皆さんは自分が永遠の眠りにつくとき、どのように供養してもらいたいか、考えたことはありますか?

これまでは火葬後に「お墓」に納骨される流れが一般的でしたが、最近は自然に還りたい、大好きな海に眠りたいという気持ちからご遺骨を海に撒く、いわゆる「海洋散骨・海洋葬」を選択する人が少しずつ増えてきています。

お墓にお金をかけられないと言う人からも人気の高い海洋散骨ですが、さまざまなルールがあることも事実です。

そこで今回のライフエンディングジャーナルでは、全国各地の海域で海洋散骨を行っている専門サービス『みんなの海洋散骨』をご紹介いたします。海洋散骨・海洋葬に興味のある人はぜひ参考にしてください。

『みんなの海洋散骨』とは

みんなの海洋散骨での献花の花

『みんなの海洋散骨』は、2012年に設立された株式会社Aクルーズが展開する全国の海に対応した海洋散骨サービスです。『みんなの海洋散骨』は登録商標を行っています。

海での散骨を専門とする『みんなの海洋散骨』では、まずご遺族から故人のご遺骨を預かり、それを粉骨して海に撒けるようにパウダー状にします。そして当日はご遺族と一緒に乗船し、船上から散骨してお見送りするのが一般的な流れです。

『みんなの海洋散骨』ではさまざまなプランを用意しており、依頼者のお話をお聞きして最適と思われるプランを提案しています。

夏のイメージが強い海洋散骨は実際311月に人気が集中していますが、冬季も受付自体は可能です。ただし風が強い冬は天候次第では船を出せないことがあるため、その点も踏まえてよくご検討ください。

なお株式会社Aクルーズは、墓じまいや樹木葬など、ご遺骨に関する相談・提案を行う『遺骨サポートこころ』を運営しており、海洋散骨だけではなく供養全般のお悩みを気軽に相談できるところも魅力です。

散骨海域と出港場所

青い海に浮かぶ船

『みんなの海洋散骨』では全国28の海域で散骨可能で、海のない県以外の都道府県での受付を行っています。ここでは全国各エリアにおける散骨海域と出港場所について紹介します。

エリア 海域 特徴
北海道・東北 北海道(乗船・代行)
宮城(乗船のみ)
小樽・函館から出港
塩釜市から出港
関東 千葉(乗船のみ)
東京(乗船・代行)
神奈川(乗船・代行)
千葉市から出港
江東区から出港
湘南・横浜沖にて散骨
東海・北陸エリア 新潟(乗船のみ)
静岡(乗船・代行)
伊勢志摩(乗船・代行)
富山(乗船のみ)
福井(乗船・代行)
新潟市から出港
沼津市から出港
鳥羽・志摩から出港
射水市から出港
高浜町・三国町から出港
近畿エリア 京都(乗船のみ)
大阪(乗船・代行)
兵庫(乗船・代行)
和歌山(乗船・代行)
舞鶴市から出港
大阪湾にて散骨
神戸市から出港
白浜町・田辺市から出港
四国エリア 徳島(乗船のみ)
愛媛(乗船のみ)
高知(乗船のみ)
香川(乗船のみ)
徳島市から出港
今治市から出港
香南市から出港
高松市から出港
中国エリア 岡山(乗船のみ)
広島(乗船のみ)
島根(乗船のみ)
鳥取(乗船のみ)
山口(乗船のみ)
牛窓・宇野から出港
広島市・尾道市から出港
松江市から出港
岩美町から出港
萩・長門市から出港
九州・沖縄エリア 福岡(乗船・代行)
宮崎(乗船のみ)
熊本(乗船・代行)
鹿児島(乗船・代行)
沖縄本島(乗船・代行)
福岡市から出港
日南市から出港
天草市から出港
錦江湾にて散骨
那覇市から出港

『みんなの海洋散骨』のプラン

みんなの海洋散骨での散骨セット

『みんなの海洋散骨』が提案している散骨プランは3つ。代行委託散骨プランはエリアによって受け付けできないことがありますので、問い合わせ時に確認してください。

  • 代行委託散骨プラン…遠方で海洋散骨に参加できない、船が苦手と言う人に代わり、海洋散骨のクルーが故人の旅立ちをお手伝いするプランです。
  • 合同乗船散骨プラン…数組のご遺族やグループと一緒にひとつの船に乗り合わせて散骨するプランです。GPSで同一海域は避けているので、散骨場所が被ることはありません。
  • 貸切乗船散骨プラン…ご遺族など身内だけで船を貸し切り、故人を見送るプランです。おひとりでの貸し切りも可能です。セレモニーができるセミオーダー式のプランで、世界にひとつだけの海洋散骨がなされます。

代行委託散骨プラン詳細と費用

海洋散骨の流れ 粉骨、包装→出港→クルーによるお見送り→散骨、献花・献酒・献水→号鐘・黙祷→帰港→散骨証明書お届け
費用 40,000円(税別) 

