デザイン墓石の種類や相場がわかる!お墓で個性が出せる時代

赤色の医師が乗っている山型のお墓

墓石のデザインとは?徹底解説

  • 個性的なデザイン墓石は故人の特徴を反映
  • 耐久性はデザイン次第、既製とオーダーがある
  • 墓石設置は管理者と家族の同意、費用と期間を考慮
  • 色や彫刻でコスト抑え個性的な墓石を実現

墓石と言えば長方形のイメージではないですか?
寺院墓地のように仏式の色が強くない霊園では、洋型墓石や球型墓石、ハート型や球型などの個性豊かな墓石がたくさん並んでいる光景が珍しくなくなってきています。

お墓は魂が住む最後のお家(終の棲家)です。
よって、最近ではこだわる人が増えているに伴い、形もさまざまになってきています。

この記事では、デザイン墓石について費用や種類、耐久性などの基本的な情報をまとめています。
また、墓石の形をデザインするのではなく、彫刻でデザインを施す方法についても情報を掲載しています。

ぜひ、「自分のこだわりがつまったお墓を建てたい!」とお考えの方は参考にしてください。

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後悔しないお墓のために今から準備してみませんか?

「お墓」は一生に一度あるかないかの大きな買い物。
後悔のないお墓を建てるためには、パートナーとなる石材店選びがとても重要です。

  • お墓を建てるのにかかる費用・相場が知りたい
  • 自分の希望するお墓を建てられるかどうか知りたい
  • お墓を建てるまでの流れを知りたい

など、数々の不安を抱えている方が多いのではないでしょうか。
お墓の購入に関しては、初めての方が多いため、不安や疑問を持つことは仕方のないことでしょう。
しかし、お墓購入後に後悔することだけは避けたいですよね。
お墓について詳しく知るには実際に複数の石材店の話を聞き、しっかりと情報収集することをオススメします。

まずは気になる墓石の資料を請求してみましょう。

あなたの条件に合った墓石を調べる

この記事の目次

  1. デザイン墓石について
  2. デザイン墓石を建てるときに確認すること
  3. 人気のあるデザイン墓石の種類
  4. 既製デザイン墓石とオーダーメイド墓石を比較
  5. 既製のデザイン墓石を購入する場合
  6. オーダーメイドで墓石を注文する場合
  7. デザイン墓石を建てる場合の注意点
  8. 費用を抑えたい方向け!デザイン墓石以外でも個性を出せる
  9. まとめ
  10. 監修者コメント

デザイン墓石について

デザイン墓石とは、純和型でも、純洋型でもない、各社オリジナルの工夫を凝らしたデザインが光る墓石のことです。

また、お墓を買う側がデザインをして、それを忠実に再現する形のオリジナル墓石も、デザイン墓石と呼ばれます。

この章では、デザイン墓石の意味や耐久性、オーダー方法について解説します。

デザイン墓石は故人の個性を表す記念碑

デザイン墓石は、故人の人となりを表すことのできる記念碑的な意味合いを持ちます。

例えば、穏やかな人柄が印象的だった女性には丸いフォルムのデザイン墓石を、 厳格な男性であれば雄大さを感じさせる角型墓石が印象的なデザイン墓石を選ぶことで、故人の人柄を表すことができる石碑となります。

デザインによって石の耐久性が異なる

デザイン墓石は、デザインによって耐久性が異なります。全て墓石用の石で作り上げるデザイン墓石の耐久性は抜群です。

一方で、最近流行してきた、ガラスと石を組み合わせたデザイン墓石の耐久性は未知数です。

ガラスは割れやすいことから、墓石の材料としては使われてこなかったため、 お墓に使われるのは強化ガラスとはいえ、どのくらいの耐久性があるのか、まだわからないのです。

