桜葬とは?メリットデメリット、桜葬ができる霊園4選紹介
樹木葬にあこがれを持って霊園を探していると、「桜葬」という言葉に行き当たることがあります。
「桜葬」は、「桜の木で行う樹木葬かな」と想像できても、具体的にどのような意味か、すぐには分かりませんよね。
桜をシンボルツリーとした樹木葬はたくさんありますが、それらと「桜葬」の違いは何なのかも、すぐには思い至らないでしょう。
この記事ではこのような疑問を解消!
- 「桜葬って、具体的にはどういうものを指すのだろう?」
- 「桜葬をしている霊園はどこかを知りたい」
- 「桜の木の下で眠りたい。桜葬の注意点は?」
この記事では、以上のような疑問を抱えている人に向けて、桜葬の意味や特徴、メリットやデメリットをお伝えします。
桜葬を自分のお墓の選択肢として具体的に探すことができるようになりますよ。
「家族に、お墓参りで素敵な想い出を作ってほしい」という夢を叶えましょう。
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桜葬とは桜の木の下で眠る樹木葬のこと
桜葬とは、桜の木の下で眠る樹木葬を指します。
この章では、どうして樹木葬のなかで桜を使ったものだけが特別な名称を持っているのかを説明し、桜の木で樹木葬を行うようになった背景や、桜葬という言葉が広がった理由についてご案内します。
発祥はNPO法人エンディングセンターの「桜葬」
桜葬の発祥は、認定NPO法人エンディングセンターの樹木葬霊園の名称である「桜葬」です。
桜葬という名称は、エンディングセンターによって商標登録もされています。
エンディングセンターは、「尊厳ある死と葬送を実現するために活動している市民団体」(HPより)であり、
桜葬を中心とした交流会を行うほか、葬送に関する支援活動や講座、研究会を実施しています。
桜の木で樹木葬を行うようになった背景
桜の木で樹木葬を行うようになった背景には、エンディングセンターの活躍があると思われます。
エンディングセンターの「桜葬」は、市民が初めて生活者の視点で企画し、実現させたお墓として話題になりました。
実現当時の2000年代初頭には、樹木葬というお墓の形が珍しかったため、樹木葬=桜、というイメージが定着したと想像されます。
桜葬という言葉が広がった理由
桜葬という言葉が広がった理由には、桜の持つイメージが関係しています。
桜は日本人に最も好まれている花です。
NHKの文化放送研究所の調査でも、日本人の好きな花として桜が一位を獲得しています。
シンボルツリーとして、多くの人の好みにマッチする桜を使う桜葬が、樹木葬の一つの形として広まったのも、当然の流れといえるでしょう。
また、桜の圧倒的な存在感も、桜葬という言葉が広がった理由の一つではないでしょうか。春、一斉に花咲く桜の姿は、多くの人の心に残ります。
新しいお墓の形として、エンディングセンターの「桜葬」が繰り返し報道されるなかで、樹木葬といえば桜葬と、言葉が広がっていったと思われます。
以上のように「桜葬」は一つの団体の商品名をきっかけとして広まった言葉です。
その特徴はどこにあるのか、次章で詳しく説明します。
桜葬の特徴
桜葬の特徴は、以下の4つです。
- 桜の木をシンボルツリーとしてその周囲に埋骨する
- 宗教不問
- 継承者不要
- 合同供養祭が行われる
それぞれ説明します。
桜の木をシンボルツリーとしてその周囲に埋骨する
桜葬では、桜の木をシンボルツリーとして、その周囲に埋骨します。
墓石の代わりに、桜の木をお参りのための目印とするのです。桜の木の周りに、骨壺から取り出したたくさんの遺骨が埋葬されます。
宗教不問
桜葬は、宗教を問わず、誰でも利用することができます。経営主体はお寺ですが、お寺の檀家になる必要はありません。
継承者不要
桜葬では、継承者をたてる必要はありません。
埋葬後はお墓の管理を霊園の管理者が行う、永代供養の形がとられます。遺された家族はお墓参りに行っても、行かなくてもよく、またとくにエンディングセンターの「桜葬」では、継承しなくてもいいし、継承してもよいという形式がとられています。
合同供養祭が行われる
