葬式のときに行う挨拶~遺族側・参列者側で解説~

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祭壇の前で合掌する参列者

「葬儀」という非日常的な場面においてされる「挨拶」は非常に特別なものです。
遺族側に立ったときも、そして参列者側に立ったときも、この「挨拶」には気をつけたいことですよね。

大事なのは形式ばかりを気にした挨拶ではなく、故人を弔おうとする気持ちが伝わるか否かです。
心の内を失礼のないようにお伝えする、その気持ちが大切です。といっても、

葬式や通夜の場面での挨拶に関するこのような要望に応える内容!

  • 葬式の場で言ってはいけない言葉って、何?
  • とっさに言葉が出ないときに使える挨拶を覚えたい
  • 失礼のないように挨拶したい

ここでは、「葬儀のときの挨拶」「お悔みの言葉」について取り上げます。

お悔やみの言葉とは

お悔みの言葉とは、故人が亡くなったことに対して示す哀悼の言葉を言います。
一般的に、参列者側が遺族側(あるいは故人の遺影など)に対して告げるものを指します。

この「お悔みの言葉」は、場面を問わずに使われる表現です。訃報の第一報を受けた時、通夜の時、葬式の時、後日弔問に訪れる時、あるいは電報や電話、手紙を寄せる時……。さまざまな場面で、この「お悔やみの言葉」は使われます。

また、訃報の連絡を受けた側とは反対に、「遺族からの言葉」もふさわしい言い回しがあります。

遺族側:葬式での挨拶

葬儀の場では数多くの挨拶が交わされることになりますが、まずは遺族側からみていきましょう。

挨拶をするタイミングと相手

遺族が挨拶する機会、相手はたくさんいます。親族や参列者、宗教者(仏教の場合は僧侶)、細かいことをいえば葬儀社のスタッフや仕出し業者に対しても挨拶をする必要が出てくるでしょう。また、葬儀の過程で、故人に対して言葉がけをすることもあるかもしれません。

ただ、一般的に、「遺族の挨拶」といえば、以下のようなものを指します。

  • 葬儀もしくは通夜での挨拶(故人への追悼を示すこともある)
  • 香典返しでの挨拶(ハガキ)
  • 宗教者(仏教の場合は僧侶)への挨拶
  • 訃報を人に伝えるときの挨拶
  • 後日弔問客がいらした場合の挨拶

では、それぞれ詳しく解説していきます。

挨拶でよく使われる言葉と例文

「葬儀での挨拶」と言えば、まずは「参列者よりお悔みの言葉を受けた場合」と「葬式や通夜が終わった後に行う挨拶」を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。 これについて見ていきましょう。

参列者よりお悔みの言葉を受けた場合

ある程度時間をとれることもありますが、参列者が多いもしくは式の最中ということであれば、長く話をすることはできません。

また、参列者の方も気を使いますから、基本的には簡潔に返すのがよいでしょう(もちろん、極めて親しい仲であったり、話を聞いてもらいたいということであったりするのならばこの限りではありません)

お悔やみの言葉を受けたときに返す言葉の文例

  • 「わざわざ足をお運びいただきありがとうございます」
  • 「ご丁寧なお言葉、ありがとうございます」
  • 「○○(故人の名前や、母などの続柄)も喜んでいると思います」

などと応じるのがよいでしょう。

ただ、これは一つの例にすぎません。実際には「こう答えなければならない」という「正解」はありません

気の置けない相手であるのなら、「急なことで私も戸惑っています」などと正直に心の奥を吐露してもよいでしょう。また、率直に、飾り気のない言葉で、「来てくれてありがとう」と伝えることも失礼に当たらないでしょう。

葬式や通夜が終わった後に行う挨拶

個人の参列者との対応の場合とは異なり、これは原則として、「通夜や葬式が終わった後、会場のホール内で最後にする締めの挨拶」を意味します。そのため、かなり堅い挨拶となるでしょう。

このときの挨拶は、喪主が行うのが基本です。ただ、喪主が「挨拶が極めて苦手だ」「名前ばかりは喪主だが、非常にダメージを受けており、挨拶をできる精紳状態ではない」という場合は、ほかの人(主に遺族)が代わって行うことがあります。

