【完全マニュアル】お墓を購入する手順と注意点!初心者でもよくわかる

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お墓の購入とは?徹底解説

  • お墓購入はイメージ作り、墓地選び、墓石選定のステップがある。
  • 購入費用には墓地使用料、墓石代、工事費、お布施が含まれる。
  • 継続費用には管理費、メンテナンス料、イベント時のお布施が必要。
  • お墓費用は税控除対象外だが、生前建立で相続税対策になることも。
  • 立地や価格の要因を把握し、墓守死後の手続きも知っておくべき。

お墓を購入したいけれど、「なにから始めればいいの?」「費用はどのぐらいが相場なの?」など戸惑う人は多くいらっしゃるでしょう。

納得してお墓を購入できるように、購入の流れや、費用の目安、お墓の購入後の注意点などについて解説します。

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この記事の目次

  1. お墓を購入するときの流れ3ステップ
  2. お墓購入時にかかる費用
  3. お墓購入後にかかる費用
  4. お墓の費用は所得控除の対象にはならない
  5. お墓を購入するときに注意したいポイント
  6. 購入したお墓を管理する墓守について
  7. まとめ
  8. 監修者コメント

お墓を購入するときの流れ3ステップ

墓地を購入する時の流れ3ステップ

お墓を購入するときには、しっかりと完成までの流れを把握することが重要です。

ここでは大きく3つのステップに分けて、お墓を購入するまでの流れについてみていきます。

  1. ステップ①:どんなお墓を建てるかイメージする
  2. ステップ②:墓地を決める
  3. ステップ③:墓石を決める

ステップ①:どんなお墓を建てるかイメージする

1:建てるお墓をイメージする

「ご自身やご家族に適したお墓はどんなお墓か?」をまずは考えましょう。

従来型の「墓石を用いたお墓」をイメージされている人は、「和型墓石」「洋型墓石」「デザイン墓石」の中から、どのようなお墓がご自身に合っていそうか、イメージするとよいでしょう。

和型墓石

和型墓石
特徴
昔からなじみのあるお墓の形
石材を多く用いる傾向にあり、高額になりやすい

洋型墓石

カラフルな洋型墓石が並ぶ霊園
特徴
和型墓石と比べると費用は安い傾向にある
現在最も多くの人に選ばれている墓石の形である

デザイン墓石

赤色の医師が乗っている山型のお墓
特徴
個性的なお墓を作ることができる
唯一無二のデザインは金額が高くなる傾向にある

また最近では、お墓を次の世代へ継ぐことを前提としない、単身用のお墓夫婦一代のお墓を購入される人も増えてきています。

このような、承継を前提としないお墓を「永代供養がついたお墓」と呼び、近年話題になっている「樹木葬」や「納骨堂」も永代供養がついたお墓に該当します。

樹木葬

樹木葬 宝塚霊園
特徴
墓石の代わりに樹木を用いたり、納骨場所の周りに草花を植えたりするお墓
永代供養がついているので、お墓を次の世代に継ぐ必要がない

納骨堂

武蔵陵苑のロッカー型納骨堂
特徴
ご遺骨を室内に納骨するタイプ
永代供養がついているので、お墓を次の世代に継ぐ必要がない

以上お墓の種類を紹介しました。関心があるお墓は見つかりましたか?

