「葬式の進行」について~プロが教える葬式の所要時間と日時の決め方

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通夜、葬式の進行や注意点、日程決めのルールを知っておきましょう

葬儀場のスタッフなどでない限り、葬式に対して「慣れている」という人はいないでしょう。
そのため、さまざまなことで戸惑います。
今回はその戸惑いのなかから、「時間」について取り上げます。

葬式のタイムスケジュール、通夜や葬儀の日程を決めるときのポイントを遺族側から見ていくとともに、参列者側に立ったときのことも見ていきます。

葬儀は通夜と葬式・告別式を2日間で行う場合が多い

現在は、通夜と葬式・告別式は2日間に分けて行われることが一般的です。葬祭業務に関わっている人間の体感としては、90パーセント以上の確率で、「通夜を行い、翌日に葬式・告別式を行う」というスタイルがとられているように思われます。

これはあくまで体感的なものではありますが、家族葬であっても、簡単な通夜を行うことが多いでしょう。ごくまれに、「できるかぎり簡素にしたい」という強い希望がある場合にのみ通夜をしないことがあると理解しておくのが正しいといえます。

さて、かつて「通夜」は、言葉通り、夜を通して行われるものでした。しかし現在はこのあり方はもう廃れており17時~21時くらいから通夜が行われ(特に多い時間帯は18時~20時でしょう)、その後の通夜振る舞いに参加したのちに参列者は帰宅する、というかたちが一般的になっています。

かつてはこのような17時~21時に行われる通夜を「半通夜(はんつや)」と呼んでいましたが、夜通し行われる通夜が廃れたため、現在では「通夜」といえば基本的にはこの「17時~21時くらいに行われる式」を指すようになりました。

また、現在は「火の番」をすることも少なくなってきたため(安全のため、現在は本物のろうそくを使わず、寝る前には電気式のろうそくを使っている葬儀式場/宿泊施設も多く見られます)、家族も翌日の葬儀に備えて眠る、ということも多くなっています。

もっとも、参列者を招いて行う「通夜」が終わった後に、本当に家族だけで寝ずの番を行うこともありますし、また「気持ち的に眠れない」「故人と過ごす最後の夜なので、できるだけ側で語り合いたい」ということで起きている人もいます。

葬式・告別式は、多くのケースで通夜の翌日に行われます。数日おいてから行われることもありますが、特段記載がない限り、以下の記事では「通夜の翌日に葬式・告別式が行われるもの」と考えておいてください。

葬式・告別式の場合、通夜に比べて、「開始時間」にばらつきがみられます。10時~11時くらいに開始されることが比較的多いのですが、9時台から行われることもあれば、14時すぎから行われることもあります。このあたりは葬儀式場との兼ね合いもあります。

1日目:通夜の流れと所要時間

通夜の流れについて見ていきましょう。

通夜は、多くの場合、亡くなった翌日に行われます。ただ、亡くなった当日に行われたり、また2日後に行われたりすることもあります(火葬場の都合などによっては、3日目以降になることもあります。特に都心部ではこのようなことがたびたびあります)。

加えて、通夜の流れは宗教ごとによって多少違いがあります。
ただ、ここでは「仏教」の式の流れについて取り上げましょう。

1.参列者受付

遺族が受付に立つこともありますが、町内の人や遺族の会社の人などにお願いすることが比較的多いでしょう。もしくは親族(「家族」ではなく)が行うケースもあります。

「参列してくださる方にごあいさつをしたい」ということであれば、「受付係」をするのではなく、受付の横に立ってごあいさつをするようにするとよいでしょう。「受付係」をやっている状態で話し込んでしまうと、混雑を招くからです。

2.着席

遺族親族・参列者が着席します。遺族親族が先に座っていて中で参列者のあいさつを受けることもありますが、このあたりはケースバイケースでしょう。
遅れてくる人もいるかもしれませんので、受付には1人は人を残しておきます。このような都合もあるため、やはり受付係を「家族」が行うのは望ましくありません。

3.宗教者(導師・僧侶)入場

音楽などにあわせて、宗教者(導師・僧侶)が入場します。起立をして迎えたり、座ったまま迎えたり、合掌して迎えたりと、その迎え方はさまざまです。この後は葬儀式場のスタッフの案内に従い、起立着席、おじぎなどを行っていくことになります。

4.読経が始まる

読経が始まります。読経を聞くだけというところもありますが、この間に順次焼香を行っていくこともあります。焼香を行う場合は、遺族→親族→弔問客 の順番で行うのが一般的です。