また、デザインに沿ったイメージをつくるために、耐久性より色や風合いを重視して石を選ぶこともあります。

ただ、先祖代々ではなく1代だけのお墓をと望む人の多い現代では、耐久性についてそこまでこだわらなくてもよいという見方もあります

デザイン墓石には既製品とオーダーメイド品がある

デザイン墓石には、石材業者が開発したモデルである既製品と、オーダーメイド品があります。

オーダーメイド品には、墓石の形からデザインして作り上げる完全オーダーメイドと、 石や絵柄の組み合わせを選ぶことのできる簡易オーダーメイドがあります。

デザイン墓石をオーダーできる店は限られている

インターネットなどで素敵な墓石を見つけて、「これと同じものを」と近くの石材店に注文しても、 取り扱いができないことがあります。

デザイン墓石をオーダーできる店は限られているのが現実です。また、オリジナルのオーダー品を注文できる店は、もっと限られていると考えていいでしょう。

ネットで「オーダーメイド 墓石」と検索してオーダーできる石材店を探したり、 店頭で「オーダーメイドはできますか」と尋ねたりするのが有効です。

以上、デザイン墓石の意味や耐久性、オーダー方法について解説しました。

「では、さっそくオーダーのできるお店を見つけて注文を」と考えている方は、もう少しだけ待ってください。デザイン墓石を建てるときに、確認したほうが良いことがあります。

次の章で、詳しく解説します。

デザイン墓石を建てるときに確認すること

デザイン墓石を建てるときには、「霊園管理者」と「家族」に了承を得ることが必要です。

それぞれ、詳しく説明します。

墓地・霊園にデザイン墓石が建てられるかどうか

デザイン墓石を立てても良いのかどうかを、墓地や霊園の管理者に確認しましょう。

昔ながらの寺院墓地が指定している石材店では、和型の墓石しか取り扱うことができない場合があります

また、お墓を建てる立地が狭すぎて、目当てのデザイン墓が入らない場合もあります。

霊園管理者は、霊園全体の美しい景観を守る義務がありますから、 統一感を大事にするため、洋型オンリー、和型オンリーという霊園は珍しくありません。

墓地契約時にきちんと管理者に確認すべきでしょう。

家族がデザイン墓石への理解をしてくれるかどうか

家族がデザイン墓石への理解をしてくれなければ、残念ながらデザイン墓石はあきらめたほうがよいかもしれません。

実際にお墓を使うのは、お墓参りをする家族です。家族にとって好印象なお墓でなければ、お墓参りに行く足は遠のいてしまいます。

家族も一緒に入るお墓であればなおさら、墓石の種類は家族みんなで話し合って決めましょう

以上、デザイン墓石を選ぶ前に気をつけたいことについて解説しました。

墓地管理者も、家族も、デザイン墓石については受け入れてくれそうでしょうか?

