無縁仏も供養してもらえる!2つのケース別に考える生前準備と対策

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人が亡くなった後、後継者が不在で供養をしてもらえないお墓や霊魂のことを「無縁仏」と呼びます。
その言葉からも意味が分かるように縁のない仏・・・

ものすごく寂しい印象を持つかもしれませんが、家族のつながりはいつかどこかで途絶えてしまう可能性があります。
そのような時のためにの受け皿として、お寺の存在があります。

子孫の供養は受けられなくとも、合祀された無縁仏の霊は、お寺が供養してくれるのです。

  • 「できることなら自分は無縁仏にはなりたくない」
  • 「無縁仏になったとしても誰かに供養はしてもらいたい」

仕事やプライベートで多くの人と関わってきた人であっても、ふと自分が無縁仏になるかもしれないと考えると不安に思うかもしれませんが、そこまで不安になることはありません。

お墓や身寄りがいないケースでも自治体が対応してくれますし、元気なうちに自分の供養についての意志を残しておくこともできます。
ここでは、無縁仏の2つのケース、お墓がすでにある場合とない場合とで、その対策を紹介していきます。

無縁仏とは供養されなくなった死者の霊魂

身寄りがいないために誰にも供養されない死者の霊。それが無縁仏です。最近では、墓地に放置されたお墓のことを指して無縁仏とも呼びます。

一人寂しく死んでいき、亡くなったあとも誰かに供養されるわけではない。
こんな悲しいことはないのですが、気をつけなければならないのは誰もが無縁仏になる可能性があるということです。

そもそも無縁仏とは 無縁社会と無縁仏

亡くなった人の遺骨や霊魂が無縁となってさまよう以前に、いまは生きている人も無縁の状態に陥る危険性があります。「無縁社会」という言葉はいまでは広く浸透しています。

年間で孤独死する人の数は3万人を超えると言われています。老後生活が孤独であれば死後の供養も無縁化しやすくなります。
どうしてこのような社会状況になったのでしょうか。次のような理由が考えられます。

  • 少子高齢化
  • 女性の社会進出による結婚の意識の低下
  • 家族や親族関係の希薄化
  • 地縁(地域共同体のつながり)の崩壊
  • 終身雇用制度の崩壊による不安定な老後

戦後の日本は個人の自由が認められていきましたが、それに伴い孤独も増大して無縁社会を迎えてしまいました。無縁社会では、生涯未婚率の増加、単身者の孤立化、孤独死といったような社会問題を引き起こし、それが無縁仏へとつながっていくのです。

元気なうちからいかに周りの人たちとつながりあえるかは、納得いく老後や死後を考える上でとても大切なことです。

お墓や身寄りがない無縁仏のケース

入るべきお墓がなく、頼む身寄りがない場合、死後のことはどのように取り扱われるのでしょうか。

行旅死亡人とは

「行旅死亡人」という言葉をご存知でしょうか。身元不明で引き取り手のいない死者は「行旅死亡人」として死亡地の自治体に預けられます。

これは明治32年に作られた『行旅病人及行旅死亡人取扱法』が根拠になっています。

当時は旅行者やよその土地の人などのいわゆる「行き倒れ」を想定した法律だったのですが、現代では孤独死や遺児など、身元不明で引き取り手がいない死者はすべて行旅死亡人として扱われます。

行旅死亡人が埋葬されるまで

行旅死亡人の多くは、発見時に腐敗していることが多いため、まずは火葬され、遺骨を自治体が預かります。その後、死亡時の状況、死亡者の外見や所持品などを官報(政府発行の機関紙)に掲載、公告します。

市の職員が本格的に戸籍を調べて親族や引き取り手を探すのですが、どうしても見つからない、あるいは身元は突き詰めたものの引き取りを拒否される、ということも多いようです。
その場合、遺骨は一定期間保管されたのち、無縁仏として無縁墓地に埋葬されます。

行旅死亡人の取り扱い費用

行旅死亡人の火葬や埋葬にかかる費用は、死亡者が所持していた現金や有価証券が充てられます。もしも費用が足りない場合は、死亡地の自治体が不足分を立て替えます。

その後、相続人や扶養義務のある人が判明すれば自治体はその人たちに立て替え分を請求するのですが、それもままならないようであれば最終的には都道府県が弁償します。

お墓がある無縁仏のケース

お墓があるけれど無縁仏になるケースとはどういう状況が考えられるでしょうか。

跡取り、墓守の不在

お墓があるということはご先祖様やお寺とのつきあいがあるわけですが、その上で跡取りや身寄りがいないということです。

いますでに身寄りがないという人もあれば、自分の代は大丈夫だけれど子供の代で途絶えてしまうと悩む家族は意外に多いものです。
生涯未婚率の上昇が叫ばれていますが、まさにそれが大きな原因のひとつでしょう。

