ライフエンディング ジャーナル vol.003-家樹株式会社-

家樹株式会社のインタビュー記事アイキャッチ

ライフエンディング ジャーナル第3弾。今回は、終活として作られる人もいる家系図作成の専門企業「家樹(かじゅ)株式会社」を紹介いたします。

取材に応えてくださったのは、家樹株式会社・代表取締役社長の田代氏。サービスの内容だけではなく、会社を立ち上げたきっかけや家系図の奥深さを教えてくださいました。

家樹株式会社 代表取締役社長 田代 隆浩氏 プロフィール

街の法律家である司法書士・行政書士の資格を保有。その業務の片手間で行っていた家系図作成を「家系図から得られる体験を通し、お客様の人生を豊かにしたい」という想いから、家系図作成専門会社「家樹株式会社」を設立。

取材・文/Life.編集部

この記事の目次

  1. 家系図の奥深さに魅力を感じ、サービスにしたいと思った
  2. 家樹という社名の由来と基本セットのプランについて
  3. 家系図の活用方法は一人ひとり違って奥深い
  4. 家系図を作ったことで起きた、気持ちの変化
  5. 今後、家樹のサービスで計画されていること
  6. 家樹株式会社の概要

家系図の奥深さに魅力を感じ、サービスにしたいと思った

家系図と田代さん

編集部ロゴLife.編集部

まずは、会社の成り立ちについてお聞きしたいです。田代さんは司法書士の事務所を営まれていたそうですが、そこから家系図作成の専門会社を立ち上げるまでについて教えてください。きっかけとなった出来事は何でしょうか?

田:簡単に経歴を話すと、中学卒業後はフリーターのような形でフラフラしていました。そこから高校卒業の試験を受けて大学に入り直して、大学在学中に司法書士試験を受けて合格しました。

でも大学卒業後は一般企業に入ったんです。その後、司法書士事務所に入って数年後に独立をしました。独立後も司法書士と行政書士の資格を活かし、手続き代行や遺言の手続きなどしました。家系図作成も、司法書士事務所で行なっていた業務のうちの1つだったんです。

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家系図作成は既にされていたんですね。

田:はい、そうなんです。僕はもともとクリエイティブなことが好きで、サービスに付加価値をつけられたり、自分で描いた物が形になることが面白くて。そういうビジネスをやりたかったんです。

家系図は、納品するときのデザインやサービス内容も全然違う。会社によって変わるし、そこにサービスとしての評価を受けられますから。司法書士の仕事は単一的で同業間差別化が難しいのですが、家系図の仕事は自由度が高く、面白く感じました。

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貴社のサイトを見て、こんなかっこいい家系図ならプレゼントしたい!って思いますもん。

田:ありがとうございます。ぜひ、注文してください。笑

それと、海外では家系図作成専門の会社が上場してるんですよ。年間の利用者もかなり多くて。それで日本でもかなりの需要はあるぞ、って。ビジネスとして魅力がありました。

でももう1つ、家系図というのは本当に奥深くて…、魅力があるんです。戸籍を辿るのはもちろん、現地での聞き取り調査や文献で調べたりとか。

実は、家系図の研究者とチームを作り一緒にやっているんですよ。文献を読み解くときに、それをどう解釈するのか、あたりをつけるというのが難しくて。人によっては、調査にすごく期間を要するんです。
編集部ロゴLife.編集部

家系図の研究者なんていらっしゃるんですね。


田:まだ学問として成立している分野ではないので、研究者はかなり少ないのですが、いることはいまして、今でも仲間を募集しています。戸籍から先の情報まで目を向けることで、より深い調査が出来るようになりました。知れば知るほど奥深い分野なので、とても面白くやりがいがありますね。いつか系図学も大学で学ぶような学問になってほしいと思っています。

家樹という社名の由来と基本セットのプランについて

系譜

編集部ロゴLife.編集部

社名の「家樹」に込められた意味をお聞かせいただけますでしょうか。

田:社名の由来はかなりシンプルですよ。家系図って英語で「Family Tree(ファミリーツリー)」って言うんですけど、日本語にすると「家族」と「木」になりますよね。

まとめると「家族の木」ってなるんですけど、長いし響きがあんまりよくない。僕は短い方が好きなので、「木」を「樹」にして「家樹(かじゅ)」としました。短いしなんかいい響きだなって。

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短いと覚えやすいというメリットもありますよね。響きも素敵です。

田:従業員と話しているんですけど、いつかパソコンで変換するときに一発で出るといいなって。知名度が上がるように頑張って大きくして、そうなると嬉しいです。

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それでは、サービスについてお聞きします。それぞれのプランで出来ることにどのような違いがあるのでしょうか?