5.法話

読経が終わったのちに、法話が行われます。仏教の死生観をわかりやすく説いていくものであり、わかりやすくありがたいお話が聞けます。

6.宗教者(導師・僧侶)退場

入場のときに起立してお迎えした場合は起立して、合掌でお迎えした場合は合掌をしてお見送りします。これも、葬儀式場のスタッフから案内があるでしょう。

7.あいさつ

多くの場合、喪主のあいさつが最後に行われます。一般的にはこのあいさつは喪主が行いますが、喪主が精神的なダメージを強く受けていたり、人前で話すことが苦手だからと固辞したりした場合は、ほかの親族があいさつをすることもあります。

また、通夜の場合は、このあいさつのときに翌日の葬式・告別式の案内を行うことがあります。

8.お見送りと通夜振る舞い

お見送りをします。また、通夜振る舞いを行うという場合は、遺族・親族は通夜振る舞いを行う部屋に移動します。通夜振る舞いがある旨は葬儀会社のスタッフも案内をしますが、「特にこの人にはぜひ来ていただきたい」という人がいるのであれば、遺族・親族が直接声をかけてもよいでしょう。

また、通夜振る舞いのときには、遺族・親族は、積極的にテーブルを回ってあいさつを行いましょう。


通夜にかかる時間は、参列者の数などによって大きく異なります。また、式の進行の進め方によっても変わってきます。ただ、こじんまりしたお式では45分程度、大勢の方がいらっしゃる場合は3時間ほどでしょう。一般的なのは、1時間~2時間程度でしょう。
通夜振る舞いも人数や遺族・親族の意向によって左右されますが、1~2時間程度が一般的です。

2日目:葬式・告別式の流れと所要時間

葬式・告別式の流れについて見ていきます。

1.参列者受付

通夜と同じように行います。多くの場合、通夜で使った受付台がそのまま使える(ホールの片隅などに寄せられていることが多いかと思われます)ので、通夜のときよりも準備は簡単でしょう。

2.着席

3.宗教者入場

4.読経・焼香・弔電や弔辞の読み上げ

このあたりは通夜のときとほとんど変わりありません。弔電の読み上げは、読経~焼香の最中に行われることもあれば、焼香の前に行われることもあります。また、6の「宗教者(導師・僧侶)退場」のあと、喪主のあいさつの直前に読み上げられることもあります。
このあたりは、葬儀会社によって異なるでしょう。

5.宗教者法話

6.宗教者(導師・僧侶)退場

7.喪主のあいさつ・閉会

喪主からのあいさつが行われます。これが終わると同時に、閉会を告げる旨がアナウンスされます。

8.お別れ

棺にお花を入れます。火葬場に行くのは、原則として遺族・親族・遺族や故人が特に親しかった人だけですから、参列者の方にとっては、これが故人との最後のお別れになります。

9.出棺

出棺は、棺を動かすためのキャスター付きの台(特に「棺台車」と呼ばれます)で行われることもあれば、親族(主に男性)が担ぎ上げて持っていくこともあります。また、人数が足りない場合は、葬儀会社の男性スタッフが行う場合もあります。

10.棺を車に乗せる

霊柩車に棺を乗せます。家族、特に遺影を持つ人が霊柩車に同乗します。「何人乗れるか」は霊柩車によって異なるため、事前に確認しておいた方がよいでしょう。乗り切れない親族は個々人の車で火葬場に向かうこともありますが、マイクロバスなどを使って移動することもあります。

11.火葬場到着~焼き上げ~収骨

所要時間は、通夜同様、参列者の数によって異なります。これも、1~2時間程度を基準として、短い場合で45分程度、長い場合で3時間程度でしょう。

火葬場の所要時間は、1~2時間程度です。その間は、控え室で軽食をとって待つことになります。収骨が終わったら会場を移し(現在は葬儀式場に戻ることが多いかと思われます)、初七日法要までを済ませ、精進落としを行うのが一般的な流れです。

葬儀日程の決め方

このように、葬式はかなり時間のかかるものです。ではこの「葬式の日程」はどのように決めたらよいのでしょうか。

現在は大多数の人が病院でお亡くなりになります。そのため、病院から直接葬儀会社に連絡をして、そこで日取りを決めていくことになるでしょう。

日程を決めるときに気にしたいのは、以下の5つです。

  • 火葬場の休み
  • 葬儀式場の空き状況
  • 寺院との調整
  • 六曜との兼ね合い
  • 親戚がどこにいるのか

一つずつみていきます。

年始は火葬場がお休みのところが多い

もっとも動かしがたいのが、「火葬場のお休み」です。
火葬場のお休みの日程は、それぞれの火葬場によって異なります。ただ、1月1日は休みであるというところが多いでしょう。このため、12月30日~31日に亡くなった場合は、当然葬儀の日程がずれこむことになります。

