「葬祭」とは? 葬儀や葬式との違いや神道・仏教での葬祭行事について

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葬式の祭壇

葬儀にまつわる言葉は、数多くあります。今回はそのなかから、「葬祭」について取り上げます。この言葉の意味と、「葬式」「葬儀」との違いについて、まずは解説します。その後には、仏教や神道における葬儀と、その後の流れについて取り上げていきます。

冠婚葬祭とは

「冠婚葬祭」という言葉は、だれもが一度は耳にする言葉です。特に社会人になれば、これを理由として会社に休みを申請する機会も増えていくでしょう。

「冠婚葬祭」というと、「とても大事なもの」「人生の節目」を思い浮かべる人も多いと思われます。もちろんこれも正解です。ただ、今回はもう少し踏み込んでみていきましょう。

冠婚葬祭のなかの「冠」はかつて、成人の儀式を指す言葉でした。現在では成人といえば20歳を指します。しかし今よりも平均寿命がずっと短かった昔(平安時代から鎌倉時代)は11歳~17歳で成人と認められました。男性の場合は「元服(「加冠」「烏帽子着」とも)」ということで、髪の毛を結い上げて冠や烏帽子(えぼし)を受けました。

このときに使われた「かんむり」が「冠婚葬祭」の「冠(かん)」の由来となっています。
ちなみに、女性の場合は12歳~16歳のときに「裳着(もぎ)」という儀式が行われていました。

「婚」については、すぐに想像がつくでしょう。現代でも人生の一大イベントの筆頭に挙げられる「結婚」のことを指します。

「葬」は、そのまま「葬儀」を指す言葉です。この世からあの世に旅立つことを指します。

最後の「祭り」は、「先祖をお祭りすること」を指します。現代よりもずっと「イエ」の概念が強かった昔は、先祖を大切に祭ることが非常に重要視されました。今でもこれは、お盆や法事といったかたちで残っています。


冠婚葬祭は、生まれ、成人し、結婚し、息を引き取り、そして子孫の手によって祭られるという「人の一生そのもの」を指す言葉だといえます。
現代では多種多様なライフスタイルが見られるようになりましたし、もちろんそれは否定されるべきものではありません。しかしこの「冠婚葬祭」という言葉は今も、一種の慣用句となって、現代を生きる人々に使われています。

葬祭という言葉の意味

「冠婚葬祭」の由来は、そのまま「葬祭」という言葉の由来にもなっています。
ここではこの「葬祭」の意味と、混同してしまいがちな「葬式」「葬儀」の違いについて取り上げていきます。

葬祭・葬式・葬儀の違い

「葬祭」「葬式」「葬儀」はすべて似たように見えるもの。それぞれの違いを解説します。

  • 「葬祭」・・・人が亡くなった直後に行う儀式(葬儀)だけでなく、その後の法要なども含めた言葉です。先祖へのお祭りも含める言葉であり、幅広い範囲を指しています。葬儀を扱う会社のなかには法事に強いところも多く、「葬祭業者」と特に名乗っているところもあります。
  • 「葬式」・・・通夜の翌日の日中に行われることが多いものです。「告別式」と似た意味で使われることもありますが、厳密には「告別式」は宗教的な儀式を含まないお別れの儀式とされています。対して「葬式」の場合は、無宗教でのお見送りでも特定の宗教(仏教など)のお見送りでも使える言葉とされています。ただ、「宗教的儀式を行った後にお別れの儀式をする」というケースも一般化してきています。このため、無宗教以外でのお式の場合は、「葬式・告別式」と並列で表記されることもあります。
  • 「葬儀」・・・葬式も告別式も通夜もすべて含む言葉です。亡くなってから行う儀式~家に帰るまでの一連の流れを指す言葉であり、「葬式」よりも実施期間が長く、「葬祭」よりも網羅する範囲が狭い言葉といえます。

この記事では、上記のような意味で言葉を使い分けていきます。

もっとも、このような解釈はあくまで一例にすぎません。「葬祭」は明確に区別されるものの、「葬儀」「葬式」の区別は、専門家や葬儀会社によっても解釈が異なることが多い単語だといえるのです。