大丈夫そうであれば、次は人気のあるデザイン墓石の種類について確認しましょう。

人気のあるデザイン墓石の種類

赤色の石となめらかな曲線の墓石

デザイン墓石には、いくつかの定番デザインがあります。 それだけ、そのデザインが人気だということです。 最近よく見られるデザイン墓石の種類を紹介します。

墓石の上部がなだらかな丸みを描いている柔和なデザイン

デザイン墓石によくみられるのが、ベースを横長の洋型墓石として、 墓石の上部に丸みを感じさせる加工を施したものです。

なかには、太陽が昇るときのような半円型をした墓石もみられます。

デザイン墓のなかではシンプルなものですが、周囲のお墓が洋型であれ和風であれ、溶け込みやすいという利点があります。

他人と「ちょっとだけ違う」お墓が欲しいという人にぴったりです。

ガラスと墓石を組み合わせたラグジュアリーなデザイン

強化ガラスと墓石を組み合わせ、幻想的な雰囲気を表したデザインが、女性を中心として人気です。

強化ガラスは赤、紫、グリーンなどさまざまな色味から選べ、 墓石の種類と組み合わせてよりオリジナルな雰囲気を楽しめるのが特徴です。

ガラスには光を通す性質があるため、昼と夜では印象が違うのも魅力といえるでしょう。

石畳や階段が特徴的な、奥行きを感じさせるデザイン

お参りに向かうまでの奥行きを長くとり、さまざまな色やデザインの石畳と階段を配して、

敷地内を魅力的なお参りの空間に仕上げたデザインが人気です。

文字が刻まれた墓石自体はシンプルな横長のプレートでも、 周囲の走力に工夫を凝らすことでオリジナル性を出すことができます。

ピンクや茶色の石を使った温かみのあるデザイン

ピンク色や茶色といった、温かみを感じさせる色の墓石を使ったデザインは、女性を中心として人気があります。

従来のお墓の冷たいイメージとは違い、パッと華やいだ雰囲気が女性の心をつかむのでしょう。

番外編!個性的なデザイン墓石

ここまで定番で人気のあるデザイン墓石を紹介してきました。

今度は、とても個性的なデザイン墓石を紹介します。

ガラス墓

お墓の文字を刻む部分である棹石を、強化ガラスのみで作っているお墓です。

両家墓

一人っ子同士の結婚などで、お墓をまとめる必要が出たときには、両家墓という選択肢があります。 デザイン墓石なら、お墓2つの存在感を上手にまとめられます。

本型の墓

故人の人となりを偲んで、モチーフとなるものをオリジナル墓石に取り入れることがあります。本が好きだったなら、本の形の墓石も可能です。

理想とするデザイン墓のイメージが膨らんだでしょうか。 では次に、制作期間や費用相場を確認しましょう。

既製デザイン墓石とオーダーメイド墓石を比較

 
既製デザイン墓石オーダーメイド
平均費用180万円240万円
平均制作期間2ヶ月半年
手入れのしやすさ手入れしやすいデザインによる

オーダーメイドの平均費用は、既製デザイン墓石の約3割から4割増しといわれています。

ただ、石材にこだわったり、大掛かりなものになったりすれば、もっと費用がかかることもあるでしょう。

また、既製デザイン墓石なら、石材などが揃ってさえすれば、 通常の和型や洋型の墓石と製作期間が大きく変わることはありません。

一方、オーダーメイドになると、デザイン画を起こすところから始まり、石材が業者の手元になければ取り寄せも必要になります。かなり時間がかかると考えたほうがいいでしょう。

このようにオーダーメイドでのデザイン墓石は、予算についてもスケジュールについてもなかなか予測しにくいものとなっています。そのため、業者に任せっぱなしにしていると、とんでもない金額になってしまったり、時間がかかりすぎてしまったりするということも考えられます。

前もって自分なりの予算を必ず決めておいて、いつまでに仕上げてもらうなどの要望をしっかりと業者に伝えておくことが必要です。

ここまで、既製デザイン墓石とオーダーメイド墓石の費用や製作期間についてお伝えしました。

次に、それぞれの墓石を購入する場合の探し方や気をつけるポイントを解説しましょう。

既製のデザイン墓石を購入する場合

既製のデザイン墓石を購入する場合、自分の希望するデザインの墓石を取り扱っている石材業者を選ぶことが大事です。

デザイン墓石の探し方、注文時の注意点、注文から完成までの流れを解説します。

デザイン墓石の探し方

デザイン墓石は、石材業者ごとに取り扱いが違うため、業者のパンフレットに記載されているものから選ぶのが 一番手っ取り早いでしょう。

どこかの会社のホームページなどで素敵なデザイン墓石を見かけたら、その会社に問い合わせ、 取扱店について教えてもらうのも一つの手です。

注文するときに気をつけること

デザイン墓石を注文するときには、次の点に気をつけましょう。

好みの墓石の組み合わせにして見積もりを取ってもらう デザイン墓石は、石材の種類が選べるものがほとんどです。

パンフレットに出ている値段をうのみにするのではなく、あくまで自分が選んだ墓石で作った場合の見積もりを聞き 正しい金額を知りましょう。

墓石の耐久性やお手入れの仕方についてきちんと説明を聞く

どのようなお墓にするか決まったら、お手入れの方法や耐久性についての説明をきちんと聞いておきましょう。

デザイン墓石は、石の組み合わせや材質によっては耐久性が弱くなるためです。

他の家族にも配慮し、相談したうえで決定する

家族の一人でも反対意見が出たら、そのデザイン墓石にするべきではありません。

お墓参りをする、お墓にはいる家族全員が納得できるものを選びましょう。

既製デザイン墓石の注文から完成までの流れ

既製デザイン墓石の注文から完成までの流れは、以下になります。

  1. 打ち合わせ
    石材店に行き、どのようなデザイン墓石を選ぶか、石材の種類、彫刻などを打ち合わせます。
  2. 墓地計測
    墓地を計測し、どのような設計であれば選択したデザイン墓石を設置することが可能かをみます。
    このとき、墓石の大きさも決定するため、正確な見積もりが作成されます。
  3. 契約
    提示された見積もりや施工期間に問題がなければ契約に至ります。
  4. 墓石の加工
    墓石は、設置の前に業者側が墓石の加工や文字彫刻を終わらせます。
  5. 墓石の設置・完成
    墓石を設置して完成です。

