霊園・墓地・墓所の3つの意味と違いを比較!

大階段がある霊園

霊園の意味とは?徹底解説

  • 霊園は非宗教的墓地、墓地は公認区域、墓所はその一区画。
  • お墓は遺骨の保管と先祖供養の場。
  • 墓地には公営、民営、寺院の3種類がある。
  • お墓建立費用は地域や霊園により異なる。

「霊園」「墓地」「墓所」「お墓」などという言葉を耳にすれば、大抵の人はお墓のことだとわかるでしょう。
しかし、霊園や墓地・墓所の違いは何かと聞かれたら、細かくわからないという人は多いかもしれません。

ただでさえお墓に関する用語はわかりにくいものが多いです。
しかし、あまり細かい言葉の意味がわからないと業者との相談のなかで勘違いの元になったり、
無知だと判断されて足もとを見られたりすることもあります。

わからないと尻込みしてしまいがちなお墓や霊園事情ですが、
重要なポイントをしっかり押さえておけば難しいことはありません。

そこで、今回は霊園と墓地の違いや、霊園探しからお墓建立までの流れなどについてご紹介いたします。
この記事を読んで、正しい意味を理解しておくといざというときに迷わず重宝しますよ。

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この記事の目次

  1. 霊園の意味
  2. 墓地の種類は全部で3種類
  3.  霊園・墓地探しからお墓を建てる6つの流れ
  4. 霊園や墓地などにお墓を建てるときの費用相場
  5. 見積り・相談はお早めに
  6. まとめ
  7. 監修者コメント

霊園の意味

霊園とはお墓がある場所という意味として捉えている人がほとんどで、その内容は間違っていません。
ここでは、霊園というあいまいな内容をもう少し掘り下げて学んでみましょう。

霊園と墓地・墓所の違い

「霊園」「墓地」「墓所」の内容について確認してみましょう。

霊園

霊園とは、お寺に属していない墓地のことです。霊園墓地と呼ばれるときもあります。
一般的に広大な敷地に公園を併設したり、独自の設備を設置したりしている傾向です。

広義では公園と墓地を含めて霊園という表現されることもあります。
霊園といっても大きく分けると民間(民営)霊園と公営霊園の2つです。

ちなみに「霊園」は法律で特に定義されておりません。

墓地

墓地とは、墓地、埋葬等に関する法律第2条5項では
「墳墓を設けるために、墓地として都道府県知事の許可を受けた区域のこと」
と定義しています。
つまり、法律的にいうと、墓地といった場合は、
霊園墓地と寺院墓地を指すことになる広義の意味になるのです。

この法律で「墓地」とは、墳墓を設けるために、墓地として都道府県知事(市又は特別区にあつては、市長又は区長。以下同じ。)の許可を受けた区域をいう。

墓地、埋葬等に関する法律第2条5項から引用

墓所

墓所は、霊園墓地や寺院墓地の中にあるお墓を建てるための区画のことです。

これらの言葉には、広義か狭義かという違いがあるのですね。
イメージでは墓地の中に霊園墓地と寺院墓地があり、その個別の区画を墓所と呼ぶ感じでしょうか。
紛らわしい言葉ですが、下記のように整理しておくと、いざというときわかりやすいでしょう。

ちなみに「墓所」は法律で特に定義されておりません。

墓地・霊園・墓所の違いの比較イメージ

墓地

霊園墓地

公営霊園

墓所(各区画)

民間(民営)霊園

墓所(各区画)

寺院墓地

墓所(各区画)

霊園の意味や墓地との違いは理解できましたでしょうか?より「霊園」について知りたい方や墓地との違いについて知りたい方は「霊園とは?墓地との違いや霊園の種類・特徴をわかりやすく比較!」を合わせてご覧ください。

特徴やメリット・デメリットを比較して分かりやすく紹介しています。

お墓を建てる本当の意味や目的

お墓を建てる目的は、
「故人の遺骨を保管する場所を確保する」「先祖の存在を確認するための墓標がほしい」などです。
また、故人や先祖に供養したり、成仏したりできるようにという目的もあります。

さらに、お墓の建てる意味としては、先祖の存在を私たちがしっかり尊重するという観点もあるでしょう。
なんとなく自分の力や意思で此岸(しがん:この世)を生きているように感じてしまいがちです。

しかし、もし先祖が一人でもいなかったら、自分という人間は存在すらしていません。
そういう観点から見ると、お墓は故人や先祖を思い偲び尊重することで、自分の存在を感謝するという意味合いが強いのかもしれません。

