霊柩車の成り立ちと種類、現在の使われ方について

スポンサーリンク
宮型霊柩車アイキャッチ

「霊柩車(れいきゅうしゃ)」は、ご遺体を運ぶために使用される車です。
この車はかつて日本各地にみられたものであり、「霊柩車が通った時には親指を隠さないと連れていかれるぞ」という話を聞いたことのある人も多いことでしょう。

今回は、この「霊柩車」について取り上げていきます。

なお、ここで取り上げる「霊柩車」は、特段の記載がない限り、「屋敷型の屋根が取り付けられているもの」をさしています。

霊柩車とは葬儀場から火葬場まで故人を運ぶ車

霊柩車は、葬儀会場(現在は葬儀業者が持っている葬儀会場を利用することも多い)から火葬場に行くときに使う車です。
ご遺体と、多くの場合はご家族を乗せて運ぶために使われる車をいいます。
多くの場合、宮型の飾りが上に乗せられており、色も金色の装飾がなされるなど、非常に独創的な外見をしています。

しばしば誤解されますが、これは病院から自宅(あるいは葬儀会場)に故人をお連れする際に使う車ではありません。
こちらは「寝台車」と呼ばれるものを利用することが多く、棺を運ぶことを目的とした霊柩車とは区別されるのが基本です。

寝台車の場合は霊柩車とは異なり、非常に落ち着いたデザインをしています。
長さがあるだけで、一般の乗用車と変わらないかたちをしているため、霊柩車のような飾りつけはなされていません。

葬式・告別式の後に、霊柩車には棺が入れられます。
かつてはご家族・ご親族の男性たちが霊柩車まで棺を運び、そして中に安置していましたが、今はストレッチャーを使ったり葬儀会社のスタッフが行ったりすることも多くなっています。

霊柩車は「棺を運ぶこと」を第一の目的としているため、通常の霊柩車の場合は乗れる人数が2~5人くらいです。
骨壺や遺影を持った人が助手席に乗る場合が多く、故人と極めて近しい人だけが乗車します。
そのため、それ以外の「火葬場に行くべき親族」は、マイクロバスなどで移動するのが基本です。

葬儀会場の場所にもよりますが、霊柩車に乗っている時間はそれほど長くはありません。
また居住性もしっかり考えて作られているものであるため、乗り心地も決して悪くはありません。

葬儀会社を経由して葬儀を行う場合、職業運転手がハンドルを握ることになります。
霊柩車の運転は、第二種免許(タクシーなどを運転することのできる資格)を持っている人が担当することが多いといえます。
第一種免許(一般的な免許)でも霊柩車自体を運転することはできますが、ご家族を乗せることはできません。

ご家族の心情として、当然ではありますが、「できるだけ故人の側にいたい」というものがありますから、普段はタクシー運転手として仕事をしている人にお願いすることが基本です。
葬儀会社では、特定のタクシー業者と契約し、必要があった際に都度要請してきてもらう、としているところも見られます。このため、運転技術の面でも安心して任せることができます。

霊柩車が生まれたのは大正時代から

霊柩車の歴史を知るためには、まずは「葬儀というものがどのように始まったか」までさかのぼる必要がります。昔は、今ほど火葬設備などが整っていませんでした。

そのため、亡くなった人は輿(こし)に乗せられ、人力で運び、そこで火をつけて火葬にしていました。
野辺送り(のべおくり)あるいは野辺の送りと言われてきたものであり、このときにはご家族やご親族ももちろん同行しました。

この野辺送りの風習は現在では見られなくなりました。
火葬場や霊柩車がよく整備されるようになったからです。

しかし考え方自体は、「霊柩車に棺を入れて火葬場まで運ぶ=人力で棺を担ぎ火葬できるところまで運ぶ」「ご家族・ご親族が霊柩車やマイクロバスに乗って火葬場まで移動する=ご家族・ご親族が徒歩で火葬できるところまで移動する」というかたちで残っています。

