お墓に備える花の種類は?定番や意味を紹介

お墓の花

お墓の花とは?徹底解説

  • お墓には控えめな菊が定番。小さくて落ち着いた色を選ぶ。
  • お墓の花色は四十九日まで白黄紫、その後はピンク赤も可。
  • 毒や棘のある花、強い香りの花は不向き。ユリは墓石を汚す恐れあり。
  • 生花と造花はどちらもOK。メリット・デメリット考慮し選択を。

普段なかなかお墓参りにいけなくても、お盆やお彼岸にお休みを利用してお墓参りにいく人も多いのではないでしょうか。

お墓参りに欠かせないお花を供える事も、自分で用意しようと思うと、どんなお花を用意すればいいか分からなかったりしますよね?

この記事では、お墓参りにもっていくお花の定番から、避けておきたいお花の種類まで理由も合わせて解説していきます。
お花の片づけについてもふれていますので最後までご覧ください。

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終活といっても、生前整理、葬儀、お墓の検討などさまざまです。
そのなかでも「お墓」は、一生に一度あるかないかの買い物ですね。

  • 自分のライフスタイルに合ったベストなお墓はどういうものなのか知りたい
  • お墓選びで複雑な手順を簡単に詳しく理解したい
  • お墓選びで注意するべきポイントを詳しく知りたい

など、数々の不安を抱えている方が多いのではないでしょうか。
お墓の購入に関しては、初めての方が多いため、不安や疑問を持つことは仕方のないことでしょう。
しかし、お墓購入後に後悔することだけは避けたいですよね。
そのためにも複数の霊園・墓地を訪問して実際に話を聞き、しっかりと情報収集することをオススメします。

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この記事の目次

  1. これで安心!おすすめの花の種類
  2. 基本的には生花でなくて造花でもよい
  3. 気にしておきたい供え方・片づけ方のマナー
  4. まとめ
  5. 監修者コメント

これで安心!おすすめの花の種類

この章では、お墓にお供えするのにおすすめの花の種類をお伝えします。

基本的には控えめな色で小ぶりの花がふさわしいとされますが、「そう言われても、漠然としていてイメージがわかない」と悩む人も多いでしょう。


仏花にふさわしい花の色味を知れば、スムーズに選べますよ。

代表的な仏花は「菊の花」

お墓に供える花と聞いて、多くの人が思い浮かべるのは「菊の花」でしょう。
イメージ通り、菊は仏花として代表的なものです。

なぜ、菊が仏花としてふさわしいとされているのでしょうか。
それには、3つの理由があるとされています。

  • 菊が古くから日本人に馴染みのある花だから
    菊は平安時代から薬草や観賞用として使われてきた歴史があります。
  • 厳かな雰囲気にふさわしい格式を備えているため
    天皇家のご紋章にも、菊が使われていることにお気づきでしょうか。
    菊は親しみがありながらも、凛とした雰囲気を持っているのです。
  • 観賞上の都合から、菊が扱いやすいから
    切り花として長持ちし、季節を問わず栽培でき、色のバリエーションが豊富なのは、菊ならではの特徴です。

このように、菊が仏花として選ばれるのには理由があります。
しかし、最近では、菊以外の花も仏花として使われるようになってきました。
おすすめの色味を紹介しましょう。

お花の人気色は白色や黄色

お墓に供えるお花の人気色は白や黄色で、他のふさわしい色は時期によって違います。
四十九日までは3色、四十九日以降は5色でまとめるのがよいとされています。

四十九日までの3色は、以下の通りです。

  • 黄色

紫は位の高いお坊さんの法衣の色などにも使われるため、喪を表す場でもふさわしいとされます。
香典袋を包む袱紗(ふくさ)や、数珠のフサにも、紫が使われていることが多いですよね。

