【みなし墓地】アイキャッチ画像

「埋葬方法」は数多くの種類があります。どれが正解ということはありませんが、選択肢の多さゆえにどの方法を選べばよいかわからない人も多いことでしょう。
また、埋葬方法に関わる単語も、専門的な知識がない人にとってはわかりにくいものが多いのも事実です。

ここでは自分や家族により合った埋葬方法を選ぶ手助けができるように、この「わかりにくい単語」について解説していきます。 今回取り上げるのは、「みなし墓地」という単語です。

「みなし墓地」とは、「現在の法律下においてはつくることのできない墓地ではあるが、現行法が施行される前に作られた墓地であるため、墓地としての存続を認められたもの」です。先祖代々のお墓が、このみなし墓地と呼ばれるところに建っている、という人もいるでしょう。

後悔しないお墓のために今から準備してみませんか?

終活といっても、生前整理、葬儀、お墓の検討などさまざまです。
そのなかでも「お墓」は、一生に一度あるかないかの買い物ですね。

  • 自分のライフスタイルに合ったベストなお墓はどういうものなのか知りたい
  • お墓選びで複雑な手順を簡単に詳しく理解したい
  • お墓選びで注意するべきポイントを詳しく知りたい

など、数々の不安を抱えている方が多いのではないでしょうか。
お墓の購入に関しては、初めての方が多いため、不安や疑問を持つことは仕方のないことでしょう。
しかし、お墓購入後に後悔することだけは避けたいですよね。
そのためにも複数の霊園・墓地を訪問して実際に話を聞き、しっかりと情報収集することをオススメします。

情報収集するために、まずは気になる霊園・墓地の資料請求をしてみましょう。

みなし墓地とは法律で許可を受けた墓地

和型の一般墓

みなし墓地とは、ごく簡単にいえば、「現行法が施行される前に墓地として設定されていた墓地」を指す言葉です。
この意味を知るためには、まずは「現行法である墓地埋葬法」について知らなければなりません。

現在「墓地埋葬法(ぼちまいそうほう)」とよく呼ばれている法律の正式名称は、「墓地、埋葬等に関する法律」です(以下では、基本的には略称である「墓地埋葬法」を使います。「墓埋法・ぼまいほう」と略することもあります)。

名前からも分かるように、これは墓地や埋葬について定める法律です。埋葬場所として使われている墓地や納骨堂、また99%以上の人が使うことになる「火葬場」について(日本では火葬以外の方法でご遺体を扱うことは極めて難しいのが現状です。水葬などに関しても厳しい規約が設けられています)のさまざまな制約や運用について定めたものです。

墓地埋葬法は、国民の宗教観念に寄り添い相応しい埋葬方法を提供する目的で作られたものであると同時に、公衆衛生を保つためにも作られたと法律でもあります。健全で衛生的な環境を作るために、墓地の建設や火葬場の運営について述べているのです。

この墓地埋葬法の第10条に、

墓地、納骨堂又は火葬場を経営しようとする者は、都道府県知事の許可を受けなければならない

      厚生労働省「墓地、埋葬等に関する法律の概要」から引用  

という一説があります。
このため、現在では新しい墓地を建てようとするときは、地方自治体の長による許可が必要です。

土地が余っているからといって、勝手に墓地にすることは許されていないのです(なお、「墓地」「霊園」「墓苑」を分けて記す場合もありますが、法律用語として使われているのは「墓地」なのでここでも特段記載をしない限りは、「墓地」と一括して記します)

また、新しく墓地を建てる場合だけでなく、墓地の運営をやめたり規模を縮小したりする場合でも、市町村の長の許可が必要となります。
実際の審査は保健所が行いますが、このときには「近隣に学校や民家がないか(ある場合は許可がとれているか)」「営利目的での営業ではないか」などが見られます。このため、墓地の運営には制限がかかっているのです。

さて、この墓地埋葬法は昭和23年に厚生労働省によって施行されました。昭和23年は1948年ですから、今から70年ほども昔のことです(2019年現在)
ただ、それ以前から当然「墓地」は存在しました。歴史をさかのぼれば縄文時代にはすでに「死者を埋葬する場所」として区画が設けられていたとされています。このため、この墓地埋葬法が施行される前から、現在でもよく見ることになる「墓地」が存在していました。