合同乗船散骨プラン詳細と費用

海洋散骨の流れ 粉骨、包装→乗り合いで出港→散骨、献花・献酒・献水→号鐘・黙祷→帰港→散骨証明書お届け
最大参加人数 1組につき最大4名様乗船
費用 120,000円(税別) ※12名様の場合(3名様以上の場合は、お1人様につき5,000円(税別)を追加)

貸切乗船散骨プラン詳細と費用

海洋散骨の流れ 粉骨、包装、献花・献酒の手配→出港→セレモニー→散骨、献花・献酒・献水→号鐘・黙祷→帰港→DVD・散骨証明書お届け
最大参加人数 最大10名様乗船
費用

220,000円(税別) ※18名様の場合
9名様以上の場合は、お1人様につき5,000(税別)追加)

どちらのプランでもお申込みから散骨当日までの大まかな流れは同じです。

海洋散骨を依頼する手順と散骨の流れ

まずは、みんなの海洋散骨で散骨を依頼するときの流れについて紹介します。

  1. 問い合わせ
  2. 相談・見積
  3. 申込み(契約)
  4. 料金の支払い
  5. ご遺骨を預ける
  6. ご遺骨の粉骨
  7. 散骨当日

どちらのプランでも基本的な申込みの流れは変わりません。

ご遺骨の粉骨は、2mm以下のパウダー状にしなければなりません。墓じまいをした後のご遺骨など、洗浄や乾燥が必要な場合は別途費用が掛かりますので問い合わせると良いでしょう。

散骨で行うこと

みんなの海洋散骨での献花 みんなの海洋散骨での献酒 みんなの海洋散骨での献水

散骨当日に行うことは基本的に下記の内容です。

  • 海洋散骨
  • 献花・献酒・献水
  • 散骨海域を旋回
  • 号鐘・黙祷
  • 後日、散骨証明書のお届け

故人様とのお別れをするため、一つひとつ丁寧に行います。また、代行委託散骨プランであっても散骨証明書や当日の写真が送られてくるので様子を知ることができます。

散骨をする際に大事な粉骨について、次の章で詳しく説明します。

ご遺骨の発送方法について

海洋散骨を行う場合、海洋汚染に配慮してご遺骨に含まれる発がん性物質「六価クロム」を、還元剤を使用して無害化する必要があります。また、お墓から取り出したご遺骨の洗浄や乾燥をしなければならないことも。

『みんなの海洋散骨』では、大切なご遺骨をお預かりして2mm以下のパウダー状に粉骨し、水溶性の紙袋に包んでいます。

ご遺骨は運営会社である株式会社Aクルーズに直接持ち込むこともできますが、それが難しい場合はゆうパックの着払いで発送することも可能です。有料の送骨パックも用意されています。預かるときには火葬許可証や埋葬許可証、改葬許可証いずれかのコピーが一通必要となります。 


美しい海に大切な人のご遺骨を放つ海洋散骨は注目を集めていますが、さまざまな決まりごとも存在しています。正しい方法で海洋散骨を行うためには、『みんなの海洋散骨』のような専門サービスが必要となってくるでしょう。

そこで今回は株式会社Aクルーズの代表取締役である天井様より、みんなの海洋散骨を設立した背景と取り組みについてインタビューを行いました。

株式会社Aクルーズの代表・天井様にインタビュー

編集部ロゴLife.編集部

株式会社Aクルーズは東京と大阪それぞれに本社を構えていらっしゃいますが、みんなの海洋散骨ができた背景を教えていただけますでしょうか?

天井さん我々は元々関西地方を中心に海洋散骨を執り行っていましたが、10年ぐらい前から関東でも海洋散骨を選択する人が増え始めました。

東京には地方出身者が多く、お墓が遠方になってしまうこと、また都内の墓地は高価で、なかなか手を出せないことが増加の背景にあります。

四方を海に囲まれた日本ではほとんどの県に海があり、きれいな海で故人のお見送りをしたいという声も高まっています。お客様と私共が一緒になって素晴らしいお見送りをしたいという思いから、『みんなの海洋散骨』を立ち上げました。

編集部ロゴLife.編集部

当時からすでに時代の先を読まれていたのですね。ここ10年で海洋散骨を選択する人がぐっと増えた印象がありますが、そのなかでもとりわけ貴社のお客様満足度が高い理由を教えていただけますでしょうか?

