『株式会社ユー花園』葬儀祭壇や花の通販を手がける花のプロ

『株式会社ユー花園』葬儀祭壇や花の通販を手がける花のプロ

ブライダルや葬儀、各種式典など、いわゆる「冠婚葬祭」になくてはならない存在である花。

深い悲しみに包まれる葬儀の場であっても美しい花が飾られていることで、遺族や参列者の気持ちが多少なりとも晴れやかになり、故人にも最後の花道を作ってあげることができます。

そのためにも葬儀で使用する花は、高いクオリティで提供してくれる花屋を選びたいものです。

今回のライフエンディングジャーナルでは昭和37年に創業し、半世紀以上の歴史を誇る株式会社ユー花園を取り上げます。

同社が取り組む事業サービスや花のECサイトについて紹介いたします。花の総合サービス企業である株式会社ユー花園の企業姿勢について、担当者にインタビューを行っていますので、あわせて参考にしてください。

この記事の目次

  1. 花の総合サービス企業『株式会社ユー花園』について
  2. 株式会社ユー花園のフューネラル事業における強み
  3. 株式会社ユー花園が運営する花のECショップについて
  4. 株式会社ユー花園の担当者にインタビュー
  5. 企業概要

花の総合サービス企業『株式会社ユー花園』について

東京都世田谷区に本社を構える株式会社ユー花園は、花の流通や販売・デザイン・装飾までを一貫して行うフラワーサービスカンパニーです。

「花のもたらす喜びを世界中に伝えられる集団になろう」というビジョンのもと、花を通じてより良い社会づくりと豊かで彩りに満ちたライフスタイルと文化の向上をめざしています。

展開する事業サービス

株式会社ユー花園が展開する事業サービスは主に以下の4つです。

  • フューネラル
  • フラワーショップ
  • ウェディング
  • ビジネス(一般法人向け)

一都三県を中心にサービスを展開していますが、地方在住者が利用できるものもあります。

フューネラル

ユー花園の祭壇

葬儀社から依頼を受け、生花祭壇や生花装飾による葬儀会場の空間をライティングやインテリアプロダクツ含めて総合的に演出し、施工販売しています。※フューネラル(FUNERAL)とは葬儀を意味する言葉

ただ花を飾りつけるだけではなく、葬儀装飾花のスタイルに合わせたオリジナルデザインを提案しているのが特徴です。

最近の取り組みでは、生花業界初となる花祭壇フランチャイズシステムを導入しています。フランチャイズ事業では加盟店への商標や生花装飾ノウハウの貸与、カタログの使用権、取扱商品や資材の安定供給、そして講習会の実施に取り組んでいます。

フラワーショップ

ユー花園フラワーショップ

創業当初は下北沢の小さなフラワーショップからスタートした株式会社ユー花園ですが、現在は首都圏を中心に4つの店舗を展開しています。

花束やアレンジメント、花器の販売はもちろん、ガーデニングコンサルティングや造園施工、フラワーデリバリーやフラワースクールと、多様なサービスを提供しています。

ウェディング

ウェディングブーケ

葬儀と同じくらい、花が重要視されているのがウェディングです。

株式会社ユー花園では専門の結婚式場からレストラン、外資系ラグジュアリーホテルまで、さまざまな施設のウェディング装花を手掛けています。

ウェディングブーケやフラワーアレンジメントはもちろん、キャンドルやテーブルリネン、テーブルウェアも含めたトータルテーブルコーディネートを行っています。

ビジネス(法人向け)

開店祝いの胡蝶蘭

開店や就任祝いなどの慶事や法要などの弔事、式典や社葬などの空間演出、そしてオフィスのディスプレイなど、法人向けのフラワーサービスも充実しています。

株式会社ユー花園のフューネラル事業における強み

華やかな祭壇

株式会社ユー花園には経験豊富なフラワーディレクターが100名以上在籍していることから、フューネラル事業でも高いクオリティの葬儀装飾花を期待できます。

デザイナーがCGを駆使して作り上げる完成イメージも魅力的で、花や花器の分量は調整可能です。

また、コンピューターでは書き分け困難な書体も対応できる筆耕士の存在や、200台あまりの配送用車両を用意できる対応力と機動力も強みのひとつです。

このように、葬儀の花という分野で優れた技術を発揮している株式会社ユー花園。最近では、現代の生活に合わせてECサイトの展開にも力を入れています。

株式会社ユー花園が運営する花のECショップについて

ここまで紹介した多様な事業以外として、株式会社ユー花園では現在、一般法人企業向けの花のECサイト「お花の窓口」も運営しています。

花のECサイト「お花の窓口」

同社のフラワーコンシェルジュは、供花をはじめとしたお悔やみの花やお祝いの花などの受付から花の種類や全体のイメージ、立札の内容についても相談可能です。

お急ぎのご注文も受け付けていて、供花は前日正午までの注文であれば全国各地の提携生花店へ手配を行えます。法人企業にとって花に関するあらゆる相談に乗ってくれる、心強いパートナーとして利用できるでしょう。