お墓の放置、引き取り拒否

故郷を離れて長くなった家族がそのままお墓を放置するケースもよくあります。
墓地や霊園側は、墓地の使用者やその家族を探すのですが、なかなか見つからなかったり、あるいは連絡を取り合ってくれないなどの問題が起きています。

自分の両親や祖父母が建てたお墓への無関心がこのような状況を招いているのかもしれません。

今後は無縁仏も増えてくる可能性あり

未来を見据えると、無縁仏はさらに増えてくる可能性があるでしょう。

日本の人口は2008年をピークに減少に転じていますが、2050年には1億人を下回り(約9500万人)、と同時に高齢者率は20%~40%になると推測されています。

高齢者が多く、若者が少なくなる社会構造の中で、お墓の持ち主の2世や3世すべての人が、祖先の残してくれたお墓の維持や撤去を律儀にしてくれればいいのですが、なかなかそんなことはなく、無縁仏となるお墓はさらに増えてくるのかもしれません。

無縁仏が増える理由

すでにいま現在も無縁仏は社会問題となっていますが、これからもさらに増え続けることが予想されます。
その理由はどんなところにあるのでしょうか。

少子高齢化で子が親を供養できない状況にある

昔は兄弟姉妹のいる家庭が多かったのですが、いまでは出生率が1.43%です(2018年)。

親の介護や供養は思いのほか大変で、助け合う兄弟がいればまだしも、少ない人数で背負うとなると大変なことです。
そこにさらにさまざまな要因が重なり合い、無縁仏、いわゆる放置されたお墓の問題が出てくるのです。

生涯未婚率の上昇であととりがいない

人口減少と少子高齢化に拍車をかけるのが生涯未婚率の上昇です。
生涯未婚率が上昇すると必然的にあととりがいない世帯が増えます。
お墓は世代を超えてお参りされるものなので、子供がいなくなることで無縁化しやすくなります。

移動化社会で親子が遠く離れた場所に住む

生まれた場所と違う場所に進学、就職、結婚し、そのままその地に住み着くのは今の世の中では当たり前になっています。

違う土地に住み慣れると、故郷にあるお墓とはどうしても疎遠になってしまいますし、自分たちがお墓を必要とした時には、故郷に戻るよりも住まいの近くにお墓を建てるという人が大半です。

そして親子が別々に離れて暮らすと、将来的には孤独死の問題にもつながりかねません。

親族の引き取り拒否

お寺や行政が頭を悩ますのが、親族や身寄りによる引き取り拒否だと言います。
身寄りがないのではなく、身寄りがあっても無縁仏を引き取ってくれないのです。

たとえ親族であっても、ずっと疎遠になっていた人の遺骨を受け取れない、受け取りたくないと拒絶するケース。また、遠方に離れている上に高齢や自身の生活で手一杯であるために、受け入れる余裕がないというケースもあります。

お墓に関しても遠方に離れてしまった家族が病気になってしまった、その次の代がお墓の問題に真剣に取り組んでくれないなど、さまざまな事情でお墓が放置されている現実があります。

考えられる2つの無縁仏ケースへの対処法

無縁仏になる可能性があると分かった上で、ではどうすれば無縁仏にならずにすむのか、誰かにきちんと供養してもらうにはどのような方法があるのかを、見ていきましょう。

お墓がなく身寄りがいないケース

入る墓も頼る身寄りもない場合、自身の死後のことをどうしていけばいいのでしょうか?

友人や知人と死後事務委任契約を結ぶ

元気なうちに葬儀社と生前契約を結ぶ、寺院と永代供養の契約を結ぶということは必要かもしれませんが、問題は自分自身が亡くなったあとに誰がその契約内容を履行するかという問題が出てきます。

そこで活用すべきなのが「死後事務委任契約」制度です。死後の事務的な手続きを委任するための契約です。

家族がいない方でも友人や知人に任すこともできますし、さらに心強い弁護士、司法書士、行政書士などの法律の専門家に依頼することもできます。

また、契約自体は口約束でも構わないとされています。
しかし万一親族の人が現れて、赤の他人である友人や知人が死後の事務処理をすることに対して苦言を呈してくる可能性は大いにあります。

だからこそ、きちんとした契約書を作成して、公正証書にしておきましょう。
そうしておくことで、いざという時も故人の遺志をきちんと証明した上で、受託者の立場を守れます。

