葬儀の受付を頼まれたらどうする?マナーとポイントについて

芳名カード

長く生きていると、「葬儀の受付」を頼まれることも出てきます。
この場合、一般の弔問客とは異なり、ご遺族をフォローする立場として働かなければなりません。
今回は、受付を頼まれた場合の所作について取り上げていきます。

なお、ここで紹介しているのは、主に「受付を頼まれた側」の対応です。
ただ、「受付を頼む遺族側の行動やマナー」についても軽く触れていきます。
また、特に記載がない限り、葬儀は一般葬を想定しています。

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この記事の目次

  1. 頼まれやすい立場はどんな人?
  2. 葬儀の受付を頼まれたときの対応方法
  3. 覚えたらスムーズ!葬儀の受付の流れ
  4. 押さえておきたい!言葉使いや対応のマナー
  5. 葬儀の受付をする際の服装
  6. 葬儀の受付を頼む側のマナーについて
  7. まとめ
  8. 監修者コメント

頼まれやすい立場はどんな人?

香典受けや芳名帳がある葬儀の受付

「葬儀の受付を頼まれやすい人」というのはどのような人なのでしょうか。

葬儀の受付は、葬儀の規模によって分けられることがあります。
たとえば、「町内関係受付」「会社関係受付」「親族受付」などです。

この場合、原則として、町内関係には町内の、会社関係には会社関係の人が受付として選ばれます。
ただし、「親族受付」の場合はこの限りではありません。

親族や遺族は弔問客のあいさつを受けたり、また先に席についていたりしなければならないため、物理的に受付業務を最後まで行うことができないからです。

ただし、家族葬の場合はそもそも家族や親族しか来ませんから、親族が担当する場合もあります。
比較的若年層の人が担当する(10代~20代前半)こともありますが、年齢に関わりなく、どんな世代でも頼まれることがあります。

もちろん、葬儀の受付については、明確に「この人はやってはいけない」などのように決まりがあるわけではありません。

ただ、一般的には、会社関係の人や友人が選ばれるのが一般的です。
会社の総務部などに所属している人の場合は、比較的受付係として働くことになる可能性が高いといえます。
「町内・親族・会社などで受付を分けず、すべて会社の総務部の人に任せる」という葬儀もあります。

ちなみに、「金銭」を扱うことになるためトラブルを避ける目的もあり、葬儀会社のスタッフは基本的には受付の担当は積極的には行わないところが多いことでしょう。

ただ、「どうしても人が足りない」「やってくれる人が見当たらない」「あまりにも大規模なものになる」というような場合は、相談してもよいでしょう。

なお、現金の集計や芳名帳の整理まで行ってくれる葬儀受付代行サービスを提供している会社もあります。
葬儀の規模が非常に大きく、一般的な受付では対応しきれない……などのように、
特別な事情がある場合はこれを利用するのも一つの手です。

葬儀の受付を頼まれたときの対応方法

葬儀の受付を頼まれた場合、まずは「その依頼を受けるかどうか」を決めなければなりません。

当日の対応が可能な場合

葬儀の受付の打診があったのならば、特別の事情がない限りは引き受けるべきです。
故人との関係が浅かったとしても深かったとしても、基本的には断るべきではありません。

ご遺族も、
「故人との関係がそれほど深くはなかったから、冷静に事務的に行ってくれるだろう」
と考えて依頼されることもあるでしょう。

また逆に、
「学生時代の思い出話でよくあなたのことを聞いていたから、特別な仕事を頼みたい」
ということで問い合わせをしてくることもあるでしょう。

人の死は、いつか必ずやってくるものです。
しかしご遺族にとっては、大切な「たった一人の人」の死です。
受付を打診された人がこれを断った場合、ご心痛のご遺族がまた新たに受付を探す手間が必要になります。

ご遺族から直接的に頼まれた場合は簡単なお悔みの言葉を述べ
(「この度はお悔み申し上げます。私で宜しければ、受付を務めさせていただきます」など。
なおこれは仏教のときの言い回しです)、引き受ける旨を伝えましょう。