このような、「墓地埋葬法が施行される前からすでに運営されていた墓地」を、「みなし墓地」としているのです。

みなし墓地は「墓地、埋葬等に関する法律」の定義を参考にする

みなし墓地をより詳しく知るためには、現在の墓地埋葬法の第26条が手助けとなります。
これは、

 

第26条 この法律施行の際現に従前の命令の規定により都道府県知事の許可をうけて墓地、納骨堂又は火葬場を経営している者は、この法律の規定により、それぞれ、その許可をうけたものとみなす。

  厚生労働省「墓地、埋葬等に関する法律(昭和23年5月31日法律第48号)から引用  

という一文です。
ごく簡単にいえば、「この法律が施行される前に都道府県知事の許可を受けて運用していた場合は、第10条の「都道府県知事の許可」を得ていなかったとしても許可を得たものと考えて(みなして)運用を続けることができるよ」ということです。

みなし墓地の活用について

みなし墓地について考えるとき、「都道府県知事の許可を得ているのであれば、それは墓地埋葬法の施行前でも施行後でもまったく変わらないのではないか」と思ってしまいがちです。
しかしここには大きな違いが見られます。

現行法が施行される前には、個人の敷地にもお墓が建てられていた

現状の墓地埋葬法の元では、みなし墓地を運営するためには「営利を目的としていない団体の運用」を基本としています。民間業者であったり宗教団体であったり自治体であったり自治体が委託した組織であったりと多少の違いはありますが、墓地の運営を行うためには「団体であること」つまりは「安定した運営ができること」が必要なのです。
現行法の元では、個人で墓地を運用することは事実上不可能に近いわけです。

ただ、現在の墓地埋葬法が施行される前はそうではありませんでした。
一番分かりやすいのが、「個人の家に建っているお墓」です。
かつては「生まれた場所に大きな土地があり、結婚してもそこに住み続ける」というスタイルが当たり前に見られました。このため、個人の家の敷地にお墓が建っていることもありました。先祖代々のお墓が自分の家の庭(といっても非常に広いことが多いのですが)にある……という光景もしばしば見られたわけです。
現行法に基づいて見ると、この「個人の家に建っているお墓」というのはかなり特異な存在と判断されます。団体ではなく「個人」の所有として、「墓地」があるからです。

しかし「現行法では団体が運営することになっている。そのため、そのお墓は違法である。すぐにつぶしなさい」と言うわけにもいきません。このようなことから、現行法が施行された後でも、このようなお墓(墓地)を「みなし墓地」として、その存在を尊重したわけです。

このような「みなし墓地」は文字通り「墓地とみなしている」というものであり、また「昔からある墓地」を尊重するために作られた規約です。そのため、「新しく個人で墓地をつくりたいから、これもみなし墓地としてください」という申し出は基本的には通らないと考えてください。特別な事例がない限りは認められません。

地方自治体によっては現在でも個人墓地の設置が認められることもある

地方自治体によっては、「個人墓地を設置しようと考えている人は、以下の条件を満たせば許可が下りる場合もある」としていることもあります。

たとえば岡山県の津山では、

  1. 墓地の面積が20平方メートル以下
  2. 近くに使える公共墓地がない
  3. 災害のためにお墓を移転せざるを得ない・家族の墓の隣に建てる場合・ほかのお墓もたくさんある場合・著しく交通の便が悪いところにあるためやむを得ないと判断される場合のいずれかに合致するとき
  4. 住宅地から100メートル以上の距離があるもしくは住民や管理者の許可が得られている
  5. 公衆衛生上問題がない場所
  6. 地滑り防止のための土地ではないこと。地滑りが起こりやすい危険な土地ではないこと
      岡山県津山市「個人墓地を設置しようとされる方へ」から出典  

逆にいえば、これほどの厳しい条件をクリアできないかぎりは「個人墓」を持つことはできないわけです。

この「個人墓を持てるかどうか」が、墓地埋葬法が施行される前か後かを分ける大きなポイントともなります。みなし墓地は墓地埋葬法施行前に作られた墓地(個人墓)を、施行後も運用していけるために考えられた措置だといえるでしょう。

個人墓の相続について

ちなみに余談ではありますが、このようにしてつくられた「個人墓地」は、実は「祭祀財産(さいしざいさん)」として扱われるのが慣例です。遺産分けにはさまざまな手続きが必要となりますが、祭祀残債の場合は自動的に相続されることになります。また、当然、分配して持つことはできません。