桜葬では、桜の花が咲く春に合同供養祭が行われます。
経営主体のお寺の住職が霊園に訪れ、お経をあげて供養祭を行います。
宗教不問、継承者不要というところに、魅力を感じる人も多いのではないでしょうか。しかし、樹木葬の多くは宗教不問であり、継承者を建てる必要がありません。
では、桜葬と他の樹木葬は何が違うのか、次の章でご案内します。
桜葬と他の樹木葬との違い
桜葬と他の樹木葬との主な違いは、以下の2つです。
- 桜葬は基本的に集合墓
- 個別に植樹することはできない
それぞれ説明します。
桜葬は基本的に集合墓
桜葬は、基本的に集合墓であり、個人墓の形を取りません。
桜の木の周りに利用者の遺骨をたくさん埋葬するため、個別のスペースはごくわずかです。
一方で、他の樹木葬には、一般的なお墓と同じように区画割りされているものもあります。
個別に植樹することはできない
桜葬は、1人につき1本の桜を植えるわけではありません。
あくまで霊園内の桜を、利用者全体のシンボルツリーとしています。一方で、他の樹木葬には、個別に好きな草木を植樹できるものもあります。
桜葬と他の樹木葬には、形や植樹の上で違いがあることがお分かりいただけたでしょうか。
次章では、桜葬を行う霊園を具体的にご紹介します。
桜葬を行う霊園をご紹介
この章では、実際に桜葬を行っている霊園を、4か所ご紹介します。
認定NPO法人エンディングセンター(町田)
町田にあるエンディングセンターの「桜葬」は、桜葬発祥の地です。
エンディングセンターの会員になれば契約できます。
- 価格(あさ陽の丘 Ⅰ)
使用料 50万円(管理費を含む)
埋葬料 3万円
彫刻料 1人あたり1万2,650円(税込み)
※区画により使用料や収容人数に違いあり - アクセス
東京都町田市真光寺町337-16 町田いずみ浄苑 フォレストパーク内
小田急線鶴川駅、京王相模原線若葉台駅より直通バス - HP
https://www.endingcenter.com/
認定NPO法人エンディングセンター(高槻)
エンディングセンターの「桜葬」墓地は、高槻にもあります。
山の中腹にある見晴らしの良い丘です。
- 価格(木の精)
使用料 1区画1名使用 1名40万円、1区画2名使用 2名で60万円
埋葬料 3万円(同1区画に2名同時に埋葬の場合、2名で4万円)
彫刻料 1人あたり1万3,200円(税込み)
環境保全費 300円/月
※区画により使用料や収容人数に違いあり - アクセス
阪府高槻市原1371-4
JR高槻駅からバス「原大橋行」または「上の口行」乗車、「上ノ口」下車、タクシー5分 - HP
https://www.endingcenter.com/kansaisakura/
ばらと霊園 八十八ヶ所桜葬
北海道八十八ヶ所総霊場内にある樹木葬霊園です。
毎年の合同供養祭のほか、祥月命日にも線香を立てて供養をしてくれます。
「八十八ヶ所桜葬」は、ばらと霊園の商標です。
- 価格
使用料 1体39万円、
ほか改葬用の合葬墓もあり(1体15万円)
埋葬料 3万5,000円 - アクセス
石狩市生振587-1
地下鉄「麻生駅」8番出口北洋銀行前より直通バス - HP
http://www.baratoreien.com/sakurasou/sakurasou.html
如意輪寺 桜葬「宝珠苑」
桜で有名な吉野山のふもとにある、如意輪寺の樹木葬エリアです。
吉野桜が咲き乱れる見事な風景の中で眠ることができます。
- 価格
1人利用 35万円、2人利用 50万円(彫刻料、埋葬経費別途) - アクセス
奈良県吉野郡吉野町吉野山1024
近鉄吉野駅よりタクシー7分またはケーブルまたは徒歩35分 - HP
如意輪寺 桜葬ページ
桜葬について具体的なイメージが湧いたところで、桜葬のメリットやデメリットについてお伝えします。
桜葬のメリット
桜葬のメリットは、以下の3つです。
メリットポイント
- お花見時期のお墓参りが楽しい
- 多くの人に好まれる花なので親族にも受け入れられやすい
- シンボルツリーが枯れる心配が少ない
それぞれ説明します。
お花見時期のお墓参りが楽しい
桜葬の一番の魅力は、お花見時期のお墓参りが楽しいことです。
