「医学の進歩のために…」献体と葬儀について

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葬儀の形態は数多くあります。また、亡くなった原因やご遺体の状態も、100人いれば100通りの状態があります。

自分が亡くなった後、医学の進歩のために自身の遺体を医療機関に捧げる人もなかにはいます。体を医学にいかす、貢献するという意味から、亡くなった際に体を医療機関に捧げることを「献体」と言います。

この記事では、医学の進歩のために献体をされた方の葬儀について取り上げます。一般的な葬儀と違いや献体をするときの流れを解説します。遺骨が遺族の手元に戻ってくるまでに時間がかかる、葬儀の際には遺体がないなど注意しなければならない点もあります。

この記事が少しでも「献体」を検討される人の参考になれば、幸いです。

献体とは

「献体」とは、医学の進歩や執刀医のために自らの体を死後に提供することをいいます。
自分自身の体を一つの「教材」とするものであり、解剖学の学部に自分の亡骸を提供するのです。

献体を行ったことによる見返りは、一切ありません。
無償・無条件での提供しか受け付けておらず、「死体を売ってお金にする」「自分が亡くなった後、家族に少しでもお金を遺したいから献体する」ということはできません。

臓器提供と同じように、献体は無償・無条件で行われるものなのです。
ちなみに、大学によっては文部科学大臣からの感謝状が贈られることもありますが、金銭的な見返りというのはまったくありません。

献体をした場合、医療に携わる学生などの手で解剖が行われます。
かつては歯学部や医学部の学生が解剖にあたっていましたが、現在ではこれも様変わりしています。

ここ15~20年ほどの間で、「歯学部や医学部を希望する人間だけでなく、理学療法士や言語聴覚士、看護師などを希望する人間も解剖に当たらせる」という学校も増えてきました。

実際に執刀する場合もあれば、見学というかたちをとることもあります。
この解剖は複数人で行うことが基本となっています。

紀元前320年のころにはすでに、人体解剖がなされていたとされています。
ただ、かつては刑死者などに対して行われていたものです。
日本では、「故人の希望」というかたちで解剖が始まったのは1868年からのことです。

私たちが普段享受している医療技術は、献体をされる方々の遺志によっても発展してきたといえます。

人は亡くなってしまえば、痛みは感じません。
「医学のために献体をしたい」と本人が希望すれば、それを叶えたいと考えるご遺族も多いことでしょう。

しかしながら献体されたご遺体は、必ずしも五体がそろっている状態ではなく、体の部位ごとにパーツ分けされることもあります。

また、亡くなった後の体とはいえ、「切る」という工程が必要になるわけですから、ご遺族のなかには、「たとえ故人が希望していたとしても、やはり嫌だ」と感じる人も多くいます。

このような感情の動きは、人間の心理として、当然理解できるものです。
そのため、故人が生前に献体を希望していた場合であっても、ご遺族がNOという意向を示された場合は、献体には至りません。

献体を希望するとしている家族がいる場合は、よく話し合っておくとよいでしょう。

献体をする場合のお葬式について

「故人が献体を希望しており、遺族もそれに賛同している」という場合は、「献体をする場合の葬儀」の方法や流れについて知っておくとよいでしょう。

これには、いくつかのパターンがあります。

  • 献体前に通夜・お葬式を行う
  • 遺体も遺骨もない状態で行う
  • 遺骨が戻ってきたら行う

の3パターンです。

献体前に通夜・お葬式を行う

恐らく、献体を希望される方の通夜・お葬式のなかでもっとも多いのがこのパターンでしょう。
献体・献眼に関する公益財団法人「不老会」でもこれを前提としています。

このやり方をとった場合の流れは、以下のようになります。

1.ご逝去後、献体登録をした大学機関などに連絡する

献体を希望されており、かつご遺族もその遺志を尊重するということで話がついているのであれば、故人が登録していた大学に連絡を行います。これは、「連絡用カード」に記されています。
大学などでは、基本的には48時間以内にご遺体をお迎えするというスタイルをとっています。
そのため、通夜・お葬式をしたいということであれば、48時間以内に行う必要があります。

2.当日中に通夜を行うのが基本

亡くなった時間にもよりますが、献体を希望する場合はしない場合に比べると時間的な余裕がありません。
そのため、亡くなった当日に通夜を行うことになります。
一般的な葬儀の場合は1~2日程度(特段の事情がある場合はそれ以上の日数がかかる場合もあります)で通夜をすることになるので、かなり違いは大きいといえるでしょう。