たとえば、「葬儀は通夜の翌日に行われるもので、告別式と完全に一体化しているもの。対して、葬式は通夜と葬儀の両方を指す言葉」とする解釈もあれば、「葬式という言葉は、告別式(宗教的儀式を含まないお別れの儀式)と葬儀(告別式の前に行われる、読経などの宗教的儀式)をあわせた言葉」とする解釈もあります。

また、この2つをほとんど区別しないで使うこともあります。

葬祭ディレクターという専門家がいる

葬祭は、非常に特殊なものです。だれもが一度は通る道でありながら、決して「練習」ができないものだからです。また、大切な人が亡くなった直後は、だれもが冷静さを欠いています。そのうえ、心も非常に過敏になりますから、普段なら全く気にしない言葉に傷ついたり、ささいな不手際で心が動揺したりします。

このような状況にあるご遺族のことを支え、納得のいく葬儀を行う手助けをするためにいるのが、「葬祭ディレクター」です。

葬祭ディレクターは、葬祭業における専門家です。これは厚生労働省認定の専門資格であり、「葬祭ディレクター1級」と「葬祭ディレクター2級」の2つに分けられています。

葬祭ディレクターの資格はかなり条件が厳しく、下位資格である2級の方であっても実務経験が求められます。葬祭実務経験が2年以上なければ受けることができません。ただし、葬祭ディレクター技能審査協会が認定する専門学校に通っていた場合は、その通学期間も実務経験として参入することが可能です。

上位資格である1級はさらに厳しく、5年以上の実務経験もしくは2級をとってから2年以上の実務経験が必要です。つまり、認定校に通っていなかった人の場合、1級を取ろうとすれば最低でも4年の実務経験が必要になってくるのです。

実務経験は当然自己申告ではいけません。事業主による証明もしくは在職証明書類が必要です。認定校在籍中の期間を参入する場合でも、葬祭業務実務経験年数証明書が求められます。

葬祭ディレクターになるためには、実務経験年数をクリアしたうえで、さらに試験を受けなければなりません。1級の場合も2級の場合も、学科試験にプラスして、3つの分野(幕張・接遇・司会)からなる実技試験が課せられます。
なお、幕張・接遇・司会はそれぞれ以下のような内容です。

  • 幕張…焼香台に、ひだを入れた幕を張る
  • 接遇…喪家との打ち合わせを想定して、その打ち合わせのやり取りをする。遺族の意向などを聞き、対応していく
  • 司会…式次第に従って、葬儀の司会進行を行っていく。また、自由課題も出される

70%以上の得点をとれば、資格が与えられます。なお、全体の正答率が70パーセントを越えていても、幕張・待遇・司会・学科試験のいずれかの正答率が30パーセントを切っていた場合は不合格とされます。

このように、葬祭ディレクターの資格はかなりとるのが大変なものです。ただ、逆をいえば、葬祭ディレクターの資格を持っているスタッフは信頼できる、ということでもあります。また、葬祭ディレクターが何人いるかで、その葬儀会社のレベルを知ることもできます。

「葬祭を取り仕切ることができるのは、葬祭ディレクターの資格を持っている人間に限る」というところや、「経験年数を満たした時点で、社員全員に葬祭ディレクターの資格試験を受けさせる」というところは、葬儀会社としてのレベルも総じて高く、安心できます。

勉強熱心なスタッフを雇っていることの証明にもなりますし、より良い葬祭を提供しようとする意識が見て取れるからです。

終活の一環として自分が息を引き取った後に頼む葬儀会社を探している人は、候補としている葬儀会社に、葬祭ディレクターの在籍の有無と対応について尋ねるとよいでしょう。

葬祭ディレクターという資格は葬儀会社スタッフのためのものであるのと同時に、葬祭について考える人にとっても非常に重要なものなのです。

仏教での一般的な葬儀の流れ

仏教での一般的な「葬儀」の流れは、以下のようになります。

通夜の流れ

ご逝去の翌日の夜の18時~20時台に行われるのが一般的です。ただ、亡くなった当日に行われたり、亡くなってから2~3日ほど経ってから行われたりすることもあります。また、17時台や21時台に行われることもあります。このあたりは、僧侶や葬儀会場や火葬場の空き状況、あるいは親族の都合などによって左右されるでしょう。