これは動かしようがない部分です。葬儀式場のスタッフは火葬場のお休みの日程も把握していますから、「この日はお休みです」などの案内をしてくれるはずです。

ちなみに、


火葬は死後24時間以上経ってからではないと行えません。

葬儀式場の空き状況

葬儀式場によっては、「この日のこの時間はすでに埋まっている」というケースもあります。大きい式場であるならば「1階で●●家様、2階で××様の葬式」と分けることができますが、小さい式場ではこれが難しいこともあります。

ただ、「午前11時は埋まっているが、午後の14時からならばとれそうだ」などのケースもあるので、このあたりは相談して決めていきましょう。

ただ、「翌日の14時からは空いているが、17時からはほかの方のお通夜の予定が入っている」などのケースもありますから、必ずしも「希望の日にち」で行えるとは限りません。

菩提寺の都合

人が亡くなった場合、その人の菩提寺に連絡をするのが基本です。しかしそのお寺の宗教者がほかの葬儀に参加する予定があった場合、スケジュールをずらさなければならなくなることもあります。
特にお盆の時期は法要が多いので注意が必要です。

年配の人は友引の葬儀を嫌うことがある

「六曜」は、暦の日付を6つに分けて、それぞれに意味を持たせたものです。中国がその起源ともされていますが、実のところ仏教とは関係ありません。ただ、その六曜のなかに「友引(ともびき)」というものがあります。

これを、「名前の通り、友(生きている人間)を故人が連れて行ってしまうのだ」と考えて嫌う人もいます。このため、人間の代わりとして「友引人形」というものを入れる文化も発展しました。

現在ではこの六曜を気にする人はほとんどいません。ただ、ご年配の方のなかにはやはり気にされる方もいらっしゃいます。その場合はやはり避けた方がよいでしょう。

親戚が遠方にいる場合は?

現在は昔とは異なり、ひとところで過ごす人ばかりではなくなっています。「親族全員遠方にいる。喪主を含めて、故人の子どもも誰一人として地元に留まっていない」ということもあるでしょう。このような場合、亡くなったその日に通夜を行うのは物理的に非常に厳しくなります。

「海外にいるけれど、このために帰ってきたい」という人がいたケースなどは、特に調整が大変です。
どうしても出てほしい人、あるいはどうしても出たい人がいる場合は、そのなかから一番遠方の人の日程を聞き、そのスケジュールに配慮して決めていく必要があるでしょう

(もちろん、「1週間以上しなければ帰れない」などと言われたようなケースはこの限りではありません)

参列者向け!場面別で失礼のない対応方法

ここまでは主に遺族・親族側から「時間」について見ていきました。ここからは、「参列者」の立場から「時間」について見ていきましょう。

通夜の開始時間に間に合わない場合

通夜が今のように夕方からスタートするようになったのは、「仕事を終えた後の参列者が参加できるように」という側面が大きいといえます。ただそれでも、18時スタートなどの場合は、仕事が長引けば遅刻せざるを得ない状況になることも珍しくはありません。

ただ、通夜の場合は、実は「遅刻」はそれほど咎められません。忙しいなかで駆け付けた、ということがご遺族にも分かるからです。また、葬儀式場の方でも配慮がなされており、遅刻した場合でも後ろの扉から静かに入ることができるようになっています。

30分以上遅刻した場合などは、受付を務めていた人もすでに会場内に入っているかもしれません。その場合は、葬儀式場のスタッフに声を掛けましょう。通夜や葬儀が行われている場合、葬儀式場には必ず葬儀スタッフがいます。そして、基本的には「葬儀会場に入っていない葬儀式場スタッフ」がいるはずです。

どうしても見つからないときは、スタッフルームなどをノックしてください。そこで、不祝儀袋の処理を含めて、どうすればよいのかを尋ねてください(基本的には、葬式・告別式でお渡しすることを勧められるでしょう)。

「通夜にも間に合わなかった」という場合は、通夜振る舞いに顔を出しましょう。ご遺族・ご親族に遅れたことを詫び、弔意を述べるようにします。

葬式・告別式の開始時間に間に合わない場合

葬式・告別式の場合は、くれぐれも遅れないようにしてください。通夜とは異なり、ある程度「準備できる時間」があるはずですから、このときに遅れるのはバッドマナーです。

また、基本的には葬式・告別式は、終了したあとにすぐに火葬場に向かうことになります。このため、ご遺族・ご親族を引き留めることはできません。

ただ、通夜のときと同じように、葬式・告別式は短くても45分程度は続きます。そのため15分程度の遅刻であるのなら、後ろの扉から入り、そのまま葬式・告別式を見守ったり焼香をしたりすることが可能です。