「慣例」としているのは、本来は「個人墓地はあくまで個人の持ち物なのだから、個人墓の所有人が亡くなった場合は、墓地も廃止する」と解釈されるのが正しいからです。
ただ、墓地を廃止することは現実的ではありませんし、再度墓地運用のための許可をとる必要も出てきます。このため、本来の意味とは少し異なりますが、「祭祀財産」として引き継ぎやすくしているのです。

墓地台帳に記録がないのは無許可の墓地になる

さて、「みなし墓地」のことをより深く知るためには「墓地台帳」にも注目しなければありません。

墓地台帳とは、墓地の素性を記した台帳だと考えるとわかりやすいでしょう。この墓地台帳には、墓地の名前や運営者の情報、管理者の情報や許可を与えた(受けた)日時、そして所在地や墓地の広さなどが記されています。ちなみにこの墓地台帳は、自治体の窓口に行けば確認することができます。
「今埋葬しているお墓をとじてほかのところに埋葬したい(改葬)」「お墓を閉じたい」というときには、この墓地台帳を利用するとよいでしょう。墓地の管理者や連絡先がわからなくても、この墓地台帳を見れば管理者がわかるからです。

みなし墓地の場合は、特に「みなし墓地台帳」に入れられていることもあります。
このようなことを見ていけば、現在でも存続している個人で運営している・管理している墓はすべてみなし墓地台帳に記載されているように思うかもしれません。しかし現状としてはそうではありません。

個人で建てられた墓は、「みなし墓地」とされるものと「無許可墓地」とされるものに分かれています。みなし墓地は墓地埋葬法(現行法)の施行前に行政の許可をとって建てられたものであり、運営されているものをいいます。
対して「無許可墓地」というのは、行政の許可を得ないで建てられた墓地(墓)をいいます。墓地埋葬法(現行法)が施行される前に作られたものであっても、墓地埋葬法(現行法)が施行された後に作られたものであっても、行政の許可を得ないで建てられているのであれば「無許可墓地」とみなされます。

日本のお墓は行政によってある程度管理されています。戦後すぐの混乱期などはともかく、現在において新しく無許可墓地が建てられる可能性はほとんどないように思われるかもしれません。しかし墓地に関する法律のことを考えたこともない人が、
「自分の持っている山にお墓を建てるのならばよいだろう。自分の土地だし、周りに人家もないので周囲の人に迷惑をかける心配もない」として、悪気なくお墓を建ててしまう可能性は0ではありません。多くの人にとって、墓地埋葬法という「法律」はかなり遠い存在だからです。

このようにして無許可で建てられた墓地は、当然ながら墓地台帳には記載されていません。「みなし墓地」の場合は違法とはいえませんが、この「無許可墓地」は違法であるといえます。故人の健やかな眠りのためにも、無許可墓地のままでおいておくのは望ましくありません。

「無許可墓地かそうではないか」は、「その墓が何年前に建てられたものか」によって判断できるものではありません。
個人墓であっても行政の許可を得たもの(岡山県の津山市が出しているような厳しい条件をクリアして建てたもの)ならば、昭和23年以降に建てられたものであっても当然合法です。非常に珍しいケースではありますが、基準を満たして建てた個人墓の場合、たとえ建てられてから数年しか経っていなくても無許可墓地にはあたりません。

しかし、「今から200年以上前から代々ずっと庭のお墓を守っている」「自分の持っている土地に建てたお墓を増築し、先祖の骨壺を納めている」という場合であっても、許可がなければ違法となるのです。

そのため、現在個人で墓地を持っているのであれば、一度これがちゃんと許可を与えられているかどうかを確認するべきだといえます。

墓地の許可がない場合に行うべき対応や手続き

【墓石 クーリングオフ】アイキャッチ画像

所有している個人墓地が許可を得ているものかどうかを知るためのもっとも手っ取り早い方法は、自治体の役場(区役所や市役所など)に電話をして問い合わせることです。墓地台帳をたどれば、違法性のある「無許可墓地」か、許可を得て建てられた「個人墓地」かがわかります。

なお、無許可墓地だった場合は、実は刑罰も定められています。半年以下の懲役刑もしくは5000円以下の罰金に処されるとされています。ただ、現実としてこれらの刑罰が科せられることはないと考えて構いません。
「違法だと知りつつ先祖が墓地を作った」というケースはそれほど多くはないでしょうし、知らずに墓地をつくり先祖代々守ってきたといったケースも多いのに、それを懲役刑や罰金刑で罰するのはかなり厳しいと考えられるためだと思われます。

