葬儀で渡す「お花代」ってどんなもの?その意味と包むべき金額、考え方について

色鮮やかな供花スタンドが並んでいる

葬儀というのは、とてもイレギュラーなものです。
また、そこで出てくる単語も独特なものが多く、とまどいを感じることもあるでしょう。

今回はそんな葬儀にまつわる言葉のなかから、「お花代」という言葉についてとりあげます。

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この記事の目次

  1. お花代とは何のこと?不祝儀(香典)とは違うの?
  2. お花代の金額相場は供花と同等
  3. 失礼にならないお花代の包み方と書き方
  4. お花代の渡し方について
  5. 喪主側でお花代を頂いた時はお返しも検討
  6. 宗教によって「花」の扱いは異なる
  7. 法人としてお花代を用意するときの流れ
  8. まとめ
  9. 監修者コメント

お花代とは何のこと?不祝儀(香典)とは違うの?

まず、「お花代とは何のことか」から見ていきましょう。
これには、大きく分けて2つの意味があります。

一つは、通夜~葬式のときに出す「供花」のための費用として出すもの。
そしてもう一つは、通夜~葬式が終わり、後日お参りをするときにお渡しするもの。
「香典の代わり」という役目を持つもの。

一つ目の方は、葬儀~通夜に持参する「不祝儀(香典)」とは別に用意することになります。

家族・親族間で、「お花代は不祝儀と一つの袋に入れて渡す」
などの決まりがない限り、封筒は分けてお渡しします。

もう一つの方は、不祝儀(香典)の代わりとしての意味を持ちますから、これだけをお渡しすることになります。

ここでは主に一つ目の「お花代」について取り上げます。
なお、「お花代」と「御花料」はしばしば混同されますが、基本的には違うものだと考えておいた方がよいでしょう。

「お花代」は、上で挙げたような「供花の代金」もしくは「後日弔意を示すために使う不祝儀(香典)の代わり」という性質を持ちますが、「御花料」の場合はキリスト教の通夜・葬儀に持っていく不祝儀袋の表書きに使うものです(プロテスタントでもカトリックでもどちらでも使えます)。

また、「御花料」の場合は、十字架や百合の花が描かれた不祝儀袋もしくは白無地の袋にいれていくのが一般的です(水引をつけていても構わないとする説もあります)。

もっとも、「お花代という表記は、通夜・葬儀の不祝儀袋に使える書き方である。
そしてこの書き方は、いずれの宗教・いずれの宗派であっても使える」と解説しているところもあります。

このあたりは葬儀会社の考え方や地域性によって異なる部分でもありますが、基本的には、「お花代=供花の代金もしくは後日弔意を示すためにお渡しするもの」、「御花料=キリスト教の通夜・葬儀に出すもの」という理解でいるとよいでしょう。

香典についてより詳しくは以下の記事をご覧ください。

お花代の金額相場は供花と同等

お金と電卓

「供花の代金としてお花代をお渡しする」という場合、お花代の料金は供花の価格に準じます。
供花の金額はさまざまですが、1万5,000円~2万円程度が多いでしょう。

特に1万5,000円は葬儀における供花のボリュームゾーンとなっています。
もっとも供花には明確な決まりがあるわけではありませんから、3万円を超える供花の取り扱いがあるところもあります。

ただ、一般的な価値観でみれば、1万5,000円ほどを包んでおくとよい、ということになるでしょう。

また、「自分のよく使っている花屋で供花を作ってもらいたい」「豪華な供花を用意したい」「故人の好きだった供花のための費用として使ってほしい」などのような特別な希望がある場合は必ず葬儀会社に確認をしてください。

そもそも供花をお断りするというのが喪主側の意向であることもありますし、葬儀会社によっては「基本的には供花の手配は葬儀会社が行うもの」としているところも少なくはありません。