ここでは、霊園の意味や、墓地との違いについて解説してきました。
近年は、「お墓は高額」「お墓離れ」などお墓に関してネガティブな内容も耳にしますが、お墓や霊園などを掘り下げて考えることでお墓の見方が変わったのではないでしょうか。

お墓を建てる意味については、「お墓の意味や役割を考える!お墓は”つながりの交差点”」の記事を参考にしてください。

「お墓いらないかも・・・」と考えているかたは「お墓はいらない派?いる派?この時代だから考えてみた「お墓を建てる目的」」も参考になるでしょう。合わせてご覧ください。

墓地の種類は全部で3種類

墓地とひとことでいってもさまざまな運営形態が存在し、大きく分けると地方自治体、宗教法人、公益法人の全部で3種類です。

これは墓地と同様に墓地、埋葬等に関する法律施行細則の第二条で決められています。

第2条 法第10条第1項の墓地、納骨堂又は火葬場(以下「墓地等」という。)の経営の許可又は同条第2項の変更の許可を受けることができる者は、次の各号のいずれかに該当する者とする。

  1. 地方公共団体
  2. 事務所が市又は市に隣接する町村の区域内に所在する宗教法人法(昭和26年法律第126号)第4条第2項に規定する宗教法人
  3. 事務所が市又は市に隣接する町村の区域内に所在する公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律(平成18年法律第49号)第2条第3号に規定する公益法人
墓地、埋葬等に関する法律施行細則 第二条 から引用

ここからは、「民間(民営)霊園」「公営霊園」「寺院墓地」という観点から内容を見ていきましょう。

民間(民営)霊園

民間(民営)霊園は、経営主体が宗教法人などで、運営や管理は石材店などの民間業者が行っています。
宗派や宗旨が限定されることはほぼありません。
そのため、希望するお墓のスタイルを選びやすい傾向です。

広い敷地を保有して、霊園内の設備などが充実していることが特徴といえます。
かつてのお墓というイメージは薄く、明るくきれいな印象の霊園が多い傾向です。

公営霊園

公営霊園は、自治体が経営主体となり運営管理まで行う墓地です。
公的な霊園のため、宗派や宗旨に縛られることはありません。
なによりも公営であるため倒産リスクが非常に低いというのが利用者の安心感につながっています。

ただ、その自治体に住民票があることが申し込み条件の一つになっていることが多いです。
そのため、対象の自治体に住んでいなければ必然的に申し込みすらできないこともあります。

また、申し込みができたとしても、公募を上回る申し込みがあった場合は抽選となりますので、当選するには運も必要です。

日本初の公営墓地は多摩霊園

ちなみに近代的な公営霊園の先駆けは都立多摩霊園です。

江戸時代や明治初期は、寺院墓地や村はずれの墓地が当たり前でしたが、都心部の墓地不足に悩む東京市は、かつてはまだ広大の土地の残る武蔵野郊外(現在の府中市)に公園の役割も兼ねるような新しいタイプの霊園を作ります。

ドイツやオーストリアの霊園を参考にしてできあがった多摩霊園をきっかけに、千葉、横浜、大阪などでも近代的な公園墓地が作られていき、時間をかけて全国に波及していくのです。

寺院墓地

寺院墓地は、いわゆるお寺の敷地にあるお墓のことです。
経営主体と運営管理ともに宗教法人(お寺)が行っています。
仏教信仰が強い人にとっては手厚い供養が受けられるという点は魅力的でしょう。

反面、お寺の檀家にならなくてはいけないケースも多く、宗派や宗旨はそのお寺の信仰する宗派に限定されるという一面があります。

霊園形態

経営主体

運営・管理

特徴

宗派や宗旨

民間(民営)霊園

宗教法人など

民間業者(石材店など)

・墓石の自由度が高い

・設備が充実傾向

・広大な敷地

ほぼ問われることはない

公営霊園

自治体

自治体

・公募申し込みが多いと抽選になる

・その自治体に在住していることが条件になっていることが多い

・倒産リスクが低い

問われない

寺院墓地

宗教法人(お寺)

宗教法人(お寺)

・お寺の檀家になる必要がある

限定される可能性がある

補足:みなし墓地

みなし墓地とは、昭和23年に施行された「墓地、埋葬などに関する法律」(以下:墓埋法)以前からある墓地のことです。
墓埋法では、墓地を経営するために都道府県知事の許可を得なければならないとされています。
しかし、墓埋法施行前から墓地やお墓はあるわけで、これらの墓地の取り扱いは次のように定められています。

