葬儀・法要のお布施、相場や渡し方を徹底解説!

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お布施

昨今、日本では宗教離れが進んでいるといわれています。
しかし、日本で行われている葬儀の約9割は仏式であり、仏式葬儀で気になるのが僧侶へのお布施かと思います。

お布施の包み方や渡すタイミング、とりわけ、お布施の金額については頭を悩まされる問題ではないでしょうか。
お布施は、本来、気持ちで行うものですので、決まった金額はありません。

そうはいってもあまり少なすぎると失礼にあたり、今後のお付き合いに支障が出る場合もありえます。
しかし、逆に多くしすぎても、お付き合いを続けていくことが負担になります。

今回は、地域や宗派、戒名によって異なるお布施の相場をご紹介しますので、ぜひご参考ください。
また、葬儀後の法要や納骨など、さまざまな仏事におけるお布施の相場や渡し方についても解説していきたいと思います。

お布施の意味

お布施とは、葬儀や法要の際のお礼や、本尊へのお供えとして、僧侶や寺院へお渡しするお金のことです。

しかし本来は、お布施は仏教で徳を積むために行うべき施しのことを意味します。
金銭や品物を施すこともお布施ですが、僧侶が人々のために仏教の教えを説くのもお布施の行為にあたります。

金品を施すお布施は「財施(ざいせ)」といい、あくまで読経や儀式への対価、料金ではなく、仏教の教えに感謝して施すものと考えるのが妥当です。

葬儀で渡すお布施の内訳

仏式葬儀で気になるお布施の内訳とそれぞれの相場について、ご紹介します。

お布施

お布施は、あくまで喜捨の心で渡されるもので、僧侶派遣や読経への対価ではありません。
しかし、現実的には、臨終から、通夜、葬儀に関わる一連の読経、儀式の執行についての御礼として、ある種「基本料金」のように捉えられていることがほとんどです。

お布施の金額についても相場いくらというべきではありませんが、実際15~50万円程度で渡されることが多いようです。

地域やお寺の慣習によって「枕経 お布施」「通夜 お布施」「葬儀 お布施」というように細かく分けて渡す場合もありますが、一般的にはまとめて渡します。
ちなみに、浄土真宗では「お布施」とはいわず「ご法禮(ほうれい)」と表現するのが正式です。

葬儀・告別式の際に、儀式の主となる導師に加え、脇導師や役僧など、複数の僧侶を招く場合は、それぞれにお布施が必要です。

全僧侶のお布施として、導師にまとめて渡すケースもありますが、別のお寺の僧侶に来てもらっていることも多く、それぞれにお布施を準備する方がよいこともあります。
どちらがよいか菩提寺の住職に確認しておくとよいでしょう。

お布施の相場は、脇導師が導師の1/2程度、役僧が1/3程度といわれています。

戒名お布施(戒名料)

戒名(法名・法号)に対するお布施は、一般的な戒名の場合には必要ないことが多いです。「~居士(こじ)/大姉(だいし)」、「○○院~」というような、特別な戒名を頂戴する際に必要になります。

葬儀のお布施として一括で包んでも、「戒名料」「院号料」などとして別に包んでもかまいません。

そもそも、戒名とは、仏の弟子としていただく名前で、本来は二文字で「法号」といいます。これに、地位や性別、年齢を表す「位号」や、自己の悟りや願い、人柄などを表す「道号」がつき、社会や寺院への特別な貢献によって「院号」がつくこともあります。

その中で「~居士/大姉」という特別な位号や「○○院~」という院号がつく場合に、戒名のお布施が必要になるのです。

これらは、本来、お寺や社会への生前の貢献度によって与えられるもので、故人や遺族が好きに選べるようなものではありません。
ただ、現実的にはある程度のお布施によって、戒名をいただけることが多いです。

※戒名(法名・法号)によるお布施の相場(読経などを含めたお布施)

院号 道号 法号(戒名) 位号 お布施相場
一般的な戒名 ○○ ○○ 信士/信女 20~50万
特別な戒名 ○○ ○○ 居士/大姉 50~80万
院号のつく戒名 ○○院 ○○ ○○ 居士/大姉 70万~
日蓮宗の一般的な戒名 ○○院 ○○ ○○ 信士/信女 30~80万
浄土真宗の法名 釋○○ 20~30万
浄土真宗の院号 ○○院 釋○○ 40~60万

この他にも、宗派や地域の慣習、年齢、仏教や寺院への貢献度により、さまざまな戒名が授与されます。
お寺をはじめ、親戚や近所の方などに相談してみてもよいでしょう。

お膳料・お車料

お膳料は、僧侶が通夜振る舞いや精進落としに参加できない時に包みます。
最近は、僧侶が食事の席に同席することは少なく、お膳料として包むケースが増えています。
お膳料の相場は5千円~1万円程度です。