お墓参りといえば「暗い雰囲気の墓地へ行かなければならない」と重苦しい気分になる人も、桜葬であれば、お花見気分で明るく向かうことができます。
多くの人に好まれる花なので親族にも受け入れられやすい
桜は日本人に一番好まれる花ですから、親族にも受け入れられやすいという利点があります。
樹木葬というと「なじみのない弔い方だ」と戸惑ってしまう親族も、満開の桜の中でお墓参りができるとなれば、心動かされる面があるでしょう。
シンボルツリーが枯れる心配が少ない
桜の木は寿命が長いので、枯れてしまう心配があまりありません。
シンボルツリーが枯れてしまうと、遺族は心にかなりのダメージを負います。手入れが大変な樹木や寿命の短い草木を選ぶよりも安心です。
桜葬のデメリット
桜葬のデメリットは、以下の3つです。
デメリットポイント
- 個人エリアが狭い
- 好みの樹木を植えられない
- 春以外は見どころに乏しい
それぞれ説明します。
個人エリアが狭い
桜葬は集合墓がメインのため、個人エリアが狭いのが特徴です。遺骨を埋蔵するための20~40センチ四方しか、個人スペースがありません。一般的なお墓を見慣れた人は、かなり狭苦しく感じるでしょう。
好みの樹木を植えられない
いうまでもないことですが、桜葬は桜を使った樹木葬なので、他に好みの樹木を植えられません。桜のほかに好みの花がある人には向きません。
また、自分だけの草木を植樹したい人にも向かないでしょう。
春以外は見どころに乏しい
桜の見ごろはなんといっても春ですから、春以外のお墓参りは、少し味気ないかもしれません。
秋の紅葉も見事ですが、お盆やお彼岸といった一般的なお墓参りの時期からは外れてしまいます。シンボルツリーである桜とは別に、四季折々の草花を楽しめる桜葬を選ぶのがいいでしょう。
桜葬のデメリットよりも、メリットのほうが自分にとって大いに意味があると感じたなら
近くの桜葬を調べ、見学に出かけましょう。
実際に見ることができれば、自分の求めているお墓の形かどうか、しっかり判断することができるでしょう。
樹木葬を探す
まとめ
この記事では、桜葬の意味や特徴、具体例、桜葬を選ぶメリットやデメリットについて紹介しました。
以下に本記事のポイントをまとめます。
「桜葬」の特徴4点
- 桜の木をシンボルツリーとしてその周囲に埋骨する
- 宗教不問
- 継承者不要
- 合同供養祭が行われる
「桜葬」と「樹木葬」の違い
- 桜葬は基本的に集合墓
- 個別に植樹することはできない
桜葬のメリットポイント
- お花見時期のお墓参りが楽しい
- 多くの人に好まれる花なので親族にも受け入れられやすい
- シンボルツリーが枯れる心配が少ない
桜葬のデメリットポイント
- 個人エリアが狭い
- 好みの樹木を植えられない
- 春以外は見どころに乏しい
いかがでしたでしょうか。この記事が自分のお墓の選択肢として、桜葬を探す一助となれたなら幸いです。
自分亡き後、家族がお墓参りで素敵な想い出を作ってくれたなら。
桜葬は、そんな思いを叶えてくれるお墓です。
監修者コメント

監修者
終活・葬送ソーシャルワーカー
吉川美津子
墓石を使用せず、リーズナブルなお墓として人気のある樹木葬ですが、少しマイナス要素もお伝えしておきたいと思います。
「亡くなった父と母は樹木葬にしたい」と最初から明確な意思を持って、霊園見学に臨んだ方がいました。理由は「墓石を建てることに価値を感じない」「公園のような明るい墓地がいい」ということから。また「自分はひとりっこ(女子)。跡継ぎ不要である墓地がいい」というのも条件のひとつです。
結果からいうと、この方は樹木葬ではなく跡継ぎ不要でも買える墓地を選びました。いくかの樹木葬を見学しましたが、「自分が考えている弔い方法とは違う」というのが理由です。「合葬が悪いとは思いませんが、血縁、地縁でもなく、単に『安いから』といった理由で選ぶ人が多いことに抵抗を感じた」とのこと。「いずれ合葬になるとしても、自分が元気なうちは、私が父と母を弔っていきたい」と漏らしました。
民間霊園の中には、ガーデニングタイプの樹木葬も多くあります。こういったところでしたら、「○○家の墓」として個別に弔っていくことができます。