第26条 この法律施行の際現に従前の命令の規定により都道府県知事の許可をうけて墓地、納骨堂又は火葬場を経営している者は、この法律の規定により、それぞれ、その許可をうけたものとみなす。

最後の「みなす」の言葉から「みなし墓地」と呼ばれているのです。
みなし墓地に該当するのは、古くからある共同墓地や個人所有の土地に建てられたお墓などです。
許可を受けていないからといって、行政がそこにあるお墓を撤去していくというのは現実的にはありえません。
現存のお墓へのお参りは問題なく行えますが、新たに墓地を再開発するとなると許可を取り直さなければならないでしょう。

 霊園・墓地探しからお墓を建てる6つの流れ

墓地探しからお墓を建てるためには全体の流れを押さえておくことが重要です。
ここでは、流れを6つにまとめましたので、確認しましょう。

1.自分の宗派・宗旨に合った霊園や墓地を選定

霊園や墓地を選定する際は、まず自分の宗派に合った先を選定しましょう。
特定の宗派に属している人は自分の希望する供養方法が行える霊園なのかは非常に大切です。

また、無宗教の人の場合は宗派にこだわらない霊園や墓地を選定します。
上記に記載したように墓地といっても3種類のタイプがありますので複数を見学するなどしてみることがおすすめです。

2.霊園や寺院が決まったら永代使用権(墓所使用契約)を結ぶ

霊園や寺院が選定できたら、永代使用権(墓所使用契約)を結びます。
なぜなら、お墓を建てる土地というのは霊園や寺院から借りることになるからです。

墓地、埋葬等に関する法律の第4条で墓地以外での区域に納骨はできないことがうたわれており、霊園、寺院を問わず契約が必要になります。利用希望者と墓地管理者で契約を結び、永代使用料を支払います。

第四条 埋葬又は焼骨の埋蔵は、墓地以外の区域に、これを行つてはならない。

墓地、埋葬等に関する法律 第4条 から引用

この段階ではじめて墓地を利用するための権利を獲得したことになるのです。
なお、永代使用料(墓地を借りるときに支払う費用)は途中で墓所の利用を解除しても戻ってこない性質の費用だと認識しておきましょう。

永代使用料についてより理解を深めたい方は「お墓の永代使用料についてわかる!お墓に必要な管理費、納骨の費用などを解説」も合わせてご覧ください。

3.石材店を複数選定する

墓地の契約が済んだ後は、お墓を建てるために石材店を複数選定します。
なぜ複数なのかといえば、お墓という商品はある程度の相場はあるものの、明確な値段が明らかになっている業界ではないからです。

運悪くずさんな業者であったり、悪質な業者であったりした場合に相場よりも高い金額をふっかけられる可能性があります。そういったリスクから逃れるためにも複数社の選定し見積もりをしてもらって比較することは重要です。

また、ネット上で格安の墓石販売をうたっているような業者もありますが、そういった場合は、ブローカーの可能性もあるため注意しましょう。

墓石を買うときに損したくない人は、「石材の販売店で上手に墓石を買うために!複数の石材店を見比べよう」の記事で石材店との交渉方法などを解説していますので参考にしてください。

4.石材店に相見積もりする

石材店で相談しながら相見積もりを依頼します。
相見積もりとは、それぞれの石材店へ同じ条件で見積もりを出してもらうことです。

もちろん、あらかじめ「こんなお墓を建てたい」「こんな色の石を使いたい」
という希望がある場合は整理しておくと、より一層具体的な話を石材店と行えるでしょう。

貴重な時間を有効に使うためにも、できるだけイメージを固めておくことがおすすめです。
値段だけではすべては判断できませんが、いままでの建立実績や金額、
スタッフの説明の誠実さなどをあわせて総合的に信頼できる業者を選定します。

5.石材店に墓石を発注する

正式に石材店へ墓石の発注を行います。
例えば、「契約の際は手付金を契約金額の50%払う」など一部代金を先払いして、
工事が完了に残りを決済するというのが一般的です。契約書の内容も良く確認しておきましょう。