以上、既製デザイン墓石を注文する流れについて説明しました。

次に、オーダーメイドで墓石を注文する場合の流れや気をつけるべきことをお伝えします。

ピアノ型のデザイン墓石

オーダーメイドで墓石を注文する場合

オーダーメイドで墓石を注文する場合の、完成期間やデザインを探すコツ、注文の注意点や施工の流れについて解説します。

墓石の完成期間は約4ヶ月~半年

オーダーメイド墓石の完成期間は、早くて4ヶ月、平均で半年程度をみておいてください。

大掛かりであったり、業者が通常扱っていない墓石を使ったりするときは、もっと長くかかることもあります。

墓石のデザインを探す方法

墓石のデザインのヒントとなるのは、インターネット上にある、他のオリジナル墓石です。

「オリジナル墓石」で画像検索し、いいなと思ったものはどんどん印刷して、業者にイメージを伝えましょう。

また、オリジナル墓石は故人の人となりを表す墓石です。 「自分の人柄を表すものといえば何なのか?」を大事に考えるのが基本です。

ゴルフ、読書、ヨット、楽器など、趣味から思い浮かべるのが最も簡単でしょう。

注文するときに気をつけること

オリジナル墓石を注文するときには、以下のことに気をつけましょう。

工夫をこらせばどんどん見積額がアップしていく

見た人が驚くようなユニークな墓石にしたいと考える人もいるでしょう。 ただ、工夫をこらせばこらすほど、費用が上がっていくと考えてください。 案を数点作って、石材業者に見積もりを出してもらいましょう。

デザインには著作権がある

あまりに素敵なデザイン墓を見つけたとき、「これとそっくり同じに作りたい!」という思いが湧き上がってくるかもしれません。

しかし、デザインには著作権があります。全く同じものを作るのは控え、デザインのヒントにするにとどめましょう。

デザイン画ができた時点で必ず家族に確認をとる

自分だけが入るお墓でないならなおさら、「このようなデザインにしたい」と家族に相談することが大事です。

石の加工が始まってからでは、無料でのキャンセルはなかなか難しいため、デザイン画の時点でしっかりと家族の了承をとっておきましょう。

お墓参りをするときのことをイメージしておく

デザイン墓石は通常のお墓とは違います。当然ながらそれを承知で依頼しているわけですが、いざ自分がお墓参りをするとき、どうやってお参りをするのかということを、制作する前に考えておく必要があります。

つまり、通常お墓参りをするときは、お花や線香をお供えします。また、故人の好きだったお菓子などを持参することもあります。それらを置くスペースのことも考えておく必要があるということです。

あまりに斬新なデザインのため、香炉や花立を制作し忘れたり、似合わないために外してしまったり、ということが起こり得ます。

もちろん、そういったことに慣れている石材店からのアドバイスもあるでしょうが、それらを置くことも考慮したうえで、デザインを考える必要があります。

アイデアを出している間はどうにかなるだろうと考えていても、いざお墓参りをするその時になってみると不便だと感じるようになるかもしれません。他のもので代用するとバランスが悪くなってせっかくのデザイン墓石が台無しになってしまいます。

オーダーメイドでの注文から完成までの流れ

オーダーメイドでのオリジナルのデザイン墓石を注文してから完成までの流れは、以下のようになります。

  1. イメージづくり

    どのようなデザインの墓石にしたいか、方向性をざっくり決めておきます。そのためには色んな石材店のパンフレットを集めたり、実際に展示場などを巡ったりして、イメージを固めておく必要があります。
    自分がどんなにこんな風にしたいと希望しても、物理的な問題で、できない場合もあります。しかし、発想に制限をつけてしまうと、せっかくのオリジナル墓石ができても、納得のいかないものになってしまっては悲しいので、いくつかのプランを準備しておくようにするといいでしょう。

  2. 石材店を探す

    オリジナル墓石の制作が可能な石材店を探しましょう。この場合注意しないといけないのは、自分が望むものをちゃんと、その石材店が制作してくれるかどうかということです。そしてできない場合には、その明確な理由とその代わりのプランを、しっかりと提案してくれるかどうかということが大切です。ちゃんと顧客の立場にたって、真摯に対応してくれる石材店を選ばないといけませんので、慎重に探しましょう。

