Happy Ending をサポートする『一般社団法人日本Happy Ending協会』の活動をご紹介

日本HappyEnding協会アイキャッチ

これまでライフドットでは、さまざまな終活関連の組織・団体様を紹介してきました。

それらの記事を通じて人の死生観に触れ、終活の大切さを自覚したというお声はよくいただいています。

しかし、その一方で「なかなか終活を始められない」という人も。それはもしかしたら、「自分は今死ぬわけではない」という気持ちがどこかにあるからかもしれません。

今回ご紹介する一般社団法人日本Happy Ending 協会様は、終活の前に人生の最期をHappy Endingにすることが人生全体をHappy にすることであるとの基本理念から、Happy Ending を阻害するリスクマネジメントの大切さを伝えている団体です。

協会が独自に制作している「HappyEndingカード」を使うことで、残りの人生でやるべきことがきっと見えてくるはず。

協会の代表理事である齋藤真衡(まひら)様のインタビューもぜひご一読ください。

この記事の目次

  1. 『一般社団法人日本HappyEnding協会』について
  2. 『Happy Endingカード』はリスクに気づくゲーム
  3. インタビュー
  4. 『一般社団法人日本Happy Ending協会』について

『一般社団法人日本HappyEnding協会』について

人間には誰しもやがて死が訪れます。

そのときに備えて日本人の90%以上は生命保険に加入していますが、お金以外のリスクに備えている人はほとんどいません。

一般社団法人日本Happy Ending 協会様はそのような人たちに対して、ハッピーなエンディング(最期)を迎えるために必要な備えを促進している協会です。さまざまなキーワードを掲げて活動しています。

  • Happy Ending
  • セカンドライフプランニング
  • リスクマネジメント
  • Happy Endingプランナー
  • チームトラスト

それぞれの内容は以下の通りです。

Happy Ending

日本Happy Ending協会は「エンディングこそが人生全体のイメージを決めるものであり、最期にどう思って、あるいは思われて逝くのかが重要」と考え、Happy Ending をサポートする活動しています。

セカンドライフプランニング

良いエンディングを迎えるためには、よく生きるための人生のシナリオが必要と考え、残された時間と健康を意味のある人生に活かせるように、ウェビナーHappy Ending Schoolなどを展開しています。

リスクマネジメント

セカンドライフに起こりうるリスクをあらかじめ知り、備えておくことで、それらのリスクを回避することができます。リスクは価値観と環境によって異なることを前提に、Happy Endingカードを使って、プレイヤー個々のリスクを見える化しています。

Happy Endingプランナー

協会ではHappy Ending カードを起点にHappy EndingをサポートするHappy Endingプランナーを養成しています。

チームトラスト

Happy EndingをサポートするFPや弁護士、司法書士、行政書士、税理士、看護師、ケアマネージャー、保険募集人、葬祭ディレクター、不動産コンサルタントなどの専門家が地域ごとにチームを作り、顧客ごとにプロジェクトチームを構成したサービスを提供しています。この体制がチームトラストです。

『Happy Endingカード』はリスクに気づくゲーム

Happy Endingカードのプレイイラスト

老後のリスクマネジメントと言われても、具体的にどのようなリスクが起こりうるのか想像できないという人も多いでしょう。

そのような人のために一般社団法人日本Happy Ending 協会様では、ゲーム感覚で楽しみながらリスクを学べる『Happy Endingカード』を提案しています。

ここからは、

  • Happy Endingカードの特徴
  • Happy Endingカードの目的
  • Happy Endingカードの使用方法

をそれぞれ紹介します。

Happy Endingカードの特徴

Happy Endingカード

Happy Endingカードは全部で49枚。

前向きな人生

セカンドライフプランニング

病への備え

介護・看取り

終末期医療

葬儀・墓

相続

想いを遺す

カードはそれぞれ8項目にわかれています。カードの表面には死へ備えるべきことや人生を前向きに生きているかにつながる問いが、裏面にはその解説と対策が書かれています。イラストが添えられたカラフルかつポップなデザインで、2016年にはグッドデザイン賞を受賞しているカードです。

Happy Endingカードの目的

HappyEndingカードはカードゲームをプレイすることによって、自分がやり残すと後悔するRISKカードを選んで、今後したいことを見える化するとともに、現在における人生のHappyEnding度を測ります。

カードを使って人生や死のシミュレーションを行うことで、自分の意思や無意識をさらけ出すことができRISKカードに対して今度どのように対処するのか意思決定を行います。

プレイすると、老後の漠然とした不安を解消でき、人生を前向きにするセカンドライフプランニングを考えられるようになります。

Happy Endingカードのプレイルール

HappyEndingカードをプレイする人たち

Happy Endingカードの表面を見て、すでに備えがあると判断したものはYES、備えがないものはNOに振り分けましょう。

直感で大丈夫です。そしてそれぞれに振り分けたカードの裏面に目を通したら、NOに分けられたカードだけをRiskHappyに振り分けてください。これから自分で備えたいと思えるものはRisk、その必要はないと思えるものはHappyです。

Riskに選んだものは、自分自身が取り組みたいと思っている課題になります。プレイ後は結果をチェックシートにまとめましょう。それだけで自分のなかのぼんやりとした不安を知ることができます。

自分自身の終活において具体的に必要なことを教えてくれるHappy Endingカードは、とても画期的なアイテムですね。次の章からは一般社団法人日本Happy Ending協会の設立者で、現在は代表理事を務める齋藤真衡様へのインタビューを紹介します。協会設立の経緯や読者へのメッセージをたっぷりと伺いました!