また、ご遺族から会社側への報告があり、会社の上司などから言われた場合は、業務命令的な側面があるので、「断る」という選択肢は現実的ではないでしょう。

当日の対応が難しい場合

葬儀の受付は、頼まれたのならば原則として引き受けるべきです。
ただ、
「長野で葬儀が行われるということだが、現在は出張でアメリカにいる。物理的に通夜や葬式には間に合わない」
「病気で入院しており、退院したばかりで会社も休んでいる。とてもではないが立ち仕事などできない」
などのようなケースもあるでしょう。

このような場合は、事情を簡単に話して断ってもよいでしょう。
ただ、返事を伸ばすのはあまり望ましくはありません。

「受けられない事情がある」ということならば、初めの打診の段階ですぐに断るべきです。
そうすれば、ご遺族側でも新しい受付係をすぐに手配することができます。

覚えたらスムーズ!葬儀の受付の流れ

初めて葬儀の受付を頼まれた場合、とまどうことになるのが普通です。
そこでここでは、通夜や葬儀のときの受付の流れと、持っておいた方がよい基本的な知識についてお話しします。

受付係は何人いる?

「葬儀 受付係」などで調べると、さまざまな情報が出てきます。
「受け取った香典は会計係に渡す」「芳名帳のご案内をする」「香典返しを渡す」などです。

これらはもちろんどれも正しいものですが、そもそも受付係は何人いるかで、やるべきこと・やれることが変わってくることも理解しておかなければなりません。

受付係の人数が非常に少ない場合、「会計係」が存在しない場合もあります。
このような場合は、香典をその場で開いて金額をチェックするということはほとんど不可能です。

幸い現在は「香典の金額に関わらず、一律で同じ香典返しを渡す」というかたちが主流になりつつありますから、
これに従い、

  1. あいさつを受ける
  2. 芳名帳をご記入いただく
  3. 香典を受け取る(受け取った香典はひとまとめにしておく)
  4. 香典返しをお渡しする

とすれば大丈夫です。

よほど弔問客が多くない限りは、これで対応ができるでしょう。

ある程度人数がいて、かつ受付の部屋が準備されているという場合は、「会計係」を他の人に任せることができます。
受け取った香典を会計係に渡し、整理していくことが容易です。

ただ、この場合でも、当然弔問客の目の前で香典を開くということは慎むべきです。
また、会計係は原則として2名以上で担当します。お金を数えている姿が弔問客に見えないように注意してください。

「社葬などであり、弔問客も多い。しかし受付係の人数も多い」という場合は、

  • 受付で香典を受け付ける係(2~4名ほど)
  • お金を数える会計係
  • パソコンを使い、金額と弔問客の名前、住所を紐づけてエクセルなどでまとめていく係
  • 案内係

の大所帯で回すこともあります。

この場合、「会計係」と「パソコン係」は受付控え室にいて、
弔問客の目に触れないようにしながらまとめていくのが一般的です。

案内係は基本的には葬儀会社のスタッフが担当するのですが、受付係の人手が余っていたり、少しわかりにくい会場の形態(ホール1つでは足りず、セレモニーホールの葬儀の内容をリアルタイムでスクリーンに映し出すかたちを使ってほかのホールで参列できるようにする、など)をしていたりする場合は、案内係が活躍することもあります。

「受付の人数が何人か」によって、「受付がやるべきこと」は変わってくるのです。
「受付の人数は、当日まで知らされない」ということもありますが、ほかの受付係と顔を合わせた時点で、それぞれの役割を決めるとよいでしょう。

受付係の焼香のタイミングと香典の処理

受付係をしていて困ることの一つが、「受付係はいつ焼香をするのか」ということです。

受付係はその役目柄、通夜や葬式が始まった後もしばらくは受付にいなければなりません。
開始時間に間に合わなかった人がやってくることもあるからです。

開始30分後くらいまでは受付に拘束されるため、ほかの人と同じタイミングで会場に入ることができません。
このため、焼香をするのであれば、そのタイミングは以下の2つに分けられます。