また、霊柩車が大きな屋敷型の装飾がなされるのは、故人を運んだかつての「輿」を踏まえているのだといわれています。

昔行われていた葬儀のやり方を踏まえたかたちで展開してきた霊柩車ですが、その歴史は意外なほどに浅いものです。
霊柩車が日本で見られるようになったのは、大正時代になってからです。

それ以前もアメリカでは霊柩車が使われていたそうで、それが大阪に入ってきたことによって日本でも霊柩車文化ができたといわれています。
アメリカの霊柩車には当然屋敷型の装飾はついていません。

上でも述べたように、日本の霊柩車のかたちは、日本の葬送儀礼や葬送の歴史を踏まえるようにして日本独自に発展・変化していったわけです。

このような変化は、本来は「通夜」の概念がなかったキリスト教が日本に広まっていくうちに仏教などのように「通夜祭」を行うようになったことにも似ています。
海外から入ってきた文化が、日本らしい、日本人になじみ深いかたちに変わっていったのです。

霊柩車は大きく分けて4種類

ここまでは、「霊柩車=屋敷のような飾りつけがされており、葬儀会場から火葬場に向かう際に使われるもの」という意味で解説していきました。
しかし、「霊柩車」は、実は4つのかたちに分けられます。そしてそのなかには、この前提とは異なるものもあります。

1つずつ見ていきましょう。

宮型霊柩車

まず、「宮型霊柩車」です。「輿型霊柩車」などのように記されることもあります。
これは、ここまででも取り上げてきた、車の後ろ側に屋敷(輿・宮)型の飾りがついたものです。
通常ならば後部座席にあたる部分に棺を入れられるようになっているのが特徴です。

この「宮型霊柩車」は、地方性がみられることでも知られています。
たとえば名古屋のものは伝統を引き継いだものであり、関西のものは白木で作られているなどの特徴があります。もっともこれらの特徴は、あくまで「そのような傾向がある」という程度の話です。

たとえば神沢型霊柩車などは「非常に派手であり、金沢地方にのみ見られる」とありますが、石川県の金沢周辺の葬儀会社ではこのようなかたちの霊柩車は特に使っていない、というところもあります。

現在このような装飾を施した霊柩車は少なくなってきています。
しかしほかの霊柩車とは異なり一目見たらすぐに霊柩車だということがわかるため、多くの人が「霊柩車」と聞いてまず真っ先に思い浮かべるのはこのタイプの霊柩車でしょう。
「霊柩車を見たら親指を隠しなさい」といわれるのもこのタイプです。

ちなみにこのタイプの霊柩車は、基本的には「運転手のほかに同乗できるのは1名だけ」という場合が多いのが特徴です。助手席に1名だけが乗り、後はご遺体を安置します(ご遺体は「乗員」としてはカウントしません)。

そのため、喪主が乗り込むことが一般的です。その際には、遺影や骨壺、あるいは位牌のいずれか(あるいはその全て)を持って乗ることになるでしょう。

「母が亡くなった。喪主は父、子どもが2人」というような場合は、「家族」に分類される子どもたちであっても、別の交通手段(マイクロバスなど)で移動することになります。

洋型霊柩車

現在よく使われるようになったのが、「洋型霊柩車」と呼ばれるものです。
日本式の霊柩車にある「宮部分」がないものであり、普通のリムジンの上に覆いが掛けられているような外見をしています。

クラウンやボルボ、ベンツといった車をベースとして改造されて作られることが多い霊柩車のかたちであり、なかには、「霊柩車である」と言われなければそれとはわからないものもあります。

霊柩車の場合、宮型のものとは異なり、乗員定員数が多く設定されていることが多いようです。
運転手以外にも2名ほど乗ることのできるものが多く、「家族」を乗せて移動することができます。
また、定員数が4名以上のものもあります。

