花祭壇でのお見送りとは?現在人気のある、「美しい花で囲まれた葬儀」

花祭壇の記事アイキャッチ

多様化していく現在の葬儀においては、「祭壇」のかたちも見直されています。
そんななかで近頃注目を浴びているのが「花祭壇」です。

花祭壇とは、たくさんの生花で飾られた葬儀の祭壇のことです。この記事では、花祭壇について解説していきましょう。

花祭壇とは

花祭壇とは、花で作られた祭壇のことです。
それぞれの葬儀関連会社によって異なりますが、祭壇をたくさんの花で飾って作るものです。

白木祭壇でも使われる土台の上に花を飾っていくものですが、白木祭壇とは異なり、お城(家・屋城)のようになっている部分は利用しません。
白木祭壇の下部だけを利用して、そこに花を飾っていくのが一般的なやり方です。

花祭壇の歴史は、あまりはっきりとはわかっていません。
ただ、1995年ごろには社葬などの一部の葬儀だけで見られたかたちだといわれています。

実際、今から20数年ほど前は、「一般の人の葬儀であっても、花祭壇でお見送りができる」「社葬ではなく家族葬であっても、花祭壇を作ることができる」葬儀会社が、それを自社のウリにしていたという事実があります。

つまり、20数年ほど前は、まだ「一般的な葬儀の選択肢として、花祭壇を提案している葬儀会社」はそれほど多くはなかったと推察されます。

もっとも現在では、「花祭壇」は葬儀を挙げる際の祭壇の形態として筆頭に挙げられることも多くなってきました。
一般的な葬儀会社のほとんどは花祭壇を取り扱っていますし、「白木祭壇だけ」というところはそれほど多くはないはずです。
明るい花、故人が愛した花で送ることができる花祭壇は、かつてはたしかに物珍しいものでした。

しかし多くの人に愛されたこと、また花祭壇で行われた葬儀に参列した方の「私もああいうかたちで葬儀をしてもらいたい」という要望を受けたことから、現在では非常に人気の高い祭壇へと変化しました。
葬儀会社によっては、花祭壇の需要が白木祭壇の需要を追い越したところもあります。

葬儀会社に相談したとき、ほぼ確実に提案されることになるであろう「花祭壇」について見ていきます。

花祭壇で使用される主な花の種類

花祭壇で使われる花の種類ですが、これは大きく分けて

  • 造花
  • 生花

に分けられます。

造花の花祭壇(アートフラワー花祭壇)

造花の花祭壇は「アートフラワー花祭壇」「エコ祭壇」などの名前で呼ばれることもあります。
生花ではなく造花を使って作る祭壇であり、一部の葬儀会社がこれを扱っています。

葬儀の場面においては、造花はそれほど好んでは使われません。
たとえばキリスト教の場合は、「使う花は生花限定」という考えがあります。
花輪など、一部のアイテムにはいまだ造花が使われることもありますが、あくまで特例的なものです。

また、葬儀の専門家のなかには、アートフラワー花祭壇に対して否定的な見方をする人がいるのも事実です。
生花の持つ美しさやみずみずしさ、バリエーションの豊かさ、そして「最期の旅路」を「本物」で送ることの意味を考えれば、このような否定的な見方も頷けるものでしょう。

ただ、造花で花祭壇を作ることにもメリットはあります。
造花で作られた花祭壇は、生花で作った花祭壇よりも安価であることが多く、経済的です。また、環境配慮の観点から造花を使いたいと考える人もいることでしょう。

現在の造花は非常にクオリティが高く、ぱっと見ただけでは生花と見分けがつかないものもあります。
また、故人が好きだった花が、季節的に手に入りにくい場合は造花で代用することも検討するべきかもしれません。現在は造花と生花を組み合わせた祭壇を作る葬儀会社もあります。

造花の花祭壇は、たしかに賛否が分かれるものです。
ただ、ご遺族が「造花がよい」と納得して選ぶのであれば、まったく問題はありません。
問題になるのは、「生花だと思って契約したのに、実際には造花だった」という場合です。