インタビュー

編集部ロゴLife.編集部

齋藤さんは30年以上損害保険・生命保険業界で働いていたと伺いましたが、なぜ一般社団法人日本Happy Ending協会の設立を決意されたのですか?


齋藤さん保険業界にいたときに多くのお客様に保険金をお届けしてきましたが、そのなかで保険金だけではカバーできないリスクがたくさんあること、それらに対して皆さんが備えをしているかというと、ほとんどの人がしていないことに気づきました。

生まれた以上、誰しもいつかは死を迎えますが、毎日の生活にいっぱいいっぱいで、正面から死と向き合っている人は多くはありません。

生きるのに慣れてしまって、死ぬことを忘れています。終活でエンディングノートの存在を知っていても、実際に書いているのはわずか3%程度と聞いています。

死と向き合える、数少ないチャンスが生命保険に加入するタイミングなのです。そのとき、同時にお金のこと以外のオールリスクに気づいて備えられるような仕組みづくりの必要性を感じて立ち上げました。

編集部ロゴLife.編集部

確かにきちんと死と向き合えている人はそう多くはありませんよね。そのような方が死と向き合うためにかけられている言葉がありましたら教えてください。


齋藤さんそのような方にはまず「あと100年生きたいと思いますか?」「永遠の命が欲しいと思いますか?」などと尋ねています。そうすると、ほとんどの人は「あと100年は生きたくない」「永遠の命はいらない」と答えるのです。

そこで「締切があるからこそ人間は動くのでは?」と言っています。締切がなければ人は動きません。死は行動の源なのです。

「ハッピーエンディングを迎えるための10のこと」のなかでも、特に3の「最期の時を想像してみよう」が重要で、「死」を意識するからこそ「生」が生き生きすると考えています。 

編集部ロゴLife.編集部

なるほど、確かに締め切りがあるから人って頑張れるような気がします。一般社団法人日本Happy Ending 協会様ではウェビナーも含めた体験会やHappy Endingカードなどでさまざまな呼びかけを行っていますが、どのような思いを込めて伝えているのでしょうか。


齋藤さん基本はHappy Endingです。人生はドラマと同じで「終わり良ければすべて良し」で、ピークとエンディングがすべてを決めると考えています。

これは近年の行動心理学の発見です。よく「過去は変えられない」と言いますが、Happy Endingでは、エンディング次第で過去も良かったものに変えられるのです。

人生イロイロ、山あり谷ありでしょうが、終わりがよければ、終わりだけがよくなるのではなく、人生全体がよくなるというのは、残された時間が長くはないシニアにとっては重要なメッセージだと考えています。

老後は加齢にともなって失うものが多くなりますが、「そうなりたくない」と忌避するのではなく、「そうならないためには」と考えて早めに準備することの大切さを私はお伝えしています。

Happy Endingをより簡単に面白く感じていただくためにHappy Ending カードを開発しました。語るのはHappy Endingカードです。

超高齢社会の日本において、Happy Ending を迎えられる幸せな人が増えれば社会は自ずから良くなります。共助、公助に頼らず自助によって、人生100年時代を強く生きるために必要な提案を行っています。

編集部ロゴLife.編集部

普段なかなか考える機会がない「死」を意識し、Happy Endingを阻害するリスクに備えて開発したのがこのHappy Endingカードなのですね。ここからはカードの開発エピソードをぜひ教えてください。

齋藤さん開発には先ほどのご質問でお答えした「終わり良ければすべて良し」とする“ピーク・エンドの法則”と出会えたことや、エンディングノート単独の効果に限界を感じてゲームに転じたこと、保険だけでなく、オールリスクへの備えとなる“もうひとつの保険”を提供したいと考えたことなど、さまざまな要素のミックスですが、このカード1冊で人生を語れるものにしようと考えました。

プレイヤーの頭の中でイメージが膨らむように、具体的かつ抽象的に作りました。カードはお題を投げかけ、その後をつなげるのはプレイヤー自身なのです。

Happy Endingカードのポイントは、理屈ではなく、感情に訴える間接的アプローチです。人は理屈で理解しても行動しません。決定は感情が行います。

また、人は基本的にあまのじゃくです。他人から言われるとやりたくなくなります。

カードプレイをするなかでカードと対話しながら、自分で気づき、自分で決定するプログラムです。

我々プランナー会員はなんら誘導を行うことなく、プレイヤーの自主的な決定を受け入れ、その後必要があればサポートします。その結果、アンケートには、98%の人に「面白かった」、85%の人が「誰かを紹介したい」と答えていただいています。