バス型霊柩車

「霊柩車には棺や極めて近しい家族だけを乗せていき、親戚はマイクロバスなどで火葬場に移動する」というのが現在の基本スタイルです。しかしごく一部には、「バス型霊柩車」と呼ばれるものがあります。

これは、ご遺体をお乗せすることができるバスであり、さらにそこにご遺族・ご親族も乗ることができるタイプの車です。
かなり特殊なかたちですが、火葬場への距離が長いところや、雪国などで使われることがあります。

ただ、「雪国にある葬儀会社ならば、どこもこのバス型霊柩車を持っている」というわけではありません。
「冬の時期はたしかに雪が非常によく積もる。ただ、スノータイヤで十分に対応できるので、そのようにしている。

後続のマイクロバスも同じくスノータイヤを履かせているので、冬であっても通常の霊柩車で移動するという葬儀会社もあります。

「どうしても家族・親族全員で故人と一緒に移動したい」などの希望があり、バス型霊柩車をお願いしたいということであれば、事前に葬儀会社に必ず確認するようにしてください。

バン型霊柩車

通常、霊柩車とは「ご遺体をお運びするための車」として使われます。
そのため、病院からご自宅(あるいは葬儀会場)に故人をお連れするときは寝台車を使うのが基本です。

寝台車は霊柩車のような目立つ装飾もなく、病院に停めても違和感はありません。
「病院」という人の生死に直に触れる場所においては、「死」を強く連想させる霊柩車は適さないという判断もあるのかもしれません。

ただ、現在は「寝台車」と「霊柩車」の境目があいまいにもなっています。
洋型霊柩車ならば宮型霊柩車ほどは目立ちませんし、一般的な車とほとんど変わらない「寝台車と分類分けすることが難しい霊柩車」も出ています。それが、バン型霊柩車と呼ばれるものです。

これは名前こそ「霊柩車」とされていますが、実際には寝台車として使われることが多いものであり、マツダやトヨタといった使いやすい車メーカーのものがよく選ばれています。

霊柩車は自分で選べる?

霊柩車にはいくつかの種類がありますが、ご遺族・ご家族が気にするのは、特に「霊柩車は自分で選べるのかどうか」という点でしょう。
あまり話題に上りにくい点でもありますが、ここではそれを解説していきます。

宮型霊柩車は、仏式あるいは神式であることを強く意識させるものです。
西欧の宗教という感覚が強いキリスト教では、この宮型霊柩車を使うのは少し違和感がある人もいるでしょう。
もともと、海外にはなかった「宮型」「屋敷型」の霊柩車の文化は、日本の宗教観に合わせてつくられたものでもあります。

ただ、「洋型の霊柩車はキリスト教あるいは無宗教の葬儀でしか使えない」というようなことはなく、仏教・神式の葬儀であっても、希望すれば問題なく選ぶことができます。

また、「目立たせたくない」「霊柩車だとすぐにわかるデザインのものは選びたくない」「家族葬なので、もっとひっそりと送りたい」と考える人もいます。
このようなニーズを受けて、大手の葬儀会社では、「宮型霊柩車も用意できるが、洋型霊柩車も同じように取り扱っている」というところが多くあります。

つまり、故人あるいはご遺族・ご親族の希望によって、霊柩車を選び分けることができるわけです。
なお、両方ともの霊柩車を葬儀会社が持っている場合、どちらを選んでも原則として費用は変わらないと考えておいてよいでしょう。

ただ、一度確認すると安心です。
なお、「関西タイプの、あるいは関東タイプの霊柩車を希望する」などの要望があるのなら、早い段階で伝えておきましょう。

なお、このような希望については、「そのタイプの霊柩車を手配する」と即答できる葬儀会社ばかりではないと思われます。

宮型霊柩車と洋型霊柩車は、霊柩車のなかではもっともメジャーなものです。
このため、主たる葬儀会社は、この2つは持っているあるいは確保できる状態にあるのが普通です。

