「老後破産するかもしれない」と不安を感じ、情報収集している方も多いのではないでしょうか。

老後破産とはその名のとおり、現役生活を退いた定年後に破産してしまう状態のことです。高齢化の一途を辿る現代社会では、高齢者の貧困が大きな問題になっています。

しかし、老後破産は貧しい経済状態の方だけでなく、誰にでも起きる可能性があるものです。万が一老後破産に陥ってしまった場合、悲惨な老後生活を余儀なくされる方も少なくありません。

老後破産を防ぐには、事前に老後生活の計画を立てることが非常に重要です。逆に言うと計画に沿って準備を進めておくことができれば、老後破産は防ぐことができます。

この記事では、老後破産に陥らないための準備や対処法を詳しくお伝えしていきます。今すぐ実践可能な対策についてもわかりやすくご説明しますので、ぜひ参考になさってください。

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誰でも起こる可能性あり!老後破産とは

悲しむ人

老後破産とは、現役生活を退いた定年後に、破産状態に陥ってしまうことです。冒頭でも軽く触れましたが、現代社会では年金生活を送る高齢者の貧困が大きな問題になっています。

総務省の家計調査()によると、高齢夫婦無職世帯(65歳以上、妻60歳以上で夫婦のみの世帯)において、年金収入だけでは毎月約3万円程度の赤字が出る結果になっています。

つまり、老後生活に入る前に一定の生活資産を確保できていなければ、老後破産は誰にでも起こりうる大きなリスクだということです。

実は、老後破産は特別お金がない人だけに関係のある問題ではありません。

現役生活の中でいくら高額な収入を得ていたとしても、老後資金を確保できていなければ、老後破産に陥る可能性が一気に高くなります。なぜなら老後に必要な資金は、一朝一夕で確保できる金額ではないからです。

老後生活に必要な資金は、一般的に2,000万3,000万円程度と言われています。

老後生活を安心して過ごすためにも、可能なかぎり早い段階で老後資金を準備し始めることが非常に重要です。

老後の資金について詳しく知りたい人はこちらの記事もご覧ください。

※総務省2019年(令和元年)II 総世帯及び単身世帯の家計収支 高齢無職世帯の家計収支より

老後破産に繋がりやすいケース

より具体的にイメージできるよう、老後破産に繋がりやすいケースを紹介します。今回のケースは実際に寄せられた資産相談をもとに、状況をわかりやすくまとめたものです。

<Aさんの場合>

・現役時の職業…会社員

・相談時の年齢…69

・現役時の年収…500万円

・退職金…約1,800万円

【状況】

年金をあてにして、退職金で住宅ローンを完済してしまうケースは非常に多いです。

しかし退職金は老後生活において貴重な資金源であり、慎重に取り扱わなければならないものです。Aさんのケースでは年金額を具体的にシミュレーションせず、年金に対して過剰な期待感を持ったまま退職金を住宅ローンに充ててしまいました。もし具体的にシミュレーションしていれば、危機感を持って住宅ローンとのバランスを取りながら退職金を取り扱っていたはずです。

幸い、Aさんは残り総資産が500万円を切った時点で危機感を覚え、専門家へ相談。毎月8万円の赤字を2万円まで縮小し、最悪の事態である老後破産を免れることができました。

今回紹介したケースのように、老後破産に繋がる事例には必ず何らかの原因があります。次の章では老後破産が起きる原因について、わかりやすくご説明していきます。

「悲しい老後生活…」老後破産が起きる5つの原因

老後破産する原因

老後破産に至るには、必ず原因があります。よくある原因として挙げられるのは、以下の5つです。

老後破産のよくある原因

  • 生活水準を変えられない
  • 住宅ローンがかかる
  • 医療費/介護費がかかる
  • 子どもの費用がかかる
  • 年金額の不足

いずれも老後破産に繋がりやすい原因なので、それぞれ分けてわかりやすくご説明していきましょう。

生活水準を変えられない

現役時代の生活水準を変えられず、老後破産に至るケースも少なくありません。特に注意すべきなのが、60歳の定年後に「再雇用制度」で契約変更になる場合です。

定年後再雇用制度とは、60歳から年金受給が可能になる65歳まで、引き続き企業が従業員を雇用する制度のことです。この制度によって従来の60歳雇い止めから、65歳まで雇用期間を延長できるようになりました。

しかしながら再雇用制度では現役時と同様の契約内容ではなく、多くの場合は正社員から契約社員等に変更になります。つまり、現役時と比較すると給料が大幅ダウンしてしまうケースがほとんどなのです。現役時50万円だった月収が、再雇用以後は20万円に減少してしまった、というような事例も少なくありません。