天井さん弊社ではご遺骨に精通しているスタッフが全国各地の海で安全・安心に施行している点が強みと考えています。個別のお見送りなど、お客様のご要望にお応えできるオプションを豊富に用意している点も、他社との違いのひとつです。

海洋散骨はほぼすべての人にとって初めてのご経験となるため、不安に思われることもたくさんあるかと思います。しかし、お見送りの後にはすがすがしい気持ちになっていただけるよう、心に残る海洋散骨を心掛けています。

その反響のおかげか、お客様アンケートではたくさんの喜びの声をいただけているのは非常にうれしいですね。 

弊社では代行委託散骨も受け付けていて、ご遺族様からお預かりしたご遺骨は丁寧にお取り扱いしています。その点も満足度が高いポイントかなと思います。

編集部ロゴLife.編集部

素晴らしい取り組みをされているのですね。最近は海洋散骨が一般に深く浸透しているように思えますが、その一方で根強く散骨を反対しているご遺族様や、環境問題を懸念している人もいらっしゃいます。そういった人たちへのアドバイスがありましたら、教えてください。

天井さん海洋散骨を反対されている人の胸中には、従来の供養方法を変えることへの抵抗や、お墓などの墓標がなくなることへの不安感、ご遺骨をすべて散骨することへの寂しさなど、さまざまな気持ちがあるのだと考えます。

しかし、海は故人をしのぶことができる場所であり、散骨したからと言って墓標がなくなってしまうわけではありません。もし、すべてのご遺骨を散骨してしまうのが寂しいということであれば、お手元に少量を残して供養をすることも可能です。

また、海洋散骨は地球に優しくないと指摘されることがありますが、実はご遺骨はアルカリ性なので酸性化する海に返すことは、自然に対して優しい行為でもあるのです。

今後献酒や献花では、環境に悪影響を与えないノンアルコールや海藻で作られたお花を使っていくことを計画しています。

編集部ロゴLife.編集部

ご遺骨を手元に残しておくこともできるのですね。今海洋散骨されている人のなかには、手元に残す人が多いのでしょうか?

天井さんおっしゃる通り、ほんの少量のご遺骨を残して手元供養を行う人が多い印象ですね。一方で将来的な供養方法に悩まれて、全部散骨される方もいらっしゃいます。

編集部ロゴLife.編集部

供養への価値観や方法は変わりつつあるのですね。今後、ご遺骨の供養方法に対する社会的な価値観はどのように変わっていくとお考えでしょうか?

天井さん一般的にはお墓に行き、手を合わせることが良い供養と言われていますが、あまり方法にこだわる必要はないと考えています。

自分自身が納得し、心の拠り所になる供養をすることが、自分とご先祖様を大切にすることにつながるのではないのでしょうか。

今後はますます供養の方法が多種多様化すると思います。そのなかでも樹木葬や海洋葬を行いつつ、多少のご遺骨を残して手元供養をする方法がメジャーになるのでは、と思います。

編集部ロゴLife.編集部

供養の方法が今後どのように変わっていくのか、気になりますね。貴社では時代の変化に合わせてどのような取り組みをされていますか?

天井さん現在は永代供養を行っている寺院など、さまざまなお寺と提携しています。これからも提携は積極的に進めていき、お客様のありとあらゆる需要にお応えできるようになることを願っています。

編集部ロゴLife.編集部

今後の展開が楽しみですね。最後にライフドットの読者に向けてのメッセージをお願いします。


天井さん
ここ10年でご供養の方法がどんどん多様化し、海洋葬や樹木葬など、これまであまり見られなかった方法で故人をしのばれる方々が増えてきました。

四方を海に囲まれた島国・日本で生まれ育った私たち日本人にとって、母なる海でお見送りする、海洋散骨という選択肢をぜひ一度ご検討いただけますと幸いです。手元供養と合わせて行うこともできます。

編集部ロゴLife.編集部

海洋散骨は今後もますます需要が高まっていきそうですね。本日は貴重なお話をどうもありがとうございました。

『みんなの海洋散骨』を展開する企業概要

企業名 株式会社Aクルーズ
所在地

【東京本社】
102-0074
東京都千代田区九段南1丁目5-6 5F

【営業所】
599-0201
大阪市天王寺区勝山2丁目9-6 1F
代表取締役 天井 十秋
公式サイト https://sankotsu-umi.com/
お問合せ電話番号 フリーダイヤル 0120-037-352(みんなのさんこつ)

編集後記

全国の海に対応する『みんなの海洋散骨』は、散骨をされるお客様だけではなく海への環境配慮もしています。一般社団法人日本海洋散骨協会に加盟している、安全安心な散骨業者です。また、それだけではなく、多様化する供養へのニーズに応えられるよう、広くご遺骨のお預け先も紹介していただけます。

ライフエンディングジャーナルは、「Life.(ライフドット)」が企画・発信する特別インタビュー企画です。ライフエンディング業界のイマを取り上げ直接取材し、業界全体をライフドットからも盛り上げて行きます。業界に関わるサービスや商品、そして第一線で活躍する人々にフォーカスし、ライフエンディング業界に対する想いやこれからの展望をお届けいたします。