6.墓石完成

墓石発注から2~3ヵ月程度で施行まで完了するのが一般的です。
納骨式などを行う日取りが決まっている場合は逆算して間に合うように石材店へ発注する必要があります。

お墓を建てる流れはよくわかりましたか?
まずは、墓地を借りる契約をしないと墓石の話に進めないことは重要ですね。
流れを把握しておくことで無駄な時間を掛けずに霊園や石材店と相談ができるでしょう。

なんとなく進めても優良業者ならバックアップしてくれると思いますが、
納骨する日を仮決めしておくと逆算して行動がしやすくなります。

霊園や墓地などにお墓を建てるときの費用相場

霊園や墓地などにお墓を建てる際にかかる費用は地域によってさまざまです。
また、「民間(民営)霊園」「公営霊園」「寺院墓地」でも金額は異なってきます。

民間(民営)霊園

民間(民営)霊園の墓石代や永代使用料、管理費の目安について確認していきましょう。

墓石代の目安

民間霊園で墓石を建てる場合の金額の目安は70万~200万円程度です。
金額に幅がある理由は、契約する敷地の面積や使用する石材の量、立地などに依存します。

民間(民営)霊園の場合は、指定された石材店でしか墓石を発注できないケースもあります。
その場合は、地域の相場よりも若干高くなる傾向です。

永代使用料の目安

民間(民営)霊園の永代使用料の目安は、数十万~150万程度です。
傾向としては、地価が高い地域だと永代使用料が高くなる傾向です。

管理費の目安

民間(民営)霊園の年間管理費は5,000~1万5,000円程度です。
設備などに多大な先行投資をしているような民間業者の場合は、
その費用が管理費として上乗せされる傾向があります。

公営霊園

公営霊園の墓石代や永代使用料、管理費の目安は3つの中では1番安い傾向です。細かく見ていきましょう。

墓石代の目安

公営霊園の墓石代の目安は30万~100万円程度です。

ただ、公営霊園といえども4㎡以上など広い墓地を契約する場合は、この目安よりもさらに予算がかかることになるでしょう。

永代使用料の目安

公営霊園の永代使用料の目安は、10万~数百万円です。
民間(民営)霊園同様に、地方か都心かで金額が大幅に変わってきます。

そのため、希望する自治体に確認することが賢明です。
例えば、東京都立青山霊園の一般埋蔵施設の使用料は3.95㎡で約1,000万円を超えます。
1.6㎡でも約400万円と非常に高額な使用料ですので驚きですね。

地方を例に出すと、青森市八甲田霊園では6㎡で使用料が約45万円、栃木県宇都宮市上河内東山霊園では、5㎡で使用料が10万~13万円になります。

管理費の目安

公営霊園の管理費の目安は2,000~1万円程度です。
自治体によって差がありますが、基本的に」民間(民営)や寺院墓地に比べると安価な傾向といえます。
例えば、先ほど例に挙げた使用料が高額の東京都立青山霊園ですが、年間管理費は1,220~2,440円とリーズナブルです。

寺院墓地

寺院墓地の墓石代や永代使用料、管理費の目安は民間(民営)霊園とあまり変わりません。
ここでピックアップしている3項目では費用が同等ですが、寺院墓地の場合、お寺を支えていく役割の檀家になることが必須という場合もあるため、別の費用がかかりがちです。

主に入壇料やさまざまな寄付や御布施などお寺によってもさまざまといえます。

墓石代の目安

寺院墓地の墓石代の目安は70万~200万円程度です。

指定した石材店しか利用できないことも多く、指定以外の石材店が墓石代を安く見積もってくれたとしても選択することはできません。

相見積もりができないため、業者の提示する墓石の金額で契約する必要があり、相場よりも高めに金額設定される場合もあります。

永代使用料の目安

寺院墓地の永代使用料の目安は、数十万~100万円程度です。
民間(民営)・公営霊園に比べると永代使用料がHPなどで開示されていることが少なく、お寺の住職の経営方針によって金額に大きく差が出ます。

管理費の目安

寺院墓地の年間管理費の目安は、1万円程度です。
お寺の敷地が広いようなケースですと、管理費を高めに設定されることもあります。
ただ、民間(民営)霊園と比較してもそこまで差がないといえるでしょう。

いかがでしたか?
ここでは3つの墓地のタイプ別に墓石代や永代使用料、管理費の目安について解説しました。

墓石代金は墓所の広さや石材の使用量、立地に比例してくるため3つのうちどこが安いとは言い難い一面があります。

一方、永代使用料は3つのタイプ別というより、都心か地方かで金額が大きく変動する傾向です。
管理費に関しては、ダントツで割安なのが公営霊園で、民間(民営)霊園と寺院墓地は同等程度が目安になります。