失礼にならないお花代の包み方と書き方

お花代をお渡しするときには、お花代を入れる袋や表書きなどに気を付ける必要があります。
それについて見ていきましょう。

袋について

一般的な不祝儀袋を使います。
黒白もしくは双銀の結び切りの水引がついたものを使いますが、無地の白い封筒でも構いません。
水引を利用する場合、「中身の金額」によって水引のかたちや豪華さを変えなければなりません。

1万円程度までなら水引が印刷されたもの、3万円までならば白と黒の水引、
それ以上ならば双銀の水引というのが一つの目安になるとされていますが、
判断がつかないようならば、白い無地の封筒を選んだ方がよいでしょう。

蓮の花がついているものは仏教限定です。

なお、畳み方は不祝儀(香典)袋と同じです。
まず下側を先に畳み、その上から上側を重ねるようにします。

「悲しみが下から落ちていってくれるように」という願いを込めているとも、
「深く頭を下げて弔意を示している」という意味があるとも言われています。
(慶事の場合は逆に、上→下の順番に閉じます)

表書きについて

表書きの「お花代」は、水引の上の中央に記します。
そして名前は、水引の下に縦書きで記します。

複数人で出す場合は、出す人の名前を連名で記すと分かりやすいでしょう。
法人名で出す場合は、会社名や「○○課一同」などのように記します。

また、会社名+肩書+個人名で出す場合は、「個人名が真ん中」になるように調整して、2行程度に分けて書くとよいでしょう。
「お花代」の文字の大きさよりも小さい文字で記すとスマートです。

お花代の表書きは、薄墨で書くのが正式とされています。
「墨をきちんと擦れるほどの力も残っていない」
「涙で墨もにじんでしまった」
というのを表すためとも言われています。

現在では昔ほど気にされることはなくなってきましたが、法人名や会社関係でお花代を出す場合は、しっかりと意識したいものです。

ただ現在では、実際に墨を擦って不祝儀(香典)袋を記入する、という人はほとんどいないでしょう。
とても便利なことに、今は「薄墨に見える筆ペン」なども販売されています。
これを利用するのが現実的です。慶事用の筆ペン同様、弔事用の筆ペンも一本用意しておくと安心です。

お札について

お札については、「きれいな旧札」を使うとよいでしょう。
「新札を入れるのは、死ぬことを予想していたということだ」と考える向きがあるため、葬儀に使われるお金は昔から旧札が望ましいとされています。

ただ、あまりにもボロボロになっている旧札は逆に失礼です。
ボロボロのお札を入れるくらいなら、新札を入れた方がよいでしょう。

なお、新札の扱い方にはさまざまな意見がありますが、
「一度折り目を付けてから入れる」というやり方が現在はよく取り上げられています。

なお、袋に入れるときのお札の向きですが、これは専門業者のサイトなどであっても意見が分かれています。

「封筒を開けた時には、人物の顔が見えないように裏返して入れる」
ということに関してはどこも共通した意見を持っていますが、
「鳳凰が付いた方を上部に入れるのか、それとも赤いはんこのようなものが押してある方を上部にして入れるのか」
については、まだ統一された見解が示されていないのが現状です。

ただ、お札の向きは揃えて入れるようにしてください。


供花代としての「お花代」と「不祝儀(香典)」は、別々に出すべきものです。
しかしお札の入れ方や選び方、表書きの書き方などは、不祝儀(香典)でもお花代でも、ほとんど一緒です。

お花代の渡し方について

では、この「お花代」をお渡しするときにはどのようにしたらよいのでしょうか。

喪主側及び親族側としてお花を手配するときの「お花代」の考え方

【喪主側が用意する場合】

供花は、参列者や親族から喪主側が「受け取る」かたちだけではなく、喪主側が手配をして出すケースもあります。
たとえば、「自分の父が亡くなった。父から見て孫にあたる子どもたちは、一番年齢が上の子でもまだ学生である。

しかし、供花に『孫一同』という札を出したい。
札は孫一同とするが、実際に供花代を出すのは、喪主側だ」という場合などです。
喪主側が自分たちの手配で供花を手配する場合、その多くは葬儀会社を介して行われるでしょう。

