故人の年金手続き、3つのケースで解説

故人の年金手続き

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この記事の目次

  1. 故人が公的年金を受けていた場合の手続き
  2. 故人が国民年金のみに加入していた場合
  3. 故人が厚生年金に加入していた場合

故人が公的年金を受けていた場合の手続き

ポイント:公的年金を受けていた人が亡くなったら、死亡を知らせる一報を入れて、後日手続きをする。

年金の支払いを止める手続き

年金を受けている親が亡くなった場合、なるべく早く年金をとめる手続きをしましょう。年金は死亡した月の分まで受けることができますが、手続きをせず翌月以降の分が支払われてしまうと後で遺族に過払分の請求が来てしまいます。

手続きは年金事務所で行いますが、すぐできない場合は、遺族が「ねんきんダイヤル」に電話して亡くなった人の名前、基礎年金番号、死亡日などを連絡しておけば年金の支給はとまります。

平成23年7月以降、日本年金機構に住民票コードを登録している人は、原則として死亡届の提出は省略できますが、未支給年金の請求は別に行う必要がありますので、年金の支給停止と未支給年金の請 求は同時に行うとよいでしょう。

未支給年金を請求する

公的年金は、偶数月の15日に支払い月の前月と前々月の分が振り込まれます。そして、死亡した月の分まで支給される後払いの形になっているため、いつ死亡しても必ず未支給年金が発生します。

生計をともにしていた遺族(配偶者、3親等以内の親族)が未受給分を受け取れますので、請求手続きを行いましょう。

このとき遺族年金の請求があれば、あわせて行いましょう。

また、死亡者の源泉徴収票(準確定申告用源泉徴収票)は死亡届を提出した遺族あてにおおむね2、3カ月で送付されます。

年金に関する手続き

提出先添付書類
死亡届死亡者の住所地管轄の年金事務所①死亡した人の年金証書
②戸籍抄本または住民票(除票)
③印鑑
未支給年金請求書請求者の住所地管轄の年金事務所①死亡した人の年金証書
②戸籍謄本
③請求者の世帯全員の住民票
④死亡者の住民票(除票)
⑤請求者名義の通帳
⑥印鑑

※未支給年金請求書は、死亡届を兼ねる複写式の用紙になっているので、同時に手続きができる

ねんきんダイヤル…0570-05-1165(IP電話・PHSからは03-6700-1165)
月〜金曜日:午前8:30〜午後5:15(月曜日は午後7:00まで受付)
第2土曜日:午前9:30〜午後4:00

遺族年金の種類

遺族年金は、亡くなった人の年金加入歴で受け取る年金が変わります。

遺族年金の種類

故人が国民年金のみに加入していた場合

ポイント:故人が国民年金にのみ加入していたとき、高校生以下の子どもがいないと遺族基礎年金は受給できない。

国民年金の遺族給付は3種類

自営業など国民年金のみに加入していた人が死亡した場合に支給される遺族給付は、「①遺族基礎年金」、「②寡婦年金」、「③死亡一時金」の3種類です。

①遺族基礎年金〜母子・父子家庭と遺児のための年金

遺族基礎年金は死亡した人に生計維持されていた子(高校生まで)を持つ配偶者か高校生以下の子だけが残された場合に支給されます。つまり国民年金のみに加入していた夫が亡くなっても高校生以下の子がいない妻は、遺族基礎年金は受給できないことになります。

遺族基礎年金の額は、老齢基礎年金の満額に子の加算がプラスされます。

②寡婦年金〜受給できるのは妻だけ

寡婦年金はその名の通り妻だけに支給されます。60歳から65歳まで5年間期間限定の年金です。60歳を過ぎてから受給資格ができたときでも65歳までなので、5年間受給できない場合もあります。

年金額は夫に支給されるはずだった老齢基礎年金相当額の4分の3です。

③死亡一時金〜受給できる人の範囲は広い

前記2つの年金は、配偶者と子に限り支給されますが、死亡一時金は、受給することができる人の範囲がかなり広くなっています。

受給できる条件も「36月以上国民年金保険料を納め、老齢基礎年金・障害基礎年金を受けていない人が死亡した場合」と比較的幅が広く、何も受給することができない人のための最後の給付といえるでしょう。