また、遺族・親族の間で「ぜひ挨拶をしたい」と立候補する人がいて、ほかの人もそれに異論がないのであれば、この立候補者に委ねることもあります。このあたりは相談して決めていくとよいでしょう。

通夜・葬儀の終わりにする挨拶の文例

「遺族・親族を代表しまして、喪主の▽▽が皆さまにご挨拶申し上げます。
本日はお忙しいなか、故○○のためにご会葬賜りまして誠にありがとうございます。

故人の生前中は皆さまに大変お世話になりました。
遺された家族で協力していきますので、これからも、故人の生前同様の御指導御鞭撻を賜りますよう、宜しくお願いいたします」

また、下記のように言い換えたり、アレンジしたりすることもできます。

  • 本日はお忙しいなか→本日は足元の悪いなか(雨や雪のとき)
  • 故○○→亡き父、亡き母、亡父、亡母など
  • 生前同様の御指導御鞭撻を賜りますよう→生前同様の変わらぬお付き合いを

今回紹介した例文は非常に簡潔なものですが、会葬の御礼と「故人の生前中は~」の前に、故人との思い出話を差し込むこともあります。
通夜の場合も葬式の場合も、基本となる挨拶の仕方はほぼ同じだといえます。

また、最後の挨拶の後に、通夜の場合は翌日の葬式の案内や通夜ぶるまいの案内をいれることもあります。(葬儀会社によっては、葬儀会社が改めてアナウンスすることもあります)

香典返しの挨拶の言葉と例文(ハガキ)

香典返しは本来後日行うものでした。しかし現在は「当日返し」という方法が一般化してきています。
当日お渡しする香典返しにハガキを差し挟むというかたちで挨拶を差し上げることが多いため、そのハガキの例文を一つ紹介しておきましょう。

故 父(など。喪主にとっての続柄)○○ ○○(姓名) 儀 葬儀にご多忙のなか御会葬賜り御鄭重なる御厚志を頂戴し御芳情に感謝申し上げます。
略儀ながら書面にて厚く御礼申し上げます。

葬儀の日時 ○○年○○月○○日 ○○時○○分

住所    ○○県○○市○○町○○ー○○

喪主名   ○○ ○○○

ハガキの文面に必要な要素は、

  • 故人の名前と続柄
  • 葬儀の日時
  • 住所
  • 喪主名

を記すのが基本です。ただ、ここに「親戚一同」と記したり、逆に住所を省いたりすることもできます。

なお、この「香典返しのハガキ」もオリジナルで作成することが可能です。

業者を使って行うこともできますし、ライターなどに外注することもできます。もちろん自分で考えてもよいものです。オリジナルのハガキを作りたいという場合は、一度葬儀会社に相談してみてください。

僧侶への挨拶の言葉と例文

僧侶への挨拶は、何段階かに分かれます。ただ、そのなかでも、「最初の連絡」「お布施を渡すとき」の2つは重要です。

最初の連絡では、

お世話になっております、檀家の××(地域)の▽▽(名前)です。

先ほど○○がなくなりまして、つきましてはご住職に枕教ならびに通夜・葬儀をお願いしたいと考えております。日程はいかがでしょうか?

などのようにまとめるとよいでしょう。おそらく、最初に「亡くなった」ということを告げた時点で、ある程度僧侶の方から段取りを示唆してもらえると思います。
僧侶の日程で通夜・葬式のスケジュールが変わることもありますから、この連絡は非常に重要です。

葬儀式場を使って行う葬儀であれ、それ以外の場所で行う葬儀であれ、僧侶には控え室が用意されます。(「御住職様御控え室」などのように看板が掲げられることもあります)

僧侶はここで着替えたり読経前の準備をしたりするのですが、お布施は、原則としてこの控え室にお持ちすると考えておけばよいでしょう。

「御多忙のなか、誠にありがとうございました。故人も喜んでいると思います。お陰様で、無事にお見送りができました。こちら、お納めください」などのようにしてお渡しします。

