プレニードとは何?「生前契約」の意味と考え方

【プレニード】アイキャッチ画像

葬儀用語のなかには、まったく聞き慣れないものもあります。そのため、その単語に接したときに戸惑うことになる人もいることでしょう。

今回はそんな単語のなかから、「プレニード」をとりあげます。 プレニードとは、「葬儀における生前契約」のことを指す単語です。プレニードをうまく使うことで、残していく家族の負担を軽くすることができます。

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この記事の目次

  1. プレニードとは葬儀の生前契約
  2. プレニードの実際
  3. プレニードを行うメリット・デメリット
  4. プレニードを行うときに気をつけること
  5. この記事のまとめ
  6. 監修者コメント

プレニードとは葬儀の生前契約

石材店にて墓石の相談

プレニードとは、簡単にいえば、「葬儀の生前契約」のことです。
別の表記として「プレニードー」とすることもありますが、今回は「プレニード」で統一してお話していきます。

葬儀の世界ではよく「漢字表記」が用いられますから、横文字である「プレニード」はあまり目にすることがないと思われます。「プレニード」という表記よりも「生前契約」という表記の方が目にする機会は多いかもしれません。実際、葬儀関係の仕事に長く就いている人でも、「プレニード」という単語を仕事のなかで使ったことはないという人もいます。

表現からもわかる通り、プレニードとはもともと海外の文化・海外の考え方です。アメリカでは15パーセント程度の人がプレニードによって契約をしていると考えられています。ちなみに1993年の時点で、「2000年までにはアメリカの葬儀のうち40パーセントが、プレニードによって行われる」と考えられていました。

「葬儀を自分らしく」と考える人が増えてきたため、プレニードの需要は日本でも高まっていく可能性が考えられます。

出典:お葬式プラザ(シャディ株式会社)「欧米のプレニード葬儀契約」

プレニードの実際

さて、このようにアメリカなどをはじめとする海外ではよく聞かれるようになってきたプレニードですが、日本では少し様子が異なります。プレニードを理解するためには、生前契約(プレニード)と生前予約の2つに分けて考えなければなりません。

生前契約というのは、今取り上げている「プレニード」のことです。生前に契約をしてしまい、前払いもしくは生命保険で葬儀費用を払う契約を結びます。
この時点で明確な金銭のやりとりの意思確認が行われます。また、契約書も作られて、「サービスの提供」と「サービスへの対価の支払い」が約束されます。

葬儀の費用にはどうしてもゆらぎが生じますが、葬儀の大まかな部分はすべて決めてしまいます。動く金額も大きく、「生前に契約することで、家族が被ることになる手間と金銭両方の負担を軽減する」という性格を強く持ちます。
また、これは純然たる「契約」であるため、契約書も交わします。そのうえで、さらに公正証書遺言をしたためる必要が出てくるとされています。

これに対して、「生前予約」はここまでの厳格さは持ちえません。非常に自由度が高いのが特徴であり、明確な契約書は交わさないことが多いかと思われます。
生前予約はプレニードとは異なり、「葬儀のことを葬儀会社のスタッフに相談して、自分の行いたい葬儀のかたちを決めていく。そのなかで納得できたら、この葬儀会社で葬儀を行ってほしいという意思表示をする。必要ならば会員登録をする」というものです。

このため、「契約」の性格よりは「終活」の一環として行われることが多く、「自分好みの葬儀を行うための手助けをするためのもの」としても利用することができます。葬儀会社のスタッフと話し合っているうちに自分が理想とする葬儀のかたちが定まっていくことはよくあることです。また、この段階でも、「希望とする葬儀にはいくらくらいの費用が必要か」の見積もりを出してもらえるので、葬儀費用分の金額を意識して残しておくことも可能です。

生前予約を交わした場合、それによって葬儀料金が安くなるケースや不祝儀を葬儀会社から渡されるケースもあります。 なお、「生前予約」の場合、「どこまで行うか」は葬儀会社や個々人の例によって違いが生じます。たとえば、前払いまで行くケースもありますが、会員登録と相談だけを指して「生前予約」とするところもあります。後者の場合は基本的には「会員登録及び生前予約ではお金をとらない」という葬儀会社が多いので、相談に行ってみるとよいでしょう。

また、生前予約をする場合でも、「生前予約とはどこまでを指すのか」「自分がやりたい葬儀はこのようなかたちだが、これは実現できるか」などを聞けるようにしておくとより話が進みやすくなります。

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など、数々の不安を抱えている方が多いのではないでしょうか。
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しかし、お墓購入後に後悔することだけは避けたいですよね。
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プレニードを行うメリット・デメリット

プレニードにはメリットもあればデメリットもあります。それについて見ていきましょう。

プレニードを行うメリット

プレニードを行うメリットは、大きく分けて以下の3点です。

プレニードを行うメリット

  1. 希望通りの葬儀を執り行える
  2. 残していく家族が被る金銭的負担を軽減できる
  3. 残していく家族が被る手間を軽減できる

一つずつ見ていきましょう。

1.希望通りの葬儀を執り行える

現在は、「自分らしい葬儀をしたい」というニーズが非常に高まっています。かつての葬儀は画一的なものでしたが、現在では個性のある葬儀もたくさん登場しています。最後のお別れを自分らしくと望む人に、この「プレニード」は非常によく合致します。なにしろプレニードの場合、自分が生きているうちに葬儀の内容をあらかた決めてしまうわけですから、自分好みの葬儀をプロデュースすることができるのです。

もちろん、エンディングノートに「このような葬儀にしてほしい」と書いておくことはできます。しかしエンディングノートには法律的な拘束力はありません。また、残された家族は憔悴しきっていることも多く、葬儀までに時間がないこともあって、「理想の葬儀を行える葬儀会社」を探すことが難しいこともあります。