続いては「墓地を決める」段階に移ります。

※ここからは、墓石を用いたお墓を建てることを前提に解説します。

ステップ②:墓地を決める

2:墓地を決める

次に、お墓を建てる場所を探します

お墓を購入するとなると、墓石のデザインばかりに気が向いてしまいがちですが、お墓を建てる場所(墓地)探しは非常に重要です。

  1. 自分の希望する墓地を探す
  2. 墓地を見学する
  3. 墓地を契約する

②-1:自分の希望する墓地を探す

まずはインターネットなどで希望エリアの霊園・墓地を探してみましょう。

「東京都 港区 霊園」というように地域名を入れてネットで検索すると、希望エリアの霊園がいくつか出てきます。いいなと思う霊園をいくつか選定しましょう。

②-2:墓地を見学する

希望の墓地が見つかったら、自ら足を運んで見学してみましょう。

実際に現地へ訪問することで気付くことがたくさんあります。

スタッフの対応施設の管理状況など、墓地全体の雰囲気に加え、実際の霊園への通いやすさも体感できるでしょう。

②-3:墓地を契約する

墓地をいくつか見学したあとは、具体的に墓地の契約先を選定し契約書を交わします

墓所使用契約書を結ぶことになるので、戸籍謄本などの公的書類が必要です。

無事に墓地が決まったら、次に墓石を決めていきます。

ステップ③:墓石を決める

3:墓石を決める

墓石が決まれば、無事お墓が建立されることになります。

  1. 石材店で墓石を相見積もりする
  2. 石材店を選定し、墓石を注文する
  3. 墓石の設置・引き渡しをする

③-1:石材店で墓石を相見積もりする

墓地の選定後は、石材店で墓石の相見積もりをします。

相見積もりとは、違う石材店へ同じ墓石の条件で見積もりをもらうことです。お墓の相場を把握していなくても、相見積もりを行うことでおおむね相場がつかめるでしょう。

漠然としたイメージでも石材店が3D図を用いて、墓石の完成図を描いてくれるところが多いです。遠慮なく希望を伝えることが大切です。

③-2:石材店を選定・墓石を注文する

相見積もりをした中から、石材店を1社選定します。

ただし寺院墓地や一部の民間墓地では、決められた石材店(指定石材店)しか利用できないケースがあります。もし石材店を複数社の中から選びたい場合は、墓地を契約する前に確認することをおすすめします。

そして選定した石材店へ墓石を注文します。注文した段階で手付金として何割かを石材店へ支払います。

③-3:墓石の設置・引き渡し

注文した墓石の製作が完了したら、石材店に設置してもらい、ようやく墓石の引き渡しです。

多くの場合、墓地で石材店と立ち合い、注文した墓石に不備がないかを目視で確認します。

施工や作りに問題がないようであれば、墓石の代金の残金を支払いましょう。

墓石注文してから早くても1~2か月程度かかることが一般的です。


以上、お墓を購入するまでの3つのステップを解説しました。 

  1. ステップ①:どんなお墓を建てるかイメージする
  2. ステップ②:墓地を決める
  3. ステップ③:墓石を決める

ライフドットでは、皆さまが納得してお墓を購入できるように、様々な情報を提供しています。

まず「自分にはどんなお墓が適しているかを知りたい・判断したい」という人は以下の記事をご覧ください。

都道府県一覧から墓地・霊園を探す

「希望エリアの墓地を探してみたい」という人は、以下から検索してみてください。

実際に無料で霊園のパンフレットを請求することもできますから、ご活用ください。


またお電話でお墓の相談を受け付けています(受付時間:10:00~19:00)。ご不明な点がございましたらお気軽にお問合せください。

次の章では、お墓を購入する時にかかる「費用」について解説します。

あなたにあったお墓を見てみる

希望条件からお墓を調べてみたい方は、下記をご利用ください。4つの質問をもとにあなたにあったお墓を検索できます。

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お墓購入時にかかる費用

お墓購入時にかかる費用について紹介します。

  • 墓地の使用料(永代使用料)
  • 墓石代
  • 墓石の工事費
  • 供養時のお布施代

【永代使用料】墓地を使用するための権利金

永代使用料は、墓地を霊園などから借りる場合に支払う代金です。つまり、お墓を建てる場合は必要になります。

永代使用料は、東京都の場合約140万円・千葉県の場合約65万円と、地域によって差があります。墓地とは土地の賃借料のようなもののため、地価が高い地域ほど永代使用料も高くなります。

【墓石代】墓地に建てる墓石の費用

墓石代は、墓石そのものの代金です。加工賃や石材の料金が含まれています。
2021年 全優石 お墓購入者アンケート調査によると、墓石の平均購入価格は約160.1万円という結果になりました。

【墓石の工事費】墓石を建てる際の工事の費用

墓石を設置する工事費は、施工工事(墓石の組み立て)と、基礎工事の大きく2つに分けられます。

施工工事は、墓石を建てるのであればもれなく必要になります。一般的に墓石代金と工事費用をあわせて請求されることが多いです。

基礎工事については、比較的新しい霊園の場合、霊園全体で基礎工事が完了しているところもあります。もし基礎工事が必要な霊園の場合は、だいたい1平方メートルあたり3~5万円が相場です。