そのような場合は、支払いも葬儀会社を通して一括で行われることが主流です。
葬儀のオプションの一種として「供花」を用意することになるわけですから、特に「お花代」というかたちで別に用意する必要はありません。

葬儀費用をお支払いするときに、供花台やお食事代などを合わせた金額を葬儀会社に納めればそれで話が済みます。
不祝儀袋などに入れる必要はありません。また、通夜・葬儀の当日ではなく、後日お支払いするかたちを取ることもあります。

なお、「葬儀会社に許可を得て、自分がひいきにしていた花屋に注文する」などの場合は、葬儀会社と花屋とよく相談をし、どのようなかたちでお花代を出すのかを決めるようにしてください。

【親族側として用意する場合】

親族側として用意する場合は、複数のケースが考えられます。

  1. 親族というよりは家族。細かい打ち合わせにも同席しており、自分の名前で供花も出すし、葬儀全体の決め事にも最初から関わる。葬儀費用も一部負担するというケース

  2. 喪主と非常に近い関係にある。ただ、遠方に住んでいるため、葬儀の細かい打ち合わせに参加することは難しそうなので、事前に「私の名前で供花を出して、あとで供花代を払う」などと伝えられるケース

  3. 「細かい打ち合わせには参加できないが、お花代としてお渡ししておきたい」というケース

  4. 「遠縁にあたる親族なので、ほとんど一般参列者と変わらない立場。しかし親族ではあるし、『出さなかった』と言われるよりは良いので、とりあえず出しておきたい」というケース

このようなケースでは、それぞれお花代の渡し方も変わってきます。
たとえば①や②の場合は、遺族に直接「お花代」としてお渡ししても構わないでしょう。

①の場合などは、「後日清算」というかたちで、会食のときなどにお渡ししてもいいかもしれません。
しかし③や④の場合はかなり様子が異なってきます。

このようなケースでは、喪主に直接お花代を渡すのが難しいこともあるでしょう。
どうするべきか迷ったのならば、葬儀会社のスタッフに聞いてみてください。

「親族」と一口に言っても、血の濃さや付き合い方はそれぞれまったく異なります。
親族ならではの渡し方もありますが、相手との関係性をはかって「渡し方」を工夫する必要もあるでしょう。

参列側としてお花代を用意する場合

参列者側でお花代をお渡しする場合は、基本的には受付に出します。
大きな葬儀などになった場合は、受付に「御供花代(金)承り」などの表記が見られることもありますから、こちらにお渡ししましょう。

また、喪主側の意向として、「供花代金(お花代)を受け取って喪主側が手配するのではなく、個々人で葬儀会社などを仲介して供花をお寄せいただく」というようなスタイルをとっているのであれば、直接葬儀会社に供花の手配を依頼して構いません。

このようなケースの場合は葬儀会社に支払うことになる場合もありますから、一度スタッフに確認してください。

複数・連名としてお花代を用意する場合

基本的には、「参列者側として用意する場合」に準じます。
ただ、封筒にはお花代を出した人の名前を連名で書いておくようにすると分かりやすいでしょう。

法人としてお花代を用意する場合

法人として用意をする場合、会社名や部署名などを記してお渡しします。
またこの際、肩書きを記す場合もあります。

喪主側でお花代を頂いた時はお返しも検討

不祝儀(香典)には「香典返し」をしますが、お花代の場合はどうすればよいのでしょうか。
これに関しては、「だれから、どのようなかたちでいただいたか」によって変わります。

ただ、基本的には、「お花代をいただいた場合も、香典返し同様にお返しが必要となる」
ということを覚えておいてください。

  1. 会社や法人からお花代をいただいた
  2. 親族や極めて親しく付き合っていた人などから、不祝儀(香典)+お花代でいただいた
  3. 10人ほどから「友人一同」でお花代だけを後日いただいた。金額は合計で20,000円程度
  4. お花代をいただいたが、お返しは不要と言われている