編集部ロゴLife.編集部

Happy Endingカードは大好評なのですね。カードを普及されているプランナー会員様には、どのような方が多いのでしょうか。


齋藤さん保険募集人や弁護士や司法書士、税理士や行政書士などの士業の方、葬儀会社や不動産会社、ケアマネージャーや看護師、金融機関の従業員など幅が広いですね。オールリスクマネジメントですから、あらゆる業種の専門家のサポートが必要です。

今は紹介で入っていただいている人がほとんどですが、今後はWebで積極的にアピールをしてメンバーを拡げていくつもりです。

編集部ロゴLife.編集部

体験会やカードなど、精力的に活動を展開していますが、今後新たに取り組まれていきたいことがあれば教えてください。


齋藤さん現在はWebHappy Endingカードの開発を行っているところです。

どこでも、いつでもプレイができるようにします。また、カードプレイ後のフォローの仕組みが不充分なので、ウェビナーを使って個々のリスクカードについて深掘りできる情報を提供し、インタラクティブに参加者の方とやり取りができるようにするつもりです。

さらに、CRMソフトと連携して、需要の喚起から提案、クロージングまで一貫した自動化プロセスを構築することで、プレイヤーの問題解決ならびに会員のビジネスのサポートにつなげたいと考えています。

リアルなHappy EndingカードもウエビナーとCRMソフトとの連携することでストーリー性を高めていくつもりです。

今後は、コロナの影響にかかわらず、Happy Ending プランナーを通じてリアルとビッドのハイブリットなサービスを提供していきたいと考えています。

編集部ロゴLife.編集部

最後にライフドットの読者にセカンドライフの設計や終活をするうえでの大切なポイント、また協会様が考えるハッピーなエンディングを教えてください。

齋藤さん:私はよく「人生の砂時計」の話をしています。「いつまで生きるつもりですか?」と聞くのです。「人生の砂時計」は上部に残っている砂が見えないので、突然砂が落ちなくなります。今日まで砂が落ちていたからと言って、明日も落ち続ける確証はありません。若くても突然死ぬことがあることを考えれば、生まれた瞬間から死に向かっているわけです。このように考えれば、「終」活を「生」活と区別する必要はありません。命そのものが死を意識して生きることなのですから。

最期の時、周りに「ありがとう」と感謝することができ、かつ自分を誉めてあげたいと思える状態がHappy Ending です。

しかし、Happy Endingを阻害するリスクに遭遇してしまってはHappy Endingどころではありません。だからこそ、Happy Ending カードをプレイしてリスクに備えておいて欲しいのです。

生を受け、両親に育ててもらったことに感謝をしながら、それを誰かにお返しすることで、自分がHappy Ending を迎えることができます。最後は「満腹だ!これ以上は食えない」と言って、人生の門から出ていけるよう、日々を過ごしていきましょう。

生前整理と一言で言っても何から始めたらいいのかわからないという人にとって、一般社団法人日本Happy Ending 協会様が展開するウェビナーやカードは道しるべになってくれそうですね。貴重なお話をありがとうございました!

『一般社団法人日本Happy Ending協会』について

法人名一般社団法人 日本Happy Ending協会
代表者代表理事 齋藤真衡
所在地東京都千代田区一番町8-15一番町MYビル8F
設立2015年11月
業務内容
  • 意思能力の喪失リスクに対する備えの企画と実施
  • 意思能力の喪失リスクに対する個人・企業・団体へのコンサルティング
  • Happy Endingカード」等の企画・販売・出版・WEBサービス
  • 意思能力の喪失に対する備えの具体策としての遺言・信託契約・任意後見・尊厳死宣言等のサポート
  • 相続・葬儀・死後の身辺の整理等に関するサポート業務
  • Happy Endingインストラクターへの教育・支援業務
公式サイトhttps://happyending.or.jp/

編集後記

終活という言葉が定番化してしばらく経ちましたが、何をしていいのかわからない、という人の声はライフドットでもよく耳にしていました。そんな人たちがすぐに始められることを教えてくれる、一般社団法人日本Happy Ending 協会様の取り組みは素晴らしいと感じました。インタビューからも悔いのないように一所懸命生きることの大切さが強く伝わってきました。

ライフエンディングジャーナルは、「Life.(ライフドット)」が企画・発信する特別インタビュー企画です。ライフエンディング業界のイマを取り上げ直接取材し、業界全体をライフドットからも盛り上げて行きます。業界に関わるサービスや商品、そして第一線で活躍する人々にフォーカスし、ライフエンディング業界に対する想いやこれからの展望をお届けいたします。