この記事ではこのような疑問の解消!

  • お墓に税金はかかっているの?
  • なるべく節税をしたいがどうすればいい?

お墓にはどのような税金がかかるか詳しく知らない人が多いのではないでしょうか。
お墓を建てるためには墓地の永代使用料と墓石の費用を、さらにはお墓が建った後も霊園に管理費を支払わなければなりません。
この記事では、これらの費用に対してどのような税金が関わってくるのかを分かりやすく解説いたします。

これからお墓を建てようとする人にとっては、何にどれくらいの税金がかかるのかを理解することで、より具体的な予算計画が立てられることでしょう。さらには、賢い節税の方法やキャッシュレス決済など、お墓を建てる際の費用負担が少しでも軽くなる情報もお届けします。読者の皆様のよりよいお墓作りの一助になれば幸いです。最後まで読み進んでみてください。

維持費について詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。


お墓を建てるときにかかる税金は「消費税」のみ

お金と電卓

お墓を建てるときにかかる税金は、消費税のみです。その中でも消費税のかかるものとかからないものがあります。まずは下の表をご覧いただいた上で、それぞれについて詳しくご説明いたします。

お墓にかかる費用 消費税
墓石代 かかる(10%)
墓地代 かからない
工事費用 かかる(10%)
年間管理費 かかる(10%)

消費税がかかるのは「墓石代」「工事費用」「年間管理費」の3つ

お墓の建立で消費税がかかるのは、「墓石代」「工事費用」「年間管理費」の3つの項目です。ひとつずつ見て参ります。

墓石代

墓石、つまりお墓に用いる石材そのものに対して消費税がかかります。ひとつのお墓を作り上げるには、石碑、カロート、外柵、玉垣、霊標、塔婆立てなど、さまざまな部材が必要です。

工事費

お墓の工事には、加工、彫刻、墓地での据付工事などがあります。これらの費用に対しても消費税がかかります。墓石代と工事費の両者は、個別に扱うのではなく、1つの見積書としてまとめて計算されるのが一般的です。

年間管理費

年間管理費とは、お墓を建てたあとに霊園の管理者に支払う費用です、共用部分の清掃や修繕などの霊園全体の維持管理に充てられます。多くの霊園では、消費税込みで管理費の価格を提示しています。

管理費は「お寺が運営」「宗教法人が関係」している場合、非課税のこともある

墓地の管理費は税制上は課税対象です。ただし、お寺や宗教法人が檀家や信者向けに運営している墓地に対しては課税されないこともあります。これは、宗教法人法第3条で定める「境内地」で行われる宗教活動は非課税対象とされているからです。

墓地代に消費税はかからない

さて、墓石の建立費や墓地の管理費には消費税がかかりますが、墓地代(墓地の永代使用料)だけは消費税がかかりません。これは、お寺や霊園が墓地を営利目的で「販売」はしているのではなく、非営利目的で「貸付」しているからです。法律でも、「宗教法人や公益法人が行う墳墓地の貸付業」は収益事業に該当しないため非課税扱いとされています(法人税法施行令第5条1頁5号)。

固定資産税・都市計画税は一切不要

墓地代(墓地の永代使用料)に対しては、消費税だけでなく、固定資産税や都市計画税などもかかりません。墓地を所有するのはあくまで霊園の管理者であり、利用者はその永代にわたる使用権を借り受けているに過ぎないからです。

ここまで、お墓を建てる際の税金についてまとめてみましたが、昨今は、墓石以外にもさまざまなタイプのお墓があります。これらの税金はどのように扱われるのでしょうか。

新しい供養法(樹木葬・納骨堂・永代供養墓)の場合にかかる税金

霊園タイプ合葬型の樹木葬

この章では、樹木葬や納骨堂や永代供養墓など新しい供養法における税金の取り扱いについて取り上げます。

樹木葬の場合「礼拝の対象物」と「年間管理費」が消費税の課税対象

樹木葬は墓標を樹木にしたタイプのお墓なので、税金については墓石と同じように考えればわかりやすいでしょう。礼拝の対象物にかかる費用(石碑、カロート、基本彫刻、樹木など)や、年間管理料には消費税がかかります。

一方で墓地の永代使用料や、寺院による宗教行為(法要、読経、永代供養など)は非課税扱いです。ただ、樹木葬の多くは、墓地の永代使用料や寺院による宗教行為も含めてパッケージプランが作られており、「税込◯◯万円」としているところが多いようです。

納骨堂の場合「年間管理費」が消費税の課税対象

納骨堂では、寺院が用意した納骨壇の永代使用権を購入するため、墓石や樹木葬と同じように非課税が原則です。また、年間管理費は税法上は課税対象ですが、寺院や霊園によっては税込で価格設定をしているところや、非課税としているところもあります。

永代供養墓の場合税金はかからない

永代供養墓への埋葬には消費税はかかりません。なぜなら遺骨の埋葬や供養という宗教行為にあたるからです。また、墓石や樹木葬や納骨堂のような礼拝のための施設を建てたり購入する必要もありません。

