想って、気付いて、受け止めて、吐き出すオンライン法事『私のための法事。』

想って、気付いて、受け止めて、吐き出すオンライン法事『私のための法事。』

新型コロナウイルスの影響により、オンラインでの法事が注目されています。

その一方で、オンライン法事はいまだに浸透しているとはいいがたく、満足にできるのだろうかと不安に思われる方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、一般社団法人 仏事普及協会が展開する『私のための法事。』を紹介いたします。

故人と向き合い、語り合いの場がある本来の法事のかたちにするために、さまざまな工夫が込められています。一般社団法人仏事普及協会のスタッフへのインタビューと合わせて、ぜひご一読ください。

この記事の目次

  1. 『私のための法事。』とは
  2. 『私のための法事。』の大切にしている5つの時間
  3. オンライン法要を利用する流れ
  4. 一般社団法人仏事普及協会の担当者へインタビュー
  5. 『私のための法事。』運営団体 概要

『私のための法事。』とは

私のための法事。ファーストビュー

『私のための法事。』は、一般社団法人 仏事普及協会が提供するオンライン法事のことです。

参列者が故人と向き合い、法事を通じて明日を生きる元気を得られるよう、さまざまな内容が組まれています。

一番の特徴は「仏事支援員」の存在。通常の法事は僧侶と家族だけで行われますが、法事の前後に仏事支援員が家族に寄り添うことで、より主体的に法事に臨むことができ、故人や自分自身と深く向き合うきっかけを作ってくれます。

オンライン法要を展開する一般社団法人 仏事普及協会 について

一般社団法人 仏事普及協会 は、オンライン法事のパイオニアです。その取り組みはNHK「NHKニュースシブ5時」 「ためしてガッテン」などさまざまなメディアに取り上げられるほどです。

既存宗派の僧侶10名が中心となって立ち上がり、社会の中で仏教や死生観を学ぶ機会を提供しています。

『私のための法事。』の大切にしている5つの時間

大切にしている5つの時間

『私のための法事。」では法事を満足いくものにするため、「大切にしている5つの時間」をもとに丁寧に故人と向き合えます。

その大切にしている5つの時間とは、以下の通り。

  • 心がまえの時間
  • 故人の想いを紡ぐ60分
  • 語り合いの時間
  • 出会いの時間
  • 対話の時間

これらひとつずつの内容を紹介します。

事前の電話での対話「心がまえの時間」

仏事支援員が法要前日までに施主へ連絡し、故人のことを想い出し、語り合うお手伝いをしてくれます。

語り合いを大切にする「故人の想いを紡ぐ60分間」

オンライン法事は30分程度で済むことが多いのですが、『私のための法事。』 にかかる所要時間は60分。

オンラインであっても故人としっかり向き合い、語り合う法事を執り行ってくれます。

仏事支援員による「語り合いの時間」

法事を始めるにあたり、約20分かけて故人や故人との思い出について語り合います。その語り合いを、仏事支援員がお手伝いをします。

僧侶による読経と法話の「出会いの時間」

僧侶の読経や法話は、仏様との出会い、仏教の教えに気づくことのできる機会です。仏事普及協会では、この時間を「出会いの時間」としています。

手紙で通わせ合う故人との「対話の時間」

法要の後は事前に郵送されてきた「手紙参りセット」に故人への想いを綴ります。手紙を記す時間は、個人と向き合う時間そのものです。

お布施はお気持ち払い

お布施は法要後に支払う金額を決めることができます。お寺の有志が集まった協会のため、法事後にお気持ちを受け取ることを大切にしています。

なお、事務手数料などが発生することもありません。信徒や檀家への勧誘もないため、安心して利用できます。

オンライン法要を利用する流れ

オンライン法要

『私のための法事。』の流れは、以下のようになります。

  1. 1.申込み
    電話、またはホームページ内の入力フォームから申込み。日時などを決めます。
  2. 2.仏事支援員からの電話
    法事の前日までに仏事支援員から電話があり、故人についての話をします。
  3. 3.タブレットと手紙参りセットの送付
    協会よりタブレット端末が送られてきます。同封の手紙参りセット(便箋とカード)は法要後に故人への手紙に用います。
  4. 4.法事当日
    はじめに仏事支援員と故人について語り合い、僧侶の読経と法話へと続きます。
  5. 5.手紙参り
    法事を終えてその日の就寝までの間、手紙参りセットで故人への手紙を綴ります。書いた手紙は郵便ポストへ投函すると、後日お寺に届きお焚き上げ供養をしてもらえます。

法事後にはお布施を支払います。なお決済方法は、クレジットカードまたは銀行振込のどちらかを選ぶことが可能です。


ここまで、『私のための法事。』のサービス内容や申し込みの流れについて紹介しました。

それでは実際に、こちらのオンライン法事を利用することは他のオンライン法事とどのように異なるのでしょうか。

『私のための法事。』を運営する、一般社団法人仏事普及協会の担当者に詳細を聞いてみました。

一般社団法人仏事普及協会の担当者へインタビュー

編集部ロゴLife.編集部

『私のための法事。』はご家族の心に行き届くサービスですね。もともとオンライン法事では参訪者様の期待に応えられなかったことが取り組みの背景にあったそうですが、参訪者様が法事に期待されていることとは、具体的にどういったことでしょうか?

担当者:法事そのものを行う意味や、行ってよかったという価値を実感することだと思います。

従来の法事では僧侶からの一方通行のものが多く、しかもオンライン法事だと30分以内で終わることがほとんどです。これだとますます法事の意味が感じられなくなってしまいます。

私たちは、法事は故人様から参列者へのプレゼントだと考えています。普段なかなか会えない親族、友人たちと会えるだけでなく、自分の人生を顧みる機会ともなるからです。

編集部ロゴLife.編集部

法事が故人様からのプレゼントという考えはとても素敵ですね。そのプレゼントは私たちにどんなよい影響をもたらせてくれるのでしょうか?

