊(仏様)になると考えられています。
葬儀の時にいただいた白木の位牌はあくまで仮位牌です。
法要では仮の位牌からから新しい位牌にお性根を移し替えます。

位牌は仏壇店で購入する

位牌は仏壇店で購入しましょう。
最近ではインターネットでも販売されています。

ただし、位牌は仏壇にあった寸法のものが望ましいですし、彫刻する文字の並びなど、専門的なアドバイスが求められます。インターネットの方が安く買うことはできるかもしれませんが、筆者は仏壇店での購入をおすすめします。

位牌の購入前から購入後にするべきこと

それでは、位牌の購入前後にするべきことをまとめてみます。

購入前にするべきこと(確認すること)

  • 仏壇はあるか
    位牌は原則仏壇に安置して祀るものです。
    仏壇がない場合は併せて仏壇も購入しましょう。
  • ご先祖様の位牌はあるか
    ご先祖様の位牌があれば、形も大きさも同じようにしておきます。
    ご先祖様の位牌より大きくなることはよくないとされています。
  • 位牌の写真を撮っておく
    仏壇店に出向く際には位牌の写真を撮っておけばよいでしょう。
    位牌も、台座によって何十という種類のものがあり、価格もさまざまです。
    ご先祖様の位牌がある場合は、同じ種類の位牌にあわせましょう。
  • 位牌の寸法を測る
    いまある位牌の総高さ、横幅、奥行きを控えておきましょう。
    また高さは総高さだけでなく札板から一番てっぺんまでの高さも測っておきましょう。

    よく位牌の寸法は「4寸」や「4寸5分」などと寸分で分けられますが、この寸法はすべて札板の寸法です。
    ですから、総高さと札板両方の寸法を測っておくと間違いないでしょう。
  • 位牌に彫る文字を控えておく
    故人様の戒名、生前の名前、命日、年齢も仏壇店に出さなければならないことです。事前に控えておきましょう。  

購入後にするべきこと

四十九日法要まで、位牌は箱などに入れて納めておきましょう。
法要当日は、白木位牌と新しい位牌を並べてご供養いただけるはずです。
新しい位牌にお性根が入り、こちらを仏壇の中で末永くお祀りします。
白木の位牌はお性根が抜けた状態になっているので、寺院が持ち帰るでしょう。

亡くなった人も「仏」となる ~仏壇に仏様とご先祖様を祀る理由~

戒名とは、寺院が死者に授けた仏弟子としての名前です。
死者は四十九日で仏となり、以後その家を守ってくれると考えられます。
ですから仏壇では、仏様とご先祖様をお祀りし、お祈りします。

さて、仏様とご先祖様。どう違うのでしょうか?
仏様とはその家の宗旨のご本尊(たとえば、真言宗なら大日如来、浄土宗なら阿弥陀如来など)です。
このご本尊を表すものとして、仏像や掛け軸が置かれます。

一方、亡くなった人は時間をかけて仏となり、やがては氏神になると考えられています。
その亡くなった人、あるいはご先祖様を表すものとして位牌が置かれます。

位牌の種類について

位牌にも用途によってさまざまな位牌があります。

形状によるちがい

  • 板位牌
    もっとも一般的な位牌です。位牌の札板の正面に戒名を、裏面に生前の名前や、命日や、年齢を彫刻します。
    表面に記す内容、裏面に記す内容は地域によって異なるようです。
  • 幅広位牌
    複数人の名前を彫刻するための幅広位牌というものがあります。
    一般的には夫婦で1つの位牌におさめるためのものがありますが、寺院で使用するものだと幅が20センチや30センチもある位牌もあります。
  • 繰り出し位牌
    繰り出し位牌とは、位牌の中に複数の木の板を差し込むタイプの位牌です。
    正面の扉をあけて、一番手前の札板のご先祖様を拝みます。
    1つの位牌で、8~10人程度の札板をおさめることができます。
  • 過去帳位牌
    繰り出し位牌のような形状で、中に過去帳を納めることができる位牌です。
    過去帳とは、ご先祖様の戒名などを書き記す帳面のことです。
    繰り出し位牌以上に多くの人の名前を記すことができます。

台座やデザインなどのちがい

  • 台座のちがい
    位牌にはたくさんの種類があります。これらはすべて台座の形状が異なります。
    全国的に見られるのは「春日」「勝美」「葵」「猫丸」など。
    関西でよく用いられるものに「京中台」や「千倉座」と呼ばれるものがあります。
  • 仕様のちがい
    位牌の縁だけ金箔を押した「面金」。
    金の粉を吹き付けた「面粉」。
    裏面以外すべてを金箔押しした「総金」。
    裏面以外すべてを金の粉を吹き付けた「総粉」。
    …など、金のあしらい方で種類はさらに細分化されます。
  • 材質のちがい
    一般的な塗り位牌は、心材にマツなどの木を使い、漆を塗り、金箔を押します。 (代用漆は金粉をしようすることもあります)

    また、漆などを用いずに、銘木の木目の美しさを活かした位牌もあります。
    紫檀や黒檀などが用いられます。
  • モダン位牌
    家具調仏壇が多い中、デザイン性に富んだモダンな位牌もたくさんリリースされています。
    ウォールナットなどの洋材を使用したものだけでなく、クリスタルの位牌もあります。
    お祀りして手を合わせたくなるような位牌を選ばれるとよいでしょう。

位牌の選び方(基準)と気をつけるポイント

位牌を選ぶ時のポイントをまとめました。

  • ご先祖様のものより大きくないか
    もしもいますでに仏壇があってご先祖様の位牌がある場合、それより大きくならないように気をつけましょう。
    同じ種類で、同じ寸法の位牌を揃えるのがよいでしょう。
  • 仏壇の寸法にあっているか
    新しく位牌を購入する場合は、仏壇の寸法に合わせて、取り合わせの良いものを選びましょう。
  • 国産と中国産を確認しましょう
    同じ寸法の同じ大きさの位牌でも、国産と中国産とがあります。
    パッと見るだけでは分かりませんが、中国産はやはり品質で劣るようです。
    時間が経つと心材が反ったり歪んだり、また漆が浮いて来たり、金箔が変色しやすいなど言われています。
  • 手を合わせたくなる気に入った位牌か
    位牌は末永く仏壇の中で祀られるものです。
    思わず手を合わせたくなる、自分が納得した位牌を選ぶのが理想です。

位牌を処分しなければならない時にすべきこと

やむをえず位牌を処分しなければならない時は、寺院にお性根抜きをしてもらいましょう。
お性根の抜かれた位牌は、寺院が持ち帰って処分してくれるでしょう。

まとめ

いかがでしたか?
位牌はご先祖様そのものなのです。
納得のいくものを選び、丁寧にお祀りし、気持ちよくご先祖様を供養しましょう。

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監修者コメント

監修者
終活・葬送ソーシャルワーカー
吉川美津子

位牌は中国の宋から伝えられたといわれ、儒教の影響を受けて日本で進化をしてきました。戒名や没年月日を記した木製板状の碑で、仏壇に安置されます。四十九日まで白木を使用し、四十九日後に塗の本位牌に作り変えるのですが、これは白木には「一度きり」の意味があり、新仏の時だけ使用するものという考え方からによるものです。本位牌をつくって開眼供養をした後、白木位牌はお焚き上げのうえ破棄します。