  1. 受付開始~着席
    開式の1時間~30分ほど前から行われます。15分ほど前になると会場に入るようにアナウンスを流す葬儀会社が多いようです。
    なお現在は、このときに一律で香典返しを渡してしまうケースも多く見られます(多額の香典の場合は、後日改めてお返しをする)。
  2. 開式~僧侶入場
    開式の宣言が行われ、僧侶が入場してきます。このあたりは葬儀式場のアナウンスに従うとよいでしょう。
  3. 読経と焼香
    僧侶の読経の元、焼香が行われます。焼香は、喪主→遺族→親族→参列者の順番で行われます。
    焼香のタイミングは、「読経が行われている間に順次行う」としているところもあれば、「読経が終わった後に行う」としているところもあります。
    焼香の手順は、宗旨ごとによって異なります。ただ、専門的知識がないなかでこれを完璧に行うのはなかなか大変なものです。喪主のやり方を見て、そのまねをするとよいでしょう。
    なお、「数珠」も宗旨ごとによって違いがありますが、参列者の立場では気にしなくても構わないでしょう。また、遺族の立場であってもそれほど問われません。
  4. 説法
    僧侶によって説法が行われます。「死をどう受け止めるべきか」などを仏教の考えに則って分かりやすく説いていきます。
  5. 僧侶退場
    僧侶退場です。
  6. 閉会のあいさつ
    喪主あるいは親族代表者による会葬の御礼のあいさつがあります。このときに、喪主もしくは葬儀会社のスタッフによって、通夜ぶるまいや翌日の葬式・告別式の案内が行われることもあります。
  7. 通夜ぶるまい
    多くのケースでは、「通夜ぶるまい」の席が設けられています。
    これは控え室などで飲食をしながら故人のことを偲ぶものです。誘われたのであれば、短い時間でも構わないので参加しましょう。

葬式・告別式の流れ

基本的には通夜とほとんど同じです。
違う部分にのみ、解説を加えていきます。

  1. 受付開始~着席
  2. 開式~僧侶入場
  3. 読経と焼香、弔電読み上げ
    一般的には、葬式・告別式のときに弔電の読み上げが行われます。読経の最中に弔電を読み上げたり焼香をしたりするのか、あるいは読経が終わってから弔電を読み上げてさらにその後に焼香を行うのか、などは葬儀会社によって異なります。ただこのあたりもすべて案内があるので、その案内に従えばよいでしょう。なお、焼香を行う順番はいかなる場合でも変わりません。
  4. 説法
    こちらも通夜と一緒ですが、内容は違います。
  5. 僧侶退場
  6. 閉会のあいさつ
    喪主あるいは親族代表者によるあいさつが行われます。しかし通夜のときとは異なり、「閉会のあいさつ」が終わったあとに最後のお別れの時間が設けられることもあります。
  7. 最後のお別れ
    棺をあけて、そのなかを花などで満たします。また、一緒に火葬したいものをこのときに入れることもあります。
  8. 出棺
    かつては、親族の男性が棺を持って霊柩車に乗せるのが一般的でした。もちろん現在もこのようなやり方がとられることもありますが、棺を乗せたまま移動させられるストレッチャーが使われることもあります。
  9. 霊柩車出発
    棺と遺族が乗り込んだ霊柩車が火葬場に向かって出発します。親族を乗せたバス(利用する場合)もほぼ同時刻に出発します。
    参列者は、多くの場合は合掌し、これを見送ります。なお、一般参列者は、ご遺族に「特に」と誘われない場合は火葬場への同行はしない方がよいでしょう。