会社や法人からお花代をいただいた場合

会社や法人からの場合は、会社の一人ひとりに対してお返しをするのは現実的ではありません。
自分が所属している団体などであるのなら、喪中明けのときに全員で食べることのできる個別包装のお菓子などを持っていき、それを持って返礼に代えるとよいでしょう。

親族からお花代をいただいた場合

親族や極めて親しい人からいただいた場合について見ていきましょう。
親族から不祝儀(香典)とお花代をいただく場合、その合計金額は非常に大きくなります。

特段の事情がない限り、不祝儀は、故人もしくは遺族と近しい関係であればあるほど多額になるからです。
不祝儀(香典)をいただいた場合、現在は「即日返し」として3,000円程度のものをお渡しするかたちもよくとられるようになっています。

しかしもともと香典返しは四十九日をすぎた後に、半返し程度でお渡しするものです。
即日返しが習慣として根付き始めた今でも、多額の不祝儀をいただいた場合は後日改めてお返しするべきだとされています。

このため、親族から不祝儀もお花代も両方いただいたという場合は、後日、お花代と不祝儀(香典)を両方合わせた金額の半額分程度のお返しをするのがよいでしょう。

たとえば、「5万円の不祝儀(香典)と2万円のお花代をいただいた」という場合は、3万5,000円程度のお返しをする、ということです。

もっとも、「多額のお金をいただいてしまって、お返しが大変である」というような場合は、3分の1~4分の1程度のお返しで問題ありません。

また、「一家の働き手を失ってしまって、残された子どももまだ小さく養育費にお金がかかる」というケースでは、はがきをもって返礼と代えることも可能です。

後日などに友人一同としてお花代をいただいた

「葬儀・通夜に、不祝儀(香典)と一緒にお花代をいただいたケース」について特に取り上げてきましたが、
「非常に大人数の人から、後日などに、『友人一同』などの名前で代表者からお花代をいただいた」
というケースもあるでしょう。

1人あたり2,000円程度のお花代を1つの袋にまとめて渡された場合のお返しは、今までのケースとは異なります。
このような出し方をする場合で、しかも「連名」ではなく「○○一同」とされているようなケースでは、そもそもお花代を出した人も返礼があることは想定していません。

このため、基本的には返礼などはしなくてもよいとされています。
ただ、相手のお名前や住所がわかるのであれば、お礼状(はがき)をお送りするとよいでしょう。

「返礼をするのは逆に失礼になるかもしれないと心配だが、いただいた弔意にはお返しをしたい」ということであれば、丁寧にお礼状を手書きするのも一つの手です。

返礼不要とされている

不祝儀(香典)についても同じことがいえますが、「香典返し不要」「返礼不要」というスタンスをとる人もいます。

会社などの法人格や、生前故人に非常にお世話になっていた人、またそれほど多額ではないのでお気遣いなくという考えの人、遺児の養育に使ってくださいと考えている人など、「香典(返礼)不要」とする人の理由はさまざまです。

原則として、このような考えを表明している人に対してはお返しはしません。
ただ、お礼状を送ったり、丁寧にお礼を申し上げたりすることは必要です。

宗教によって「花」の扱いは異なる

「お花代」と一口にいっても、その意味が宗教ごとで異なる場合があります。
一つは「不祝儀」として「お花」という言葉を使う場合。
そして「自分で供花を手配し、その代金としてお花代を払う場合」です。

キリスト教における「御花料」について

「お花代」と「御花料」は、原則として分けて考えるべきものです。
「お花代という言い方は、神式の葬儀でも仏式の葬儀でもキリスト教の葬儀でも使える」とする意見もありますが、一般的には分けて考えられます。
その意味や使い分けについて改めて紹介します。

キリスト教の葬儀や神式の葬儀においては、仏教とは異なり、「香典」という考え方が存在しません。
そのため、「香典袋」という言い回しも、厳密にいえば仏教のときだけのものです。