ただし、墓地埋葬法が施行された後に、勝手に自分で作った場合は刑罰が科せられる可能性があります。なお、この墓地埋葬法の処罰は「墓地」に対してのみ課せられるものであるため、「遺骨は埋めないで、故人を偲ぶ墓碑だけを建てた。遺骨は手元供養していて、家の中にある」などの場合は処罰対象とはなりません。

さて、無許可墓地であった場合はどうすればよいのでしょうか。
この場合は、「無許可墓地」から「みなし墓地」とするための手続きが求められることもあります。自治体によって考え方が多少異なるのですが、「書類を提出してくれれば、無許可墓地ではなくみなし墓地とするよ」としているところもあります。

ただ、これができるのは、墓地埋葬法が施行される前に建てられた墓地だけです。またこの届けを出すときは、「その墓地が墓地埋葬法前からあった墓地であること(=墓地埋葬法以降に建てられた無許可墓地ではなく、処罰対象とならないものであること)」を立証する必要があります。
一番よいのは、菩提寺の檀家名簿などを遡って証拠を見つけることでしょう。これには客観的な証拠が必要となります。

墓地の経営許可に関すること

「墓地埋葬法」は公衆衛生に注目したこと、国民感情に沿うようなかたちで「埋葬」を定義づけルール化したという大変意味深い法律だといえます。しかしそれによって、窮屈さが出てきたのは事実だといえるでしょう。

現在では墓地の運営許可は、団体にしか認められていません。地方自治体や寺院、宗教団体が運営を担うことになっています。「余っている土地を墓地にして、霊園として運営していき利益を上げること」は当然認められていませんし、「自分自身の持っている土地にお墓を建てて、そこで故人を弔うこと」も非常に難しいといえます(ただし後者の場合は、個人墓地としなければならない特段の事情が認められれば可能)

「みなし墓地」を今から新しく取得することは基本的にはできませんし、個人墓地を運用していくこともできません。
「故人とずっと一緒にいたい」「近くで過ごしたいから、側にお墓を建てたい」と考えるのであれば、「墓地をつくること」を目指すのは諦めて、手元供養に切り替えるとよいでしょう。これはあえてご遺骨を埋葬せずに仏壇などに置いて過ごす方法をいいます。

また、遺骨の大部分は埋葬するけれどその一部をアクセサリーなどにしてずっと使い続けていくという方法もあります。ぱっと見ただけでは遺骨の入ったアクセサリーだとはわかりませんし、デザイン性に優れたものが多く販売されているので選ぶ楽しみもあります。

「故人を近くで感じたい」という人にとって、「墓地運用の許可は、原則として団体にだけに与える」とした墓地埋葬法はデメリットを感じさせるものです。
ただ、団体によって運営されているからこそ、安定感があることもたしかです。墓地を保護する法律もありますから、たとえその団体がなくなっても墓地は存続することになるのが基本ですから、安心してお参りができます。

墓地を経営するのは自治体・寺院・民営の3つ

【浄土宗 お墓】アイキャッチ画像

現行の墓地埋葬法の元では、個人で新しい墓地を獲得することは極めて難しいといえます。そのため現状で墓地を運営しているのは、みなし墓地や特例として認められた個人墓以外は「団体」となります。
この「団体」は、大きく分けて3つあります。

  1. 自治体
  2. 民間業者や宗教団体(宗教法人)
  3. 寺院

なお、「墓地」は「霊園」などの呼び方がとられることがあります。ただこの2つは広義の意味では同じものであると考えることができます。そのためここでは、墓地=霊園という意味で使っていきます。

自治体の運営する墓地(公営墓地)

自治体が直接もしくは自治体が委託した団体によって運営される墓地は、ほかの2つに比べて「公共性」が極めて高いのが大きな特徴です。

そもそも墓地の運営は「非営利目的であること」が求められますが、自治体が運営する場合はその性格がさらに強く出ます。いわゆる「無縁仏」も自治体の墓地では受け入れています(寺院が受け入れることもあります)
また、「お金がなくて、民間や寺院の運営する墓地に入れることができない」という人の最後の住処を提供するのも、自治体の運営する墓地の役目です。

このように、自治体の運営する墓地は「住民に対する福利厚生のサービス」としての性質を強く持ちます。自治体が運営しているため、将来性も担保されており、安心してお骨を納めることができるのも特徴です。