訃報の連絡をするときの言葉と例文

訃報は、原則として電話で行います。ただ、ファックスなどがわかればそれを利用するのもよいでしょう。また、賛否両論はありますが、メールで送るというやり方もあります。

どの方法をとる場合でも、告げることは以下の4つです。

  1. 故人の名前
  2. 息を引き取った日時
  3. 通夜や葬儀を行う日付と場所
  4. 主体となって連絡を受ける人と、その連絡先

(3)は非常に重要な項目です。ただ、「まだ決まっていない」という場合であれば、後日連絡する旨と、(4)をしっかりと伝えておけばよいでしょう。

(4)については、必ずしも喪主である必要はありません。実際喪主は非常に忙しかったり、また故人に一番近い存在であるために強いショックを受けたりしていることもあるため、ほかの人が連絡をとりまとめる場合もあります。

訃報を直接告げる相手は、故人あるいは遺族と関係が深いという前提があります。そのため、死因を簡単に告げてもよいでしょう。ただ、死因を伏せておきたい場合は、無理に告げる必要はありません。

電話の例文は以下の通りです。

もしもし、▽▽です(地域名や団体名を添えてもよいでしょう)。

本日未明、父の○○が亡くなりました。通夜は、◆月◆日、19時よりA会館で行います。葬式は翌日の10時より同会場で行います。何かお問い合わせなどございましたら、私の携帯電話、080-0000-0000 にご連絡ください

ファックスで告げる場合はもう少し詳しく書けますが、告げるべき内容自体はそれほど変わりません。

なお、

  • 香典や供花・供物を辞退する
  • 家族葬で見送る
  • 平服で見送ってほしい(若い方の葬儀などで、「明るく見送ってほしい」「学校で見せている表情そのままで送ってほしい」などの希望がある場合)

というような場合は、必ずそれを言い(書き)添えます

また、現在は火葬の後に初七日法要までを行うスタイルが一般化しています。初七日法要後の食事などに臨席してもらいたい場合は、その旨も伝えておくとよいでしょう。

後日弔問客がいらした場合の挨拶と例文

「葬儀には間に合わなかったけれど、後からお家に伺って手を合わせたい」と考える人は少なくはありません。その場合の対応について見ていきましょう。

この場合、今までの「挨拶」とは性質が異なります。
会場や書面での挨拶のような堅苦しさはいりませんし、また後日の訪問ということである程度「日常」に戻った後の対応となります。

まず、弔問の方がいらした場合は、必ず「どうぞ線香を(あげていただければ)」などとのように言い添えて、仏壇の前へとお誘いしましょう。

故人と弔問客の間の語らいが終わるのを待ち、故人の思い出話などをするとよいでしょう。また、「故人も喜んでおります」などの言葉を添えるようにします。

後日訪れる弔問の方のためには、お茶菓子を用意します。また、香典返しもお渡ししてください。

香典返しは、葬儀会社の人から「四十九日が終わるまでは弔問に訪れる方もいらっしゃるので」と言われてある程度の数を家に持ち帰るように言われるものですから、それに従って保管しておくと慌てずに済むでしょう。

また、地域差や遺族の考え方にもよりますが、供物をほどいてできたお菓子や、いただいた供物などのおすそ分けをすることもあります。

参列者側:葬式での挨拶

参列者側の立場に立った時はどうすればよいのかについても見ていきましょう。

挨拶をするタイミング

参列者として葬式に参加する場合、参列者が遺族と言葉を交わす機会はそれほど多くはありません。

葬式が始まる前の待ち時間くらいでしょう。式の最中に言葉を掛けられることもありますが、静寂さが求められる場面ですから、頭を下げて終わりということも珍しくはありません。

また、葬式の場合、式が終わると遺族・親族はそのまま火葬場に移動することがほとんどですからなおさらです。火葬場についていく関係でなければ、それほど長くは話し込まないでしょう。

実際、参列者のなかには、遺族・親族と一言も言葉を交わさないという人も多く見られます。

ただ、通夜の場合は、遺族・親族はそのまま一夜を明かします。ホテルなどをとっていることもありますが、宿泊設備がある式場の場合は、そのまま式場に留まります。

また、お通夜の場合は通夜ぶるまいに呼ばれることもあるので、葬式のときに比べれば、言葉を交わしたり挨拶をしたりする機会は増えるといえます。

挨拶でよく使われる言葉と例文

遺族の方から「話を聞いてほしい」と言われれば、可能な限り付き合いたいものです。

ただ、遺族は何かと時間がなく、ばたついています。そのため、遺族の方から特に、と引き留められない限りは、挨拶は簡潔に済ませるのが望ましいでしょう。

この際は、以下のような言い回しがよく使われます。

  • 「お力になれることがありましたら、なんなりとお申し付けください」
  • 「○○様の旅路が安らかなものであるよう、お祈りしております」
  • 「▽▽様もお体を労わってお過ごしください」

