納骨堂の種類はロッカー式や仏壇式まで!納骨堂と永代供養を徹底解説

ロッカー式の納骨堂

ロッカー式納骨堂とは?徹底解説

  • 納骨堂には様々なタイプがあり、利便性に応じて選べる。
  • 納骨堂は永代供養可能で、天候に左右されず、掃除や費用の心配が少ない。
  • 納骨堂は満足度や納骨数に限りがあり、お参りにも制約があることがデメリット。
  • 永代供養は寺院等が代行し、寺の存続期間にわたって行われる。

核家族の時代の新しいお墓の形として注目を集めるのが「納骨堂」です。
お墓を建てられない、建てても維持できないと困る人たちの受け入れ先になってくれています。

管理は主に寺院がしてくれるために、心理的な安心感をもたらせてくれます。
納骨堂にもさまざまな種類があり、また預けた遺骨は最終的には永代供養にされます。

納骨堂の方法やタイミング、また永代供養とはどういうものなのかを詳しく解説いたします。

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この記事の目次

  1. 納骨堂とは
  2. 納骨堂の種類
  3. 納骨堂のメリット・デメリット
  4. 永代供養とは管理団体が家族の代わりに供養をしてくれる
  5. 永代供養のお墓は3つに分けられる
  6. まとめ
  7. 監修者コメント

納骨堂とは

納骨堂とは、「墓地・埋葬等に関する法律」では「他人の委託をうけて焼骨を収蔵するために、納骨堂として都道府県知事に許可を受けた施設」のこととされており、遺骨を安置する施設を持つ建物です。
従来の方法では、葬儀のあとに火葬された遺骨は、お墓の中に納骨しました。

お墓は先祖代々祀っていくものだったのです。
しかし、昨今のライフスタイルの変化によって、親子や先祖の関係が希薄化しています。

せっかく建てたお墓もみる人がいなくては、墓じまいするしかありません。
このような社会の状況を背景に、永代供養を前提とした納骨堂が脚光を浴びています。

納骨堂は、本来お骨の一時預かり場所だった

納骨堂は、本来は一時的に遺骨を預けておくだけの施設でした。
お墓を建てるまでの期間など、自宅に遺骨を置いておくことができない人が利用していたのです。

ですから、納骨堂という建物がなくても、寺院が本堂で遺骨を預かるケースもあります。
そこには、どの家もいつかはお墓を建てるものだという、社会全体の前提があったのです。

ところが最近は、この納骨堂を供養の場として求める人が非常に多くなっています。
ですから、納骨堂はただ遺骨を保管するだけの空間ではなく、そこではお供えや礼拝が期待されます。

参拝する場所は私たちの心を落ち着かせる空間でなければなりません。

納骨堂の管理は寺院や霊園

『墓地、埋葬などに関する法律』に定められているように、
納骨堂の経営も墓地と同様、都道府県知事の許可が必要で、地方自治体、
あるいは宗教法人や公益法人しか認められていません。

ほとんどの納骨堂は寺院や霊園の経営によってなされています。
霊園には公営霊園と民営霊園がありますが、民間企業は墓地や納骨堂の経営に携われません。

これは、埋葬や供養が公共性を保ち、永続的に行われるべき類のものだからです。
営利目的ではいけませんし、万が一倒産するなんてことも許されません。

ですから民営霊園の場合、あくまで寺院が経営するものとした上で、
実務はビジネスのプロである企業や業者に管理委託するという形をとっているところが多いでしょう。

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納骨堂の種類

「納骨堂」と聞いて、みなさまはどのような形をイメージされるでしょうか?
実は、納骨堂もいくつかの種類に分けられます。

ロッカー式の納骨堂

遺骨を納めるためのロッカー型の設備を「納骨壇」と呼びます。
同じ大きさのロッカーが並んでおり、その中に遺骨を収蔵します。

ロッカーに向かって手を合わすのは、少し違和感を抱くのではないでしょうか。
ほとんどの納骨堂では、堂内の中心に本尊やモニュメントが祀られています。
共有の参拝スペースとして、こちらでお参りをします。