四十九日以降の5色は、以下の通りです。

  • 黄色
  • ピンク

以上の色味を考慮して、さらに故人が好きだった花を取り混ぜられれば、より良い供養となるでしょう。

お値段の相場は1束1,000円

仏花の値段相場は、1束1,000円ほどです。
3,000円を超えるような豪勢な花束にすると、お墓の花立に入らない可能性が高いので注意しましょう。
花立が2つあれば1対買うことになり、合計で2,000円ほどの予算となります。

ここまで、お墓にお供えするのにおすすめの花について紹介してきました。
次に、避けた方がよいお花についてお伝えしましょう。

避けたほうがよいお花の3つのポイント

お墓にお供えする花の中には、避けた方がよいとされるものがあります。
避けるべき仏花のポイントは3つです。

毒のある花

お墓には、毒をもつ花はふさわしくないとされています。
毒のある花として代表的なものは、彼岸花などです。

棘のある花

棘のある花も、殺生を思い起こさせるため、お墓にはふさわしくありません。
どんなにキレイでも、バラはダメということになります。

香りの強い花

とくに仏教では、香りの強い花は嫌われます。

亡くなって仏となった故人は、食べ物などの味ではなく香りを楽しむため、
あまりにきつい匂いがすると、他の供物の香りを楽しめなくなってしまうからとされています。

ユリの花はふさわしくないうえ、花粉が墓石を汚す可能性もあります。
ただし、キリスト教のお墓には、逆にユリの花がふさわしいとされています。
ユリは聖母マリアの清廉さを表す花だからです。

以上、お墓に供えるお花について、ふさわしいもの、ふさわしくないものをお伝えしました。

なかには、「造花のほうがいい」と考える人もいるでしょう。
次章では、生花と造花のメリット、デメリットをお伝えします。

基本的には生花でなくて造花でもよい

仏花は生花でないとダメかといえば、決してそうではありません。

造花でも、全く問題はありません。
しかし、それぞれにメリットとデメリットがあります。

生花のメリット

生花のメリットは、以下の通りです。

先祖に生花の香りをお供えできる

仏さまとなったご先祖様は、ものを口から食べるのではなく、お供え物の香りをいただくといわれています。
生花なら、フレッシュな香気を故人にお供えすることができます。

季節に応じた花を供えられる

生花であれば、季節によって旬の花をお供えできます。

生花のデメリット

生花のデメリットは、以下の通りです。

すぐに枯れてしまう

頻繁に水を取り換えに来ることができなければ、すぐに枯れてしまいます。
枯れた花は、わびしさを誘います。

枯れると花びらが落ち、散らかった雰囲気になる

花びらが散れば景観的にもあまり良くないですし、花粉が他のお墓を汚す危険性もあります。

造花のメリット

造花のメリットは、以下の通りです。

枯れない

造花はもちろん枯れないので、いつまでもお墓を見栄えよく彩ります。

季節にない花も調達できる

故人が好きだった花が手に入らないときも、造花であれば手に入る可能性が高いでしょう。

造花のデメリット

造花のデメリットは、以下の通りです。

人によっては「手抜き」のイメージが否めない

生花より造花が劣ると思っている人からみると、「お参りに手を抜いている」と思われてしまう可能性があります。

通りがかりの人になら、どう思われても構わないという人もいるかもしれませんが、
親族に「生花でないと」という考え方の人がいたら、造花をお供えするのはやめたほうがいいでしょう。