自治体が運営しているため、「信教の自由(国民はどんな宗教を信じていてもよいとする法律)」に基づき、あらゆる宗教・宗派の人を受け入れます。また、特定の石材店と提携しているわけでもありませんから、どの石材店で墓石を購入しても構いません。

このようなメリットを持つ自治体運営の墓地ですが、民間のものとは異なりいくつかの制限も出てきます。
まずもっとも大きな制限として、「入ることのできる人が限定されること」が挙げられます。自治体の運営する墓地は、あくまで「その自治体に所属する人のためのサービス」であるため、そこの住人でなければ入ることができません。また住人であっても、「○年以上住んでいなければだめ」などの制約がかけられることがあります。加えて、「すでに遺骨が手元にある人でなければ入れない」としているケースもあります。

区画などにもよって差が出ますが、自治体の運営する墓地はほかの2つの墓地に比べて値段が安くなる傾向にあります。そのため希望者が多い場合は、抽選などが行われるケースがあります。さらに、自治体が運用する墓地は交通の便が悪いところにつくられることも多いため、交通手段の確保が難しくなることもあります。

この「自治体が運営する墓地」は、しばしば「公営墓地」「公営霊園」とも記されます。

民間業者が運営する墓地(民営墓地)

「民間業者が運営する墓地」は、公益法人や宗教法人が主体となって運営していく墓地をいいます。
公営の墓地とは異なり、快適な設備作りや交通の便の良さを考えてつくられるケースが多く見られ、墓参りに来る人も、また安置される人も快適に過ごすことができるでしょう。
墓地によって墓地全体のデザインや何に重きを置くかに違いが見られるのも、民間業者が運営する墓地の特徴だといえます。すばらしい景観が楽しめる墓地や、まるで公園のようになっている墓地なども出ており、自分の希望に合った墓地を探しやすいことでしょう。

また、民間業者が運営する墓地の場合は自由度が高いのも特徴です。
墓のデザインなどにも工夫を凝らすことができますし、区画の広さも任意に決められるケースが多いと思われます。ただ、公営の墓地のように「信教の自由」という法律上の定めに基づいて運営されているわけではありませんから、墓地によってはある程度宗教・宗派に制限を設けている場合もあります。
在来仏教の場合はほぼ問題はありませんし比較的間口は広いのですが、一度問い合わせておくと安全です。

民間業者が運営する墓地の場合、「石材店との関わり」が出てくることもあります。民間業者が運営する墓地のなかには、複数の石材店が運営団体となっているところもあります。このような民間業者が運営する墓地の場合、その石材店での墓石の購入が強く求められる可能性もあります。

寺院が運営する墓地(寺院墓地)

「寺院が運営する墓地」は、その名前の通り、お寺が自分のところの敷地に設けている墓地をいいます(墓地はお寺に隣接していることもあれば、お寺が持っている山などに作られていることもあります)

なお、寺院もまた宗教団体(宗教法人)ですが、墓地の話をするときは多くの場合「公益法人や宗教法人が主体となって運営する民間墓地」とは区別されます。 寺院が運営する墓地の最大のメリットは、「自分が信仰している仏様のお側近くで眠れること」にあります。

信仰心が篤い人にとってこれは非常に心強いことです。自分が信仰した宗教・宗派の宗教者にこれから先もずっと供養していってもらえるため、安心感があります。菩提寺の墓地を使えるのであれば、さらにその気持ちは強くなるでしょう。

寺院が運営する墓地に埋葬する場合、もめ事が起きにくいのもメリットのうちのひとつです。寺院が運営する墓地への埋葬を希望するケースでは必ずまず菩提寺に相談することになりますが、「こちらのお墓に入れてもらいたいと考えている」と伝えれば、葬儀関係のあらゆる打ち合わせもスムーズに行えるでしょう。

寺院が運営する墓地の場合、公共や民間の運営する墓地とは異なり「寺ごとの違い」が非常に大きく出てきます。これはメリットにもなればデメリットにもなります。 まず、宗教・宗派の問題です。

これは考え方が大きく4つに分けられます。

  1. 墓地を持つ寺院と同じ宗教・同じ宗派のみ可(寺院:浄土宗 故人:浄土宗)
  2. 墓地を持つ寺院と同じ宗教ではあるが、宗派は違う。ただしその宗派は在来仏教である(寺院:浄土宗 故人:臨済宗)
  3. 墓地を持つ寺院と同じ宗教ではあるが、宗派は違う。かつその宗派は新興宗派系である
  4. 宗教からして異なる(寺院:仏教の浄土宗 故人:キリスト教)