3.翌日に葬式・告別式を行う

通夜の翌日には、葬式・告別式が行われます。
通夜や葬式・告別式のときに、団体からの弔辞が読み上げられることもありますが(希望者のみ)、それ以外は一般的な通夜・お葬式と変わりありません。

4.葬式・告別式の後は火葬場ではなく献体先へ

献体と一般的な葬儀を分けるもっとも大きなポイントは、ここにあります。
通常の葬儀では、通夜・お葬式が終わった後は出棺、そして火葬場へと移動します。

火葬場でご遺体を荼毘(だび)に付している間に飲食をし、最後に納骨を行うことになります。
しかし献体の場合は、火葬をしてしまうわけにはいきません。

このため、ご遺体は献体先へと向かうことになります。
遺族・親族の考え方次第ではありますが、この後に精進落としの料理などをとる場合もあります。

5.ご遺体は献体先で保管され、荼毘(だび)に付される

ご遺体は献体先でしばらくの間保管されます。
実習の一環として解剖を行うわけですから、場合によっては保管期間が長くなることもあります。

医療の明日のために執刀されたご遺体は、献体先で責任を持って荼毘に付されます。
なお、遺族の立場であっても、火葬には立ち会うことはできません。
ちなみに、火葬費用は献体先が負担します。

6.献体先から連絡があったら、ご遺骨を受け取る

数年後(多くの場合は2~3年後)に、ご遺骨受け取りのための連絡があります。
連絡を受けた遺族が、ご遺骨を受け取ります。その後、お墓などに納骨することになります。

ご遺体もご遺骨もない状態で通夜・お葬式を行う

「通夜や葬式・告別式を行ってから送り出したいが、どうしても時間的に都合がつかない」などのような事情がある場合、「献体先にご遺体をお連れした後~ご遺骨が戻るまでの期間」で通夜や葬式・告別式を行うことになります。

「ご遺体はすでに献体先にあり、ご遺骨が戻るまでには数年かかる」という状況で通夜や葬式・告別式を行うので、故人の遺影などを飾って行うことになります。
この場合は、「お別れ会」などのようなかたちをとることが多いことでしょう。

献体後にご遺骨の状態で通夜・お葬式を行う

献体後、ご遺骨が戻ってきてから改めて通夜や葬式・告別式を行うやり方もあります。
ご遺体はありませんがご遺骨があるということ、また通夜や葬式・告別式のための十分な時間的余裕があるということで、この方法を選ぶ人もいます。

ただ、献体をした場合、当日すぐに荼毘にふすことはできません。
ご遺骨が遺族の手元に戻ってくるまでには数年かかるため、その後で改めて通夜や葬式・告別式を……ということになるので、一般的な葬儀のかたちとは大きく異なります。


この3つの方法は、「どれが優れており、どれが劣っている」というものではありません。
故人やご遺族の考え方、時間的な問題などを考慮して選んでいくとよいでしょう。

ただ、初めに紹介した「献体前に通夜や葬式・告別式を済ませる」という方法を選ぶ場合、時間的な猶予はありません。

献体を行わない一般的な葬儀であっても、時間的な余裕がなくなることは多いもの。
「(原則として)48時間」という時間的な制約がある献体は、それに輪をかけて「時間の足りなさ」が問題になってきやすいものです。

このため、これを希望するのであれば、事前に葬儀会社のアテを見つけておき、葬儀の規模などについても話し合っておくことをおすすめします。

検体に登録する手順

献体には、事前の登録が必要です。そのやり方についても見ていきましょう。

献体の会や大学から申込書を取り寄せる

献体を希望する場合、まずは献体の会や大学に申込をしなければなりません。
「日本篤志献体教会」「公益財団法人不老会」「日本歯科大学姓名歯学部白菊会」「国際医療福祉大学成田 献体の会」など、さまざまな組織が献体の申し込みを引き受けています。

それぞれで申込書やパンフレットは異なります。直接、会や大学に受け取りにいくことも可能なケースが多いのですが、現在は郵送で請求すれば家にまで案内書や入会申込書が届けられるので、これを使うとよいでしょう。

献体の申込書に記入する

書式に従って申込書を記入していきます。

「献体は遺族が了承した場合にのみ行われる」としていますが、申込書の段階でも家族(第三親等以内としているところが多い)の同意が求められます。

同意者の数については明示しているところもあれば明示していないところもありますが、「4人」としているところが多いようです。
ただし、もう少し基準がゆるやかなところもあります。

また、「20歳以上」「60歳以上」などのように、年齢制限が設けられているケースも多いため、チェックが必要です。
加えて、大学などでは、特定の地域に住んでいる人のみを対象としていることもあるので注意したいものです。