これらの言い回しはどのような宗教でも使えるものです。

ただ、仏教であるならば「御冥福をお祈りします(浄土真宗以外)」、仏教・神道ならば「お悔やみ申し上げます」という言い方が使えます。この2つに関しては非常に一般化しているフレーズですから、口から出やすいでしょう。

ただ、「御冥福をお祈りする」は、「亡くなった方は家族を見守っていてくれる」という考えの神道や、「亡くなった人は神の御許に旅立つ」という考えのキリスト教にはそぐわない言葉です。

また、キリスト教ではそもそも死を悲しいものだと考えていないため、「お悔み」を申し上げることは死生観的には不適合です。

葬儀場(通夜・葬式・告別式会場)で控えたいタブー言葉

なお、葬儀場ではNGとされる言い回しもあります。

どこの宗教であっても、「繰り返し」を連想させる「再び」「くれぐれも」「いよいよ」「重ね重ね」という言葉は使ってはいけません。

また、「苦しむ」をイメージさせる「九」、「死ぬ」をイメージさせる「四」は好まれません。このような数字そのものを会話のなかで出すことはほとんどないかもしれませんが、「香典の中身」は意識したいものです。

たとえば、「営業部署の一人ずつが千円ずつ出し合って九千円にした」などのようなケースがこれに該当します。「死ぬ」「生きた」などのように、直接的に生死を表す言葉も避けましょう。

突然の訃報、特に若い方が亡くなった場合などはどうしても死因が気になる人もいるかと思われますが、ご遺族から発表やお話がない限りは死因を聞くことはしてはいけません。

また逆に、100歳を超える方が老衰で家族に見守られて安らかに亡くなった、というケースであっても、「大往生」という表現は使わないようにしましょう

ご遺族にとっては、年齢に関係なくずっと生き続けていてほしいと願っていたことでしょうし、「この年なら死んでもよい」というものではありません。
ただし、遺族の方が「大往生だった」という分には問題ありません。

訃報の連絡を受けたときの言葉と例文

訃報のお知らせは、突然やってきます。そのため、とっさにきれいに答えられる人はそれほど多くありません。また、明確な答えも出しにくいものです。

ただ、訃報の連絡が電話でなされる場合、ご遺族はほかの方にも連絡をしなければならない状態であることが多いでしょう。
そのため、簡潔に受け答えします。

  • 「御愁傷さまです(仏教の場合)」
  • 「突然のことでなんとお声をおかけしたらよいか……」

などのような言葉が考えられますが、何しろ突然のことです。絶句をしてしまうのも当然でしょうし、いわゆる忌み言葉や失礼な言葉を掛けなければよいでしょう。
ただ、葬儀をするという場合は、その日程をしっかり書き留めておく必要があります。

また、相手が気心の知れた人(友人)であるのなら、いつもの話し言葉で、「力になれることがあったら何でも言ってね」「いつでも電話してきてね」「体を壊さないでね」などと言い添えると、連絡してきた人も心強く思うでしょう。

この記事のまとめ

この記事のポイント

人が亡くなった場合、遺族は

  • 通夜や葬儀の席での挨拶
  • 僧侶への挨拶
  • 訃報を知らせるときの言葉

を人に伝える必要があります。

また、参列者側では

  • 会場での遺族への挨拶
  • 訃報を受けた時に応じること

が求められます。

例文や忌み言葉、守らなければならないマナーはたしかにあります。しかし何よりも大切なのは、気持ちです。

遺族側であるならば会葬者や僧侶へのお礼の気持ちを、参列者側であるならばご遺族や故人への思いやりの気持ちを素直に伝えることを一番重要視しましょう。
多少砕けた言葉になったり、うまく言葉が伝えられなかったりすることを責める人はだれもいません。

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