収入がダウンしたにも関わらず現役時の生活水準を継続した場合、毎月大幅な赤字が出てしまいます。65歳以後も同様の赤字を継続したとすれば、かなり高い確率で老後破産に陥るでしょう。

生活水準を下げるのは大変です。だからこそ、老後生活に入る前に家計の試算を行い、段階を踏んで収入内に収まるような支出に抑えていくことが重要です。

住宅ローンがかかる

住宅ローンが老後破産の原因になる場合もあります。

貯蓄に余裕がない場合、退職金を住宅ローンの完済に充てるか、年金収入で住宅ローンを支払うか、どちらかを選択することになります。いずれにしても老後生活への影響は大きく、家計と住宅ローン返済のバランス感を慎重に検討しなければ、老後破産に至るリスクが高くなってしまいます。

もちろん住宅ローンは60歳までに完済できるのが理想ではあるものの、それが難しい場合もあると思います。そのような場合は無理に退職金で完済しようとせず、生活資金を確保できる範囲で繰り上げ返済していくほうが、老後破産のリスクを抑えることができます。 

退職金は老後生活を健やかに過ごすための大切な資金です。退職金で住宅ローンを完済する返済プランを立てている方は、今一度計画を見直してみてください。

医療/介護費がかかる

老後費用の中でも歳を重ねるごとに支出額が高額になっていく「医療費」と「介護費」も、老後破産の原因になりやすいです。

年間の医療費が想像以上にかさむことも想定されます。また場合によっては親族間の支援が期待できず、介護費が高額になるケースもあるでしょう。

医療費と介護費はいつ必要になるのか分からないため、ギリギリの経済状況では大きなリスクになります。ケースによっては保有資産の多くが医療/介護費用に消えていく可能性もあります。

医療費に関しては「高額医療費制度」で年間の支払い上限額が決まっており、介護費に関しても「高額介護サービス費支給制度」で年間の支払い上限額が決まっています。ただこれらの制度はあくまでも1年間ごとの支払い合計額が対象です。つまり毎年入退院や高額介護を繰り返せばたとえ上限額が決まっていたとしても、高額な支出には違いないのです。

老後破産を回避するためにも、いざとなったときに支払える余裕資金の確保は必須だといえます。

子供の費用がかかる

1人の子どもが大学を出て社会人になるまでに必要な教育費用は、一般的に700万~2,000万円程度です。金額に幅があるのは、公立や私立など選択次第で、必要な学費に大きな差が出るからです。

加えて、昨今の日本は晩婚化が進んでおり、教育費用の支出期間と老後資金の準備期間が被るようになってきています。

もし親が50代で子どもの大学入学時期になった場合、大学の学費が老後資金に影響するケースがほとんどでしょう。老後資金が減れば、必然的に老後破産に陥るリスクは高くなってしまいます。

このように、子どもに関連する費用も老後破産の原因になりやすい支出です。教育費と老後資金のバランスを考慮しながら、過度な支出は避けるようにコントロールしましょう。 

年金額の不足

老後の収入を年金のみとした場合、老後破産する可能性は高くなります。

老後生活に関して、金融庁から「2000万円」問題の報道が過去にあったように、老後の収入を年金に頼りすぎると老後破産に陥ることになります。

一般的に老後の生活費は平均22.1万円でゆとりある生活を送るためには36.1万円が必要と言われています。

家庭状況で違いがあるため、一概に年金だけで老後破産するとは言えませんが、「備えあれば患いなし」ということわざがあるように、多くあって困るものではありません。

費用を計算しても足りない場合は、平均生活費を1つの基準に今後どうしていくべきかを考え直しましょう。

ここまで老後破産の主な原因について触れてきました。次の章からは老後破産しないための対処法についてご説明していきます。

事前準備は大切!老後破産しないための対処法

相談する老人

ここでは、老後破産しないために「今からできる対処法」「長期的に取り組むべき対処法」2通りの対処法を紹介します。

一般的に、老後資金として必要な金額は1人あたり2,000万~3,000万円程度と言われています。この金額は年金で不足した生活資金を補いつつ、いざというときの余裕資金も確保できる目安額です。必要な老後資金の金額は人によって異なるものの、基本的にはこの金額を目安に老後資金を貯蓄していけば問題ないでしょう。