死後の事務的な手続きとは、次のようなものを指します。

  • 役所への届け出
  • 親族や知人への死亡の連絡
  • 葬儀や埋葬の手配
  • 医療費の支払い
  • 遺品整理・自宅の処分

自治体のエンディングサポート制度を活用

最近では自治体が積極的に終活課題に取り組んでいます。その先駆けとなったのが、横須賀市の「エンディングプラン・サポート事業」です。

役所と葬儀社が連携して行うこの事業は、主に身寄りのない高齢者向けのものです。葬儀や墓についての意思を本人から事前に聞きとり、書面に残して保管しておくだけでなく、市役所の職員が間に入る形で葬儀社と生前契約を結びます。

さらには、市の職員と葬儀社が定期巡回して孤独死を防止したり、介護の状態を見極めてくれるので、単身の高齢者にとっては大きな安心となります。

このように、葬祭や供養だけでなく、高齢者介護の面でも積極的な取り組みを行っているのが特徴で、官民が連携することで、小コストで予算を上げている点が高く評価されています。

この取り組みは日本全国に普及しており、神奈川県大和市、千葉県千葉市、兵庫県高砂市などでも同様の事業を開始しました。

お墓があり身寄りがいないケース

お墓があるけれど身寄りがなく、やがては無縁仏になる可能性がある場合は、事前に寺院に永代供養の相談をしましょう。

事前に墓じまいをしておかなければならない

お墓があるけれど維持ができない。そういう人は元気なうちに墓じまいをしておきましょう。自分たちのルーツであるご先祖様が祀られているお墓です。

もしも自分に何かあったまま墓石がずーっと放置されたままになってしまったら、ご先祖様も自分自身も辛い思いをしなければなりません。
墓じまいをするためには次の5つの窓口にかけ合いましょう。

墓じまいをするために必要なこと

  • 改装先を決める
    墓じまいをしたお墓の中の遺骨の行き先を決めます。納骨堂、樹木葬、永代供養、散骨など、さまざまなお墓があります。

  • 改葬許可を得る
    遺骨を他の場所に移すためには移転元の自治体から改葬許可を受けなければなりません。

  • お寺に魂抜きや離檀の相談をする
    墓石を解体するためには、お寺に魂抜きをしてもらわなければなりません。

    また境内のお墓を撤去する場合、遺骨を他の場所に移すとなると離檀(檀家をやめること)しなければなりません。
    あわせてお寺に相談しましょう。

  • 石材店に墓石の解体撤去を依頼する
    墓石の解体撤去工事を石材店に依頼しましょう。民営霊園や寺院墓地では石材店が決められていることが多いので管理事務所や住職を訊ねましょう。

  • 霊園や墓地に区画の返還手続きをする
    不要となった区画は霊園や墓地に返還しなければなりません。それぞれが定める手続きをとりましょう。

先祖の霊を永代供養にして、自分の死後も供養してもらう生前契約

墓じまいをしたら、その中に納められていた遺骨をどこかに移して受け入れてもらわなければなりません。先祖の遺骨と自分自身の死後の供養を永代供養してもらうお寺や霊園を探します。

菩提寺があれば、そのお寺に永代供養をお願いするのがいいでしょう。もしも菩提寺ないのであれば、信頼のおけるお寺を探しましょう。

まだまだ元気なうちは自由にお参りができるので、いきなり永代供養(合祀)するのではなく、まずは納骨堂や樹木葬や期限付き墓石などを購入してもいいでしょう。
これらは、将来的な墓じまいと永代供養を含んだ契約内容になっているので、万が一の時にも安心です。

生前契約の活用で死後の供養も安心

元気なうちに自分が望む葬儀や埋葬について考え、場合によっては生前契約まで踏みきってもいいでしょう。自分自身にも安心感が生まれますし、周りの人に余計な手間や負担をかけなくて済みます。

友人や知人と死後事務委任契約を結ぶ

自分の死後の諸々の手続きを誰かに任せるために「死後事務委任契約」という制度があります。
家族に限らず、友人知人、あるいは弁護士や司法書士などの専門家に死後の事務処理を任すことができます。
契約そのものは口約束でも成立しますが、トラブル回避のために公正証書として契約書を作成しておくとよいでしょう。

遺言証を残して弁護士に預ける

遺産や相続に関することは遺言書にしておきましょう。
死後事務委任契約はあくまで死後の事務手続きを第三者に委任するためのものです。

相続に関しては、法定相続人以外は関与できないため自分の意思を残しておきましょう。
こちらも元気なうちに弁護士に相談して公正証書遺言を作成しておくことをお勧めします。

葬儀社の生前契約制度や信託制度

葬儀に関しては葬儀社と生前契約を交わせます。事前に契約を交わしておくことで残された人たちに余計な手間や負担を与えることなく、自分自身が望む葬儀を執り行うことができるでしょう。