ただし基礎工事の中でも、「杭打ち基礎」の場合は相場よりも高額になります。

杭打ち基礎の場合

コンクリートパイルと呼ばれる杭打ちを行います。

水はけがあまりよくない軟弱な土地でも杭を打つことにより地盤が安定します。汎用性が高い工法ではあるものの費用が高くなるため、予算と相談したうえで決めたほうが良いでしょう。

基礎工事で費用をかけたくない場合は、そもそも杭打ちをする必要がある墓地は選ばないようにしたほうが賢明です。

【供養のお布施代】墓石建立後の開眼・納骨供養などの費用

お布施の代金も忘れてはいけません。墓石を建てた場合は、墓石に開眼供養と呼ばれる魂入れを僧侶に依頼することが一般的です。
また、納骨する際も僧侶に供養を依頼する人が多いでしょう。細かい内訳は下記のとおりです。

開眼供養のお布施の目安

開眼供養のお布施の目安は1万~5万円程度です。

納骨供養のお布施の目安

納骨供養のお布施の目安は1万~5万円程度です。

お車代の目安

お車代の目安は、5,000~1万円程度です。寺院墓地で行う場合は用意しなくても問題ありません。

御膳料の目安

御膳料の目安は、5,000~1万円程度です。法要後に食事の席を設けている場合で僧侶が参加できないときに手渡すものになります。そのため、僧侶が食事に参加する場合は不要です。

お墓購入後にかかる費用

お墓は購入時にかかる初期費用だけに注目されがちですが、実は購入後にもお金がかかります。

  • 年間管理料
  • お墓のメンテナンス料
  • イベントなどでのお布施(寺院墓地の場合)

【年間管理費】墓地を管理していくための費用

お墓を管理していくための費用として、年間管理費と呼ばれるものを1年に1回支払います。
公営・民営など墓地の種類によっても異なりますが、おおむね5,000~1万5,000円程度のところが多いでしょう。お墓の共用部分などを維持管理するために使われます。

【メンテナンス料】お墓の掃除や補修などの費用

お墓のメンテナンス料も頭に入れておきましょう。屋外にあるお墓の場合は、365日24時間雨風にさらされています。

そのため、想像以上に汚れが蓄積していきがちです。お盆やお彼岸など定期的に掃除をしていれば問題ないと考える人も多いですが、掃除の仕方を誤ってしまうと墓石にシミを作ってしまうことも珍しくありません。

そういった場合は、墓石清掃の専門業者に依頼することもおすすめです。清掃を依頼する場合の相場は、1万~2万円程度です。

【イベントなどでのお布施】寺院墓地の場合は、年間行事でお布施が必要

毎年必要になる可能性があるお布施もあります。これは寺院墓地の場合かつ、檀家となっている場合です。

檀家とは、お寺を支えるためのサポーターのようなもの。つまり、お寺は檀家がお金を出し合って支えていくことが基本です。そのため、お盆やお彼岸など年間行事にお布施が必要な場合もあります。

お布施という性質上、毎年いくらがかかるかは見えにくいです。寺院墓地で檀家になることを考えられている方は、お布施のことを頭にいれておきましょう。

お墓の費用は所得控除の対象にはならない

お墓にかかる費用は、まとまった金額になりますが、所得控除の対象にはなりません。

生前にお墓を建てれば、相続財産から引くことができる

お墓を生前に建てた場合の費用は、相続財産から差し引くことができます。
なぜなら、お墓は相続税法第12条2項の非課税財産にあてはまるからです。

そのため、相続税がかかるようなケースですと生前に墓石を建てることで相続税対策にもなるでしょう。ただし、亡くなった後にお墓を建てた場合は、相続財産から差し引くことはできません。つまり、相続対象財産になりますので注意しましょう。