フラワーディレクターをはじめ、さまざまな分野のプロが集結し、トータルフラワーサービスを展開している株式会社ユー花園。最近の葬儀花に関して等を知るため、株式会社ユー花園で働く担当者の中台さんと三上さんから花へのこだわりや葬儀に対する考え方をお伺いしました。

株式会社ユー花園の担当者にインタビュー

編集部ロゴLife.編集部

貴社が手がけた生花祭壇の写真と完成デザイン図を拝見しましたが、とても美しいのとデザイン図の精度がすごいなと感じました!忠実にイメージを再現するため、業界内では早くからCG技術を取り入れていたと聞いていますが、ビジュアルを作成するときに気をつけていられることはありますか?

担当者:デザインについては「お絵描き」というよりも「設計図」に近いイメージですね。

小さいものには指示書、大きなものには代組があり、それに基づいて制作しています。花を挿す角度なども計算して、完成図を仕上げていきます。

白い花で作られた明るい祭壇

編集部ロゴLife.編集部

計算されたイメージ図があるから、質の高い祭壇が完成するのですね。質といえば、貴社はさまざまな資格制度を導入していて、それが顧客の安心感や社員のモチベーションにつながっているとも伺いましたが、この制度内容について詳しく教えていただけますか。

担当者:弊社では葬儀装飾花の製作技術と現場での施工レベルの向上を目的に、2つの資格制度を導入しております。

1つはAFFA公認の「生花祭壇技術試験」で、より高い技術が必要なデザインを目指すものです。技術のランクはD級~S級までの5段階で、スタッフは最上級のS級を目指しています。S級を取得すると外部講師として活躍できるレベルを保有していることから、実際に弊社のスタッフも全国に出向かせていただいたりしています。

※AFFAとは、一般社団法人フューネラル・フラワー技能検定協会の略称

もう1つは、若手社員の育成と施工技術の向上を目的とした独自の制度『 施工プロフェッショナル制度(CPS)』です。こちらは3段階の実技試験があり、現場での施工技術の向上を目的としたものです。両資格制度は、それぞれの段階で技術者のレベルアップや自身のスキル確認、目標設定ができたためスタッフのモチベーションアップにもつながっていると考えています。

編集部ロゴLife.編集部

資格制度がスタッフ様の技術とモチベーション双方の向上につながりそうですね。次に貴社の強みについてお伺いしたいのですが、葬儀社様からはどのようなお声をいただくことが多いのでしょうか?

担当者納品スピードと不測の事態への対応力や機動力は、当社における最大のサービスのひとつと考えています。

弊社のお客様には特に長くお付き合いいただいている老舗葬儀社様が多くいらっしゃるのですが、やはりそれだけ葬儀における対応力は重要だと認識していますね。

花屋でもあり現場における葬儀社様の一スタッフでもある我々は、葬儀社様だけではなく、ご葬家様への心配りも忘れていません。

ご遺族様の思いを尊重して一件一件異なる特別な儀式のお手伝いをさせていただく、という気持ちを大切にしています。

編集部ロゴLife.編集部

葬儀社と上手に連携しつつ、ご遺族の心に寄り添おうとするお気持ちがよく伝わります。最近では祭壇で故人様の個性を表現される方が増えていると伺いました。祭壇で使用される花にも流行があるかと思いますが、どういった花に注目が集まっているのでしょうか?

担当者:最近は葬儀装飾の洋花化が進んでいて、ご依頼が特に顕著です。葬儀っぽくしたくないと考える方が多くなっているようですね。

また家族葬のブームで個性的な祭壇のご依頼も増えてきました。例えば生前ゴルフ好きだった方にはゴルフの祭壇、海が好きな方には波の祭壇などですね。通常商品として採用しているものだと、赤バラを主体としたものが人気です。

ゴルフ場を模した祭壇

編集部ロゴLife.編集部

ゴルフをイメージした祭壇も作れるのですね!すごいです。一方で、昨今では葬儀の縮小化の傾向によって生花装飾も小規模になっていると聞いていますが、ユー花園として取られている対策はございますか?貴社が考える、葬儀における花の役割とあわせて教えてください。