ただ、神式の葬儀では不祝儀袋の表書きには「御玉串料(おたまぐしりょう)」「御榊料(おさかきりょう)」などのような単語が使われることが多く、「御花料」という言い回しはあまり使わないので差別化はしやすいでしょう。
対してキリスト教の場合は、「お花代」と混同しやすい「御花料」という言い回しを不祝儀袋に用います。

お花を自分で注文する場合の宗教ごとの注意点

「ご遺族に渡すのではなく、自分で供花を手配する。その後にお花代として葬儀会社のスタッフなどにお花代を渡す」
というような場合は、自分自身で喪家側の宗教にあった供花を選ばなければなりません。

  • 仏教・・・もっとも代表的な花として、「菊」がよく用いられます。
    ただ現在は、百合などの花が使われることもあります。黄色や白、落ち着いた紫などで作られることが多いのが特徴です。「祝いの花」としてのイメージが強い胡蝶蘭も、高い供花の場合は使われることがあります。

  • 神式・・・実は神式は仏教と縁が深いため、供花も仏教のものとほとんど似た特徴を持っています。白い百合や菊がよく使われます。ただ、神式の場合は特に「白い菊」を重んじる傾向にあります。
    神式の場合は、「榊(さかき)」が重要視されます。そのため、かつては榊を送る文化が主流でした。しかし現在は花も積極的に用いられるようになっています。

  • キリスト教・・・仏式や神式で供花を送る場合は名札を付けますが、キリスト教の場合はこれを用いません。キリスト教の供花については業者によって考え方が異なり、「カゴ盛りの花が基本」としているところもあれば「スタンド花で送る」としている場合もあります。
    基本的にはお家に送ることとし、教会には送りません。しかし「前夜祭に送ってもよい」としている専門業者もいるため、このあたりは葬儀会社と相談して決めていく方がよいでしょう。

キリスト教の供花の場合、白い花や薄いピンクの花などがよく用いられます。
十字架やハートのかたちをした供花を送ることもできますが、ハート型は一般的に親族や極めて親しい友人などが選ぶ場合が多いものです。

キリスト教の葬儀や供花は、やはり日本ではそれほど馴染みのないものです。そのため、キリスト教の供花の取り扱いや考え方にはばらつきも多く、業者とのやりとりや確認が必要となることが多いでしょう。

現在のお花の在り方

葬儀が多様化していること、また葬儀会社が葬儀に関わることが多くなった現在、供花のあり方も昔と少しずつ変わっています。

現在は葬儀会社と連携して供花を注文することが多くなったため、供花を送るにはまずは葬儀会社に確認を、というのが一般的な認識になりました。特に、ご遺族が「供花辞退」の意向を示されている可能性もあるため、この確認は重要です。

供花のかたちについても、「花輪」よりもアレンジや小回りのきくスタンド型やバスケット型が用いられるようになってきました。スタンドも1基から送ることができるようになっています。

白い花を中心として、色のおとなしい花が選ばれるのが葬儀における供花の基本ですが、「故人が特に好きだった花」「故人が特に愛した色」などの花があれば、それを送ることもバッドマナーではありません。
もちろん確認と慎重さが求められますが、避けられる傾向にあるばらの花が飾られることもあります。

法人としてお花代を用意するときの流れ

法人としてお花代や供花を用意する場合、一般の参列者としてこれらを用意する場合とはまた違った手続きが必要になることがあります。
それについて見ていきましょう。

供花の手配の流れと注意点

供花の手配に関しては、一般の参列者とあまり変わりがありません。

  1. 葬儀会社に供花を送りたい旨を伝える
  2. ご遺族の意向を聞く。「供花辞退」の場合は、供花を送ることをやめる
  3. 供花を受け付けているようならば、葬儀会社に予算などを伝える
  4. 名札への記載などを、葬儀会社と打ち合わせして決めて手配をする
  5. 支払う。この場合はお花代は葬儀会社に直接払うかたちをとる場合が多い。
    振り込みに対応しているところも多い