このようなことにならないように、花祭壇を希望する場合は、それが生花の祭壇なのか造花の祭壇なのかを葬儀会社にしっかりと確認するようにしてください。

生花の花祭壇

現在圧倒的に多いのは、「生花を使った花祭壇」です。
これに使われる花の種類は、「定番」と「お好みで」の2種類があります。

定番の花

  • 百合(特に白)

花祭壇によく使われる花のうちの一つに、「百合」があります。
キリスト教の不祝儀袋に百合の花が使われることからキリスト教のイメージが強い花ではありますが、実際には仏教の葬儀でも神式の葬儀でも使われます。花祭壇だけではなく、故人の棺に入れる花や仏壇に入れる花としてもよく使われています。
荘厳な美しさを持ち、気高さと威風堂々とした姿を持つことから、さまざまなシーンで使われています。
「純潔」「尊厳」などの花言葉を持ち、老若男女問わず愛される花だといえるでしょう。どんな花にすればよいかわからない場合は、白百合を希望すれば間違いありません。

こちらは百合とは真逆で、「仏花」のイメージが強い花です。
ただ、茎が長くて持ちやすいことなどから、キリスト教の葬儀の儀式である「献花(仏教の焼香にあたるもの。1人ずつ祭壇に花を供える儀式)」に用いられることもあります。
なお、これは特に定めがあるわけではなく、かつ体感的なものではありますが、キリスト教の場合は白を、仏教の場合は黄色を選ぶことが多いように思われます。

「葬儀の花」という印象が強いですが、マム系はお祝いの花などにもよく使われます。

  • 蘭(特に胡蝶蘭)

言わずと知れた「もっとも高価な花」のうちの一つです。
お店の開店祝いなどに使われることが多く、慶事に用いられるイメージが強い人も多いのではないでしょうか。
蝶が羽を広げたかたちにも見えるため、「幸福を運んでくる」という意味も持っています。

白の胡蝶蘭は、豪華で華やかな印象がある一方、清潔な美しさも持ち合わせています。
そのため、慶事の場だけでなく、弔事の場でも用いられるようになってきています。
「供花(くげ、きょうか。鉢やかご盛りで出される花)」というかたちで出されることも多いのですが、現在はこれを花祭壇に使う業者も多く見られます。なお、胡蝶蘭だけではなく、デンファレ、カトレア、オンシジューム、シンビジューム等も生花祭壇でよく使われます。

  • カーネーション

特に女性の葬儀に使われることが比較的多い花だといえるでしょう。
だれもが知っている「母の日の花」であることも選ばれる理由の一つです。

花の色によって花言葉が違いますが、赤いカーネーションは「母へ向ける愛情、母からの愛情」という意味を持っています。
対して白いカーネーションは「(あなたが亡くなっても)私の愛は生きている」「亡くなった母を偲ぶ」という意味を持っていると言われています。

お母さまが、あるいはお祖母様を送る花祭壇に相応しい花だといえるでしょう。

故人の好みの花で送る

「花祭壇を作るための定番の花」は、たしかにあります。しかし実際のところ、花祭壇に使われる花には明確な決まりはありません。

「非常に珍しい花なので、まずはその花を扱っている業者から探さなければならない」
「季節外れの花なので、生花で用意することは難しいかもしれない」
「単価の高い花なので、それをメインに使った花祭壇となると追加料金がかかる」

などの可能性はありますが、特別な事情にあてはまらない限り、葬儀会社はご遺族の希望に添う種類の花で花祭壇を作ってくれるはずです。
葬儀会社によっては、「ご遺族様の希望を聞くために、数時間の時間を設けている」というところもあります。

たとえば、「棘がある」ということで葬儀にはあまり好まれていなかった薔薇の花も、故人(やご遺族)が希望すれば花祭壇の花として採用されることになります。

また、薔薇の花は人気の高い花のようで、花祭壇を取り扱う業者のなかには「プランとして薔薇の花祭壇がある」としているところもあります。

また、かなり賑やかな印象がある南国の花なども、故人が好きだったということであれば採用してもよいでしょう。

それ以外には、
「誕生日が真夏で、本人も大変明るい人だった。ひまわりでお見送りをしたい」
「海での散骨はかなわなかったが、本人は海がとても好きな人だった。青い花で海のような祭壇を作って送り出したい」
「緑をベースとして、そこに鳥が飛んでいるようなデザインにしたい」
「ほんの少しの量しかないが、故人が育てていた花も入れ込んでほしい」
などのような希望などもあるでしょう。