ただ一口に数千万円と言っても、一朝一夕で用意できる金額ではありません。したがって老後破産に陥らないためには、早い段階での事前準備が非常に重要となります。

いずれも老後資金を作る上で欠かせない方法ですので、それぞれわかりやすくご説明していきます。

収入と支出を見直す

今すぐにできる対処法として、最も気軽に取り組みやすいのが収入と支出の見直しです。収入と支出を見直して少しでも貯蓄できるようになれば、必然的に老後資金は準備できるようになります。

収入と支出を見直す際、必ずやらなければならないのが現状把握です。現状を把握できていなければ支出や今後の老後資金を貯蓄できるかも不明なままです。

現状把握の最もシンプルな方法は「直近1ヶ月の収入と支出を紙に書き出す」というものです。これだけで、現状を正確に把握することができます。

現状を把握したら、収入と支出の見直しに取り掛かります。見直す際のコツは、「ストレスの少ない支出から削減すること」です。

節約してもストレスの少ない支出の具体例は以下の3つです。

  • 保険商品(自動車保険や生命保険など)
  • 通信費(スマホ代、インターネット代)
  • 住宅ローンの借り換え

これらの費用は日常生活に必要ではあるものの、一度契約した後は関心が薄れてしまうものです。つまり節約してもストレスがかかりにくいため、長期間継続的に節約することができます。

老後の働き方を考える

老後の働き方を考えるのも、今すぐにできる対処法です。最も現実的なのは、再雇用制度を活用して60歳以降も働き続けることでしょう。働き続けていれば、家計赤字で老後資金を減少させることもありません。

また現在の日本における定年は60歳ですが、長寿命化や医療の進歩などの要因により、今後定年時期そのものが延長される可能性も否めません。定年が延長されれば老後生活自体も短縮されるため、必然的に老後資金の必要額も少なくなります。ただし定年の延長はあくまで可能性の1つであり不確定なものです。過度な期待は避けるべきでしょう。

健康に気を付ける

健康に気をつけるのも、老後破産に対して有効な対処法です。なぜなら医療費と介護費は、老後生活において非常に大きい割合を占める支出だからです。健康に気をつけておけば、これらの支出も削減できるでしょう。

具体的な対処法でいえば以下の3つなどです

  • 定期的に健康診断や人間ドックを受ける
  • 栄養に偏りのない食事を心がける
  • 日常的に運動を習慣化する 

健康は幸せな老後生活を送る上でも欠かせないものですので、日頃から意識しましょう。

ここまでは「今すぐにできる対処法」について触れてきましたが、老後破産を防ぐには短期的な対処法だけでは不十分です。

次からは長期的な対処法について紹介します。

貯金を増やす

通帳と老人

長期的な対処法として最も重要なのは、やはり貯金を増やすことです。ただ貯金を増やすと一口に言っても、なかなか習慣化できない方も多いでしょう。

貯金を増やす際におすすめしたいのが、以下2点です。

  • 財形貯蓄制度
  • 積立NISA

両制度には共通点があり、通常の普通預金と違ってすぐに下ろすことができません。この点が、貯金をより確実に進めたい場合には上手く作用するわけです。それぞれの制度の詳細は下記のとおりです。

財形貯蓄制度

会社を通じて給料天引きで貯蓄するための制度です。通常の普通預金よりも利率が良く、利息も550万円の残高までは非課税という税制優遇があります。勤務先が財形貯蓄制度を導入している場合に、金融機関と契約を結んで開始します。ただし財形貯蓄制度は勤務先が導入していなければ契約できないので注意が必要です。

積立NISA

積立投資の非課税優遇制度です。年間上限額40万円の投資枠で得られた利益が、最長20年間非課税になります。長期的な資産形成を目的としており、証券会社や金融機関が窓口になっています。開始する際は証券会社や金融機関で申し込みを行います。

どちらの制度も長期的な資産形成に適した内容になっており、税金面でも優遇されています。

財形貯蓄制度は「利率が良くて利息に税金がかからない預金」と捉えるとわかりやすいでしょう。対して積立NISAは、投資信託等で資産運用を行って、その運用で得た収益が非課税になる制度です。したがって市場の動きによっては元本割れするリスクもあります。元本割れとは、入金した金額よりも受け取る金額が少なくなる状態のことです。

受給する年金額を増やす

受給年金額を増やすという方法もあります。先述したとおり総務省の家計調査でも、年金のみの収入では毎月約3万円の赤字が出る結果になっています。つまり受給できる年金額を増やせれば、老後生活における赤字額を軽減できるということです。

年金額を増やす方法としては、以下の2つが有効でしょう。

  • 確定拠出年金(企業型/iDeCo)
  • 繰下げ受給を検討する

確定拠出年金(企業型/個人型(iDeCo))