お墓を購入するときに注意したいポイント

お墓を購入する際、特に注意しておきたいポイントを解説します。

1.お墓の値段の基本的事項を把握しておく

お墓の値段がどのようにして決まるか把握するのは大切です。

お墓の値段は、主に「石材の使用量」「お墓の広さ」「石材の種類」「墓地の工事のしやすさ」の4つで決まります。

もし価格を抑えたいのであれば、小さめのお墓にする、国産の石材ではなく外国産の石材を選ぶ、といった工夫ができます。

2.お墓の立地環境やアクセス状況

お墓を購入する際は、環境やアクセス状況の確認もしておきましょう。

例えば、お墓の購入時は現地まで車で気軽に通えたとしても、20年後、30年後まで同じ状態が続くとは言えません。

数年後のことも考慮しながら、墓地周辺の公共交通機関の有無などもチェックしておくと安心です。

購入したお墓を管理する墓守について

購入したお墓は、自分の子孫や親族が墓守となり承継していくことになります。一般的には自分の子どもや孫が墓守をしていくことが多いでしょう。

墓守が墓石の管理を行うのが一般的

墓守の仕事の基本は、お墓に関することの管理全般です。

名前の通り、お墓を次世代へ守っていくことが役目となります。主には「年間管理費の支払い」「霊園や墓地との連絡」の2つがすべきこととなります。

年間管理費の支払い

多くの墓地では、年間管理費が墓地を利用しているかぎり毎年発生します。
この支払いを滞りなく行うことも墓守の仕事です。管理費は1年に1回のところが一般的です。

霊園や墓地に口座引き落としができるのであれば、年間管理費用の口座を用意して口座引き落とし契約を設定しておくと管理が楽になるでしょう。

霊園や墓地との連絡

墓地内で問題があった場合などは、墓守が霊園や墓地へ連絡をすることになります。
ほかの親族と墓地のつなぎ役となるので、できるかぎり齟齬がないよう情報は共有しておきましょう。

墓守が亡くなったときにすべきこと

万が一、お墓の管理をしていた墓守が亡くなってしまった場合は、どんな手続きが必要なのでしょうか。

霊園や墓地へ管理者変更の手続き

速やかに行いたいのが、霊園や墓地への管理者変更の手続きです。
霊園や墓地によっても必要な書類は異なりますが、除籍謄本や戸籍謄本、印鑑証明書など公的書類が必要になる場合があります。

どんな書類が必要になるか、だれが新しい墓守になったほうが良いかなど電話で相談してみると良いでしょう。この手続きをおろそかにして、管理費を長期間延滞してしまうと永代使用権ははく奪されてしまう可能性がありますので注意が必要です。

管理費など支払方法の再確認

管理費が口座引き落としになっている場合は、改めて口座振替手続きが必要になります。
また、別の納付方法があるようであれば、これを機会に再確認しておくと良いでしょう。

まとめ

お墓を購入するとなると、本当にわからないことがたくさん出てきます。ここで紹介したポイントをおさえながら、納得のいくお墓選びをしてください。

  • お墓を購入するときの流れ①:建てるお墓をイメージする
  • お墓を購入するときの流れ②:墓地を決める
  • お墓を購入するときの流れ③:墓石を決める
  • お墓の購入時にかかる費用は「墓地使用料」「墓石代」「工事費」「お布施」
  • お墓の購入後にかかる費用は「管理費」「メンテナンス代」「お布施」
  • お墓の費用は所得控除の対象にはらなない
  • 生前にお墓を建立すれば、相続財産から差し引けるため相続税対策になる
  • お墓を購入する際、知っておくべきは「立地」「値段が上下する要因」
  • 墓守は、管理費の支払いや霊園との連絡を行う
  • 墓守が亡くなった場合は、速やかに霊園や墓地へ連絡し変更手続きをする

監修者コメント

監修者
終活・葬送ソーシャルワーカー
吉川美津子

お墓は建てておしまいというものではなく、故人や先祖の遺骨を納め、守っていかなければなりません。
菩提寺がない場合、立地を一番の条件としてあげる人が多いのもそのためでしょう。
墓守がしやすい場所を真っ先に考える人が多いようです。

現在新規で建てられるお墓のうち、約4割が洋型といわれています。
もちろん縦長の和型の墓石もまだ根強い人気ですが、特に都市部を中心として洋型やオリジナルの墓石が増え、色もピンク、赤、黒、マーブル調、キラキラ調など、オブジェによく見られるような色が好まれています。

そうはいっても、特定の人の趣向を形にするのも考えもの。
次世代へ引き継いでいくことを考えると、無難なデザインでまとめる傾向があります。