もっとも、「どこまで遺族の希望を聞けるか」というのは、葬儀会社によって多少異なります。
すべての葬儀会社ではできるかぎりご遺族の気持ちに添いたいと考えていますが、物理的になかなか難しいこともあります。

このため、「絶対にこの花を使いたい」「明確な希望がある」「デザイン案がすでにできあがっている」という場合は、葬儀会社選びの段階でよく話をしておくことをおすすめします。

特にその希望が絶対的なものであるのなら、生前から「その花祭壇を実現できる葬儀会社」を探しておいた方が失敗ないでしょう。

祭壇の種類は3種類ある

ここでは「花祭壇」のことを大きく取り上げていますが、実際の葬儀の祭壇は大別して3種類あります。

花祭壇

花で作る祭壇のことです。
生花で作るものと造花で作るものがあります。宗教の別なく使われることもあり、現在人気の祭壇です。

白木祭壇

昔からよく使われている、木で作られた祭壇です。
家のようなものが乗せられていますが、実はこれは「輿(こし)」なのだとか。
かつては死者を運ぶのに輿を使って運んでいたので、それがかたちを変えて残ったものだと言われています。

白木祭壇は、主に仏教の葬儀において使われるものであるため、「白木祭壇」と「キリスト教祭壇」と「神式祭壇」を分けて論じることもあります。
ただ、大別するとすれば、「花祭壇」「白木祭壇」「オリジナル祭壇」に分けられるでしょう。

オリジナル祭壇

これは、完全なオリジナルで作り上げていく祭壇を言います。
「祭壇」とはしていますが、実際には祭壇のかたちをしていないこともあります。

ご遺影を置く小さな台だけを用意して、後はイングリッシュガーデンのように会場を飾り付ける……といった実例もあります。

花とも相性がよいため広義の意味での「花祭壇」になることもありますが、サッカーボールなどを飾るなどの工夫がみられるケースも多く、花祭壇とイコールにすることはできません。

「祭壇そのもの」だけでなく、「葬儀会場全体のデザイン」も込みで行われることが多いものだと考えておくとよいでしょう。

ご遺族と故人の意向を最大限に反映することができるのが、オリジナル祭壇の大きな魅力です。
また、オリジナル祭壇を扱う葬儀会社のなかには、「同じものは1つとして存在しない」としているところもあります。

「自分らしさ」「故人らしさ」を最大限追求していくとなると、このオリジナル祭壇に行きつくでしょう。
もっとも、オリジナル祭壇を作る場合にはさまざまな制約がかかります。

金額面についてはご遺族との相談のもと決めていく業者が多いので、最初に協議ができればそれほど問題にはなりません。むしろ問題になるのは、「時間的制約」「業者選びの大変さ」でしょう。

オリジナル祭壇の場合、白木祭壇や花祭壇以上に長い打ち合わせ時間をとる必要があります。
故人のお人柄などをしっかり聞いて作り上げるという葬儀会社が大半であるため、場合によっては打ち合わせで丸一日確保しておいた方がよい場合もあります。最低でも半日くらいの時間的余裕は欲しいものです。

この「故人のお人柄を振り返ること」がご遺族にとって救いになること、喪の儀式の一つになることはもちろんありますが、あまりにもショックが強い場合、うまく打ち合わせをできない可能性もあるでしょう。

また、「花祭壇に、少しオリジナル要素を入れてほしい」などのようなケースとは異なり、「一から故人に合わせた祭壇を作り上げていくこと」ができる葬儀会社を選ばなければならない、という大変さもあります。

一般的な葬儀会社がどこまでこのような要望を聞いてくれるかは、未知数の部分が大きいのです。
「祭壇は提案するが、自社では会場を持っていない」といった葬儀会社もあるため、葬儀会場の確保も必要となるでしょう。