公的年金である国民年金と厚生年金に加え、私的年金として年金を積み立てる制度です。積み立てたお金を資産運用し、得られた利益を年金額に上乗せすることができます。

確定拠出年金には企業型と個人型(iDeCo)2種類があり、勤務先を通じて行うのが企業型、個人が各自手続きするのが個人型となっています。運用による収益や、掛け金に対して税制優遇措置があります。 

繰下げ受給を検討する

繰下げ受給とは、一般的な年金受給開始時期である65歳よりも、受給を遅らせることを言います。6670歳までの間で繰下げ受給が可能となっています。繰下げ受給は、66歳以降の月数×0.007で計算できます。最大42%まで増やすことが可能です。

上記はいずれも年金額を増やす方法であるものの、アプローチが少し異なります。確定拠出年金は年金受給開始前から資産運用で年金を増やすのに対し、繰下げ受給は年金受給そのものを遅らせるものです。したがってもらえる合計年金額自体は変わりません。

確定拠出年金のメリットは税制優遇を有効に活用しつつ着実に年金を積み立てられる点で、年金の繰下げ受給は単月あたりの年金支給額を増やして安心に繋げられる点がメリットでしょう。

65歳までまだ時間がある」という方は確定拠出年金を選択し、「5年以内で年金受給開始年齢になる」という方は繰下げ受給を選択するのがおすすめですよ。

ここまで老後破産を防ぐための対処法について解説してきました。次の章では、どうしても資金を工面できないときの対処法や老後破産時の手続きについて解説します。

老後破産目前!どうしても生活費が工面できない時の4つの対処法

悩んでいる夫婦

老後破産が目前に迫り、どうしても生活費が工面できない状況に陥った場合でも、対処法は存在しています。

生活費が工面できないときの対処法は以下の4つです。

  • リバースモーゲージ
  • 自動車の売却
  • 日払いのアルバイトをする
  • 子どもの扶養に入る

いずれも短期間で状況を改善する場合に有効な選択肢となっています。1つずつ簡単にご説明していきます。

リバースモーゲージ

リバースモーゲージとは、自宅を担保に、住みながら融資を受けるローンです。リバースモーゲージを活用することで、生存中は利息負担のみで生活資金を工面することができます。

注意点として、担保物件の資産価値が借入金を下回った場合、自宅を売却しても借金が残ることになります。その場合、相続時に精算が必要になる可能性もあるので、利用する際は慎重に検討しなければなりません。

社会福祉協議会、住宅金融支援機構、民間金融機関が窓口になっており、それぞれ貸付条件や商品内容、資金使途が異なります。利用の際は最寄りの窓口に相談し、ご自身の状況に合った商品を選択するようにしましょう。

自動車の売却

所有している自動車を売却するのも、いざというときに有効な対処法です。自動車を売却すれば、比較的大きな金額の現金を確保することができます。

自動車を所有する際に必要な5つの支出

  • 任意保険代
  • 車検代
  • 自動車税
  • 修理代
  • ガソリン代

この費用を全て削減できるというメリットもあります。したがって短期的な対処だけでなく、長期的な節約効果も期待できるでしょう。

最近ではカーシェアやレンタカーが広く普及しているので、「必要なタイミングで使った分だけ支払う」という形で節約に繋げやすくなっています。ただしいずれのサービスも都市部に集中しているため、場所によってはサービスの利用が難しい場合もあります。 

最寄りのカーシェアやレンタカーを確認しつつ、普段の生活に支障をきたさない範囲で売却を検討するのが望ましいでしょう。

日払いのアルバイトをする

体力的に厳しい部分もあるかもしれませんが、どうしても生活費を工面できない場合は日払いのアルバイトをするのも1つの選択肢です。日払いのアルバイトであれば、目先の生活資金を確保することができます。

高齢者でも可能なアルバイト例を挙げると、交通案内の誘導員(工事現場など)・軽作業の工場・軽荷物の仕分け作業などがあります。

ご自身の体力と相談しながら、検討してみましょう。

子どもの扶養に入る

本当にどうしても無理な場合は、子どもの扶養に入ることも検討する必要があります。

もちろん、身内にお金がないと相談するのは抵抗を感じるかもしれません。ですが、やむを得ない状況でふさぎ込むよりも、誰かに相談することのほうがよほど懸命です。

全てを子どもに頼るのではなく、あくまで不足している部分のみ助けてほしいと相談してみましょう。場合によってはお金の貸し借りになるかもしれませんが、誠意ある態度で対応することが大切ですよ。