仏壇式の納骨堂

仏壇式の納骨堂とは、ご本尊を安置する須弥壇(しゅみだん)が内蔵されているタイプのものです。
ロッカー式と形状は似ているのですが、遺骨の収蔵と、礼拝の両方が可能です。

費用によってタイプは数種類ありますが、最もポピュラーなのは、上下段に分かれているものです。
上段の扉を開くと、その宗派のご本尊が安置されています。

位牌も置けますし、お供えもできます。
(ローソクや線香などの火気の取り扱いは、施設によるので事前に確認しておきましょう)

個別に手を合わせられるのが何よりもの魅力です。
そして下段に遺骨を収蔵します。
また、そのほかにも1段式などのタイプもあるので、自分たちに合ったものを選びましょう。

棚に遺骨を並べるタイプの納骨堂

寺院の本堂や別棟などに設けられた棚に遺骨を並べるタイプのものです。
最もシンプルな形状と言えるでしょう。
特別な施設を設けているわけではないので、費用は寺院による供養料のみです。
そのかわり、個別のお参りもできません。

個別墓を建てる納骨堂(室内墓)

一般的なお墓を堂内に設置するという方法もあります。
個別に墓石が並ぶので、お花や食べ物などのお供えもできますし、線香やローソクをあげて手も合わせられます。

なかには火の使用が禁じられており、電気式のローソクを使うところもあるようです。
きちんとしたお墓でお参りしたい、だけど野外のお参りは大変だという人にはおすすめです。
ただ、納骨堂の中では少数派で、選択肢は少ないでしょう。

自動搬送式(マンション型)の納骨堂

首都圏や大都市圏を中心に誕生し始めているのが、自動搬送式の納骨堂です。
「マンション型」などとも呼ばれています。

慢性的な土地不足に悩む首都圏や大都市では、新たに墓地の造成などできませんし、
納骨堂を設置するにもそれなり面積を必要とします。
マンション型という文字通り、ビルの中に作られた納骨堂です。

参拝ブースにお参りをするのですが、参拝ブースでカードキーをタッチパネルでかざし、
遺骨がバックヤードから自動搬送されてくるという仕組みです。

このカードキーがなければ入館できないことから、セキュリティ面でも安心です。
また、モダンなデザインが多く、心を落ち着けて、ゆっくりとしたお参りができるでしょう。

書架式納骨堂の誕生(2019年)

辞書のようなブック型の箱に遺骨などを納めて並べるといった新しい納骨堂タイプもも誕生してきました。
機械式などのような機器トラブルのリスクもなく、また本棚のように立てて並べることから場所を最小に抑えられることでも注目を浴びています。

納骨堂のメリット・デメリット

核家族の時代の新しいお墓の形として、納骨堂が注目されています。
従来のお墓が私たちに与える負担を解消してくれる反面、デメリットがあるのも事実です。
納骨堂のメリットとデメリットをそれぞれ考えました。

納骨堂のメリット

おすすめ・メリットのポイント

  • あとを見る人がいなくても安心できる
    納骨堂は、室内のお墓ですから、承継者やお参りの人が続く限りは永代に渡って使用できます。
    ただし、承継者が途絶えてしまう場合には、永代供養として引き取ってもらえるでしょう。
    お墓のように、墓じまいの手間や費用も不要です。

    遺骨も、同じ寺院内の合祀塔に埋葬されるため、改葬の手続きも不要です。
    そのため、納骨堂の契約には、万が一の際に永代供養にする内容も
    含まれていることが多いようです。
    やがてはあとをみる人がいないと分かっている場合は、納骨堂がおすすめです。 

  • 天候に左右されずにお参りができる
    建物の中のお参りですから、天候に左右されることなくお参りができます。
    雨の日のお参りも苦になりません。
    また、お盆のお参りの時には、強い日差しや蚊などの虫が私たちを悩ませます。
    納骨堂の場合は室内でのお参りですから、その心配もないでしょう。