ただ、花祭壇も時代とともに需要が増えていったように、オリジナルの祭壇も今後は需要を伸ばしていくかもしれません。

通常の白木祭壇と花祭壇を選ぶ人の割合

オリジナル祭壇は選ぶことに制約があります。
そのため、基本的には葬儀会社では「白木祭壇にするか、それとも花祭壇にするか」という選択肢が提示されることが多いことでしょう。

現在は花祭壇を選ぶ人が増えています。
たとえば、エンディングデータバンクの統計では、なんと96.6パーセントの人が「花祭壇を選んでいる」という統計が紹介されています。

ただ、この統計はかなり極端なものです。
ほかの葬祭業者がとったアンケートでは、「花祭壇と白木祭壇の割合は50対50だ」というデータが出ています。

加えて、また別の葬儀会社では、「地域性が出るが、花祭壇の方が多いところもある」としています。
これには、「それでは、白木祭壇に花を飾ったものは『花祭壇』になるのか、それとも『白木祭壇』になるのか?」というのが明確に提示されていないことも理由なのかもしれません。

ただ、15年ほど前にはまだ売り出し中、あるいは「花祭壇を作ることができること」が葬儀会社のウリになっていた時代に比べれば、「花祭壇の施工回数は増えている」といっても差し支えないでしょう。

現在では大手の葬儀会社のほとんどすべてが、白木祭壇と花祭壇の2本立てで展開していることからも、それをうかがい知ることができます。

出展:農林水産省
http://www.maff.go.jp/j/seisan/kaki/flower/pdf/8_jirei_B.pdf

エンディングデータバンク「選ばれている祭壇(花祭壇・白木祭壇)
https://data.urban-funes.com/data/flower-or-plain-wood-altar/

花祭壇を選ぶ人が増えている背景

では、なぜ花祭壇が選ばれるようになってきたのでしょうか。

【不透明さの問題】

白木祭壇は、使いまわしがききます。
また、パーツごとに分けることもでき、葬儀の規模に合わせて祭壇の大きさを変えることが可能なタイプもあります。

もちろん白木祭壇もそこに花などが飾られることが多いため、「完全な使いまわし」では決してありません。
また、手入れの費用や初期投資のお金もかかります。

実際には「祭壇費用」とは単純に祭壇を飾る費用だけではなく、ご遺体をお連れするための燃料費や人件費が含まれているのが基本です。

ただ、「一度買ってしまえば使いまわせるものなのに、どうして料金がこんなにかかるの?」とご遺族が疑問に思われることも多いのも事実です。
特に、悪徳葬儀会社ではこの不透明な部分を明確に説明しようとしませんでした。

そのようなことがあって、白木祭壇の需要が徐々に衰えていったのではないかと推察されます。

【花祭壇の美しさ】

「花祭壇にしたい」と考える人が真っ先に挙げるのは、やはりこの「美しさ」にあります。
死は今も昔も厳粛なものではあります。

しかし終活などをする人も増えてきて、より自分らしい(あるいは故人らしい)見送り方を模索する人も多くいます。そしてそのなかの多くの人が、「明るく送り出してほしい」と希望しています。

そのようなことを踏まえて、明るく美しくお見送りができる花祭壇が選ばれる可能性が高くなっていったのでしょう。写真などで見比べたときでも、花祭壇の華やかさはやはり目を見張るものがあります。


もっとも、白木祭壇は白木祭壇で否定されるべきものでは決してありません。
白木祭壇の持つ荘厳で厳粛な凛としたたたずまいは、見る人を厳かな気持ちにさせてくれます。

また、どのような人でも馴染み深く、ご年配の方はこちらを希望する方もいます。
伝統にのっとった見事な祭壇は、見る人の気持ちも引き締めてくれることでしょう。

花祭壇も白木祭壇も、どちらが良い・悪いと言えるものではありません。
大切なのは、故人やご遺族の気持ちに添って選び分けることなのです。

花祭壇の費用相場について

花祭壇の費用は、規模によって大きく異なります。
小さい葬儀の場合は50万円程度で作ることもできますが、ある程度大きい葬儀になれば200万円程度の値段になります。

ただ、この「200万円程度」は、飲食費用や寺院費用(宗教者へのお布施)などが含まれた金額だと考えてください。
また、この費用のなかには、会場使用料なども含まれています。