僧侶に渡すお布施とお車代

お車料は、僧侶に御足労いただくための交通費です。
お車料の相場は5千円~1万円程度ですが、遠方から来ていただいく場合は多目に包みます。
また、宿泊が必要な場合は、宿の手配をするか、宿泊の費用を渡します。

初七日 お布施

最近は、葬儀当日に初七日法要まで行うことがほとんどですので、葬儀のお布施と合わせて初七日のお布施もお渡しします。
初七日のお布施の相場は3~5万円程度といわれています。

葬儀と別の日に改めて初七日法要を行う場合は、お布施と別にお車料として、5千円~1万円を包みます。

葬儀でのお布施の渡し方

お布施の包み方や表書き、僧侶に渡す時のタイミングや作法について、ご紹介します。

お布施の包み方

お布施のお金は、半紙で包むか中袋にいれてから、奉書紙で包むのが丁寧な形とされています。
急なことで奉書紙がない場合は、無地の白封筒でもかまいませんが、郵便番号欄の印刷されていないものを選びます。

お布施の奉書紙に水引はかけないとされますが、地域により、双銀、白黒などの水引をつけることもあり、関西では、黄白の水引を用いるのが一般的です。
お布施の文字や水引が印刷された市販のお布施用封筒を用いてもかまいません。

お金を包む時は、お札の肖像画が表側の上部になるように包みます。
奉書紙は、ツルツルしている側が表となるように包み、慶事の時と同様に、上側の折返しに下側をかぶせます。
ちなみに、お布施のお金は香典と違い新札でかまいません。

お布施の表書き

お布施の表書きは、中央上部に「御布施」や「御膳料」「御車料」などの名目を書き、その下に「○○家」または「氏名(施主のフルネーム)」を書きます。

葬儀の際に初七日のお布施をあわせて渡すことが多いですが、「御布施」と書いた右上に「初七日」とそえるとよいでしょう。
表書きを書く際には、香典に用いる薄墨ではなく、普通の黒墨を用います。

すでに「御布施」とプリントされている市販の封筒を用いてもかまいません。

また、中袋や外包みの裏には、金額と住所・氏名を記載しておくと丁寧です。
金額を記入する場合は、「金、〇拾萬圓」というように旧字体の漢数字で書きます。

お布施を渡すタイミングとマナー

お布施は、本来、葬儀後に寺院に伺って渡すのが丁寧ですが、最近は、葬儀・告別式の開式前に渡すのが通例です。
お布施は直接手渡しするのではなく、袱紗や切手盆などに置いて渡します。

僧侶に渡す際は「よろしくお願いします。」などと一言添えて、僧侶の前で回して向きを変えて渡します。

宗派によるお布施の金額に差はある

浄土真宗は庶民の宗派として広まった歴史があり、15~25万円とお布施(ご法禮)の相場も比較的安価で、院号をつけた場合でも40~50万円程度です。

一方、天台宗、真言宗などの密教系の宗派や、曹洞宗・臨済宗などの禅宗の宗派などは、30~50万円程度で、院号をつけた場合には70~100万程度必要になることもあります。

また、これらの宗派は、儀式作法のために脇導師や役僧など複数の僧侶で儀式を行うケースも多く、その分お布施の金額も上がります。

葬儀でのお布施の相場~地域別傾向~

葬儀のお布施の相場は、15~50万円程度といわれていますが、各地域によって多少の差があります。
日本消費者協会の実施した『葬儀についてのアンケートの調査(2017年)』によると、お布施の全国平均金額は約47万円で、地域ごとの金額は以下の通りでした。

地域 お布施の相場
北海道 約33万
東北 約60万
関東 約52万
中部 約53万
近畿 約46万
中国 約42万
四国 約39万
九州 約29万

※以上の金額は、読経や儀式のお布施に、戒名料を加えた全体額で出されています。

葬儀が終わった後に渡すお布施の種類

葬儀後も法要や納骨などの仏事がありますが、気になるお布施について法事ごとにご説明したいと思います。

四十九日、一周忌以降の年忌法要のお布施相場

葬儀後の法要といえば、四十九日(満中陰)、百箇日、一周忌、三回忌…とそれに続く年忌法要があります。
これらの節目となる法要にあたって、お布施の相場は3~5万円程度といわれています。

この時に、お膳料(食事を振舞う場合は不要)5千~1万円、お車料5千~1万円程度をあわせて渡すのが通例です。

仏壇の開眼法要のお布施相場

仏壇を新しく購入した場合は「開眼(かいげん、かいがん)法要」を行います。
開眼法要は「魂入れ」「お性根(しょうね)入れ」ともよばれ、仏壇に魂をいれて供養や礼拝の場とする儀式です。