担当者:これは実際にあった話ですが、故人様に対して強い負の感情しかなかったという方が、当会の法事を終える頃にはその方との出会いの意味を確かめ直すことができ、「ありがとう」と感謝を述べられていました。

編集部ロゴLife.編集部

たった一度の法事で感謝に変わるのは、『私のための法事。』の取り組みが、ご遺族に寄り添った丁寧なものだからだということですね。

担当者:私たちは、オンラインでも心の行き交う法事を実現するために5つの時間を大切にしています。

法事そのものは60分程度ですが、その前後も含めて、ご家族が故人様としっかりと向き合えるためのプログラムを丹念に作り上げました。

「心がまえの時間」は、法要前日までに行う仏事支援員とご家族とのお電話。故人様のことを思いのままにお話いただくことでよりよいご法事を迎えるための準備となります。

編集部ロゴLife.編集部

法事の数日前からご家族様と接点を持つのですね。


担当者
:はい。そして法事当日も、僧侶の読経を始める前に「語り合いの時間」を設け、仏事支援員とともに故人様について語り合います。

言葉にすることで一人ひとりの心の奥にある故人様への感情を引き出してもらうのです。

編集部ロゴLife.編集部

家族や親戚とのつながりを感じられるのも法事の良いところですよね。


担当者
:おっしゃる通りです。法事にはたくさんの親族が集まります。故人様がいてくれたおかげでいま自分がここにいる、ここに集まった人たちとつながっている。こうした気づきが日常を見直す機会となり、ご先祖様への感謝の気持ちが生まれます。

そうした準備段階を経て、ようやく僧侶による読経が始まります。これを私たちは「出会いの時間」としています。故人様のご縁を通じて、仏様や仏教の教えに出会うことができるからです。

編集部ロゴLife.編集部

親戚が集まることにより、ご先祖様への感謝が生まれるって確かにそうですね。また、法事のあとのお手紙の取り組みも素敵ですね。

担当者:「対話の時間」として、故人様に手紙を書いてもらいます。「故人様から私は何を願われていたのか」と深く考えるきっかけとなります。

編集部ロゴLife.編集部

満足度の高い法事になるための綿密なプログラムですが、大切にされている想いやポリシーを教えてください。

担当者「私のための法事。」を通して本来の仏事の意味と価値を多くの人に感じてもらいたいと考えます。

法事は亡き人を通して自分自身に向き合う大切な機会で、私たちに明日を生きる元気を与えてくれるものです。

ご先祖様が大切につないできた法事という文化のすばらしさを、いまを生きる人たちに知ってもらい、未来に残していきたいですね。

編集部ロゴLife.編集部

オンラインだけではなく自宅や寺院での法事も受け付けているとのことですが、どのエリアまで出張可能ですか?また、希望の宗派のお坊さんにご対応いただけるのでしょうか?

担当者:提携している僧侶が通えるエリアであれば出張可能です。お問い合わせ時に希望の宗派をお伺いし、仏事普及協会の有志寺院がお勤めいたします。

編集部ロゴLife.編集部

では実際に希望のエリアへ出張に来ていただけるかは、問合せるということですね。オンライン法事では、どんなデバイス、ソフトを用いるのですか?

担当者タブレット端末を無料で貸出します。

開式時間になりましたら電源を入れてアプリのボタンを押すだけで法事にご参加いただけます。ご自宅にインターネットが通っていなくても利用可能です。

編集部ロゴLife.編集部

端末を無料で貸し出していただけるのは、とても便利ですね!準備しなければならないものがないのは、ありがたいです。
また、このサービスの特徴である仏事支援員は、どういった方が務めているのでしょうか?

担当者:仏事支援員は、終活やグリーフケアの資格を持ったカウンセラーの人がほとんどです。

全員、僧侶や外部のカウンセラー、グリーフケアアドバイザーより専門的な研修を受けた上で実施しています。

編集部ロゴLife.編集部

専門的な研修を受けた方々が仏事支援員をされているのですね。安心です。
話は変わりまして、昨今では供養の必要性を感じにくい人が増えているように思います。法事やお墓参りなど、ご先祖様を供養することで、生活にどのような「プラス」がもたらされるのでしょうか。

担当者:私たちはご法事の際に「お土産を持ってきて、そしてお土産を持ち返ってください」とお伝えしています。

お土産とは自分が抱えている悩みや課題のこと。故人様やご先祖様はきっとその悩みに応えてくれます。お土産(悩み)が少しでも軽くなり、解決されることもあるでしょう。

そして、悩みの本質は自分の中にあるんだなということに気づかせていただきます。故人様と向き合うことは、故人様のためであり、自分自身のためでもあるのです。

編集部ロゴLife.編集部

今日は大変貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました!

『私のための法事。』運営団体 概要

法人名一般社団法人 仏事普及協会
代表者名代表理事 小池 瑛士
所在地東京都中央区銀座4-11-7 第二上原ビル三階
de0120-806-866
公式サイトhttps://butsuji.jp/

編集後記

『私のための法事。」だと、オンラインでも心のこもった法事ができそうです。協会やスタッフの方々のご家族への想いや熱意が伝わる取り組みです。こうしたスタイルの法事がさらに広まっていくことを期待します!

ライフエンディングジャーナルは、「Life.(ライフドット)」が企画・発信する特別インタビュー企画です。ライフエンディング業界のイマを取り上げ直接取材し、業界全体をライフドットからも盛り上げて行きます。業界に関わるサービスや商品、そして第一線で活躍する人々にフォーカスし、ライフエンディング業界に対する想いやこれからの展望をお届けいたします。