白木祭壇と比べて

しばしば、「花祭壇と白木祭壇はどちらが高いか」という議論が交わされることがあります。
そしてこの結論として、

「花祭壇は生花を使うから白木祭壇よりも高い」
「白木祭壇は値段が不透明であり、花祭壇と比較した場合は高くなる」
というものが導き出されます。

しかしこれはどちらとも正しくありません。
なぜなら、花祭壇と白木祭壇は単純に比較できるものではないからです。

花祭壇は確かに生花を使いますし、これは使いまわしができません。
ただ、花祭壇を作った場合と白木祭壇を作った場合では大きさが異なることもありますし、白木祭壇にも花は飾られます。

また、白木祭壇にしろ花祭壇にしろ、現在は「弔問客の(想定)数」で決められ、「○万円」とされることが多く、単純に比較することは極めて難しいのです。

大切なのは、「花祭壇と白木祭壇のどちらがオトクか」と考えることではありません。
「遺族や故人の希望していた祭壇のかたちはどちらか」です。予算の面で不安があるのであれば、「葬儀に掛けられる費用はこれくらいです」と葬儀会社に伝えましょう。

白木祭壇にするにしろ花祭壇にするにしろ、葬儀会社はその予算内で葬儀を組み立ててくれるはずです。

花祭壇を選ぶことに向いている人

花祭壇は、「明るい葬儀がしたい」「自分らしい葬儀がしたい」という人に向いている祭壇のかたちです。
特に生前花を愛していた人にはぴったりでしょう。

また、「ある程度のオリジナル要素は入れたいけれど、完全にオリジナルの祭壇を作るような手間は家族に掛けさせたくない」と考える人にも向いています。

終活の一環として、自らの葬儀を考えるという工程があります。
花祭壇で送られたいと考えているのであれば、「自分が好きな花は何か」「どんな祭壇にしたいか」「どんな色の花で作ってもらいたいか」などを書き留めておくとよいでしょう。

こうしておくと、残された家族が迷いにくくなります。
もし抵抗がないのであれば、いくつかの葬儀会社に見積もりを出してもらっておくのも良いかもしれません。

施工事例などをホームページで紹介しているところもあるので、好みの葬儀会社のアテを付けておくとさらに良いでしょう。
予算の表記もお忘れなく。

葬儀で【花】がつくもの

葬儀には「花」がつきものです。それは花祭壇に限ったことではありません。
ここからは、葬儀と関係する花について少し紹介していきましょう。

供花

「供花」は「くげ」「きょうか」と読みます。
葬儀の場において送られる花のうちの一つで、会社関係や親族関係、友人関係から「○○一同」というかたちで出されることが比較的多い花です(個人名の場合もあります)。

現在はかご盛りになっているのが一般的で、葬儀会場内に飾られるのが基本です。
足がついたスタンドタイプのものもあり、1台もしくは2台セット(1対)で出されます。
値段は10,000円~20,000円程度が多いのですが、もう少し豪華なものを作ることもできます。

白百合や菊がよく用いられますが、現在はピンク色や紫色の花を配した供花も打ち出されています。

供花は「供物(くもつ。缶詰や乾物、お菓子などを詰め合わせてかご盛りにしたもの)」とも並んで語られるものであり、葬儀終了後は仏壇に飾ったり弔問客に持って帰ったりしてもらうのが基本です。

ただ、供花と供物は、ご遺族や故人の意向で断られることもあります。また、スペースをとるので、送る前に事前に葬儀会社に確認をしましょう。

なお、かつては「花輪(はなわ)」もよく葬儀会場の外に飾られていました。
これも広い意味では「供花」に分類されるものです。

しかし非常に大きいもので、かつ「そこで葬儀をやっていること」を周りに喧伝することにもなってしまうため、現在ではやや下火になりつつある文化です。

枕花

枕花は「まくらばな」と読みます。
これは供花とはまったく異なるもので、「故人の側に最初に飾られる花」を意味します。

故人が息を引き取ってからすぐに飾られるものであり、かご花などのかたちで送られることが多い花です。

この花は、その特性上、送ることができる人が極めて限られています。
基本的には親族や家族、あるいは家族同然に付き合っていた特別な友人などが送るものであり、一般的な弔問客が送るものではありません。