1.始まる前に焼香を済ませる

受付係は、開始30分~1時間前に会場入りをします。
その時間を利用して、先に焼香を済ませてしまうというやり方があります。
ご遺族がいる場合は、必ずご遺族に断りを入れましょう。

2.受付業務が終わってから焼香をする

葬儀の規模や段取りにもよりますが、「受付終了(開始30分後)」の場合、
会場内では「焼香が終わった」という段階にはなっていないことが多いと思われます。
このため、受付が終わった後に後ろの方のドアから入り、ほかの弔問客に続いて焼香をすることもできます。


もう一つ問題になるのが、「香典の処理」です。
いただいた香典はひとまとめにするのが基本ですが、これをどのように保管するのかも考えておかなければなりません。

特に、「通夜や葬式が始まった後の香典の処理」については確認をしておきましょう。
親族控え室に運ぶのか、受付数人で管理するのかなどを、事前に確かめておいてください。

いずれの場合であっても、独断は避けた方がよいでしょう。
葬儀会社のスタッフに聞いて、タイミングを教えてもらうことをおすすめします。

香典辞退のケースについて

現在は、「香典を辞退する」という葬儀も見られるようになりました。
このようなケースの場合、受付には「香典辞退」の看板が据えられることが多いでしょう。
ただそれでも、受付で香典を渡してこようとする人もいるかもしれません。

その場合は、口頭でお断りします。「香典辞退」が遺族の希望であるのなら、受付の人間もそれに添うべきです。
それでも強いて……と言われた場合を想定して、事前に葬儀会社スタッフに確認しておくこともおすすめします。

「香典辞退としていてもなお、と言われた場合は受け取る」
という考え方が主流ですが、勝手に判断するべきではないからです。

通夜

ここからは、基本的な受付の流れについて見ていきましょう。
まずは通夜編です。

1.早めに会場に入る

受付係を頼まれた場合は、早めに会場に入ります。
葬儀開始時間の1時間前、葬儀受付開始時間の30分前には入場していることが望ましいといえます。

2.トイレの位置などを確認する

多くの葬儀会社では葬儀スタッフを受付係とは別に配しているため、彼らが案内してくれることが多いと思われます。
しかし、特殊なかたちの葬儀であれば案内が必要になることもあるでしょう。
また、「トイレの位置」は、受付をしている人にも比較的よく聞かれるものです。
これらの位置を把握しておきましょう。

3.役割分担を決める

複数人で受付をする場合は、それぞれの役割を決めます。
なお、ペン類などは葬儀会社が揃えておいてくれる可能性が極めて高いのですが、一応予備を持っておくと安心です。
また、芳名帳なのか芳名カード(芳名帳はノート型になっていて、住所や氏名を記載できるようになっているもの。

芳名カードはバラバラになるカードであり、住所氏名の他、どのような関係なのが記載できるようになっているものを指す。
現在はプライバシー保護の観点から、芳名帳ではなく芳名カードを使うケースもある)なのか、どのように整理をするのかを全員で共有し、「受付の人間によって言うことが違う」といった事態が起きないようにしておきます。

4.香典返しの渡し方を確認しておく

香典返しの渡し方というのは、実は非常に難しいものです。
地域や家族、葬儀会社ごとに考え方に違いがあり、それぞれの持っている「常識」が異なることもよくあります。

「個人名で香典をいただいた場合、1つの香典返しをお渡しする」というのは分かりやすいのですが、
「連名表記の場合(個人名×複数)はどうするか」「○○部一同表記の場合はどうするか」
については、判断が分かれるものです。

「金額によって返し方が異なる」とも言われていますが、もらったその場で開くわけにもいきません。
「連名の場合はそこに書かれている人数分の香典返しを渡し、○○部一同表記の場合は1つだけ返す」
というやり方もありますが、いずれにせよ、どのようなスタンスでいくのかを確認しておかなければなりません。

