墓石の並ぶ聖和苑

今回取材したのは、JR目黒駅から徒歩15分、東急目黒線不動前駅から徒歩10分の場所にある「聖和苑」。
「都心で交通アクセスの良い霊園が良い」と考えている方には、魅力的な立地なのでは?
今回、閑静な住宅街の中にある聖和苑を訪問し、その特徴や魅力について取材した。

聖和苑は、本当の意味で「宗教自由」の霊園

JR目黒駅を出て、オフィスや飲食店などが立ち並ぶにぎやかな駅前からつながる坂を下ると、桜並木で有名な目黒川が目の前に現れる。そこを抜けて山手通りを横切ると、あたりは急に静けさに包まれる。この閑静な住宅街の中に聖和苑はある。

現地に到着してまず目に入るのは、「黄檗宗 海福寺」と書かれた立派な石塔。その少し手前に「聖和苑」の看板が立っていた。

「海福寺の一角に聖和苑があるんですよ」と教えてくれたのは、今回案内をしてくれた株式会社朋友の上野さん。聖和苑はオープンして13、4年になる霊園で、今回、待望の新区画(第三期)の受付を開始したのだという。

海福寺の中にあるということは、海福寺の霊園なのだろうか。また、宗派はやはり黄檗宗なのだろうか。そう思い疑問をぶつけてみると、上野さんからは「聖和苑は海福寺が運営・管理していますが、宗教は自由です」との答えが。

ということは、神道やキリスト教などの他宗教でもOKということ?その疑問に対し、上野さんは、意外なことを教えてくれた。「宗教自由の霊園って、よく見かけませんか?そういう霊園は確かに多いのですが、実際には違うこともあるんですよ」。

上野さんによれば、宗教自由を謳っていても、在来仏教に限られていたり、供養の際は、運営・管理しているお寺が定めた方法を指定するケースもよくあるのだとか。「ですが、聖和苑にはそれがありません。そういう意味で、本当に『宗教自由』の霊園であるということが大きな特徴ですね」。

歴史を感じる海福寺の境内

本当の意味で宗教を問わずにお墓を持てるのが大きな魅力という聖和苑だが、管理・運営している海福寺は、実は約400年の歴史を誇る古刹だ。上野さんに案内され、敷地の中に入ると、右手には駐車場、目の前には石段と印象的な赤い山門が。山門(海福寺四脚門)は目黒区の指定文化財で、新宿区上落合にかつてあった泰雲寺から明治期に移建したものだという。

取材時はすでにソメイヨシノのシーズンは終わってしまっていたが、それと入れ替わるように八重桜が満開を迎えていて、山門の右手に見事に咲き誇っていた。

門の朱色と八重桜の淡紅色の美しさに目を奪われながら敷地に入ると、歴史を感じさせる梵鐘や九重の石塔が目に入った。梵鐘は東京都指定文化財で、九重の石塔は武田信玄の屋敷にあったものだという。歴史を感じさせるこれらの遺品に圧倒されながら本堂に進むと、右手に聖和苑の案内板が見えた。

「この裏手に聖和苑があります」と上野さん。本堂の裏手に向かうと壁と本堂の間に通路がある。思ったよりも奥行きがあるようだ。「この壁の上に聖和苑があります」とのことで、そのまま通路を進むと、ベンチやお手洗いが途中にあり、お参りの際に小休憩を取れることが分かった。

瀟洒な欧風庭園のような作りの聖和苑は、通路幅の広さも特徴的

聖和苑は上下に分かれた二段構造になっているのが特徴だ。下の区画のそばにある入口から上の区画に行くためには階段を使う必要があるものの、実は上の区画側にも入口が別に用意されている。

そのため、杖を使う方や車いすの方、また、ベビーカーを使用する方も墓参しやすいよう配慮されているのだ。なお、上の区画側には駐車場もあり、そこから入口までは至近距離のため、移動も非常に楽だ。入口の白い門は瀟洒で可愛らしく、春たけなわとなるこれからの季節、若葉の緑が門の白色にきっとよく映えるのではないだろうか。

海福寺の和の雰囲気とは異なり、聖和苑は欧風庭園のような雰囲気だ。通路には水はけの良いエキゾチックなタイルが敷かれ、平坦な作りになっている。何より、通路幅が広い。都内、しかも23区内の霊園で、これほど幅に余裕を持たせている通路はなかなかお目にかかれないのではないか。