白色などの落ち着いた色が選ばれることがありますが、故人やご遺族が「特に」と希望される場合は、故人の好きだった花を選ぶこともあります。

金額は10,000円~30,000円程度が主流です。
葬儀が終わってからも亡き人との思い出を偲ぶかのように部屋に飾る人も多く、葬儀の花のなかでももっとも特別な花だと言えるでしょう。

献花

「献花」は「けんか」と読みます。
キリスト教の葬儀のときに行う儀式であり、仏教の「焼香」と似たような性格を持つものです。

百合や菊、カーネーションなど、茎のある程度長いものを両手で受け取り、祭壇に捧げます。
このとき、祭壇側に茎が、自分側に花が来るようにして捧げます。

基本的には白の花が利用されますが、ピンク色などのものが使われるケースもあります。
亡くなった人に花をささげる献花は、キリスト教の儀式のなかでも、非常に重要なものです。

仏式や神式のときには基本的には行いません。ただ、ホテルでの葬儀などの場合は、仏式でもこの「献花」を行うことがあります。

また、献花は無宗教の葬儀とも非常に相性のよいものです。
そのため、宗教者を呼ばない無宗教の葬儀や音楽葬であっても、献花が行われることがあります。

まとめ

花祭壇とは、花で作った祭壇をいいます。祭壇が花で埋め尽くされるため、非常に美しく、明るい葬儀になります。データによって違いはありますが、「花祭壇を希望する人が全体の90パーセントである」というデータもあるほど人気の高い祭壇の形態です。

祭壇の種類は、

  • 花祭壇
  • 白木祭壇
  • オリジナルの祭壇

の3つがあります。

花祭壇には明るさと優しい雰囲気があり、ある程度のオリジナル要素を入れることが可能です。
白木祭壇は伝統に裏打ちされた厳粛さと安定感があり、凛とした雰囲気が弔問客の胸を打ちます。

オリジナル祭壇は、「世界で一つ、自分だけの祭壇」を作ることができるというメリットがあります。
「どれが良い・悪い」というものではありませんから、故人やご遺族が希望するものを選んでください。
ただ、花祭壇は造花のものと生花のものがありますから、間違えないように注意が必要です。

花祭壇と白木祭壇は、「費用」の面で比べられることもよくあります。
しかし単純に比較できるものではありません。
金額面で希望があるのならば、葬儀会社に伝えておくとよいでしょう。

なお、「花」は、「祭壇」以外でもたくさん用いられます。
葬儀会場を彩る「供花」、亡くなってすぐに送られる「枕花」、そしてキリスト教の儀式の一つとして行われる「献花」の3つは、特によく取り上げられるものです。

ただ、枕花は故人と極めて親しかった人や家族(親族)が送るものですから、一般の弔問客として参列する場合は「供花」「献花」と関わることになるでしょう。

献花は、スタッフの指示に従ったり、前の人の真似をしたりすれば問題ありません。
供花は弔意を示すものではありますが、ご遺族や故人の意向で辞退するケースも多いので、贈りたいのであれば葬儀会社に確認をしてください。


監修者コメント

監修者
終活・葬送ソーシャルワーカー
吉川美津子

都市部では最近めっきり白木祭壇は目にする機会が減りました。
1995年くらいから社葬や団体葬のみならず、一般の葬儀でも生花オンリーの祭壇を希望する人がちらほら出てきましたが、それでもまた多くなかったと思います。
葬祭業者向けの展示会でも、当時は祭壇の展示をする業者が数社ありましたが、現在は見かけることがなくなりました。

多くの葬儀社が生花祭壇のコースを揃えているので、今は松竹梅の中から選ぶだけで見栄えの良い生花祭壇をつくることができます。
しかし「故郷をイメージして」「〇〇風のデザインにしたい」等の希望があれば、細かく伝えましょう。
葬儀社によってはすべて生花業者に任せきりで、花の名前すら知らない業者もあります。
不安だったらWEB上で探した画像を見せ、参考にしてもらうこともひとつの方法です。


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