なお、献体は本人の意志によって行われるものです。
「火葬などの手間を大学に委任したいから、亡くなった後は献体したい」と家族が希望したとしても、本人が了承しなければ(あるいは本人の確認なしに)申し込むことはできません。

献体登録証を発行する

申込書を提出すると、しばらくした後に本部から「会員登録が終了した」という連絡が行われます。
入会申込書や会員証、連絡用カードが一式そろったものが多く、これに基づいて献体が行われるようになります。

なお、献体の申し込みが住んだ場合、同居の家族などにそれを伝えておきましょう。
入院する場合は、入院先の病院のスタッフ(医師や看護師)などに伝えるようにしてください。

献体ができないケースについて

献体は、基本的には本人の意志と家族の合意のもとで行われるものです。
しかしさまざまな理由で、本人の意志や遺族の同意があっても献体が断られる場合もあります。

(特定の)臓器提供を行う場合

「亡くなった後の体を、今後の医療のために役立てたい」と考えるとき、献体と同時に選択肢に上がってくるのが「臓器提供」です。

献体は自分の体を死後に解剖などに回して執刀の勉強に役立てるものであるのに対し、臓器提供は臓器を必要とする人に対して臓器を譲る行為のことを指します。

献体と臓器提供は、両方とも「だれかのために」「医療の発展あるいは今生きている人のために役立てるために」行われるものであり、大変尊い行為です。しかしこの2つには、違いもあります。

献体は、死後にしか行うことができません。
対して臓器提供は、脳死(心臓自体はまだ動いている)状態でも、心臓が止まった後でも行うことができます。

また、献体の場合は「本人の意志」がもっとも重要視され、本人の意志と家族の同意がなければ行うことはできません。

しかし臓器提供の場合は、本人の意志が確認できなくても、家族が合意すれば行うことができます。
さらに、「ご遺体がご家族の元から離れるまでの時間」にも違いがあります。臓器移植はできるだけ新鮮なうちに行うことが求められます。

対して献体は、防腐処理などの問題はあるものの、48時間程度までならばご家族と一緒に過ごすことができます。

「自分の死を、未来のために生かしたい」と考える人は、「臓器を提供した後の体を、今度は献体で使ってほしい」と思う可能性も高いことでしょう。
しかし、「臓器提供後のご遺体」については、一般的な献体とは異なり、制限がかかります。

法律では、遺族の承諾があれば、亡くなった方から眼球や腎臓を取り出して移植することができるとされています(特に眼球の提供は「献眼」と呼ばれています)。

しかし、献眼や腎臓移植手術を行った場合は、献体を行うことに制限がかかる腎臓を取り出してしまうと防腐処理が難しくなること、また目を摘出するとその部分の解剖ができなくなることが理由です。

「臓器提供後の献体は可能か不可能か」については、各組織で考え方が分かれています。
「献体を希望している場合でも献眼は受け付ける。ただし、その場合は献眼に関しては片方の目だけとする」
「献眼と腎臓移植をした場合は、献体は行えない」
「臓器提供と献体、両方を同時に登録することはできる。しかし死亡に際しては、どちらか片方だけを選んでもらうことになる」
「臓器提供をした後のご遺体に関しては、献体は不可とする」

などのように違いがみられるのです。

そのため、「臓器提供をして、かつ献体を行うのが絶対条件である」という場合は、それが可能かどうかを事前に確認しておくことがとても重要です。

事前に解剖が行われた場合

事前に解剖が行われた場合も、もちろん献体はできません。

一番わかりやすいのは、「司法解剖(しほうかいぼう)」でしょう。
事件性があるときに、死因や死亡時刻をはっきりさせるために行われるものであり、遺族の許可がなくても行える強制力を持った解剖を言います。解剖結果は裁判の証拠としても使われます。

また、事件性の疑いがないと考えられる場合でも、「行政解剖(ぎょうせいかいぼう)」が行われることがあります。

食中毒などが原因で死亡したと考えられる場合にも行われるものですが、こちらの方は原則として遺族の同意を必要とします。
ただし、すでに重大な被害が起こっている場合は、遺族の同意なく解剖することもできるとされています。

このような事前解剖が行われた場合、献体を行うことはできません。
ちなみに、事前解剖が行われていない場合であっても、ご遺体の損傷が大きい場合は献体ができません。

痛ましい交通事故、あるいは転落死などがこれにあたります。
加えて現在は、自ら命を絶った場合も献体をお断りする方向になっています。

感染症などで亡くなった場合

感染症にかかっている方が亡くなった場合も、献体を断られます。
ご遺体を執刀する過程で、執刀学生や教員などに感染する可能性が否定できないからです。
これはどこの大学・組織でも掲げている項目です。