担当者:当社では技術力やデザイン力のブラッシュアップはもちろんのこと、より葬儀社様が御葬家様におすすめしやすいようなプレゼンテーションツールの作成に余念がありません。

人生の節目に花は欠かせないものと我々は考えています。葬儀は見方を変えれば残された人が故人様とのお別れを経て次に進むステップでもあり、花はその門出に添えられるものだからです。

また、花には悲しみを緩和してくれる役割もあるので、故人様が好きだった花で特別感を出してお見送りしていただきたいですね。

ご希望にお応えできるよう、弊社では国内だけでなく海外からも品質重視の花材を調達し、実際の葬儀装飾として納品させていただいております。

編集部ロゴLife.編集部

ありがとうございます。今まで気づけなかった葬儀の花の役割に気づけて大変勉強になりました。ここからは、あらためて貴社のECサイトについてお伺いしたいのですが、どのように展開されていますか?

担当者:現在、一般法人企業様向けの「お花の窓口」と一般消費者様向けの「YOUKAEN STORE」の2つのサイトを展開しています。

花のECサイト「お花の窓口」
法人向けECサイト『お花の窓口』個人向けECサイト『YOUKAEN THE STORE』
編集部ロゴLife.編集部

法人向けと個人向け2つのサイトを運営されているのですね。どのようなお客様からご相談を受けることが多いのでしょうか?新規とリピーターの比率も気になります。

担当者:お花の窓口は、ご親族を含めた企業の従業員様の情報をとりまとめる総務部の担当者様から供花やフラワーアレンジメントの注文を受けることもありますし、「このサイトを利用してお悔やみ系の花を贈りたい」という個人の方から注文を受けるときもあります。

ご葬儀装飾花の世界で培ってきた長年の経験を活かして、デザイン製作から手配までをスムーズに提供できる点が弊社の最大の強みのひとつです。東京都内への配送であれば立札も工夫できます。

現在、新規とリピーターの比率は4:6ぐらいです。YOUKAEN STOREの方がギフトユースで一般消費者様からのご注文を受けています。こちらも同じくらいの比率ですかね。

編集部ロゴLife.編集部

2020年は新型コロナウイルス感染拡大があり、地元へ帰省ができない個人様からの需要も高まったのではないのでしょうか。

担当者:そうですね。お盆もそうでしたが、年末年始にかけて需要が高まっていった印象ですね。

今は個人様向けにお線香とセットにした新商品の開発など新たな商品展開を考えています。

編集部ロゴLife.編集部

新商品、楽しみにしています!サイト内ではさまざまなサポートサービスについて案内されていますが、どのようなお問い合わせが多いのでしょうか。

担当者:現在は注文後の流れや支払い関係の問い合わせが多く寄せられていますが、相場感やおすすめの花など、花に関することであればどのような質問でも対応いたします。

編集部ロゴLife.編集部

本当にサービスが充実しているのですね。最後にライフドットの読者に向けたメッセージをお願いします。

担当者:花は人を偲ぶというときになくてはならないものと考えています。

花には目に見えないパワーがあり、冠婚葬祭など特別なシーンに良い花を添えるお手伝いが出来たらと考えています。

今後も花の可能性を広げ続けていき、さまざまなシーンでお客様のお役に立てる存在になれるように努力していきたいです。

編集部ロゴLife.編集部

葬儀の場に欠かせない、花に対する強い愛情を感じられるインタビューでした。貴重なお話をいただき、ありがとうございます!

企業概要

ユー花園本社の外観

企業名株式会社ユー花園
代表者名山田 大平
所在地東京都世田谷区桜新町2-12-22
企業公式HPhttps://www.youkaen.com/
法人向けECサイトhttps://ohanano-madoguchi.com/
個人向けECサイトhttps://www.youkaen-store.com/

編集後記

資格制度を設け、優秀なフラワーアーティストやデザイナーを数多く有する株式会社ユー花園はまさにプロフェッショナル集団だと感じました。冠婚葬祭会場に使われる供花や祭壇に込められている思いを知り、これからまた見る目が変わっていきそうです。

ライフエンディングジャーナルは、「Life.(ライフドット)」が企画・発信する特別インタビュー企画です。ライフエンディング業界のイマを取り上げ直接取材し、業界全体をライフドットからも盛り上げて行きます。業界に関わるサービスや商品、そして第一線で活躍する人々にフォーカスし、ライフエンディング業界に対する想いやこれからの展望をお届けいたします。