宗教に良し悪しはありませんが、「どのあたりまで受け入れるか」は寺院によって大きく異なります。寺院が運営する墓地であっても「宗教にこだわらずに受け入れる」として4の立場をとっているところもありますが、宗教・宗派を厳しく見る寺院もあります。そのため、事前に宗教・宗派の確認をしておくことは絶対に必要です(菩提寺の場合はすでにわかっているため必要ありません)。

また、設備にも違いが見られます。民間団体の墓地と同じくらいの設備を備えている寺院が運営する墓地もありますが、設備の面ではあまり整っていない寺院もあります。
運営団体の違いによる墓地の違いは、かなり大きいものです。自分の希望に合った墓地を選びたいものです。特に、宗教・宗派の問題は非常に大きいので、注意しなければなりません。

まとめ

みなし墓地とは、現在の墓地埋葬法が施行される以前から使われていた墓地であり、かつ当時の厚生省の許可を得ていた墓地をいいます。

現行法の施行前と施行後では、「個人が墓地を運営できるかどうか」の点で大きな違いがあります。現在は基本的には団体(自治体・民間及び宗教法人・寺院)しか運営することができませんが、かつては個人でも墓地を運営することができました。

この調整のために、「現在の墓地埋葬法に照らし合わせれば個人墓地は墓地とはできないけれども、法律施行前に建てられていた個人墓地は墓地とみなすよ(=みなし墓地)」という考えができたのです。

現在でも個人墓地をつくることは不可能ではありませんが、規約が非常に厳しいためほとんど無理だと考えておいた方がよいでしょう。

みなし墓地もまた、現行法の墓地と同じように許可を受けてつくらなければならないものでした。許可がなければ違法となり、「無許可墓地」となり刑罰もあります。しかし施行前につくられていた墓地に関しては、刑罰が科せられることはないと言ってよいでしょう。

なお、無許可墓地でも「昔から個人が運営していたこと」を客観的に証明できれば「みなし墓地」とされることもあります。個人での墓地運営が極めて難しい環境にある現在、墓地の運営は基本的にすべて団体に委ねられています。

この「団体」は、大きく分けて

  1. 公共団体
  2. 民間団体(宗教法人も含む)
  3. 寺院

の3つです。

公共団体の運営する墓地は、運営する主体の性格上、「公共サービス」としての意味を持ち得ます。そのため、無縁仏やお金がなくて民間や寺院の墓地を利用できない人の受け皿ともなっています。
また、「信教の自由」の法律に基づき運営されるため、どのような宗教の人でも受け入れます。石材店との関わりもないため、自由に業者を選べます。

ただし公共団体の墓地の場合、そこに居住していない人(あるいは居住していたが長くは住んでいなかった人)は埋葬ができないこともあります。また、希望者が多かった場合は抽選となります。

民間団体の運営する墓地は、景色や設備、交通の便などにこだわってつくられていることが多いといえます。そのため、自分の希望に沿った墓地を選びやすいでしょう。
宗教・宗派に関しての考え方は、墓地ごとによって異なります。また、石材店が運営主体となっている場合、墓石の購入に関わってくることもあります。

寺院の運営する墓地は、信仰心の高い人にとっては理想の選択肢の一つとなるでしょう。特に菩提寺の墓地に眠ることができるようならば、もろもろのトラブルも起きにくいかと考えられます。
寺院の運営する墓地を使いたいと希望する場合は、宗教・宗派の確認が必須です。また、設備などは寺院ごとによって大きな違いがあります。

私たちが眠る「最後の居場所」は、時に法律によって制約を受けます。ただ制約があっても、自分に合った墓地を選ぶことは難しいことではありません。

お墓の準備はできていますか?

終活といっても、生前整理、葬儀、お墓の検討などさまざまです。そのなかでも「お墓」は、一生に一度あるかないかの買い物ですね。

  • 自分に適切なお墓を探したいが、そのお墓をどう探したらよいかわからない。
  • まだ両親や自分が入るお墓が決まっていないが、お墓を探す手順がわからない。

など、数々の不安を抱えている方が多いのではないでしょうか。

お墓の購入に関しては、全員が初めての経験になることが多いため、不安を持つことは仕方のないことでしょう。

しかし、お墓購入後に後悔はしたくはないですよね。
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