しかしプレニードであらかじめ葬儀会社と葬儀プランを決めていれば、このような心配もありません。音楽やお花などの細かいところまで決めることができるケースが多いので、自分好みの葬儀にカスタマイズしましょう。また、A社では難しいこともB社では実現できることもあります。

2.残していく家族が被る金銭的負担を軽減できる

プレニードを考える人の多くが考慮対象とするものに、「金銭面」があります。
この金銭面の負担はかなり大きいものであるため、残された家族にとって大きな負担となります。また人が亡くなった場合は口座が凍結されるため、「葬儀費用を残しておいたけれども、引き出すのが難しい」となる場合もあります。葬儀費用が必要な場合は金融機関も配慮してくれるケースが多いのですが、それでも手間取ることが多いことはたしかです。

しかしプレニードの場合は、「見送られる人」が費用の算段をしているため、家族の金銭的な負担は少なくて済みます。

さらにいえば、プレニードは葬儀会社的にもメリットが大きいものです。「契約」というかたちで葬儀の執行が確約されているため、利益もしっかりと確保できるのです。そのため、この「利益」を契約者に対して還元することもできるようになります。つまり、大幅な葬儀費用の値引きが可能となることが多いわけです。

3.残していく家族が被る手間を軽減できる

1や2とも関わることなのですが、「人が亡くなる」というのは非常に大変なものです。残された家族は短い期間(多くの場合は2~3日。ご遺体の保存の問題もあり、長くても1週間程度)の間にさまざまなことを決めて、お金の算段をある程度つけて、愛した人を見送らなければなりません。

憔悴しきった状態・動揺しきった状態でこれを行っていくのはかなり大変なことです。また冷静な判断ができず、悔いの残るお見送りになってしまうこともあります。

しかしプレニードによって葬儀の内容が決まっているのであれば、家族の手間は大きく軽減されます。決めることが少なくて済むため、ゆっくりとお別れの時期を過ごすことができます。 このようなことから、生前契約(プレニード)及び生前予約のニーズは高まっていくと思われます。

プレニードを行うデメリット

家族会議の様子

しかしプレニードにもデメリットはあります。プレニードは家族感情として受け入れがたいものと判断されることもあります。日本では今でも「生きているときに死後のことを考えるなど縁起でもない」と考える風習がまだ残っています。

加えて、プレニードの場合は「自分自身の希望」を通せるというメリットはありますが、家族との話し合いができていない場合は残された家族の行いたかった葬儀とは合致しない可能性もあります。

これは「生前予約」にもいえることですが、プレニードを考える場合は、家族との間の話し合いを事前に持つことが重要です。

プレニードを行うときに気をつけること

プレニードを行う前には、「更新の時期」についてきちんと確認する必要があります。
プレニードはまだ日本では浸透しきった文化とはいいがたく、「永久に保証される」としているところもあれば「契約には更新がある」としているところもあります。
このため、どのような期間を定めて行っているのかを確認しなければなりません。

費用に関しては事前に払うこともできますが、終わった後に払う方が安心だと言われています。
その葬儀会社が、自分が葬儀を行いたいときに存続しているとは限らないからです。また、支払いをするための財産の確認もしておきましょう。契約はきちんと行い、文章に残すようにします。

プレニードが日本に根付き多くの葬儀会社がこれを取り扱うようになったのならば、また状況は変わってくるかもしれません。ただ、それでもこのような視点は重要です。人生最後の場面を安らかに迎えられるように、契約段階のときにきちんと気を付けてみるようにします。

この記事のまとめ

プレニードは、葬儀関係のところで使われるときは「葬儀の生前契約」の意味で用いられます。生前に葬儀内容を決めておき、お金の算段をつけておくのです。これによって、

  1. 自分好みの葬儀が行える
  2. 残される家族の経済的負担を軽減できる
  3. 残される家族の手間を軽減できる

というメリットが生じます。しかし家族としっかり話し合ってから行わないとトラブルや気持ちの齟齬(そご)が生じる可能性もあります。

また、契約時には契約期間なども含めてチェックし、不明点はきちんと尋ねるようにしてください。また、契約を急がないようにしてください。

プレニード(生前契約)と似たものに、「生前予約」があります。これは葬儀会社によって定義やシステムが異なりますが、プレニードほど厳格なものではありません。

この生前予約システムに関しては15年前にはすでによく見られた文化です。プレニードと生前予約のどちらが優れているとはいえませんが、いずれにせよ内容をしっかりと検討・確認をすることが求められます。


監修者コメント

監修者
終活・葬送ソーシャルワーカー
吉川美津子

自分の葬儀を元気なうちに考えておきたいという人は増えていますが、「生前契約」までして考えておこうという人はさほど多くはありません。多くは「生前相談」という形で、葬儀社を絞り込んでおいたり、自分の葬儀のやり方を相談しておく程度になっています。

プレニードは主にアメリカの契約社会の中で生まれた考え方なので、日本の習俗や宗教観に合致しない部分が多々ありますが、事前に考えておくという点は参考にすべきところでしょう。例えば、家族のお墓は寺院内にあり、故人だけがキリスト教信者というように、故人と家族の信仰・宗教が違う場合などは、事前にどうしたいのか当人を含めて家族間で話し合っておきたい項目のひとつです。葬儀の事前検討というと、費用や演出ばかりに目が向いてしまいがちですが、儀式だけでなく供養や死生観などを含めて考えておきたいところです。


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そのなかでも「お墓」は、一生に一度あるかないかの買い物ですね。

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しかし、お墓購入後に後悔することだけは避けたいですよね。
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