しかし、「バス型霊柩車」の場合は、持っている葬儀会社自体が非常に少ないということは意識しておかなければなりません。
それでもご遺族の強い希望があれば葬儀会社の方もなんとか手配できるように尽力はするはずですが、基本的には難しいと考えておくべきでしょう。

「親族全員から愛された人で、わずかな時間であってもどうしても棺から離れたくないとみんなが言っている」などのようなケースで、「バス型霊柩車を選ぶこと」が第一の条件であるのなら、「この要望に対応可能かどうか」で葬儀会社を探した方が良いでしょう。

なおその際は、「マイクロバスでみんなで移動したい、というわけではなく、故人を乗せたバスで全員で移動したいのだ」とはっきりと伝えてください。

マイクロバスはどこの葬儀会社も持っている(確保できる)うえ、このように「バス型霊柩車を希望する問い合わせ」自体が非常にイレギュラーなものですから、単純に「バスの霊柩車で移動したい」などと告げた場合、葬儀会社が誤った判断をする可能性もあります。

また、「バス型ほどではないが、家族みんなで棺と一緒に霊柩車に乗りたい」ということであれば、その希望も伝えるようにしてください。
4人乗り程度の霊柩車ならば確保できるという葬儀会社は珍しくありません。
いずれにせよ、早い段階で希望を伝えることが何よりも大切です。

故人を霊柩車に乗せるまでの流れと立会

故人を霊柩車に乗せるまでの手順をお教えします。
なお、ここからの「霊柩車」は、今まで通り、「宮型の霊柩車であり、乗ることのできる人数は1~4人程度。
病院→自宅(葬儀会場)に行くときに使うのではなく、葬儀会場→火葬場に行くときに使うもの。
宗教は仏教」と考えてください。

霊柩車は、火葬場に行くときに使うものですから、通夜のときには使いません。
使われるのは葬式・告別式のときだけです。

1.葬式・告別式が始まる

僧侶が入場し、葬式が始まります。

2.読経が始まり、弔電などの疲労が行われる

僧侶による読経が始まります。
このタイミングで、弔電が読み上げられたり弔辞を奉じたりします。

3.焼香

喪主→ご遺族→ご親族→一般弔問客の順番で焼香をしていきます。
厳密にいえば焼香のやり方は宗派によって異なりますが、ご遺族のやり方を真似すれば問題ありません。

4.僧侶退場

僧侶が退場し、葬式は一度終わります。

5.花をお入れする

棺の中に花を入れていきます。ご家族やご親族が中心となって行われます。
「参列者もお花を入れるのかどうか」ですが、これは葬儀会社によって考え方に違いがみられます。

  • 焼香のときのように、特段の事情がない限りは全員で入れることを原則とする。
    葬儀会社のスタッフも案内する
  • お誘いがあった場合は参加する
  • 原則としてご家族やご親族のみで行う

また、「祭壇を飾っていた花を抜いて棺に入れるのか、それとも棺に入れる用の花を用意してあるのか」も業者によって違いがみられます(棺に入れる用の花を用意していて、それがなくなったら祭壇から抜くというやり方をとることもあります)。
周りの雰囲気や葬儀会社のスタッフの案内に従うようにしましょう。

ちなみにこのときには、写真などを入れるケースもあります。
かつては、「写真に一緒に写っている人が連れていかれてしまうから、入れてはいけない」などのように思われていましたが、現在では「故人が寂しくないように」という意味で入れるのであればそれはそれでよいのではないかと考える人もたくさんいます。

6.喪主のあいさつがある

喪主からのあいさつが行われます。これは5と前後することもあります。

7.出棺

棺を葬儀会場から出して霊柩車に乗せます。
この前にくぎ打ちを行うこともありますが、現在は行わないもしくはかたちだけで実際には打たないというやり方が主流になっています。