神道の葬儀は神葬祭

神道の場合の葬儀は、特に「神葬祭(しんそうさい)」あるいは「神式葬儀」と呼ばれます。
神式の葬儀も仏式の葬儀と共通する部分があります。しかし、神葬祭ならではのポイントもあります。それについて見ていきましょう。

神葬祭の流れ

神葬祭の流れについて解説していきます。

【通夜】
神式の葬儀でも、通夜が行われるのが一般的です。

  1. 受付開始~着席
  2. 開式~神職入場
  3. 祓いの儀式を行う
    「修祓の儀(しゅうばつのぎ。しゅばつのぎとも)」と呼ばれるものです。神職が大幣(おおぬさ)を使って、場や人を清めるための儀式です。参列者や遺族はおじぎをしてこれを受けます。
  4. 魂を霊璽に移し替える儀式を行う
    「遷霊の儀(せんれいのぎ)」と呼ばれる儀式です。神道では亡くなった人の魂はあたり(葬儀の場合は特に棺の側)に漂っていると考えるので、この魂を霊璽(れいじ。仏教における「位牌」)にお移りいただきます。
  5. 供物をお供えする儀式を行う
    「献饌の儀(けんせんのぎ)」は、供物をお供えする儀式です。果物やお菓子、魚などをお供えします。
  6. 玉串奉奠
    玉串奉奠(たまぐしほうてん)は、神式におけるもっとも象徴的な工程のうちの一つです。神式では「榊」を重要視します。この榊を祭壇に捧げるもので、仏式の「焼香」にあたります。
    榊は両手で持ち、茎が祭壇側に向くようにします。また、このときはしのび手(音を立てない拍手)を行います。これも、喪主→遺族→親族→参列者の順番で行われますから、自信がなければ喪主のやり方を真似るとよいでしょう。
    なお、この後に一度撤饌の儀(てっせんのぎ)が挟まれることもあります。これは、献饌の儀でお供えした供物を下げる儀式です。ただ、翌日の葬式・告別式でも同様のお供え物を使うことも多いので、その場合は省略されます。
  7. 神職退場
  8. 閉会のあいさつ
  9. 通夜ぶるまい
    神式の場合も通夜ぶるまいが行われます。なお、仏教の場合は生臭(おすしなど)を避けることもありますが、神式の場合はこのような考え方は基本的にはありません。ただ現在は、仏教でも肉や魚を出すケースも見られます。このあたりは、遺族や故人の意向によります。
    また、神式も仏式も「酒」を清めの飲料としますが、キリスト教で通夜を行う場合に酒は出しません。

【葬式・告別式】

通夜とは違う部分の解説を行っていきます。

  1. 受付開始~着席
  2. 開式~神職入場
  3. 祓いの儀式を行う
  4. 献饌の儀
  5. 故人の人生などについての読み上げが行われます。
    特に「祭詞奏上(さいしそうじょう)」と呼ばれます。同時に、このときに、故人の魂が安らかであるようにと祈りを察下げることになります。
  6. 玉串奉奠
    玉串奉奠と祭詞奏上は、葬儀会社によっては順番が前後することもあります。
  7. 撤饌の儀
  8. 神職退場
  9. 弔電などの読み上げ
    現在は「弔電を辞退する」という意向を示すご遺族も見られます。この場合は、当然送ってはいけません。そのため、弔電の読み上げが行われないこともあります。ただ、「供物・香典辞退」をするご家庭はそれなりにありますが、弔電までお断りするというケースはそれほど多くはないでしょう。
  10. 最後のお別れ
    神式は榊を大切にしますが、花も使います。このため、棺に入れられるのは基本的にはお花です。
    なお、棺に入れても火葬できないもの(本など)もあるので、このあたりにはご注意を。火葬場で再度確認はされますが、初めからいれないでおいた方がよいでしょう。
    なお、「写真」に関しては、「写真に写っている人が連れていかれるから」といった理由で控えるケースも多いのですが、現在では「楽しい思い出を連れて行ってほしい」という願いを込めて入れるケースもあります。写真はきちんと燃えますから、アルバムなどでない限りは問題ありません。
  11. あいさつ~出棺