家系図を指さす田代さん

田:家系図には「戸籍調査」、「戸籍から作る家系図」、「戸籍以上のご先祖調査」の大きく分けて3つの調査プランがあるのですが、そのうち「戸籍から作る家系図」のセットには『本格家系図セット』と『ルーツを辿る家系図セット』の2つがあります。それぞれ納品されるものに違いがあります。

『本格家系図セット』は、全部が入っている基本プランです。

家樹の基本セット

こうやって家族の歴史をまとめた家族の歴史年表は、写真や文献で出てきた歴史の内容がまとまっています。

1つの本みたいで、面白いですよ。あと、このしっかりした和綴じの系譜も『本格家系図セット』には含まれています。それと、「戸籍以上のご先祖調査」ではご先祖様に関して調べた文献をブック形式でまとめた「ファミリーヒストリーブック」と調査対象の抜粋をまとめた「調査報告書」も納品しています。

編集部ロゴLife.編集部

こうやって先祖の事を知ることができるの、面白いですね。私の家系図も調べたくなりました…!

家系図の活用方法は一人ひとり違って奥深い

編集部ロゴLife.編集部

貴社のサイトでは「自分のルーツを辿る旅」という言葉を見ましたが、実際にはどのように家系図を活用される人が多いですか?

田:家系図を作る理由は人それぞれ違いますし、万人受けする活用方法とかはないんですよね・・・。でも、「自分のルーツを知りたい」理由で作る方がほとんどのような気がします。たまにお聞きするのはご両親へプレゼントしたいという理由ですね。

さまざまな動機があるんですけど、結構なお歳になった親御さんへプレゼントするために家系図を作るお客様は定期的にいらっしゃいます。

家系図をプレゼントするメリットは、作った家系図をきっかけにたくさん話ができることなんですよ。例えば、 少し遠い親戚に対して「○○さん、昔よく会っていたけど今は元気かな?」と思い出して連絡をとってみたりとか、「こんな場所に意外と縁があるんだー」って発見したりとか。

親に聞かないとわからない親戚についての話が聞きたい、けど残された時間は少ないということで納期を早くしてほしいって仰るお客様もいます。

編集部ロゴLife.編集部

プレゼントされた親御さんは思い出に浸れるて、家族は知らないことを知ることができる。双方に良いことがある…家系図って深いですね。

田:家系図の活用の方法としては、他にもまだまだありますよ。これはとてもオススメしたいのですが、「歴史教育」の教材として家系図を活用することです。


編集部ロゴLife.編集部

「歴史教育」ですか?具体的にはどのような活用方法になるのでしょう。

田:例えば、これは私の先祖についてまとめた資料なんですけど。なんと私の先祖の1人は、岩倉使節団と関りのある人物だったことがわかったんです。あ、岩倉使節団って知ってます?

岩倉使節団に関する資料

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社会の教科書に載っている、岩倉具視の団体ですよね?すごいですね・・・!


田:それまで特に気にしていなかった歴史上の人物と、まさか自分の先祖が関りがあるなんてびっくりですよね。
このようなことって、きっと皆さんにもあると思うんです。

日本史の授業とか受けていると「あぁ、明治維新ってこんな感じだったんだ」ってことは知ることができますが、これはあくまで他人事として学んでいるわけですよ。

でも家系図を作ると、意外な歴史上の人物や出来事と自分の先祖が関わっていたことがわかるので「歴史って他人事じゃないんだ」って思えるようになるんですよ。

さらに、全然縁がないと思っていた地域に実は先祖が住んでいて関係があったりと。そういうことが分かると、社会で歴史の授業を受けるときに歴史の捉え方が変わってくると思うんです。試験のためだけにやるんじゃなくて。

自分がここに存在しているのは、以前からの歴史が繋がっていることなのですが、今の授業だとなかなかそこを実感することができない。。。

でもこうやって家系図で先祖が関わっている過去を知ると、他人事だと思っていた歴史が自分事の歴史に変えられるんですよね。そうすると人生が30度くらい変わりません?笑
家系図作りって究極の自己研鑽だと思ってるんです。

編集部ロゴLife.編集部
確かにそうですね!この事件が起きたときに、自分の先祖も同じ場所にいたなーってわかると、より興味がわきます。そうすると歴史の勉強が少し楽しくなりますよね。 