受付係だけでの判断は難しいので、ご遺族の意思確認もできる葬儀会社スタッフに問い合わせましょう(葬儀会社スタッフから通達があることもあります)。

なお、「受付の方は先に焼香を済ませてください」というスタイルの場合は、ここまでの間に順番に焼香を済ませることになります。

5.受付開始、ごあいさつを受ける

弔問客がぽつぽつと来始めます。
簡単なごあいさつ(省略されることもあります)を受けるので、遺族側の立場でそのごあいさつを受けます。
具体的には、「ありがとうございます」などです。完結に済ませましょう。

6.芳名帳に記帳していただく

芳名帳もしくは芳名カードに記帳していただきます。
「受付とは別の場所で芳名カードを記入していただく」という場合は、その「別の場所」を手などで示します。

7.香典を受け取る

香典をお盆で受け取ります。香典を手で受け取る場合は、必ず両手で受け取ります。

8.香典返しもしくは会葬礼状を渡す

即日返しで香典返しを渡す場合は香典返しを、香典返しは後日行うという場合は会葬礼状を両手でお渡しします。
もし葬儀会社のスタッフがいない場合は、ロビーでお待ちいただくように案内するか、もしくは会場の位置を案内するようにするとスマートです(口頭で十分でしょう)。

9.通夜が開始しても、しばらくはその場に留まる

通夜が開始しても、30分程度の間は遅刻してきた人がまばらにやってくる可能性があります。その場に留まりましょう。

10.葬儀会社の案内に従う

この後の行動は、事前に葬儀会社のスタッフに確認しておいた通りに行います。
「中に入って焼香してください」「2人以上で香典の管理をしてください」などのような指示があれば、それに従います。

葬式

「通夜に引き続き、葬式のときの受付も頼まれた」という場合の流れについて見ていきましょう。
ただ、受付開始後の行動は基本的には同じ流れです。特に特徴的なところのみ、解説していきます。

1.早めに会場に入る

これは通夜のときと同じです。朝の9時くらいから始まる葬式もありますから、遅刻しないように注意したいものです。

2.カウンターを整える

「通夜で使ったカウンターがどのような状態で置かれているか」は、葬儀会社によって異なります。
香典返しもそのままに置かれていることもあれば、それらはいったん別の場所で保管されていることもあります。

また、カウンターがそのままの状態で動かされていないこともあれば、ロビーの隅の方に置かれている場合もあります。
通夜のときと同じかたちにすれば問題ありません。

3.昨日とは別の人が来ている場合は、昨日の手順の共有や役割分担を行う

「受付のメンバーが昨日と同じ顔触れだ」という場合は、この工程は必要ではありません。
ただ、「通夜には来ることができたが、葬式には来ることができない」ということで、ほかの人が来る可能性もあります。
この場合は、昨日の手順の共有をし、役割分担を再度行いましょう。

4.受付開始、ごあいさつを受ける

5.芳名帳に記帳していただく

6.香典を受け取る

基本的には通夜と葬式のときの手順は、受付開始後からは一緒です。
しかし「芳名帳の記入」「香典の受け取り」の場合だけ異なります。
通夜と葬式の両方に参列する人の場合、香典を持っていくのはどちらか片方で良いとされています。

どちらに持っていくべきなのかは地域によっても異なりますが、
現在は通夜に持参される方が増えている傾向にあるようです。
このため、通夜で香典を出した人からは香典を受け取らないことになります。

では、この場合は芳名帳をどうすればよいのでしょうか。
(なお下記は、「通夜に香典を持って行き、葬式では持参しない場合」を想定しています)

これに関しては見解が分かれており、
「芳名帳は参列者を把握するためのものであるから、香典を持って行かない葬式のときでも芳名帳には記載する」
とする説と、
「特に何かする必要はない。ただ、受付係が促した場合は記帳を断らない」
とする説があります。