ここまで老後破産寸前の状態をなんとか打破するための対処法を解説してきました。次の章では、老後破産するしかないときの対処について触れていきます。

老後破産をするしかないとき

全ての資金が尽きてしまって対処法も残らなかったときや、借金を滞納してどうしようも無くなってしまったときは、老後破産するしかありません。

ただ、老後破産したからといって人生そのものがダメになるわけではありません。日本には生活保護の制度があり、健康的で文化的な最低限度の生活が国によって保障されているからです。

ここでは老後破産をするしかないときの対処法について、ご説明していきますね。

生活保護を受ける

生活保護は、生活に困窮した人に対し、困窮の程度によって必要な保護を行う制度です。生活保護には一定の審査がありますが、認定されれば一定のお金が国から継続的に支給されます。

ただし注意点として、生活保護を受ける際には扶養義務者に対し、書面で援助を促すような通知が送られます。扶養義務者を簡単にいえば、親族のことだと考えるのがわかりやすいでしょう。つまり親族に「この方が生活保護を申請しています。援助できませんか?」といった内容の文書が送られてしまうことになるわけです。

生活保護を受けることで生活が保障されるという部分はあるものの、本当の最後の手段だと考えておくのが大切です。

破産手続き

老後破産する際は、所定の流れで手続きを行わなければなりません。簡単な流れは下記のとおりです。

破産手続きの流れ

  1. 弁護士等に相談する
  2. 弁護士等と契約し、申立に必要な資料を収集する
  3. 裁判所に申立書を提出する
  4. 裁判所が管財人候補を選定
  5. 裁判所が破産手続き開始決定を出す
  6. 管財人による資産調査開始
  7. 債権者集会を開催
  8. 裁判所から免責許可が出される

上記の流れは、いわゆる「自己破産」という手続きを簡単にまとめたものです。自己破産の手続きで裁判所から免責許可が出されれば、全ての借金が無くなります。

しかし当然ながら、所有している資産のほとんどは売却されます。残るのは99万円以下の現金と、換金することが難しかったほんの一部の資産のみです。

このように、老後破産はメリットだけでなくデメリットも非常に大きいため、必ず専門家に相談しながら検討しなければなりません。次の章では、老後破産を検討する際に相談できる窓口を紹介していきます。

それでも不安な場合はお金のプロに相談しよう

老人が相談している

老後破産には様々な手続きが必要になります。決して軽い気持ちでできるものではありません。

だからこそ、必ず専門家等の第三者に相談するようにしましょう。ご自身から見て破産しか手段がないように見える状況でも、専門家から見れば十分対処可能なケースも少なくありません。大切なのはご自身で全て抱えるのではなく、第三者から客観的な意見をもらうことです。

老後破産を検討している場合に相談可能な窓口を下記にまとめましたので、ご自身の状況に応じて相談してみてください。

相談先

説明

日本司法支援センター(法テラス)

法制度や手続きに対して適切な窓口を案内する機関。必要に応じて無料法律相談や弁護士費用等の立替えも行っている。法律面での支援がメイン。

自立相談支援窓口

様々な事情で生活に困窮している方を支援する窓口。住居確保給付金や一時生活支援事業も行っている。

地域包括支援センター

高齢者が抱える様々な問題を地域で支援する窓口。介護や医療も含め、身近な相談窓口として機能している。

各自治体の生活福祉課

市役所等に設置されている、生活保護の相談を行う窓口。生活保護の申請だけでなく、ご自身の状況に合わせて可能な対処法や手続きを提示する。

まとめ

老後破産は、誰も望んでするものではありません。可能なかぎりの対処法を全て行ったのち、やむを得ず取らなくてはならない最後の手段です。

老後破産を避けるためには、事前の準備が非常に重要です。準備さえ十分に行っていれば、ほとんどのケースで老後破産を回避することができるでしょう。 

当記事の重要ポイントをまとめると、以下の5つです。

  • 老後破産はお金に困っている人だけでなく、誰もが陥る可能性があるもの
  • 老後破産の主な原因は「生活水準」「住宅ローン」「医療費/介護費」「子ども関連費」の4
  • 老後破産を避けるには事前準備が最重要
  • 老後破産寸前の場合は資産の売却や日雇いバイト、リバースモーゲージ、子どもの扶養入り等を検討
  • どのような状況でも1人で抱え込まず専門家に相談

しっかりと老後の生活をイメージしながら、十分な準備を着実に行っていきましょう。そうすれば、豊かな老後生活を送ることができます。