具体的に病名を表記すると非常に長くなってしまうので、いくつか例を挙げます。

  • AIDS(エイズ)及びHIV感染症
  • B型肝炎やC型肝炎
  • 梅毒
  • クロイツフェルト・ヤコブ病
  • 結核

「自分の死に方」は、自分で選ぶことはできません。
献体を希望していたのに献体を行うことができない…というのはとても残念なことではありますが、感染症や事故などの場合はやむを得ないでしょう。

自分で行える事前の対策としては
「臓器提供を選ぶか献体を選ぶか(あるいはどちらも可能な組織を探すか)」だけだといえます。

献体をする場合の注意点

献体はとても尊い行為ではありますが、さまざまな注意点もあります。
それについて見ていきましょう。

葬儀代を浮かすために行うのはNG

しばしば、「献体を行えば葬儀費用が浮く」と言われることがあります。
しかしこれはまったく正しい話ではありません。

そもそも献体を行ったからといって、通夜や葬式・告別式の費用が変わるということはありません。
通夜や葬式・告別式を行う費用は、献体先の団体は一切負担しないのです。

献体先の団体が負担するのは

  1. ご遺体を献体先にお連れするときの費用
  2. 火葬費用と骨壺料金
  3. 希望した場合は納骨費用

の3つだけです。

このうちの1については、葬儀会社の基本プランに含まれています。
そのため、これによって金額が大きく上下するということはありません。

また、2の「火葬費用と骨壺料金」も、それほど大きな金額にはなりません。
火葬の費用というのは自治体ごとに違いがありますが、そこの自治体に所属する人であるならば6,000円~10,000円程度で利用できることが多く、料金も高くありません。

骨壺も、一般的なものは葬儀会社のプランに含まれています。
一般的な葬儀の場合、こだわろうと思えば10万円を超える骨壺を選ぶこともできますが、そのような骨壺を選ぶ人はそもそも葬儀費用を浮かす目的で献体を選ぶことはないでしょう。

3の場合は、お墓の費用や納骨堂の費用を浮かすことができるというメリットは確かにあります。
お墓の購入費用は100万円~200万円ほどもかかるのが一般的です。

このため、「先祖代々の墓に納めるのではなく、新しい墓をつくる必要がある」という場合は、大幅に必要費用を削ることができるでしょう。

ただ、ご遺骨は基本的には遺族に返されるものです。加えて現在では20,000円台から納骨を受け付けてくれる寺院もあります。
また、手元に骨壺を置いて供養し続けるということも可能です。

加えて、現在は献体を受け付けている団体の納骨堂も空きが少なくなっていっています。
このため、将来的に納骨が難しくなる可能性もあります。

また、これは非常に重要なのですが、献体はまったくの無償です。
献体を行ったからといって、なんらかの金銭的メリットが生じるということはありません。

このような事情があるため、「葬儀費用を浮かしたいから」という理由で献体を希望することはおすすめしません。
献体をする場合でも葬儀をするのであればお金はかかります。
また、火葬料金などを浮かすことができたとしても、その金額は微々たるものです。

献体はあくまで、無償で・無条件で、医療の進歩と未来の医師たちの技術習得のために行うべきものです。
費用を浮かすために行うものではありません。

解剖を行うには準備期間がある

献体をしても、すぐに解剖されるわけではありません。
現在は献体を希望する人の数も増えているため、献体後に解剖が行うまでにはしばらく時間があくことになります。

この期間は、一定ではありません。
ただ、ご遺骨が返ってくるまでには1~3年ほどもかかるということを考えれば、「献体をして数日後に執刀が行われる」ということはほとんど考えられないでしょう。

とある大学では「防腐期間として3か月間以上の日数が必要である」としています。

ちなみに、一度献体した場合、実際に解剖が行われるまでの間は献体先でご遺体は安置されることになります。しかしこの期間も、基本的にはご遺体との対面はできないと考えるべきでしょう。

献体を行う場合、献体先にご案内するまでの48時間(基本)が最後の対面の機会と考えた方がよさそうです。

ご遺骨が戻ってくるのは一般的に1年以上あと

献体をした場合、火葬は献体先で行ってくれます。
しかしこれも、「今日明日中」というわけにはいきません。
献体後、解剖を経て、そこからさらに火葬をするための手続きが必要になります。