霊園形態(4㎡程度の目安)

墓石代金

永代使用料の目安

管理費(年間)

民間(民営)霊園

70万~200万円程度

数十万~150万円程度

5,00015,000円程度

公営霊園

30万~100万円程度

10

2,0001万円程度

寺院墓地

70万~200万円程度

数十万~100万円程度

1万円程度

見積り・相談はお早めに

霊園の相場について紹介してきましたが、建てる霊園や依頼する石材店によって費用は大きく変わってきます。

もし近い将来「建てる」ことが決まっている方はお早めに気になる霊園にご相談をおすすめします。

選び方・費用感・流れについてアドバイスをもらえるため、霊園探しが大きく進みます。

霊園選びはお墓を建てたいエリアからお選びください。

まとめ

お墓に関する言葉は、普段の生活からはかけ離れている位置づけにあることから、あまりイメージがしやすいとは言い難い状況です。
そのため、霊園や墓地、墓所など言葉の意味の違いがわからないという場合もあります。

しかし、大きな枠で意味の違いを押さえておけばイメージが湧きやすくなったのではないでしょうか。
今一度、この記事の内容をおさらいしてみましょう。

この記事のまとめ

  • 霊園とは一般的にお寺に所属していない墓地のことで、霊園墓地ともいう
  • 霊園は民間(民営)霊園と公営霊園の2つのタイプがある
  • 墓地は、法律的に都道府県知事が墓地として認めた場所のことを指す
  • 墓所は、お墓を実際に建てる区画のこと

 

墓地・霊園・墓所の違いのイメージ

墓地

霊園墓地

公営霊園

墓所(各区画)

民間(民営)霊園

墓所(各区画)

寺院墓地

墓所(各区画)

  • お墓の種類は「公営霊園」「民間(民営)霊園」「寺院墓地」の3タイプ

霊園形態

経営主体

運営・管理

特徴

宗派や宗旨

民間(民営)霊園

宗教法人など

民間業者など

・墓石の自由度が高い

・設備が充実傾向

・広大な敷地

ほぼ問われることはない

公営霊園

自治体

自治体

・公募申し込みが多いと抽選になる

・倒産リスクが低い

問われない

寺院墓地

宗教法人(お寺)

宗教法人(お寺)

・お寺の檀家になる必要がある

限定される可能性がある

  • 墓石代金や永代使用料、管理費は地域により大きく差がある

霊園形態(4㎡程度)

墓石代金

永代使用料の目安

管理費(年間)

民間(民営)霊園

70万~200万円程度

数十万~150万円程度

5,00015,000円程度

公営霊園

30万~100万円程度

10

2,0001万円程度

寺院墓地

70万~200万円程度

数十万~100万円程度

1万円程度

  • 墓石代金は石材の使用量や墓所の広さ、立地で大きく異なる
  • 永代使用料は、地価が高い都心が高く、地価が安い地方が安い傾向
  • 管理費は公営霊園が安く、民間(民営)霊園と寺院墓地は公営よりは若干高め

もやもやしてわかりにくかった霊園や墓地などのお墓事情がわかれば、
より一層自分の希望や予算に合った霊園を選定しやすくなります。

全体がわかれば決して難しい内容ではありませんので、
3つのタイプの違いや費用の傾向などを押さえて納得のいく墓地やお墓を選んでいきましょう。


監修者コメント

監修者
終活・葬送ソーシャルワーカー
吉川美津子

お墓とひとことで言っても、霊園全体を指すこともあれば、ひとつの区画を指すこともあります。また、墓石そのものを指すこともあります。法律では、明確に定義が決まっていて、墓地というとエリア全体ことをあらわします。ひとつの区画のことは「墳墓」という言葉になりますが、あまり一般的ではないためこれを「墓所」と呼んで墓地と区別して使用していることもあります。

言葉の説明をしましたが、プロでない限り一般的にはどれも同じ使い方がなされ、実際は区別して使われていません。個人的には、あまり気にしなくても良いと思います。 お墓の事業主体は、自治体か宗教法人(一部公益法人あり)に限られます。それは永続性を考えると、株式会社等の営利法人が事業主体になるのは好ましくないう理由からです。そうはいっても、自治体や宗教法人でも財政破綻は避けられない時代ではあります。派手な投資や販売手法に惑わされず、シンプルでも堅実な運営をしている墓地を選びたいものです。