また葬儀費用の支払いは信託制度を活用します。生前契約の際に信託口座にお金を入れておくことで、いざ葬儀が発生した時にはそこから充てられるため、遺された人の負担が軽減されますし、身寄りのない方の葬儀も執行できます。

お寺の永代供養や生前戒名

遺骨の埋葬先として予めお寺に出向いて永代供養の相談をしておきましょう。戒名を希望するのであれば生前戒名を頂くこともできます。
もしも先祖の位牌や遺骨も遺されているのであれば、あわせて相談しておきましょう。

残されている無縁仏の供養法と関わり方

お寺や霊園など、墓地の管理者は無縁化したお墓に頭を悩ましています。墓石は霊魂が込められているものですし、お墓の中には大切な遺骨が埋葬されています。

何年も何十年もお参りがないために、管理者の判断で撤去しても、万が一あとから親族がお参りに来たらトラブルにもなりかねません。また、死者にも尊厳があるために、埋葬された遺骨は丁寧に扱うべきです。

『墓地、埋葬等に関する法律施行規則』では、無縁化したお墓は次のような手順を踏んで、墓じまいをしてもよいとしています。

墓地、埋葬等に関する法律施行規則

第三条 死亡者の縁故者がない墳墓又は納骨堂(以下「無縁墳墓等」という。)に埋葬し、又は埋蔵し、若しくは収蔵された死体(妊娠四月以上の死胎を含む。以下同じ。)又は焼骨の改葬の許可に係る前条第一項の申請書には、同条第二項の規定にかかわらず、同項第一号に掲げる書類のほか、次に掲げる書類を添付しなければならない。

一  無縁墳墓等の写真及び位置図

二  死亡者の本籍及び氏名並びに墓地使用者等、死亡者の縁故者及び無縁墳墓等に関する権利を有する者に対し一年以内に申し出るべき旨を、官報に掲載し、かつ、無縁墳墓等の見やすい場所に設置された立札に一年間掲示して、公告し、その期間中にその申出がなかつた旨を記載した書面

三  前号に規定する官報の写し及び立札の写真

四 その他市町村長が特に必要と認める書類

ここでは、1年以内に申し出ることを官報に掲載し、墓地に建て札を1年間建てて公告し、その期間中に申し出がなかったら管理者が墓じまいをしてよいことになっています。
しかし、法律で定められているからと言って、管理者は簡単には墓じまいできないものです。

墓石の撤去や遺骨の改葬はとても大切なことなので、慎重に親縁の人を探すための手間が取られますし、官報の掲載や墓じまいの費用も最終的には管理者が負担しなければなりません。
そのため、二の足を踏んでいる霊園が多いのが実情です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
時代とともに無縁仏も増えてきていますが、新しい供養スタイルも増えてきているので、不安になる必要はないのかもしれません。

もちろん、家族のつながりがあって子や孫に見送られて供養されるのが一番いいのかもしれません。
しかし、供養スタイルだけでなく、社会制度も時代に即したものに少しずつ整えられてきています。

大切なのは、元気なうちから死後のことを考えておくことではないでしょうか。
では最後にこの記事のポイントを箇条書きにします。

この記事のポイント

  • 無縁仏とは、供養されなくなった死者の霊魂や放置された墓石のことを指す
  • 老後生活が孤独であれば、死後の供養も無縁化しやすくなる
  • 元気な内からいかに周りの人たちとつながりあえるかは、納得いく老後や死後を考える上で、とても大切なこと
  • 身元不明で、引き取り手のいない死者は「行旅死亡人」として死亡地の自治体に預けられる
  • あととりがいないだけでなく、疎遠になった家族や親族がお墓を放置することで無縁仏となるケースも多い
  • 無縁仏が増える理由に、少子高齢化、生涯未婚率の増加、移動化社会、親族の引き取り拒否などが挙げられる
  • 死後事務委任契約は、死後の事務的な手続きを委任するための契約で、友人や知人や弁護士など、誰にでも任すこともできる
  • 横須賀市のような自治体によるエンディングサポート制度も広がりを見せている
  • お墓がすでにある人は元気なうちに墓じまいをして、先祖の霊を永代供養にしてもらう
  • 死後事務委任契約や、遺言証など、自身の意志を死後も履行できる準備をしておく
  • 葬儀やお寺などの生前契約制度を活用する
  • 管理者は法律に定められた行政手続きを踏むと、無縁墓の撤去や改葬ができる

一口にお墓・霊園と言っても、豊かな自然を背景にしたり、規模や宗派だけではない様々な特色があります。
お住まいの地域・ご実家の近隣などで、どんな霊園があるかご覧になってはいかがでしょうか?

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