遺体ホテルとはどんな場所?火葬場問題で増える民間安置所

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遺体ホテルとは、自宅や火葬場で保管できないご遺体の安置所です。


「遺体ホテル」という名称を聞いたことがあるでしょうか。
ちょっと不気味な印象を持ってしまう名前ですよね。

遺体ホテルは、火葬までの間、故人を宿泊させることのできるホテルです。
いわゆる「遺体安置所」のことであるといえば、ご納得いただけるでしょう。 

この記事ではこのような疑問や不安を解消!

  • 「自宅への安置ができないので、遺体ホテルを利用したいけれど、具体的な利用方法は?」
  • 「遺体ホテルを利用するとどんなメリットがあるの?」
  • 「火葬場がなかなか空かないと聞いていて不安…。すぐ火葬できない場合は?」

この記事では、以上のような疑問や不安を持つ人のために、遺体ホテルの意味や目的、利用方法、利用のメリットやデメリットをお伝えします。

いざというとき、遺体ホテルを利用する以外の方法もご紹介しますので、「安置場所がない」という悩みを消すことができますよ。

遺体ホテルとは遺体専用の安置施設

遺体ホテルとは、遺体を預かることを目的とした安置施設です。

見た目は通常のホテルと変わりませんが、多くは付添人が泊まることはなく、遺体だけが安置されます。
日本に表立って遺体ホテルが登場したのはほんの数年前のことですが、都市部を中心に、その数を増やしつつあります。

この章では、遺体ホテルの基本的な利用方法や、遺体ホテルが増えている背景についてお伝えします。

遺体ホテルの利用方法

遺体ホテルの利用方法は、至ってシンプルです。

遺体はホテルに自力で行くことができませんし、遺族が送るのも難しいので、
遺体ホテルを利用するときには、病院や自宅など迎えに来てほしい場所から電話をかけることになります。

連絡をすれば、遺体搬送車が迎えに来て、遺体ホテルまで送ってくれます。
その後、遺体ホテル内で担当者と何日の預かりになるかなどを打ち合わせします。

ホテル内で納棺を終えたり、身内だけのお通夜をしたり、簡単なお別れの儀式ができるところもありますから、
預かってもらってから火葬までの流れについてよく相談することになります。

見積もりを確認して、遺族はいったん帰ります。
面会は、一日に何度でもできる施設が大半です。

最終日には、火葬場や葬儀場など、希望の場所へ遺体搬送車で送ってくれます。
葬儀をお願いしている葬儀社の車が迎えに来ることもあり、どちらになるかは契約次第です。 

遺体ホテルが増えている背景

遺体ホテルが増えている背景には、火葬場の空き状況が年々悪化していることがあります。

高齢多死化により、とくに都市部では火葬場の数が足りず、火葬をするまでに一週間待機することも珍しくありません。
すると、自宅安置では、遺体の衛生面に不安が生じます。

長く安置するためには、遺体専用の安置所が必要なのです。
もちろん、安置室のある火葬場も存在します。

しかし多くは火葬の前日、1日限りの預かりとなりますし、安置室自体の数も多くありません。
安置室を備えた葬儀社もありますが、必ず空いているわけではないのが現状です。

遺体ホテルは、火葬するまでの安置場所に困る、いわば「安置難民」のために作られた施設といえるでしょう。
現代特有の悩みから、遺体ホテルは生まれたのです。


遺体ホテルはどのように、何の目的で使うものなのかがお分かりいただけたのではないでしょうか。

続けて、遺体ホテルを利用するメリットについてご案内します。

遺体ホテルを利用するメリット

 遺体ホテルを利用するメリットは、以下の5点です。

  • 火葬場が空くまで衛生的に故人を安置できる
  • 自宅に故人を帰らせてあげられないときに有効
  • シンプルな送り方ができる
  • 施設によっては葬儀も行える
  • 葬儀社をゆっくり比較し選ぶ時間が生まれる