  • お墓の掃除が不要
    納骨堂の場合は、お墓掃除などの負担が不要です。
    お墓は野外に設置されますから、毎日のように日や風や雨にさらされます。
    何もしないでも、風や雨に含まれるチリやホコリ、排気ガスなどが墓石に付着します。

    また、落ち葉が吹きこみ雑草が生えてしまうものです。
    お墓掃除は高齢になればなるほど負担になりますが、納骨堂の場合は掃除そのものが不要です。
    万一掃除をするとしても、作業の内容はお墓とは比較にならないほど楽でしょう。

  • 費用を安く抑えられる
    納骨堂は、墓石を建立するよりも安い費用で済みます。
    首都圏の納骨堂の相場を調べてみましたが、50万円~150万といったところでしょうか。
    この永代使用料の中には、施設の使用料や永代供養料も含まれています。

    一方、墓石を建立しようとすると、平均で200万円~300万円はかかると言われています。
    首都圏の場合、特に東京の一等地では、墓地を取得するだけで1㎡あたり
    100万円はゆうに超えますから、墓地と墓石の総額だと、
    300万円や500万円という金額は覚悟しなければなりません。
    相場は地域によって異なるので、みなさまのお住まいの地域で相場を調べてみましょう。

納骨堂のデメリット

日本の社会全体がお墓による埋葬や供養を当然としていたために、納骨堂がデメリットを引き起こすこともあります。
具体的にどのようなものがあるのかを取り上げました。

注意・警告・デメリットのポイント

  • 供養に対しての満足度が低い
    納骨堂では、どうしても満足感に不足を感じる人もいるようです。
    従来の日本人は、遺体や遺骨を土の中に埋葬して、その埋葬地に墓石を建立しました。
    私たちの身体は土を通して大地に還り、世代や時代を超えてそこにい続ける墓石に
    拝むことで安心感を得ていました。

    つまり、人間よりも大きなスケールである土や石に死を任せることで、
    死の恐怖や不安を乗り越えようとしていたのだと思います。
    納骨堂で安心できないという人は、土や石という自然の持つ大きな力にに対して、
    納骨堂という人工物に物足りなさを感じるのでしょう。

  • 納骨できる数に限りがある
    納骨堂では、骨壺に納めて納骨します。
    納骨壇本体にもスペースの限りがあるために、納骨できる遺骨の数には限りがあります。
    お墓であれば、大きなカロートを作ったり遺骨と土に還したりできますが、
    納骨堂の場合はそうもいきません。
    もしも子や孫の世代がつないでくれて、納めるべき遺骨が増幅するようでしたら、
    別の手を打たねばなりません。

  • お供えやお参りの仕方に制限がある
    納骨堂は同じ部屋の中に複数の遺骨が納骨されます。
    他の利用者の迷惑にならないような決まりがいくつかあります。
    参拝時間も決められているでしょう。
    また、線香やローソクなどの火を用いたお供えができないこともあるでしょう。

  • 遺骨を取り出せない
    個別供養ではなく、合葬にしてしまった場合、万が一遺骨を
    返してほしいと思っても不可能でしょう。
    納骨堂は、期限内は個別に供養されますし、そのための場所も確保されますが
    お参りする人や管理料を支払う人がいなくなってしまうと
    そのまま永代供養にされるかもしれません。

    永代供養にされると、遺骨は合葬(他の人と同じ場所に埋葬すること)
    されるため、返却は不可能なのです。

永代供養とは管理団体が家族の代わりに供養をしてくれる

永代供養とは、寺院や霊園などの管理団体が家族に代わって供養してくれることです。
跡取りがいない家や単身者世帯が増えていること等から、
永代供養のニーズはますます高まっているように思われます。