葬式・告別式の進行具合にもよりますが、ある程度大きい葬式・告別式の場合は、45分程度の遅刻までならこのようにして参加することができる可能性が高くなります。

なお、葬式・告別式にしろ通夜にしろ、扉は閉められていることが多いので(参列者が非常に多くて、会場に入りきれない場合を除く)、中の様子をうかがい知ることは難しいでしょう。

必ず葬儀式場のスタッフに確認を取るようにしてください(ただし、受付にまだ受付係が残っているような軽微な遅刻の場合は、受付係に聞くようにします)。

「仕事が長引く」「公共の交通機関で行っていたが、天候が悪くストップしてしまった。タクシーも長蛇の列」ということで、1時間以上遅れることが分かっている場合は、欠席を視野に入れましょう。
この場合は、後日弔問に訪れるなどして弔意を表したいものです。


ちなみに、「遅刻」というと、「ご遺族にお知らせするのがマナー」と思う人もいるかもしれません。しかし通夜・葬式・告別式を迎えるご遺族は非常に忙しいもの。一般の参列者の立場であるのなら、連絡は避けましょう。

葬式に参列できない場合

訃報を頂戴しているのに、どうしても日程が合わずに参列できない――このような場合はどうすればよいのでしょうか。

まず真っ先にすべきは、「欠席するという旨を、できるだけ早くお伝えすること」です。早ければ早いほど、ご遺族も段取りをつけやすくなります。

行けない場合は、弔電や供花・供物を送るのがよいでしょう。ただし、ご遺族・故人の意向で辞退される旨が示されているのであれば、贈るのは慎むべきです。贈る前には葬儀会社に確認しましょう。特別な事情がない限りは、ご遺族への直接の連絡は避けます。

香典は、書留で送ったりほかの参列者に托したりするのがよいでしょう。また、後日弔問に伺う際に持参しても構いません。仏教の場合は、四十九日を過ぎたら「御仏前」ではなく「御霊前」という表書きが用いられるのでこの点には注意したいものです。

葬儀に参列するときのマナー

葬儀に参列するときのマナーについても軽く触れていきましょう。

女性も男性も、ブラックもしくはダークのスーツを着用します。カバンや靴は、金具のついていない黒いものを選びます。

男性の場合は、ネクタイは黒。靴下も黒を選びます。また、カフスピンやネクタイピンはつけません。真珠のネクタイピンならば良いとされることもありますが、つけない方が無難でしょう。

なお、地方によっては、「用意していたわけではない」ということを示すために、「あえてネクタイだけ黒でないもので行く」などのようなマナーも見られます。余裕があれば周りの人に確認しておきましょう。

女性の場合は、黒のストッキングを選ぶとよいでしょう。通夜の場合は肌色のストッキングでもよいとされますが、黒色がもっとも無難です。現在はコンビニエンスストアでも売られているので、手持ちがないなら買っていきましょう。

メイクは薄化粧にします。チークやラメ、光沢のあるグロスなどは避けます。口紅は、つけるのならば薄い色のものを選んでください。

アクセサリーはつけないのがもっとも無難です。結婚指輪・真珠の一連のネックレスならば許容されることもありますが、「つけなければならないもの」ではないので、避けた方がよいでしょう。髪の毛は、黒のヘアアクセサリーで上品にまとめます。

「どのような言葉であいさつするか」は宗教によって異なります。ただ、「重ね重ね」「たびたび」「またまた」のように、「不幸が重なること」をイメージさせる言葉は、どの宗教であっても嫌われるため、使わないように気をつけましょう。

まとめ

ここまで、「葬儀の時間」について見てきました。

現在は、通夜を1日目に、葬式・告別式を2日目に行うことが多いといえます。通夜は亡くなった翌日に行われることが多いでしょう。ただ、葬儀式場の空き状況や火葬場のお休み、六曜、親戚の住まいからの距離などによって、日程の組み換えが必要になることもあります。
通夜も葬式・告別式も、45分~3時間程度で終わります(参列者の数で異なります)。

参列者として参加する場合、通夜での遅刻はある程度許容されます。しかし葬式・告別式では遅刻をしないように注意します。
装いは、ダークもしくはブラックのスーツを着用します。小物も黒で統一するのが一般的です。女性の場合は化粧が濃くならないように注意する必要があります。

「葬儀の時間」について考えることは当日に不要な慌ただしさにとらわれないですむために必要なことです。慌ただしいと失敗も多くなってしまいます。遺族側・参列者側、どちらの立場に立つにせよ、しっかりと把握しておきたいものですね。

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