浄土真宗では、魂をいれるという考えはなく、本尊をお迎えする「入仏法要」や「お移徙(おわたまし)」という法要を営みます。

これらの法要は、四十九日法要などとあわせて行うことが多く、お布施もまとめて包んでもかまいません。
ただし、新しく仏壇を迎える法要は慶事に当たりますので、紅白の結び切りの水引がついた熨斗なしの金封で別に包むのが丁寧です。

お布施の相場は、1~3万円、または、仏壇購入金額の1割が目安といわれます。
立派な仏壇を購入した場合は、お布施も仏壇にふさわしい額を包むのがよいでしょう。

お墓の開眼法要のお布施相場

新しいお墓を建てた時も、お墓の「開眼法要」(浄土真宗では「建碑式」)を行います。

これらの法事は、百箇日や一周忌法要と納骨式に合わせて行われることが多く、お布施もまとめて包んでもかまいません。
しかし、新しいお墓を建てることは慶事に当たりますので、紅白の結び切りの水引がついた熨斗(のし)なしの金封で別に包むと丁寧です。

開眼法要のお布施の相場は1~3万円、または、お墓の費用の1割程度といわれています。

開眼法要については、「【3分でわかる】開眼供養・開眼法要とは?開眼供養のお布施などを徹底解説!」でも詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

納骨時のお布施相場

納骨は、すでに墓所がある場合は、四十九日法要とあわせて、新しくお墓を建てる場合は、百箇日や一周忌の法要と、開眼法要(建碑式)を合わせて行われることが多いです。

いずれにせよ他の法要と合わせて行う場合がほとんどなので、お布施も、法要のお布施に2~3万円程上乗せする形で結構です。

お盆法要のお布施相場

毎年のお盆法要のお布施は、個別に家に来ていただく場合は5千~2万円程度が相場です。
新盆の時には、親族らが集まって盛大に行うため、お布施の相場は3万円程度で、御膳料・御車料として各5千~1万円程度お包みします。

お寺で行われる合同のお盆法要にお参りする場合は、3千~1万円程度がお布施の相場とされています。

お彼岸法要のお布施相場

春・秋の彼岸法要のお布施相場は、個別に家に来ていただく場合は5千~2万円程度、お寺で行われる合同の法要にお参りする場合は、3千円~1万円程度といわれています。

その他法要(二七日~六七日、月参りなど)のお布施相場

最近は省略される方が増えてきましたが、葬儀後、二七日、三七日…と七七日(四十九日)まで七日ごとに僧侶にお参りに来ていただくのが正式です。

二七日~六七日(三十五日で切り上げる場合は二七日~四七日)にお渡しするお布施は3千~5千円が相場とされており、お膳料やお車料は必要ありません。

また、故人の月命日などに合わせて、毎月自宅にお参りに来ていただく場合も、お布施は3千~5千円程度で、お膳料やお車料は特に必要ありません。

年忌法要以外の祥月命日(故人の亡くなった月)に法要を営む場合は、5千円~1万円程度で少し多めに包まれるとよいでしょう。

改葬のお布施相場

改葬を行う際には、現在のお墓の「閉眼(へいがん、へいげん)法要(供養)」を行う必要があります。
これは「魂抜き」「お性根抜き」ともいわれ、お墓の移動の際に必要な儀式です。

浄土真宗では、魂を入れたり・抜いたりという考えはないため「遷仏(せんぶつ)法要」といいます。閉眼(遷仏)法要のお布施は、約3万円程度で、寺院墓地以外では御車料として5千円~1万円をあわせて渡します。

改葬にあたり、お寺の檀家から抜けることになる場合は、これまでお世話になった御礼として、3~20万円ほど包むこともあります。

また、新しい墓所でも「開眼法要」や「納骨法要」を営むことになりますので、改めて1~3万円程度お布施を用意しましょう。
永代供養墓によっては、購入金額に法事の御礼が含まれている場合もあります。

まとめ

葬儀や葬儀後の法要など、さまざまなシーンにおける仏事と、そのお布施の相場について説明してきましたが、土地の慣習や、寺院の考え方、これまでのお寺との関係によって、お布施の金額や渡し方は大きく異なります。

また、お寺や僧侶は、長く付き合っていく存在ですので、お布施の額も含めて分からないことがあれば直接相談してみるのがよいと思います。
お寺に対しては、失礼があってもいけませんが、お付き合いに無理があってもいけません。

今回ご紹介した一般的な相場や渡し方を参考に、自身の家とお寺のちょうどよい付き合い方を見つけていきましょう。

一口にお墓・霊園と言っても、豊かな自然を背景にしたり、規模や宗派だけではない様々な特色があります。
お住まいの地域・ご実家の近隣などで、どんな霊園があるかご覧になってはいかがでしょうか?

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