  3. 打ち合わせ
    石材店で、どのようなデザインにするか、石材の種類、彫刻などを打ち合わせます。費用については、しっかりとすり合わせしておきましょう。大幅に予算が超えてしまって、出来上がっているのに支払えなくなってしまっては大変です。
  4. 墓地計測
    墓地を計測し、どのような設計であればオリジナル墓石をイメージ通りに設置することが可能かをみます。
    このとき、墓石の大きさも決定するため、正確な見積もりが作成されます。

    完全なオーダーメイドの場合は、出来上がりが今までにはないものなので、業者にも見当がつかない場合があります。工事に入ってから修正する場合もあって、見積額が出ていても変更される場合があります。色んな意味で、製作中にも度々チェックする必要性があるでしょう。

  5. 契約
    提示された見積もりや施工期間に問題がなければ契約に至ります。このときに着手金をいくらか支払うことになります。
  6. 墓石の基礎工事・加工
    墓地は墓石を設置するための外柵、基礎工事が行われます。工事は大掛かりなものになると時間もかかりますので、途中で中間金を支払うこともあります。費用の支払い方法については前もって業者と打ち合わせを行っておきます。墓石は、設置の前に業者側が墓石の加工や文字彫刻を終わらせます。文字彫刻については、彫ってしまってからの修正は難しいため、何度も確認をしておきましょう。
  7. 墓石の設置・完成
    墓石を設置して完成です。そして完成後工事費用の残金を支払ってすべて終了となります。

以上、オリジナル墓石の注文についてお伝えしました。

では実際にデザイン墓石を建てると決めたときに、気をつけたほうがよいことはあるのでしょうか。デザイン墓石を建てる場合の注意点をまとめましたので、確認しましょう。

デザイン墓石を建てる場合の注意点

墓石のデザインは昔ながらの和型墓石や、最近とても人気のある洋型墓石など、みんなが馴染みのある形式のものがほとんどです。年配者によっては、洋型墓石にも少し抵抗のある人もまだまだたくさんいます。

そんななか、デザイン型の墓石となると、かなりの発想の転換が必要となる人も多いのではないでしょうか。自分ひとりがいいと思っても、家族や親族など周りの人たちが納得してくれない場合もあります。

墓づくりは、例えそれが自分の入るお墓であったとしても、自分一人のものではないということを、よく理解しておく必要があります。継承する人が気に入らないものを、自分の勝手な判断で建ててしまうのは、あとあと揉めてしまう大きな原因になりかねません。

デザイン型墓石を建立するときの注意点を次にあげてみました。

<デザイン墓石を建てる場合の6つの注意点>

  • 墓地の大きさと制限に注意
  • 家族や親族とよく話し合っておくこと
  • 石材業者にイメージが伝わっているか
  • 予算範囲内で収まるかどうか
  • 墓石の構造の問題点
  • 納期の確認

それぞれ詳しく解説していますので、確認しましょう。

墓地の大きさとデザイン墓石の形に制限がないかどうか

墓地を購入したあと、墓石が建てられないと言われた、というようなことになっては大変です。霊園や墓地によっては、区画の大きさや建てられる墓石の形などに制限が設けられているところがあります。

デザイン墓石はオリジナルデザインが施されているため、形や大きさなどが自由であるところに魅力があります。それを生かせないような墓地を購入してしまっては意味がありませんので、墓地を購入する際には、必ず事前に確認しておくことが大切です。

家族や親族とよく話し合い全員が納得するものであるかどうか

デザイン墓石は、今までにない新しい形や新しい素材の石種であることが多いため、常識にとらわれません。そのため、受け入れにくい人が多いのも仕方のないことと言えます。

お墓づくりをはじめてしまう前に必ず周囲の人たち、全員が納得してくれるためによく話し合っておく必要があります。

デザイン墓石はその人のためだけに造るお墓ですから、造りはじめたら、やっぱりこうしてほしいとか、やめますというのは、なかなかできなくなってしまいます。そういったことをしっかりと念頭に置いて、必ず事前確認をしておくようにしましょう。

またデザイン墓石でよく見る形状のもので、石碑に言葉を彫刻したものがありますが、その表現する言葉についても、よく周囲の人と話し合っておかなければいけません。彫刻してしまいますので、こちらも簡単に変更はできないことをしっかりと理解しておきましょう。