どちらにするかは迷うところではありますが、前者の説にのっとる場合でも後者の説にのっとる場合でも、
「自発的もしくは受付係に促された場合は記帳するのがよい」ということになります。
このため、受付係をしている立場ならば、「ご記帳だけお願いいたします」と促すとよいでしょう。

7.香典返しもしくは会葬礼状を渡す

8.通夜が開始しても、しばらくはその場に留まる

9.葬儀会社の案内に従う

押さえておきたい!言葉使いや対応のマナー

女性の喪服姿

葬儀で受付を頼まれたときに気を付けたいのは、「自分は遺族側の立場に立っている」ということです。
このため、案内をする際は「弔問客に対して丁寧な敬語を使うこと」が求められます。

あいさつなどをされた場合は、
「本日はお忙しいなか、ご参列くださりありがとうございます」
「恐れいりますが、ご記帳をお願いいたします」
などと返すのが基本です。

実際の受付は混みあいますので、ここまでの丁寧なやりとりをすることは難しいでしょう。
ただ、「遺族の立場に立ち、弔問客にお礼を言い、ねぎらうこと」の基本スタンスは忘れてはいけません。

受付は「遺族側の立場に立つ」とはいっても、もちろん「遺族そのもの」ではありません。
そのため、香典を出されたときは、「お預かりします」と返し、
あくまで「遺族の代わりに受け取る立場なのだ」としておきましょう。

また、受付を担当する場合でも、ご遺族ほどさまざまなことに詳しいわけではありません。
供花などについては基本的には通夜の始まる前に葬儀会社を介して用意されることが多いため、
「受付にいきなり持ってくる人」というのはほとんどいないでしょう。

ただ、
「弔電について相談がある」
「明日の葬儀に向けて、供物を出したいと言っている人がいた」
などのようなことを言われる可能性はあります。

このような場合は、その場で軽々に判断せずに、必ず葬儀会社のスタッフに問い合わせましょう。
葬儀会社のスタッフはご遺族のご意向を直接聞く立場にありますし、葬儀全体についての知識も持っており、また当然その葬儀会社ならではのルールややり方も熟知しています。

ちなみに、葬儀には「担当者」がつき、ご遺族とのやりとりはこの担当者が中心となって行います。
受付係がこの担当者を知っており、かつその担当者がその場でつかまれば一番良いでしょう。

しかし該当者がわからないもしくはいない場合は、葬儀会社のスタッフのだれに問い合わせても構いません。
もしその人でも分からないことがあった場合は、上役などにそのスタッフが相談し、最適な回答をしてくれるからです。

葬儀の受付をする際の服装

葬儀の受付をする際の服装について見ていきましょう。

基本の服装

これは、基本的には弔問客の格好に準じます。
ただ、男性の場合はブラックスーツを選んだ方がよいでしょう。

一般的な通夜の場合、弔問客はダークスーツでもよいとされていますし、受付でもダークスーツでも可とされることが多いのですが、ブラックスーツにした方がベターです。
これに、白いシャツを合わせます。また、ネクタイや靴下は黒で揃えます。

女性の場合は、黒もしくはダーク系のスーツを合わせます。
ワンピース型が利用しやすいでしょう。夏でも七分丈~長袖のスーツを着ます。
ちなみに、社葬の場合に限り、制服でも可とされています(制服が華美なものではない場合のみ)。
ストッキングは、肌色でも構いませんが黒色がより望ましいでしょう。

化粧は控えめにします。
「顔色が悪すぎて、病人と間違われてしまう」などのような特殊な状態ではない限り、
チークは入れません。

また、ラメいりのメイクアイテムも避けます。
口紅は、「片化粧」の考えから「つけない方が望ましい」とする説と、
「社会人ならば口紅はひくべき」という説があります。

後者の説を取る場合でも、派手すぎる色の口紅は避けてください。また、グロスは使いません。

アクセサリーは、原則としてつけません。
パールのアクセサリーは問題ないとされていますが、
これも「つけなければならないもの」ではないため、しない方が無難でしょう。