自分たちで新たにお墓を建てたり、あるいは納骨壇を購入する際には、消費税がかかるものとかからないものとがあることをお分かりいただけたかと思います。次は、すでにあるお墓を引き継ぐ場合の税金の扱いについて解説いたします。

お墓を承継する時の「相続税」「贈与税」について

財産を受け継ぐときには、相続税や贈与税が発生しますが、お墓の承継そのもので発生する税金はありません。墓石は相続税の対象外ですし、贈与税に関しては、法律上はかかりますが実質ゼロの場合が多いでしょう。以下で詳しくご紹介します。

お墓は非課税財産にあたるため「相続税」はかからない

お墓を継承する時の「相続税」はかかりません。なぜならば、お墓は「祭祀財産」と呼ばれ、非課税対象だからです。
祭祀財産は現金や不動産のような「相続財産」とは分けて考えられます。お墓や仏壇などを複数の相続人で分割することは物理的に不可能なため、祭祀承継者(基本的にはひとり)がこれを受け継ぐのです。

相続財産の場合は相続税がかかりますが、祭祀財産に対しては「相続税法第12条」の中で次のように定められており、相続税は課せられません。

第十二条 次に掲げる財産の価額は、相続税の課税価格に算入しない。
 二 墓所、霊びょう及び祭具並びにこれらに準ずるもの

つまり、お墓の承継そのもので発生する税金はないのです。

承継後、お墓の管理にかかる税金は支払う必要がある

ただし、お墓を承継したあとは自分が中心となってお墓を守っていくわけです。そのため、維持管理のためのさまざまな費用に対しては税金を支払わなければなりません。霊園への年間管理料や、墓石の修繕やリフォームなどを行う際の消費税がこれにあたります。

「贈与税」はかかるが、実質課税金額はゼロである

墓地の使用者が元気なうちに名義変更をすると、贈与税の対象となります。しかし現実的にお墓で贈与税が発生することは極めて稀で、実質的にはゼロと言ってもよいでしょう。

贈与税とは、個人から財産をもらった時にかかる税金のことです。年間の贈与額から基礎控除額(110万円)を差し引いた残額が課税対象となりますが、お墓(墓地+墓石)の評価額で基礎控除額(110万円)を上回るケースがほとんどありません。

また、多くの霊園では生前の承継を認めていません。使用者の死後に名義変更を変えることは祭祀財産の承継にあたり、こちらも非課税です。つまり、生前死後問わず、お墓の承継に対して課税されるケースはほとんどないと言えるのです。

さて、お墓と税金の話でぜひとも抑えておきたいのが生前墓が節税対策になるというもの。これからお墓の建立を考えている方にとっては、もしかしたらお役に立つかもしれません。ぜひとも読み進んでみてください。

相続税を節税したい方は「お墓の生前購入」が有効

事実婚 相続

お墓の生前購入が相続税の節税対策になるという話を聞いたことがある人もいることでしょう。元気なうちにお墓を建てることは長寿や健康を願う意味でも大変縁起が良く、昔から行われている風習ですが、その上節税対策にもなるとは一体どういうことなのでしょうか。

【祭祀財産は相続税0円】のルールをうまく利用する

お墓の生前購入が節税対策になるというのは、実に簡単な仕組みです。

お墓をはじめとする祭祀財産は非課税項目、つまり相続税が0円です。この制度を利用すれば、元気なうちにお墓を建てておいた方がお得というわけです。仮に生前に200万円のお墓を建てておくと、遺産相続の際に200万円分は課税されませんし、あとから遺族がお墓の建立のための費用負担をしなくても済みます。

ただし気をつけなければならないのは、親と子であらかじめ考えを合わせておくことです。親が良かれと思って墓石を建てても、子が樹木葬や納骨堂を望んでいたとすれば、せっかくの節税対策も台無しです。

ローンを組んで生前購入した場合【ローン残高は相続税の対象】となる

お墓を生前購入した際にローンを組んで支払いする場合には注意が必要です。支払い期間中に契約者が亡くなった場合には、ローン残高は相続税の対象となり、承継者が支払わなければならないからです。

「常識外れの高価なお墓」は相続税の課税対象となりうる

祭祀財産が非課税なのは、あくまでもそれが祭祀や礼拝を目的としたものだからです。明らかな税金対策のためとみなされた常識外れの高価なお墓の場合、税務署の判断で相続税がかかる可能性もありますが、お墓の場合はきわめて稀です。

余談ですが、仏壇や仏具では、純金を用いて税金を逃れようとする動きがあるようです。おりんなどの金属の仏具を純金で作り、それをあとから溶かせば金の延べ棒にもなります。こうした明らかに礼拝のためと認められないものは、税務署から目をつけられる可能性があるのです。