そのためご遺骨が戻ってくるのはずっと後になります。
最短でも1年程度はかかると言われており、場合によっては3年以上かかることもあります。

納骨をするタイミングには、法律的な決まりはありません。
しかし仏教の場合は四十九日あるいは一周忌のタイミングで納骨をするご家庭が多いでしょう。

献体をした場合はこのようなタイミングで納骨することは難しく、ご遺骨が戻ってきたタイミングで改めて納骨をすることになります。

なお、「遺体は献体先にご案内した。遺骨が戻ってきたら、それを祀って通夜や葬式・告別式を行う」という場合は、当然ご遺骨の返却後に行われることになります。ご遺骨が返ってくるタイミングは、遺族にはわかりません。

また、その幅も「1年から3年程度」と幅広いので、予測をすることも困難です。
そのため、ご遺骨が手元に戻ってきたタイミングで通夜や葬式・告別式の日程を決めていかなければなりません。

またこの際は、実際に肉親が亡くなった場合とは異なり、忌引き扱いにしてくれる会社はごく少数だといえるでしょう。
そのため、葬儀の日程を決めるときに難航する可能性があります。

「献体前に通夜や葬式・告別式を行うのが一般的である」とされているのは、このようなことも理由なのかもしれません。

家族の同意が必要になる

献体は、本人の意志も重要ですが、家族の意向も非常に重要です。
たとえ本人が献体を希望していたとしても、家族がNOといえば献体を行うことはできません。

「家族の同意の基準」は、各団体で異なります。
献体を扱う団体はどこも「家族の同意が必要である」としていますが、その基準はまちまちです。

  • 4人以上の同意が必要
  • 三親等以内の人間の同意が必要
  • 遠い親戚であっても構わないが、2人以上の同意が必要
  • 家族全員の同意が必要であり、1人でも反対する場合に献体は不可
  • 「家族の同意が必要」とはしているものの、明確にその人数や条件まではホームページには明記していない

など、それぞれで考え方が異なります。

ただ、基準が緩いところであっても、家族の意向を無視して献体をしたとなれば、後々まで遺族の気持ちにわだかまりとなって残りかねません。
献体を希望する場合は、必ず家族と話しあうようにしてください。

まとめ

献体とは、医学の進歩や医療を志す人の勉強のために逝去後の遺体を提供することを言います。
ご遺体を解剖することで、知識と技術をつけていくわけです。

献体を行う場合、

  1. 献体の前に通夜や葬式・告別式を行う
  2. 献体後、ご遺骨もない状態でお別れ会を行う
  3. ご遺骨が戻ってきた後に行う

の3パターンのやり方で葬儀が行われるのが基本です。

ただ2番の場合はご遺体もご遺骨もないなかで行うことになりますし、3番の場合はご遺骨が返ってくるまでの1~3年間は葬儀を行えないというデメリットがあります。

そのため、「基本的には48時間以内に献体先にご遺体をご案内しなければならない」という制限はあるものの、1番のやり方がとられることが多いことでしょう。

献体をした場合、火葬場には向かわずに献体先に向かうことになります。
ここでしばらく保管された後、解剖に回されます。
解剖が終われば献体先で火葬を行い、骨壺に納めることになります。

火葬費用や骨壺の料金、そして希望した場合は納骨までを献体先が負担してくれるため、献体はしばしば「費用が安く上がる弔い方法だ」と言われます。
たしかに、お墓を一から建てることを考えれば安く済むでしょう。

しかし現在は20,000円台からでも納骨をしてくれる寺院もあります。
また、火葬や骨壺にかかる費用は、葬儀会社のセットプランに含まれているのが基本です。

たとえ割引になったとしても金額自体がそれほど大きくはないので、「大幅な費用負担の軽減」にはなりません。通夜や葬式・告別式の費用は、一般の葬儀と同じく、喪主側が負担することになるからです。

また、献体には遺族の同意が必要ですし、ご遺骨が返ってくるまでに数年かかる場合もあります。

本人と遺族が納得していても、

  • 臓器提供を希望する場合は制限がかかる
  • 事前の申し込みが必要
  • 司法解剖などがされた場合は献体不可
  • 感染症にり患していた

などのケースの場合、献体を行うことはできません。

なお献体にかかる条件は、献体先の団体によって大きく変わります。
不安な点があるのであれば、一度確認しておくようにすると安心です。

特に、「臓器提供をどう見るか」「同意者の数や関係性」については、団体ごとの違いがみられやすい部分です。

献体とは、無償・無条件で死後の自分の体を団体に引き渡し、医療の発展のために寄与しようという考え方の元で行われるものです。

遺族の感情としては複雑なものがあるのは当然ですが、できるかぎり、故人の遺志を尊重してあげたいものですね。

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