そう話すと、上野さんも、「通路は、車いすでも余裕を持って通れる広さに作られています。ですので、車いすの場合も窮屈な思いをせず、安心してお参りいただけますよ」と頷いた。

明るい陽射しに彩られた欧風庭園。そんな雰囲気の園内を歩きながら、可愛らしくて素敵な雰囲気ですねと思わずつぶやくと、上野さんも「ええ。こういう可愛らしい雰囲気がお好きな方には特に喜んでいただけるんじゃないかと思います」と相槌を打つ。

上野さんによれば、最近では、生前からお墓を購入する人が増えたそうで、聖和苑も「子供に迷惑をかけるわけにいかないから」と、生前から購入する高齢者が多いのだという。

小高い丘の上にある新区画は、眺望の良さと日当たりの良さが魅力!

広々とした通路を歩き、上野さんに案内されて向かったのは、今回受付している新区画だ。上下二段構造になっている聖和苑だが、緑の植栽に囲まれた新区画は上段の方にある。

小高い丘の斜面を利用して作られているだけあって見晴らしは抜群で、目黒の街を一望できるのだ。周囲に高い建物はなく、日当たりも良好で風通しが良い。「駅から徒歩圏内の都心の霊園で、ここまで日当たりや風通しの良い区画はなかなかないですよ。本当に希少です」と上野さんも太鼓判を押す。

なお、下の区画にも空きがあるそうで、そちらもまだ受付中だという。気になるのが下の区画の日当たりだが、先ほども書いたとおり、斜面を利用した作りであることに加え、周辺に日差しを遮るものがないため、「こちらも日当たりがよく風通しも良好ですよ」とのことだった。

聖和苑のお墓を見ていて気付いたのが、洋型のお墓が多いということだ。上野さんによれば、現在は霊園では洋型のお墓が主流であるそうで、聖和苑に洋型のお墓が多いのも、その流れを受けてのことであるようだ。

ただ、聖和苑には、ここならではの特徴がある。「このような霊園の場合、墓石の種類が決められていて、その中から選ぶことが多いのですが、聖和苑は完全オーダーメイドです。それも大きな特徴の一つではないかと思いますね」と上野さんは教えてくれた。

ハイシーズンの混雑具合や墓参に欠かせないお花や線香について

聖和苑には、管理・運営をしている海福寺の入口を入ってすぐのところと、上の区画の入口近くの2か所に駐車場があるが、混雑具合はどうなのだろうか?

このことを上野さんに確認すると、「普段は駐車場が満車になることはほとんどありませんが、お盆や彼岸などのハイシーズンには、満車になることがあるかもしれませんね。ただ、近くにコインパーキングがいくつかありますし、駅から近いこともあり、徒歩でお参りにいらっしゃる方が多いので、駐車できなくて困ったという話は今までにほとんど聞いたことがありません。」との答えが。

また、気になるのが墓参に欠かせないお花や線香のこと。こちらについても確認したところ、「線香については、本堂の裏手の通路の途中で販売していますので、そちらでお買い求めいただけます。

なお、価格は一束100円です。お花は海福寺や聖和苑での販売はしていませんが、山門から徒歩2~3分に花屋がありますので、そちらでお買い求めいただけます」とのことだった。

法要は管理事務所内で行うことが可能

法要などを行う際はどうすれば良いのだろうか。上野さんに聞いたところ、「基本的には墓前で執り行いますが、10名程度の少人数であれば、管理棟をご使用いただくこともできます。ご案内しますのでついてきてください」との答えが。

上野さんに案内され、再び海福寺の本堂へ。そのまま赤い山門をくぐって石段を下りると、参道の途中に小ぢんまりとした建物があった。一見すると普通の住宅のように見えるが、この一階が管理事務所になっており、「聖和苑管理事務所」と書かれた看板が扉の前に置いてある。入ってみると意外にも広く、中は明るい。

「10名様くらいまでであれば、こちらで法要を行うことができます。なお、法要が終わった後、こちらで会食をしていただくこともできますよ」と上野さん。

法要や会食に使用するイスやテーブルも用意してあり、冷暖房も完備しているので、少人数であれば問題なく利用できるのではないだろうか。

「聖和苑」概要

  • 名称 聖和苑
  • 宗派 宗教不問
  • 所在地 東京都目黒区下目黒3-20-9
  • 交通アクセス
    • 東急目黒線「不動前駅」より徒歩10分
    • 東急目黒線、都営三田線、東京メトロ南北線「目黒駅」東急中央口出口より徒歩15分
    • JR山手線「目黒駅」JR東口出口より徒歩15分