葬儀が行われる葬祭場について

仏式の場合、葬儀を行う場所は大きく分けて3つあります。

  • 自宅
  • 寺院
  • 葬儀場

の3つです。

葬儀場は、「火葬場と併設されているところ」「葬儀会社が独自で持っているところ」などにまた細分化されます。後者の場合は、「葬儀が行える会場」だけでなく、会食のためのスペースや宿泊できるスペースや法事を営める部屋が用意されていることもあります。

「なぜ葬儀式場なのに会食のできるスペースや法事ができるスペースが必要なの? 通夜で泊まりこむことになるから、宿泊施設があるのは納得できるけれど」と疑問を抱く人もいるでしょう。

これにはきちんとした理由があります。

仏教の場合は、初七日法要などがあります。これは、亡くなった日から7日後に行われる法事を指します。
ただ、親族・遺族が遠方に散っていることも多くなった現在、「通夜や葬式・告別式のために休みをとったのに、1週間後にまた休みをとるのは難しい。

お金も時間もかかるし……」と頭を抱える人に配慮する必要も出てきました。このため、葬式・告別式が終わり火葬場から帰ってきた当日に初七日法要を繰り上げで執り行うことが増えたのです。またこのときに、「精進落とし」として食事をとることも多くなりました。

もちろんこれは、別の会場で行うこともできます。しかし移動が多くなると疲れますし、荷物はどうすればよいのかなどの問題も出てきます。

このため、ある程度広い土地を確保できたり、資金的に算段がついたりする葬儀会社は、これらを1か所で行える広い施設を設けることが多くなったわけです。

このようにさまざまな役割を持つ会場は、単純に「葬儀会場」「葬儀会館」と呼ばれることもあります。
ただ、ここでは分かりやすくするために、「葬祭場」としてお話していきましょう。

葬祭場にある部屋と役割

複合的な役割を持つ葬祭場には、数多くの部屋があります。

なお、このなかで、

  • 法事のための部屋
  • 各種控え室
  • 会食室

などは、ほかの部屋と兼用で使われたり、葬儀の規模によっても受けられなかったりすることもあります。また、葬儀会社によって持っている葬儀会場の大小は異なります。

メインの会場

通夜や葬式・告別式を行うための会場です。現在は小規模な家族葬が行われることも多くなったため、「パーテーションで仕切ることができる」「大きさの異なる会場を用意している」という葬儀会社も見られます。

法事のための部屋

火葬から戻ってきたときに初七日法要を行うための部屋です。基本的にはメインの会場より小さいサイズで作られています。ただ、非常に小規模な家族葬(遺族しか参加しないなど)の場合は、この部屋が「メインの会場」とされることもあります。
また、法事のための部屋は特に用意せず、メインの会場で法事を行うところもあります。

会食室

食事をとるための部屋です。多くの場合はメインの会場から独立しており、水場などに近い(あるいは直結している)位置にあります。ただ、葬儀会社の考え方や葬儀の規模によっては、「メイン会場の後ろの部分にテーブルをおいてそこで会食をしてもらう」としているところなどもあります。

受付控室

受付の担当者が入る部屋です。この受付控え室の前か程近くに受付のカウンターが置かれることが多いことでしょう。受け取った香典などを持ち込んで仕分けしたり、芳名帳を検めたりするのに便利な部屋です。また、大規模な葬儀の場合は受付も交代で行うことが多く、一息つくための場所として利用されることもあります。

親族控え室

親族の控え室です。宿泊者の人数によって部屋の広さが変えられる、としている葬祭会場もあります。バスルームやトイレがついているところも多く、快適に過ごせます。

キッチンがついているところも多く見られます。着替えなどをするのにもこの部屋を使いますし、眠るときもここを使います。棺を安置することのできるスペースが設けられていることも多いので、「最後の夜」をともに過ごすこともできます。なお、通夜ぶるまいはこの部屋に設置されることが多いようです。