それぞれ解説します。

火葬場が空くまで衛生的に故人を安置できる

遺体ホテルを使えば、火葬場が空くまで自宅よりも衛生的に故人を安置できます。
遺体の傷みが極力進まないよう室温コントロールの効いた室内で保管してくれるためです。

2週間後の火葬など安置期間が極端に長い場合や、遺体の損傷が激しい場合には、
オプションでエンバーミングと呼ばれる防腐処理を行ってくれます。

専門の技術者にエンバーミングを施術してもらえば、いつまでも遺体に触れてお別れすることが可能です。

自宅に故人を帰らせてあげられないときに有効

遺体ホテルは、そもそも自宅に故人を帰らせてあげられないときにも有効です。
さまざまな事情で、遺体を自宅に移せない人が増えています。

マンションだと近所の目があって気が引けてしまいますし、
本人は長く施設にいたから、自宅は無人で片付いていないといったケースもあるでしょう。

自宅のかわりに故人を預かってくれるところがあれば安心です。

シンプルな送り方ができる

遺体ホテルで安置した後にすぐ火葬するような、シンプルな送り方を実践できます。
お通夜やお葬式はいらない、家族だけで静かに見送りたいという人にはおすすめです。 

施設によっては葬儀も行える

遺体ホテルによっては、納棺の儀式や身内だけのお通夜、小さなお葬式を営むことが可能です。
別に葬儀社を依頼することなく、遺体ホテルの中で葬儀を済ませることができます。 

葬儀社をゆっくり比較し選ぶ時間が生まれる

遺体ホテルにいったん故人を休ませ、葬儀社をゆっくり比較し選ぶということも可能です。
病院で亡くなった場合、多くは1時間程度で霊安室から遺体を移動させなければなりません。

しかし、葬儀社が決まっていないと、悲しみの中、そして時間のない中で遺体を搬送してくれる葬儀社を選ぶことになります。

じっくり吟味することなく搬送を依頼した葬儀社に、そのままお通夜やお葬式まで依頼をする家族が多いのが現状です。 

いったん故人を遺体ホテルへ搬送すれば、遺体を安全、衛生的な状態に保ったまま、葬儀社をじっくり選ぶことができます。

 

このように、遺体ホテルを利用することで、5つものメリットがあります。

しかし、やはりデメリットもあるのが現実です。次章で説明します。

遺体ホテルを利用するデメリット

 遺体ホテルを利用するデメリットは、以下の2点です。

  • 自宅安置よりも高くつく
  • 周囲の理解を得られていないホテルもある

それぞれ解説します。

自宅安置よりも高くつく

当然ながら、自宅に安置すれば0円ですが、遺体ホテルを利用すればそれなりの料金がかかります。

遺体ホテルの料金相場は、一泊1万円から2万円です。
7日間預ければ、7万円から14万円の出費となるわけですから、手痛いと感じる人もいるでしょう。

周囲の理解を得られていないホテルもある

遺体ホテルの中には、周囲の理解が得られていないところもあるのが現状です。

一見、通常のホテルのように見えるので、
住宅地の一角にあってもそれが遺体ホテルと気づかれることはあまりないのですが
周辺住民のなかには、事情を知ると「気味が悪い」と思う人もいるようです。

とくに、建設時に十分な説明がなされないと、「騙された」「営業を停止せよ」
と強い反発が発生する恐れがあり、
現実に住民の反対運動が話題となった遺体ホテルもあります。

そんな渦中にある遺体ホテルを利用すると、近隣から白い目で見られることもあるかもしれません。

なんだか窮屈な思いをする恐れがあります。

 

遺体ホテルのデメリットには、デリケートな問題も含まれていることがお分かりいただけたと思います。
遺体ホテルを利用する際には、とくに周囲の評判についても調べておかなければならないでしょう。

他に、注意すべき点はあるのでしょうか。
次章では、遺体ホテルを利用するときの注意点を具体的に紹介します。

遺体ホテルを利用するときの注意点

遺体ホテルを利用するときの注意点は、以下の3つです。

  • 遺体衛生保全の方法に注意
  • 安置だけか、葬儀もできるか確認する
  • 喪主や親族の宿泊先を確保する

順番に説明します。

遺体衛生保全の方法に注意

遺体の保管方法によっては、遺体の傷みが進んでしまうことがありますから、注意しましょう。
保冷設備が整っているか、遺体に詰め物やメイクを施してくれる専門員はいるかをチェックします。

どうしても遺体の傷みが進んだときのために、エンバーミングの技術者と提携しているかどうかも大事なポイントです。
事故死など遺体の損傷が激しいときには、契約前に必ずその旨を伝え、保管が可能かどうか判断してもらいましょう。

安置だけか、葬儀もできるか確認する

初めに電話をするときには、安置だけの施設なのか、葬儀も行えるのかを確認しておきましょう。
別の葬儀社でお葬式を行う予定があり、それまでの預かりであれば、安置だけでも構いません。