供花は、通夜の席に出されていなければなりません。
そのため、通夜の開始3時間ほど前には手配を済ませておきたいものです。

お花代の勘定科目について

会社がお花代を出す場合、「経理上どのように処理をすればよいか」という問題が出てきます。

葬儀のときに出すことになる「お花代」は、不祝儀(香典)と同じ扱いとなります。
職務上付き合いのある人に対して贈る贈答品としての性格を持つため、「接待交際費」で処理をすることになります。

取引先に限らず、自社に関係する人(やその家族)に対して出すお花代は、この「接待交際費」で処理していきます。

なお、ここで取り上げている「お花代」は、あくまで「葬儀」に関わるお花代に関してのものです。事務所などに飾る花の料金などについては、また別の勘定項目で記載することになります。

まとめ

「お花代は、どんな宗教の不祝儀袋の表書きにでも使えるもの」という解釈もありますが、
一般的には
「香典とは別に、供花のための費用としてお渡しするもの」
もしくは
「通夜や葬儀には伺えなかったが、後から弔意を示すために訪れるときに持っていくもの。香典の代わり」
と考えられています。

このなかでも、通夜・葬儀に深く関わるのは前者の方でしょう。

  • お花代は供花の代金としての性質を持つため、1万5,000円程度を包むのが一般的です。
    喪家側の場合は葬儀費用と一緒に請求されるため、特別に「お花代」として明確に区別する必要はありません。
    親戚側の場合は、喪家や故人との付き合い方によって渡し方などが異なります。
    一般参列者や会社として出す場合は、受付の様子を確認したり、葬儀会社のスタッフに聞いたりするとよいでしょう。

  • お花代は、黒白の水引もしくは白の無地の封筒に入れてお渡しします。
    きれいな旧札を入れるとよいでしょう。表書きは、薄墨で書きます。

  • お花代をいただいた場合は、ケースによって返し方が異なります。
    「10名程度で少額ずつ出し合い、お花代というかたちでまとめた」「返礼不要とされている」
    というような場合はお返しは必要はありませんが、「香典+お花代でかなり多額のお金をいただいた」
    という場合は、香典+お花代の半額程度のものを返すとよいでしょう。

  • 宗教によって「お花」に関する考え方は異なります。
    キリスト教における「御花料(仏教における香典)」と、
    供花の代金としての「お花代」は意味が違うということをまず理解しましょう。

  • 会社としてお花代を経理上で処理をする場合は、「接待交際費」の項目にしましょう。


「自分で供花を手配する」という場合は、まずは葬儀会社に確認をしてください。
葬儀会社から一括で注文してもらえるケースが多いでしょう。

こうした手順を踏んだ場合、お花代は葬儀会社に納めることになります。
また、供花の花は、宗教ごとで違いがあります。仏教では白や黄色の菊が好まれます。

神式も仏教に準じますが、かつては榊を送るやり方もとられていました。
キリスト教では、仏教や神式とは異なり、供花に名札はつけません。

また、キリスト教の場合は専門業者の間でも供花に関する認識が異なっているケースも多く見られるので、確認が必要です。

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監修者コメント

監修者
終活・葬送ソーシャルワーカー
吉川美津子

人の死と花は、ネアンデルタール人の頃から結びついていたといわれています。ネアンデルタール人の遺跡であるイラクのシャニダール遺跡の洞窟内部から、3万5000年前から6万5000年前にかけての、人骨10体が発見されているのですが、そのうち「シャニダール4号」と名付けられた人骨周囲の土壌から、多数発見されています。この花粉については諸説ありますが、そのひとつとして、死者に花そ添えた痕跡でなのではという説があります。

菊は葬儀の花というイメージが強いのですが、もともとは天皇家を表す紋章に菊が使われているように、高貴な花、華やかな花というイメージでした。死者への尊厳をあらわすうえで、菊がぴったりだったうえ、電照菊の登場で、一年を通しててに入りやすい花になったことなどから、葬儀の場面でよく使用されるようになり、いつのまにか葬儀で使う定番の花になりました。


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