お金の負担を少しでも減らしたい方には、支払いをキャッシュレス決済にするという方法もあります。次章では、お墓の支払いとキャッシュレス決済について取り上げます。

支払額を抑えたい方は「キャッシュレス決済」を選ぶ

墓石建立の支払いにキャッシュレス決済を選ぶことで、少しでも費用の負担を減らすことができます。

キャッシュレス決済をすれば最大5%還元される

キャッシュレスポイント還元事業とは、2019年10月1日~2020年6月30日までに加盟店が登録している決済手段で支払うことで最大5%が還元される、経済産業省の監督のもとで運用されている事業です。
現金支払いがまだまだ多い墓石業界ですが、多くの石材店がキャッシュレス決済を導入しています。キャッシュレス決済による支払いをすることで、たとえば100万円の支払いの場合は最大5万円、200万円の場合は最大10万円が還元されます。

現在、ポイント還元は終了しています。

ただし、石材店によっては事業を導入していないところもあり、決済手段が異なることもあります。お墓の建立をいお願いしようとしている石材店が事業登録をしているか、自分が希望する決済手段に対応しているかなど、事前の確認をおすすめします。

また、コロナウイルスの影響もあり、消費者還元対象期間の延期を求める声が上がっているとの報道も見られます(令和2年3月27日現在)。これからお墓を建てようと考えている人は、今後の動向に注視しておきましょう。

お墓はローンでの購入も可能となっています。一度ご覧ください。

ここまで触れてきたのは人間が入ることになるお墓の話でしたが、最後にペットのお墓と税金についても触れておきましょう。

ペットのお墓は原則として税金がかかる

飼い主に抱かれて笑顔の柴犬

ペットも家族の一員と考えられる時代。それでもペットのお墓は人のお墓とは異なる扱いがされます。ペットのお墓は原則として税金がかかります。

ペット専用霊園・区画の場合は「墓地代」も課税対象となる

ペット専用霊園や区画では、墓地代にも消費税が課税されます。かわいそうに思われるかもしれませんが、法律上ペットは「物」として扱われるからです。

消費税法では、17の項目に関しては消費税を課さないことが定められています(くわしくは国税局のHPをご覧ください)。その中には「(13)火葬料や埋葬料を対価とする役務の提供」というものもあります。しかし、法律が定める権利や義務の帰属主体は「自然人」または「法人」が大前提で、そこにペットは含まれません。そのため、人であれば消費税のかからない火葬やお墓の墓地代も、ペットに対しては消費税がかかるのです。

ペットと人間が一緒に入れるお墓は非課税となる

最近では徐々にではありますが、ペットと一緒に入れるお墓も増えてきました。こうした墓地ではあくまでも前提として人が入るお墓を作るために墓地の永代使用料は非課税です。その他、墓石代や工事費や管理料などは通常通り消費税がかかります。

ペットのお墓の選び方やポイント、注意点など気になる方はこちらの記事をご覧ください。

まとめ

いかがでしたでしょうか。お墓と税金の関わり合いがわかっていただけたかと思います。一般的には墓地の利用者に課せられる税金は消費税のみです。墓地を取得する際の固定資産税や都市計画税、お墓を承継する際の相続税や贈与税も不要です。節税対策やキャッシュレス決済などのサービスをうまく利用して、費用負担を抑えながらよいお墓が建てられるとよいですね。

では最後にこの記事のポイントを箇条書きでまとめます。

  • お墓を建てるときにかかる税金は消費税のみ。
  • 墓石代、工事費用、年間管理費には消費税が課税され、墓地代は非課税。
  • お寺や宗教法人が運営する墓地の場合、管理費が非課税になることもある
  • 墓地を取得しても、固定資産税や都市計画税はかからない
  • 樹木葬の場合、礼拝の対象物(石碑、カロート、基本彫刻、樹木など)や年間管理料には消費税課税される
  • 納骨堂の場合「年間管理費」が消費税の課税対象
  • 代供養墓の場合税金はかからない
  • 祭祀財産であるお墓には相続税がかからない
  • 生前に名義変更したお墓には贈与税が課税されるが基礎控除額である110万円を超えることはまれである
  • お墓の生前購入が相続税の節税対策になる
  • ローンを組んでお墓を生前購入して、支払い期間中に契約者が亡くなると、ローン残高は相続税の対象となる
  • 礼拝の目的から外れたとみなされるような「常識外れの高価なお墓」は相続税の課税対象となりうる
  • キャッシュレス決済をすれば最大5%還元されるが、対応していない石材店もある
  • ペットのお墓は原則として税金がかかる


監修者コメント


監修者
終活・葬送ソーシャルワーカー
吉川美津子

相続税は遺産相続があったときに課税される税金です。しかし全員が課税されるわけではなく遺産総額が基礎控除(3000万円+法廷相続人1人につき600万円)以下であれば、相続税は課税されません。平成30年では相続税の対象になった人の割合は8.5%(国税庁発表)でした。
相続税対策として、生前にお墓を購入する方も一定数いますが、お墓は建てておしまいではなく守っていくことが大切で、寺院墓地の場合は檀家としての役目を果たしていく義務も生じます。また高額な仏壇や仏具を購入して相続税対策をする人もいます。ただし、こういった高額な仏壇・仏具については、相続財産とみなされることもありますので要注意。