また、安置後はお通夜やお葬式を省略して火葬だけを行う直葬の場合も、安置だけで構いません。

しかし、「遺体ホテルの中でいいから、ささやかなお別れの儀式をしたい」と希望しているなら、
葬儀に対応した施設を選ぶ必要があります。

喪主や親族の宿泊先を確保する

遺体ホテルには、基本的に故人しか泊まれませんから、喪主や親族の宿泊先は確保しておく必要があります。
とくに喪主の自宅が遠い場合には気をつけましょう。

親族らが毎日面会に来るような場合には、喪主も立ち会いのためにたびたび遺体ホテルを訪れなければならないので、
遺体ホテルのそばに自分の宿泊場所を設けたほうが現実的です。

以上のように、遺体ホテルを利用するときには、葬儀全体の流れをどうしたいか、
喪主や親族はどこに泊まるのかまで考えるのがポイントです。
 

遺体ホテルはまだまだ数が少ないので、お住まいの地域によっては利用できないこともあるかもしれません。
「近くに遺体ホテルがない!どうしたらいい?」という人のために、
次章では遺体ホテル以外の安置方法についてお知らせします。

遺体ホテル以外の安置方法

遺体ホテル以外にも、安置の方法はあります。
主なものをご紹介します。 

安置所のある葬儀社

安置所のある葬儀社を、自宅近くで探してみましょう。
注意しなければならないのは、安置料金です。

遺体専用の安置室を備えた葬儀社であれば、安置料金は遺体ホテルとそう変わりません。
「お通夜やお葬式をしなくても、葬儀社の安置所を使わせてもらえるのだろうか」という心配は不要です。

葬儀をせず、火葬だけを行う「直葬」は最近かなり一般的になってきたため、快く応じてくれる葬儀社が大半でしょう。

一方で、遺体とともに遺族も宿泊することができるような広い部屋しかない場合は、安置料金が高くつく恐れがあります。シャワー室や簡易台所を備えているなら、一泊3万円ほどする部屋もあります。

とくに直葬を考えているのであれば、
会場費用や祭壇費用とセットで割引になるようなプランも使えず、かなり割高に感じられるでしょう。

安置所のある葬儀社を利用するときは、とくに安置料金について気をつけましょう。 

火葬場の空き状況を優先して自宅安置

火葬場の空き状況を最大限に優先すれば、火葬までの期間をかなり短くすることができるケースがあります。
亡くなってから火葬までの期間が23日で済むなら、自宅安置でも安心です。

火葬場に空きがないというのは、多くの場合、「葬儀に適した時間帯に火葬予約が集中している」という意味です。
葬儀の後に火葬をする多くの地域では、午後0時から2時頃までに火葬予約が集中します。

しかし、午前中の早い時間や、午後の遅い時間などは、空いている可能性が高いものです。

お葬式をしない直葬なら、そもそも火葬のタイミングはいつでもいいはずです。
また、火葬をしてから葬儀を行う「骨葬」をするという手段もあります。

火葬場の空き状況をきちんと把握してから、遺体ホテルを利用するかどうかを決めても遅くはありません。

葬儀サービスのある介護施設に入居する

生前にしか使えない手段ですが、葬儀サービスのある介護施設に入居するのも一つの手です。
葬儀社と提携して、入居者がなくなった後にそのまま施設内でお別れ会を行い、出棺を見送ってくれる施設があります。

現在は数が少ないですが、死後に遺体の引き取り手がいない人にも安心なシステムなので、今後増えてくることが期待されます。 

遺体ホテルの他にも選択肢があることを押さえておけば、いざというときに慌てなくても済みますね。 

まとめ

 以上、遺体ホテルの意味や目的、利用方法や利用のメリット・デメリットについてお伝えしました。

遺体を安置するだけでなく、簡単なお別れの儀式もできるようなところを選べば、火葬までゆったり過ごすことができるでしょう。

いざというときのために、遺体ホテルの他の選択肢も頭に入れておけば安心です。
少しでも落ち着いた気持ちで故人を送るため、最良の選択をしましょう。

一口にお墓・霊園と言っても、豊かな自然を背景にしたり、規模や宗派だけではない様々な特色があります。
お住まいの地域・ご実家の近隣などで、どんな霊園があるかご覧になってはいかがでしょうか?

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