棺は、かつては親族の男性が運んでいましたが、現在はストレッチャーを使って霊柩車の前までお運びするやり方もよくとられるようになりました。
また、霊柩車に乗せるときも、葬儀会社のスタッフが行うところも見られます。

8.ご遺族・ご親族が車に乗りこむ

この前に一度霊柩車の前で整列して、参列者に対してお辞儀をしたり簡単なあいさつをしたりする場合もあります。

9.お見送り

ご遺族・ご親族が車に乗り込み、出車します。
このとき、長くクラクションを鳴らしてから霊柩車を動かすやり方をとる葬儀会社もあります。

マイクロバスは霊柩車の後ろをついていくようなかたちで動かされるケースが多いと思われます。
お見送りの際は、参列者は手を合わせて見送ります。
その場にいる葬儀会社のスタッフも同じようにしていることが多いでしょう。

火葬場での立会

火葬場についたら、霊柩車の役目は終わりです。
棺は火葬場のスタッフがお出迎えすることが多いのですが、このあたりはケースによって異なります。

葬儀会社のスタッフがマイクロバスに同乗している場合はそれに従うこともあるので、喪主・遺族の立場の場合は、どのような手順で案内がされるのかを確認しておきましょう。

棺が運び込まれると、炉の前まで棺・ご遺族・ご親族で移動します。
炉の前で最後のお別れをすることになります。

僧侶が同行している場合は(仏教の場合は、特段の事情がない限り同行します。
ただ、僧侶は自分の車で移動するケースも多く見られます)読経をして、焼香やお別れの言葉をかけます。
花束などが置かれることもあります。

この後に炉に入れられるわけですが、「炉のスイッチをだれが押すか」という問題も出てきます。多くの場所では火葬場のスタッフがこれを担当しますが、一部の地域では喪主が担当することもあります。

火葬が終わるまでには、1時間~2時間程度の時間が必要です。
この時間は、待合室やロビーで過ごすことになります。

軽食をとることもよくあります。
また、この「軽食」は、出された供物のなかからお菓子を選んで盛りつけられることもあります。
それ以外のケースでは、火葬場用のお菓子を小さな小包みのようにして持っていくこともあります。

焼き上がった後は、収骨が行われます。
1つのお骨を2人が箸で挟んで納めていくのが基本ですが、現在は1人ずつ入れるやり方もよくとられます。

お骨を納める順番はケースによって多少異なることはありますが、一般的に、足の骨から入れていって頭蓋骨で蓋をするようにして納めるのが一般的です。なお順番は、「血のつながりが濃い人」の順番です。
この後には埋葬許可証(納骨をするために必要な書類)を受け取ります。

この後葬儀会場に帰り、繰り上げ初七日法要や繰り上げの精進落としを行うのが一般的です(会場を変える場合もあります)。それが終われば解散です。

ピンク色など個性的な霊柩車がある

霊柩車は、葬儀という非常に多くのしきたりがある儀式と密接に関係するものです。
そのため、洋型霊柩車の普及などはありますが、基本的には「黒や金色で彩られた」「喪を意識させるもの」です。

しかし現在、霊柩車にも非常に個性的なものが出ています。
鹿児島県にある大和葬儀社や佐賀県にある唐津公善社が扱う「ピンク色の霊柩車」がそれです。

「故人がピンク色を愛していた」「賑やかに送り出したい」などの理由で選ばれるもので、月に2~4回ほど稼働しているのだとか。ちなみに大和葬儀社では紫色の霊柩車も扱っています。

このような霊柩車は、当然賛否両論はあるでしょう。
しかし葬儀が、「故人が家族に対して残す最後の思い出」「家族が(肉体を持った)故人にできる最後の孝行」であるのなら、故人らしい色、にぎにぎしく送ることのできる色の霊柩車を選ぶのは決して咎めたてられるべきではありません。