僧侶控え室

ここでは仏式を想定しているため「僧侶控え室」としていますが、神式の場合は神職が、キリスト教の場合は牧師もしくは神父が利用します。着替えるためのスペースとして使われることが多く、僧侶はこの部屋でお茶などを飲みながら開式を待ちます。


なお、当然のことながら、葬祭会場は施設ごとに違いがあります。そのため、Aという施設にはあった部屋がBという施設にはなかったり、一体化していたりすることもあります。特段の配慮(足が悪くて畳の部屋ではイスが必要など)を必要とする場合は、事前に葬儀会社のスタッフに相談しておく必要があります。

また、「ここの葬儀会社にお願いすることになりそうだ」「ここの葬祭場が家から近いので、ここを使いたい」という算段が付けられているなら、一度葬祭場の見学に行くとよいでしょう。快く受け入れてくれますし、無料で見ることができます。

また、多少の案内はあるかもしれませんが、「今すぐ決めて契約を!」と迫られるようなこともあまりないでしょう。逆に言えば、この見学の時点で無理に契約を迫るような葬儀会社は、候補から外してしまえばよいということです。

葬祭と互助会の関係

葬祭について考えるとき、しばしば「互助会」という単語を目にすることになります。
これは毎月一定額を支払っていくことで、冠婚葬祭のときに補助が受けられるというものです。

この「補助」は、「お金」ではなく「サービス」というかたちで行われます。互助会と関わりのある会場を案内し、サービスを提供してくれます。

一般的に、互助会が提供するサービスは、個人で組み立てるよりも安くなります。「葬儀について特にこだわりはないけれど、ある程度大きな葬儀をしたい」と考えている人にとっては、非常に利用価値が高いシステムだといえます。

ただ、使えるサービスが限定されていたり、解約をしても満額が戻ってこなかったりといった問題点もあります。

なお、葬儀会社が独自で「互助会」として案内しているものもあります。これは実質的には「会員」とほぼ似たような意味を持っています。生前に加入しておくと、さまざまな特典が受けられることが多いので、これも検討してみるとよいでしょう。

まとめ

  • 「冠婚葬祭」は、人生の節目である「成人・結婚・葬儀・お祭り」を示す言葉です。
    特に「葬祭」は、葬儀(通夜や告別式・葬式を含む言葉)とその後のお祭り(法事など)を含む言葉として使われています。
  • 葬祭は多くの人にとって慣れないものです。そのため、これをサポートするために「葬祭ディレクター」がいます。受験資格として最低2年の実務経験が求められるうえ、実務試験と学科試験をパスしなければ取れない葬祭ディレクターの資格は、そのスタッフの質や葬儀会社の信頼度を示すパロメーターになります。
  • 葬儀の流れは、仏教か神式か、あるいはそれ以外の宗教かによって異なります。仏教では「焼香」が、神式では「玉串奉奠」があり、儀式のやり方も異なります。ただ参列者として参加する場合は、葬儀会場のスタッフの指示に従ったり、喪主のやり方を真似したりすれば大きな失敗はないはずです。
  • 現在は、法事・会食までも行える葬祭場が多く誕生しています。
    メイン会場・会食室・法事のための部屋・3つの控え室から成るこの葬祭場を利用すれば、移動の手間が最小限で済みます。ただ、葬祭場によって部屋数や広さ、部屋の役割は変わってきます。一度見学に行ってみることをおすすめします。
  • 「葬祭」は「互助会」とも深い関わりを持ちます。
    互助会は、毎月一定額を積み立てていくことで、冠婚葬祭のタイミングでサービスを格安価格で受けることができるものです。金額が抑えられるため、「葬儀にこだわりはないが、一般的な葬儀を執り行いたい」と考えている人にはよいでしょう。
    ただ、こまかい注文がつけにくく、解約しても満額は戻ってこないというデメリットもあります。互助会に入る際は、このあたりのこともよく考慮する必要があるといえます。

一口にお墓・霊園と言っても、豊かな自然を背景にしたり、規模や宗派だけではない様々な特色があります。
お住まいの地域・ご実家の近隣などで、どんな霊園があるかご覧になってはいかがでしょうか?

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