このように、生花にも造花にも、それぞれメリットとデメリットがあります。
自分だったら何を大事にするかを考え、選ぶのが一番でしょう。

ここまで、お墓に供えるお花は生花と造花とどちらがよいかについて解説してきました。
続いて、お花の供え方や片づけ方のマナーを説明します。

気にしておきたい供え方・片づけ方のマナー

お墓に供えるお花の供え方と片づけ方には、マナーがあります。
誰もが気持ちよくお墓参りをすることができるよう、以下のようなことに気をつけましょう。

お花は水につけて切りましょう

お花をちょうどよい長さに切りそろえるときには、たらいやバケツに水を汲み、花の茎を水につけながら切りましょう。
切り口から茎が水を吸い込み、持ちがよくなります。

お花の茎を濡らした状態で持参しましょう

買ったときには活きの良かった生花も、お墓に着くころにはしおれてしまったということがよくあります。

お花をシャキッとさせるためには、茎の切り口を水に浸した状態を保つのが一番です。
お花の茎を濡れたティッシュでくるんだあと、アルミホイルで包み持参しましょう。

お花は参列者に向けて供えましょう

お花は、参列者に向けてお供えします。

「故人へのお花だから」という解釈で、墓石のほうに向けてお花を飾る人もいますが、
お花は故人へのお供え物であると同様に、お墓を見栄えよく飾るためのものです。

参列者のほうを向けてお供えするようにしましょう。

お花以外の供えもの

お花以外に、食べ物をお供えしたいという人もいることと思います。

もちろん食べ物を持参して構いませんが、お供えし、お参りしたら、すぐに下げてしまうようにしましょう。
カラスや猫の外から守るため、食べ物のお供えを禁止している霊園は多いはずです。

故人の好物だったとしても、お線香を上げたらお供え物は持ち帰りましょう。

食べ物以外のお供え物も、持ち帰ったほうが無難です。

故人の趣味だった模型などを、「食べ物じゃないから、置いて行っていいはず」とお墓に置き去りにすると
盗難にあったり、風に飛ばされて壊れたりしてしまいます。

次にお墓参りをしたとき、お供え物がこつ然と消えていたり、風雨にまみれてみすぼらしくなってしまっていたりするのは、とても悲しいことです。
お供え物は持ち帰るようにしましょう。

生花の持ち帰りを推奨している霊園もある

お供え物ばかりではなく、生花を持ち帰ってほしいという霊園もあります。
花びらが散らばってしまったり、花粉が飛んで墓石を汚してしまったりするのを防ぐためです。
生花の持ち帰りを推奨しているような霊園であれば、素直に持ち帰りましょう。

せっかくお供えした花を持ち帰るのは寂しい、という人には、造花がおすすめです。

「造花なんて、手抜きだ」と言う親族がいたら、霊園が生花の持ち帰りを推奨していること、
そのままではお墓が寂しい印象になってしまうことを説明しましょう。

どうしても「生花がよい」と譲れない親族がいたら、お参りのときにだけ生花を花立てにさし、
お参りが終わったら、替わりに造花をさしておくのがおすすめです。

持ち帰った生花は、仏壇に飾りましょう。

まとめ

以上、お墓に供えるお花の選び方や、お供えするときのマナーなどについてお伝えしました。

お供えのお花を選ぶのに慣れていないなら、まずはスーパー内の花売りコーナーに行ってみるのが一番です。
「仏花」と書かれたコーナーに、菊を中心に据えた細い花束がたくさん並んでいます。

まずは仏花とされている花束をそのまま買い、「お墓にはこんな色味がふさわしいんだ」と勉強してみてはいかがでしょうか。

監修者コメント

監修者
終活・葬送ソーシャルワーカー
吉川美津子

墓前にお供えするお墓について、造花の可否について聞かれることがあります。寺院の場合は、住職の考えによりダメというところもありますが、結論からいえば、どちらでも良いと思います。ただ、造花の場合は少し注意する点もあります。

生花と比べると火に弱いので、線香の火が燃え移ってしまう可能性も否定できません。線香を焚く時は、かならず火の気がなくなったことを見届けてから墓所を離れるようにしましょう。また、造花だと枯れないという安心感からか、ずっと置きっぱなしになってしまい、かえってみすぼらしくなってしまうこともあります。清掃員も生花と違い片付けたり破棄することもできません。枯れないからといって、劣化しないわけではありませんので、定期的な交換は必須になります。