石材業者に自分のイメージをしっかりと伝えること

デザイン墓石は今までにない自分の想いで造るお墓ですから、大まかな説明だけでは、ちゃんと相手が理解してくれているかどうかは分かりません。

それがお墓を制作してくれる石材業者なら尚更しっかりと伝えておかなければなりません。出来上がってみたら自分のイメージとまったく違うものだった、ということになっても、やり直しはきかないのです。 

自分がどんなものを建てたいのか、どんな想いで建てようとしているのか、しっかりと伝えるようにしましょう。

またできれば墓石の制作の取り掛かる前に、CADを用いた3D画像などを制作してもらって、一緒に確認しておくと安心です。

予算の範囲内に収まるかどうか

通常の和型墓石や洋型墓石のように、初めから型が決まっているものについては、制作過程で、金額が追加されることはほぼありません。

しかしデザイン墓石は、見積もりをあげていたとしても、途中で問題が発生したり変更したりすると、その度に料金が加算されていきます

仕上がったときには、初めの見積り額より大幅に違っていたということもよく聞く話しです。

はじめに、ある程度の金額に幅を持たせた上で、価格の想定をしておくなどの対策をしておくことも大切です。また石材業者にも予算の限度をしっかりと明示しておいて、それ以上の代金は支払えないということを申し伝えておくことも大切です。

墓石の構造に問題はないかどうか

デザイン墓石は通常の構造ではないため、予測できない不具合などがあとで見つかる場合があります。通常のお墓では有り得ないようなスピードで劣化が早まるなんていうこともあります

建てる前には、このように見た目だけではなく、構造面や使いやすさなどもしっかりと検討しておく必要があります。花を立てる花立や香炉などの付属品なども、お参りがしやすいように使い勝手のいい形になっているかどうかの確認も必要です。

石材業者にも、ちゃんと思いを伝えて、あとで後悔することのないように、何度も打ち合わせを行うようにしましょう。

希望通りの納期に間に合うかを確認する

デザイン墓石は、通常のお墓づくりよりも時間がかかります。納骨する時期に間に合わないといけませんので、石材業者にいつ頃になるかしっかりと、打ち合わせを行っておきましょう。

オリジナル墓石やデザイン墓石は高価です。 「もっと手軽にオリジナル性を出せないのか」と思う人もいるでしょう。次章では、デザイン墓石以外でも手軽に個性を出せる方法についてお伝えします。