現在はまだまだ「黒以外の色のついた霊柩車」は普及しきってはいませんが、10年後、20年後には、ピンク色の霊柩車はもとより、ほかの色の霊柩車も見られるようになるかもしれませんね。

出展:GAZOO「どんな人が利用? ピンククラウン霊柩車がある葬儀社に聞いてみた」

霊柩車を見かける頻度が減っている理由

現在、宮型霊柩車は目にすることが少なくなっています。
ここ20年近くの間にその数は3分の1程度になったとも言われており、大きく数を減らしました。

1.外見の問題

その理由はいくつかありますが、そのなかでもっとも大きいのはやはり「特徴的な外見が、近隣住民からよく思われない」ということにあるでしょう。

宮型霊柩車は洋型霊柩車とは異なり、すぐにそれと分かる外見をしています。
また装飾も派手であり、どうしても目立ってしまいます。1か月に1~2回程度目にするだけならばだれも気にしないと思われますが、火葬場の近くや葬儀式場の近くに住んでいると頻繁に目にすることになります。

「死」を連想させるものとして、配慮が求められるようになるのは、ある意味では仕方のないことだといえます。また、「霊柩車が出るときに鳴らす」とされているクラクションも、近隣住民への配慮から鳴らすことはしていないという葬儀会社もあります。

2.費用の問題

宮型の霊柩車は、装飾が必要であるため非常に高額です。
金箔加工や彫刻加工を必要とするものも多く、洋型霊柩車と比べて製作費が2倍~3倍程度になることも珍しくありません。
また、ランニングコストも高くなる傾向にあり、決して経済的な乗り物とはいえないわけです。

このような理由から、宮型の霊柩車はその数を減らしています。
葬儀のかたちが移り変わり多様化し、そして周囲への配慮が強く求められるようになった現在、霊柩車は徐々に姿を消していく「すたれゆく文化」なのかもしれません。

出展:フジテレビ「街中から消えていく“豪華霊柩車”  その驚きの行き先とは!?」

まとめ

霊柩車とは、葬儀会場から火葬場に向かう際に使われる車です。
大正時代に生まれたもので、もともとは外国の文化でした。
しかし日本の文化性に合わせるようにして、屋敷のような飾りを上に乗せた「宮型霊柩車」が誕生しました。

現在、霊柩車は大きく分けて4通りあります。

  • 宮型霊柩車
  • 洋型霊柩車
  • バス型霊柩車
  • バン型霊柩車

です。

宮型霊柩車は上に飾りつけがなされたもので、非常に派手です。
仏教葬儀などとよく合うものです。

洋型霊柩車は飾り気のないシンプルなもので、どんな宗教でも使えます。
バス型霊柩車は、家族だけでなく親族とともに移動できるというメリットがあります。
ただし、扱っている葬儀社は限られています。
バン型霊柩車は、寝台車としての性格も持つものです。ぱっと見ただけでは、霊柩車とは分かりません。

葬式・告別式が終わった後、棺は霊柩車に運び入れられます。
かつては親族の男性が運ぶのが基本でしたが、今はストレッチャーや葬儀会社スタッフが運び入れを行う場合もあります。
火葬場に棺をお運びしたら、後は火葬場のスタッフが中心となって事を進める場合が多いと思われます。

現在は、「その人らしい送り方ができる手段」として、ピンクの霊柩車なども出ています。
一方、コスト面でも周囲の人の心情的な面でも扱いが難しい宮型霊柩車は、その稼働台数のデータが大きく落ち込んでいっています。
かつて日本全国を走っていた宮型霊柩車は、今やすたれゆく文化だといえるのかもしれません。

一口にお墓・霊園と言っても、豊かな自然を背景にしたり、規模や宗派だけではない様々な特色があります。
お住まいの地域・ご実家の近隣などで、どんな霊園があるかご覧になってはいかがでしょうか?

スポンサーリンク
  • このエントリーをはてなブックマークに追加