もしつけるのであれば、必ず一連のものにします。二連は「悲しみが重なる」とされて嫌われます。
結婚指輪に関しては外さなくてもよいとされていますが、気になるならば外しておきましょう。

時計に関しては賛否両論ありますが、受付の場合は時間の把握のために持っておきたいと考える人もいるでしょう。
その場合は、カジュアルすぎるものや豪華すぎるものを避け、黒の皮のものを選ぶと無難です。
文字盤は白いものがよいでしょう。
スマートフォンなどでの時間のチェックは避けるべきです。

鞄と靴、そして髪型

受付の場合、鞄を持っていくことも多いでしょう。
男女ともに、鞄は黒色を選びます。また、靴も黒いものを選びましょう。

靴は、疲れにくくて光沢のないものを履きましょう。
鞄にしろ靴にしろ、金具がついていないものを選ばなければなりません。

髪型に関しては、男性は短い黒髪に櫛を通し、清潔感を出すと良いでしょう。
現在は茶髪でもOKとされることもありますが、男性の髪の毛の色は女性のそれよりも厳しく見られるため、黒色にしておいた方が安心です。

「学生の立場だが、特にと頼まれて受付をすることになった。ただ、急なことで美容院に行って染め直すこともできないし……」
ということであれば、カラースプレーなどを使うとよいでしょう。

女性の場合は、髪の毛をリボンなどでまとめてすっきりさせるのが望ましいといえます。
ヘアアクセは黒いものを選び、大きすぎないサイズのものを用います。

光沢のないものを選ぶようにするのが常識です。
現在は葬儀用のヘアアクセも出ていますから、これを一つ持っておくことをおすすめします。

学生の場合は?

受付は、基本的には大人が担当します。
学生の立場で、葬儀の受付をすることになる可能性は極めて低いといえるでしょう。

しかし、
「仲良くしていた同級生が突然の事故で他界した。最後のお見送りを友人の手でやって欲しいと、ご遺族が希望している」
「受付は基本的には大人に任せるが、手伝いをしたい」
などのようなこともあるかもしれません。

この場合は、制服姿で行います。制服は学生にとって第一の礼服です。
そこに、黒い靴下や靴を合わせましょう。制服がない場合は、黒や紺色のブレザーに、白いシャツを合わせます。
スカートやズボンも、上着に合わせたものを選びます。

なお、「葬儀に参加する子どもの服装」の場合、学齢によってはスニーカーも許容されます。
ただ、受付を手伝うくらいの学齢ならば、やはり靴も黒色のローファーなどを選んだ方がよいでしょう。

葬儀の受付を頼む側のマナーについて

葬儀の受付は、「頼む側のマナー」も問われます。

頼むべき相手は、町内の方や会社の方となるでしょう。
ちなみに、「家族葬であり、一般の弔問客は基本的には来ない葬儀だ」という場合は、受付を設ける必要はありません。
電話をしてお願いをしましょう。

「お忙しいなか誠に申し訳ございませんが、葬儀のときにお手伝いをしていただいてよろしいでしょうか」
などのように言えばよいでしょう(葬儀の連絡を会社にした段階で、
「こちら側で受付や手伝いの人間を見繕いましょうか」と提案された場合は、それに甘えてもよいでしょう)。
弔問客が50人程度までなら2人ほどで十分です。

受付をしてくれた人に対してお礼をするかどうかは、ご家庭や葬儀会社によって考え方が異なります。

  • 丁寧にお礼を言って終わり
  • お金を包む
  • 品物で返す

などのように、対応はさまざまです。

ただ、迷ったのならばお礼をしておいた方がよいでしょう。
お礼をされて不快に思う人はいないからです。
固辞をされた場合や、町内あるいは社内で「お礼は受け取らない」と決めている場合以外は用意しておくのが無難です。

現金の場合は、3,000円くらいが相場でしょう。
専門家の間でも見解は分かれるところではありますが、この金額が一般的なようです。お渡しする場合は、白い無地の封筒を選び、表に「御礼」もしくは「志」と書きます。