費用を抑えたい方向け!デザイン墓石以外でも個性を出せる

費用を抑えたい方向けに、通常の墓石で個性を出せる方法をお伝えします。

特殊な墓石の色で個性を出す

スタンダードな形でも、墓石の色味を選ぶことで、個性を出すことができます。

色つき墓石の費用相場や、メリット・デメリットについて紹介しましょう。

ピンクや青などのカラフルな色が選べる

中国産、インド産など外国産の墓石のなかには、 ピンクや青といったカラフルな色味のものがあり、最近では選択する人が増えています。

従来の黒っぽいものと比べて、墓石に明るいイメージを加えることができます。

色つき墓石の費用相場

外国産の色付き墓石は価格が高いイメージがあるかもしれませんが、実際には、それほど高価ではありません。

費用相場は、外柵などを除いた墓石本体のみなら50万円ほどです。 他の外国産墓石と比べても、高いわけではありません。

墓石だけで100万円を超えてしまうこともある国産墓石と比べれば、かえって安いくらいです。

色つき墓石のメリット・デメリット

色付き墓石のメリットは、石の種類を変えるだけで同じデザインでもパッと晴れやかな印象を与えられることです。

一般的な墓石よりも、ずっと個性的な印象を与えることができるでしょう。

デメリットは、万人向けではないため、家族に反対される可能性があることといえるでしょう。

墓石へのデザイン彫刻で個性を出す

墓石にデザイン彫刻を取り入れることによっても、お墓に個性を出すことができます。

デザイン彫刻とは、墓石に花や鳥、人物、文様などを彫り入れるものです。

さらに、デザイン彫刻の部分に黄色や青といった色を入れることによっても、より個性を演出できます。

デザイン彫刻の費用相場や彫刻デザイン、注文の流れを解説しましょう。

デザイン可能な石の種類

デザイン彫刻は、ほぼどんな墓石でも可能です。 ただ、その石にふさわしくない彫り方はありますから、石材業者に相談してみましょう。

例えば、深い黒のみかげ石に無色の線彫り(細い線の繊細な彫刻)を施しても目立ちませんので、白やグレーといった色を入れたほうがよいなどとアドバイスされるでしょう。

彫刻の費用相場

彫刻の費用相場は、3万円から5万円程度で、デザインによります。

石材業者が用意しているデザインから選ぶよりも、自分のイラストを起すなどした方が手間になるため、価格は高くなるでしょう。

人気な彫刻デザイン

彫刻デザインで人気なのは、桜や蓮、百合といった花や、鳥など自然を感じられるものです。 オリジナル彫刻をイラストから起こす場合も、お花を選ぶ人が多いのが特徴です。

彫刻デザインの探し方

彫刻デザインをオリジナルにしたい場合は、インターネットなどからヒントを得るようにしましょう。 彫刻のためのデザイン本などを参考にするのもおすすめです。

ただ、彫刻には著作権がありますから、「そっくりそのまま真似をする」のではなく、あくまでデザインのヒントに使うのが肝心です。

彫刻をするときに気をつけること

オリジナル彫刻を選ぶなら、気をつけたいことがあります。 それは、自分だけが入るお墓ではない場合、家族のお墓として見ても違和感のないデザインに仕上げるということです。

自分の趣味のゴルフクラブなどを彫刻してしまうと、配偶者のお墓としてはしっくり来なくなりますから、気をつけましょう。

また、詩や歌詞を彫刻するときには、著作権や商標権が発生します。 他の人がつくった表現物を使うときには、ライセンス料が必要になってくるのです。

石材業者に代行して手続きしてもらうこともできますが、その際には手数料がともなってくるでしょう。

デザイン彫刻を注文する流れ

デザイン彫刻を注文する流れは、次の通りです。

  1. 石材業者にお墓を依頼するとき、デザイン彫刻についても相談する
    デザイン彫刻を引き受けてくれない石材業者も存在します。お墓を決める初めの段階で、デザイン彫刻を施したいと相談しておきましょう。
  2. パンフレットなどからデザインを選ぶか、デザイン画を提出する
    石材業者が用意するデザインの中から選ぶか、オリジナル彫刻のデザイン画を提出して、デザインを決めます。
    迷うようなら、石材業者がアドバイスをくれるでしょう。
  3. デザイン彫刻を含めたお墓全体の見積もりを出してもらい、承知したら契約する
    お墓のデザインも、彫刻のデザインも、すべてそろえて見積額を出してもらい、納得のゆく金額と施工期間であれば契約します。

この後、見積書に沿って石材業者が墓石の加工や設置を進めていきます。

また、墓石については「【墓石の基礎知識】価格・種類・選び方から見積り方法まで徹底解説」でも詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

まとめ

以上、デザイン墓石や、オリジナル墓石について解説しました。 また、デザイン墓石を買わなくても個性を出せる工夫についてお伝えしました。

自分なりの個性を出す墓石の購入方法について、おわかりいただけたでしょうか。 自分らしいお墓をつくるため、少しでも力になれたなら幸いです。

世界に一つだけの、自分らしいお墓をつくるには、時間がかかります。 法事やお盆、お彼岸など、他人のお墓を間近に見る機会があったら 「こういう墓石の色味はいいな」「こんなデザインの彫刻をあしらいたい」など、おおいに参考にしましょう。

墓石全般の基礎知識ついて詳しく知りたい方は、こちらの記事も併せてご覧ください。

監修者コメント

監修者
終活・葬送ソーシャルワーカー
吉川美津子

新しく建てられるお墓のうち、半数以上が洋型といわれている中で、形もこだわりたいという人が増えています。

中にはまるで彫刻の美術館のような、芸術的な墓石がずらりと並んでいる霊園もあります。
形だけでなく、刻む文字や、入れる絵などにもこだわり、花立や香炉などの付属品もすべてが芸術作品のようです。

こだわり方は考え方によって異なりますが、あまり一個人の個性が際立ってしまうと、他の人が入りにくくなってしまいますので注意が必要です。

またデザインには流行もありますから、オリジナルデザインにする場合でも、飽きのこないデザインが人気です。お手入れのしやすさも重要なポイントです。

一年中外気に触れ、雨風にさらされるわけですから、汚れやホコリがつくのは避けられません。
複雑な彫刻を施すよりも、シンプルなつくりのほうが好まれます。