      <先祖の歴史を読みやすくまとめたファミリーヒストリーブック>
ファミリーヒストリーの表ヒストリーブックの中面

田:家系図の活用としては、もう一つぜひお伝えしたいのが「終活」です。自分のルーツを知るのもそうですし、ご先祖様や親戚のことを子どもたちにも伝えていくツールになっていきます。

そして、家系図を作るのって”楽しい”終活だと思うんです。

遺言を書いたりとか、お墓のことを考える、いわば典型的な「終活」って子どもたちに「迷惑をかけないために」下向き気持ちでやっていることがほとんどなんです。本当にやりたいと思うのではなく使命感でやる終活ですね。

でも家系図作りは、「自分のルーツを知りたい」「自分の知的好奇心を満たしたい」という前向きな気持ちでできる終活ですよね。しかも、作る本人の手に残りますし、家族の間で代々引き継いでいくこともできます。

だから家系図を作ることを、残す人も残される人にとっても「楽しい終活」と言って活用してもらえるように勧めています。

家系図の和綴じ系譜

編集部ロゴLife.編集部
楽しい終活ですか!言われてみれば、ほとんどの終活が「迷惑をかけたくない」という消極的な気持ちからくるものが多い気がします。家系図、ますます作りたいという気持ちになってきました。

家系図を作ったことで起きた、気持ちの変化


家族の歴史 聞き取りシート

家族の歴史聞き取りシート
家族の歴史聞き取りシート
編集部ロゴLife.編集部

家系図を作られて、田代さんご自身の気持ちに変化はありましたでしょうか?


田:自分の根っこがしっかりした、というお客様の声があったんですけど、、、確かに自分の場合もそうだなって思いました。

今の自分がいることは、ご先祖様からの繋がりがあるからなんだって改めて思うきっかけとなりました。

また、家系図を作ることで自分のルーツを知ることができて、たくさんの先祖のゆかりの場所も知ることができましたし、より自分のことを知ることができました。ご先祖様や親せきについてよく知らないよりかは、知っていた方が自分を知るという点では良いですよね。自分の人格の幅が広がった気がします。

編集部ロゴLife.編集部

ご先祖様に対する気持ちの変化もありましたでしょうか?

諸事情から全然行っていなかったお墓参りに、久しぶりに行ってみようという気持ちになりましたね。また、家系図を作って初めて知った縁の地である新潟県の高田へ、旅行に行こうかなって計画もしています。

 

編集部ロゴLife.編集部

家系図を作っていなかったら、そのような気持ちにならなかったわけですよね。気持ちへの影響は大きいですね。

今後、家樹のサービスで計画されていること

和綴じ系譜

田:家樹が提供するサービスを、ますます魅力的なものにしていくということを計画しています。製本の種類や紙の種類などのバリエーションを増やしたりとか。そして、家系図として商品の質を高めていくために調査力も上げていきます。

販売面では、全国の仕業のかたにフランチャイズとして販売していただけるような取り組みを予定しています。そしてより多くの皆様に、家系図作りについて考えてもらえる機会を増やしていきたいです。

家樹株式会社の概要

企業名家樹株式会社
電話番号03-4500-1314(代表)
所在地東京都千代田区四番町8番地1号 東郷パークビル3階
営業時間平日 9:00〜20:00 <休日:土日祝>
家樹株式会社 公式サイトhttps://ka-ju.co.jp/

【PR】家樹について

家系図作成の家樹-Kaju-は、東京に店舗がある国内最大手の家系図作成専門会社。戸籍から作る家系図だけでなく、江戸時代以前のご先祖探しまで手掛ける総合的な「ご先祖探しカンパニー」です。


編集後記

田代さん、お忙しいところインタビューにご対応いただき有難うございました!
家系図を作ると自分の先祖が分かるだけでなく、歴史に対する意識や家族間のコミュニケーションに変化があって良いこと尽くしだなと感じました。「楽しい終活」の1つとして、家系図を作る人が増えていくと変わっていきますね。

ライフエンディングジャーナルは、「Life.(ライフドット)」が企画・発信する特別インタビュー企画です。ライフエンディング業界のイマを取り上げ直接取材し、業界全体をライフドットからも盛り上げて行きます。業界に関わるサービスや商品、そして第一線で活躍する人々にフォーカスし、ライフエンディング業界に対する想いやこれからの展望をお届けいたします。

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