品物の場合は、お菓子などがおすすめです。
タオルなどの実用品でもよいのですが、お菓子は「食べたら消えるもの」ですから、
お礼としては非常にはん用性が高いといえます。これの表書きも、「御礼」などがよいでしょう。

まとめ

葬儀の受付を頼まれた場合は、特段の事情がない限り、断るべきではありません。
「この度はお悔み申し上げます(仏教の場合)。私で宜しければ、受付を務めさせていただきます」
などと告げ、お引き受けしましょう。

なお、受付を頼まれるのは、

  • 直系親族ではない
  • 町内関係ならば町内会繋がりの、会社関係繋がりならば会社関係繋がりの人

が多いようです。

「病気や遠方住まいのため、どうしても務めることができない」という場合は、
打診されたときにすぐにそう答えましょう。
回答を伸ばしてはいけません。

通夜の受付を務める場合、30分~1時間前に会場に入るようにします。
「受付でやるべきこと」は、人数によって異なります。まずはこれを把握しましょう。

これ以外にも、
「連名での香典を受け取った際は香典返しをいくつ渡すか」
「受け取った香典はどこで保管するか」「受付係はどのタイミングで焼香をするか」
について確認しておかなければなりません。

役割分担は自分たちで行うことになりますが、それ以外については、
葬儀会社のスタッフに聞けば返答がもらえます。葬式のときも通夜とほぼ同じ手順です。

ただ、「通夜にも葬式にも来てくれた人」に対してどのように対応するかを決めておかなければなりません。
基本的には、「通夜で香典を出された場合は受け取らない、芳名帳にだけ記帳していただく」
というかたちをとるとよいでしょう。

  • 受付の人間は、遺族側の立場に立ちます。そのため、弔問客に対しても丁寧な言葉遣いをしましょう。
    ただ、当然「遺族そのもの」ではないため、香典を受け取るときは「お預かりします」と言うようにします。

  • 服装は、ダークスーツを選ぶとよいでしょう。
    アクセサリー類は外し、靴や鞄は黒色で金具がついていないものを選びます。
    男性は黒髪が基本です。
    女性の場合は少し茶色くても構いませんが、邪魔になるようならば、黒いリボンなどですっきりまとめましょう。

  • 学生が受付を担当する可能性は極めて低いと思われますが、「特に」と言われて受付やその手伝いを務める場合は、制服を選びます。制服は、学生にとってもっとも格の高い礼服だからです。

  • 葬儀の受付は、故人やご遺族によりそうことができる役目です。
    マナーを守ってしっかり務めあげましょう。

監修者コメント

監修者
終活・葬送ソーシャルワーカー
吉川美津子

故人や喪主と親しい間柄であれば、受付を頼まれることがあります。受付は記帳を促し、香典を預かります。その場で香典整理をすることもあれば、家族葬のようなこぢんまりとした規模であれば、預かるだけの場合もあります。

受付は開式の1時間くらい前に集合し、準備をします。作業としてはさほど難しくないのですが、芳名帳(芳名カード)や、香典に記載されている氏名や住所等の字が読みにくいことも多いので、わかりにくい場合はその場で確認しておくと良いでしょう。

芳名帳(芳名カード)や香典のまとめ方や、渡すタイミング等は、地域によって異なります。最後は葬儀社が準備した箱などにまとめて家族に引き渡します。

墓じまいを検討されている方

  • 墓じまいはどこに相談するのかわからない
  • 複雑な事務手続きをやりたくない
  • 墓じまいにいくら必要なのか知りたい

親族や知人などに墓じまいを経験した人がおらず、不安に感じる人もいるかと思います。
また、今あるお墓を片付けることに抵抗感がある方もいるかもしれません。
しかし、大切なのはお墓をきちんと片付け、あとの供養に繋げていくことです。

ライフドットでは、墓じまいの複雑な事務手続きの代行、新しい墓地・霊園への引越しの提案までサポートします。
墓じまいで悩まれている方は、まず一度ライフドットにお問い合わせください。

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