国民年金の遺族給付

受給要件提出先添付書類
遺族基礎年金・死亡者が国民年金被保険者であること
・老齢基礎年金を受け取っているか、受け取れること
市区町村役場の国民年金課・死亡者と請求者の年金手帳または年金証書
・戸籍謄本
・世帯全員の住民票
・死亡者の住民票(除票)
・生計維持申立書
・振込先金融機関の通帳
・死亡診断書のコピー
・請求者の所得証明
・印鑑
寡婦年金国民年金保険料を25年(※1)以上納付して、老齢基礎年金を受け取らず死亡した夫と10年以上婚姻していた妻に支給される市区町村役場の国民年金課
死亡一時金死亡者が36月以上国民年金保険料を納付していたこと市区町村役場の国民年金課
※ただし、第3号被保険者(会社員の妻など)が死亡の場合は、住所地管轄の年金事務所

※1 平成29年8月以降、10年に短縮される

遺族基礎年金の額

受給者が配偶者と子1人の場合…1,003,600円
受給者が子1人の場合……… 779,300円
※子の加算は2人までは224,300円、3人目以降は74,800円 ( 平成29年4月現在)
寡婦年金の額夫の老齢基礎年金相当額の3/4

※老齢基礎年金相当額 夫の第1号被保険者(任意加入を含む)としての期間について老齢基礎年金の計算方法によって計算した額

死亡一時金の額

保険料納付済期間死亡一時金の額
36月以上180月未満120,000円
180月以上240月未満145,000円
240月以上300月未満170,000円
300月以上360月未満220,000円
360月以上420月未満270,000円
420月以上320,000円

注意!!

遺族基礎年金と遺族厚生年金には①②のいずれかの条件が必要な場合があります。

  1. 保険料納付期間が加入期間の3分の2以上あること
  2. 平成38年3月までに死亡したときは、直近1年間に滞納期間がないこと

故人が厚生年金に加入していた場合

ポイント:厚生年金受給者だった夫が亡くなった場合、妻は遺族厚生年金を受給することができる。

遺族厚生年金を受給できるのは

遺族厚生年金は、在職中の厚生年金加入者や、老齢厚生年金を受給している人が亡くなったとき、その人によって生計を維持されていた遺族(①配偶者または子、②父母、③孫、④祖父母の中で優先順位の高い人)に支給されます。

1級・2級の障害厚生年金を受給している人が亡くなった場合も、支給されます。遺族基礎年金と比べて支給される遺族の範囲は広いですが、年齢など一定の条件があります。

子のない妻へは加算がある場合も

年金額は、原則、亡くなった人の老齢厚生年金の額の4分の3です。

高校生以下の子がいる妻は、合わせて遺族基礎年金を受給できますが、遺族基礎年金を受給できない妻が夫の死亡時40歳以上の場合は65歳までの間、「中高齢寡婦加算」(年額58万4500円)を遺族厚生年金とあわせて受給することができます。

また、昭和31年3月以前生まれの妻には65歳になり自分の老齢基礎年金が発生した時「中高齢寡婦加算」はなくなりますが、老齢基礎年金の額が低いため、「経過的寡婦加算」が生年月日によって加算されます。

65歳以上の配偶者は2つの年金

65歳以上の配偶者は遺族厚生年金と自分の老齢基礎年金を合わせて受給することができます。
また自分自身の老齢厚生年金を受給できる場合は遺族厚生年金との調整があります。

遺族年金の受け取り方と額

遺族年金の受け取り方と額

厚生年金の遺族給付

受給要件提出先添付書類
遺族厚生年金死亡した人が下記のいずれか の場合
・厚生年金の加入者(在職中)
・厚生年金に加入中の傷病がもとで5年以内に死亡した人
・障害厚生年金1.2級を受けている人、または受ける権利のある人
・老齢厚生年金を受けている人
・老齢厚生年金を受ける資格のある人
死亡者の最終の事業所所在地ま たは住所地管轄の年金事務所・死亡者と請求者の年金手帳または年金証書
・戸籍謄本
・世帯全員の住民票
・死亡者の住民票(除票)
・生計維持申立書
・振込先金融機関の通帳
・死亡診断書のコピー
・請求者の所得証明
・印鑑
中高齢寡婦加算上記のいずれかの要件に該当する夫が死亡し、遺族基礎年 金を受け取れない40歳以上の妻であること

老齢年金と遺族年金の受け取り方

老齢年金と遺族年金の受け取り方


■参照元
改訂増補 親の葬儀とその後事典
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平成20年9月30日 旧版第1刷発行 
平成29年5月26日 改訂版第1刷発行

著 者:黒澤計男 溝口博敬
発行者:東島俊一
発行所:株式会社法研

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