そして、納骨堂の多くは、やがては永代供養になることを前提としています。

永代供養のタイミングは寺院や霊園によって異なる

永代供養として遺骨を預けると合葬(他の人と同じ場所への埋葬)されますが、
その方法やタイミングは寺院によって若干異なります。

  • 遺骨を預かってから数年は個別に供養して、その後、合葬にする。
  • 遺骨を預かってすぐに合葬にする。

タイミングはこのどちらかでしょう。
料金体系を明確にして、費用別に個別の方法や期間を設けられているのが通常です。

しかし、事業としてではなく、あくまで檀家向けに永代供養を受け入れている場合は、その寺院の考え方次第です。
とある寺院の住職は、合葬として受け入れた遺骨を

「まあ、かわいそうやさかいに、しばらくは本堂の横に置いといたらええねん」

と、言われていました。
いずれにせよ、亡くなった方をお参りする人がやがていなくなるわけですから、
いつかは合葬にすることに変わりはありません。
とある公営霊園の納骨堂では、戦後の開設からひとつたりとも遺骨を合葬にしていないそうです。

これまで預かって来た遺骨のすべてを骨壺に納まった状態で収蔵室に並べているとのこと。
しかし、受け入れきれない数になったらどうするのかと訊ねると、
やはり、合葬にせざるを得ないだろうと回答されました。

寺院や霊園が永代に渡って供養してくれる

永代供養では、あとをみる家族がいないために、寺院や霊園が永代に渡って供養してくれます。
具体的な供養の方法を見てみましょう。

寺院の場合

まずは遺骨を預ける時に、個別供養を望むか、合葬を望むかによって分かれます。
個別供養の場合、一定期間は個別に供養されます。

戒名を授け、日々の、あるいは定期的な勤行の中で読経をしてもらいます。
または故人様の命日に特別に読経をいただけます。

一定期間は、13年や33年などさまざまですが、それを過ぎると遺骨は合葬されます。
合葬の場合は、遺骨を預けたらすぐに埋葬されます。
個別の供養もされませんが、合同法要という形で、その寺院に納められた人たちと一緒に供養してもらえます。

霊園の場合

霊園には、公営霊園と民営霊園がありますが、いずれにせよずっとそこに僧侶がいるわけではありません。
ですから年に数度、合同法要あるいは宗教色をより薄めた合同慰霊祭を執り行うことで永代供養とします。

「永代」とは、「そのお寺続くまで」の期間

永代供養の「永代」とはいつまでのことなのでしょうか。
いくつかの寺院に電話で問い合わせてみました。

ほとんどの回答は、「お寺が続くまで」というものでした。
そこで、こんな意地悪な、でもとても大切な質問をしてみました。

「もしも、お寺が廃寺になったら、どうするのですか?」

少しむっとする反応もありましたが、利用者としてはとても大事なことです。
回答は不明瞭なものが多く、寺院側が万が一廃寺になった時のことを想定していないことが分かりました。

「うちは江戸時代から400年続くお寺だから安心です」
「おそらく同じ宗派のお寺が兼務してくださいます」

…などなど。
もちろんどんなものでも、どんなことでも、この世の中に「永久」などありません。
そもそも仏教の教えが「諸行無常」ですから、お寺やお墓も、
いつかはそのものやシステムがなくなることでしょう。

しかし、近い未来、つまり3代先の世代がまだ生きているこの100年スパンで、
もしも寺院に何かあった時にどう対応してくれるのかは、契約書に明文化しておいてほしいものです。

人は死に、いつかは忘却されるものです。
その忘却までの期間は、きちんと責任もって供養してほしいとは、誰もが願うことではないでしょうか。

永代供養のお墓は3つに分けられる

永代供養のお墓は、主に次の3つに分けられます。

1. 個別に遺骨を納める

一定期間の個別供養を望む場合は、個別に遺骨を納めます。
納骨堂への個別供養や、永代供養塔の躯体内部やカロートに骨壺を並べます。

2. はじめから他の遺骨と一緒に納める

はじめから他の遺骨と一緒に納めるタイプを「合葬」や「合祀」と呼びます。
個別の供養を必要としないので、スペースも取りませんし、その分最も安価な方法です。

3. 中間に位置し遺骨の半分を一緒にして半分を小さい骨壷で納める

骨壺の大きさは地域によってさまざまです。
骨壺や位牌の大きさを統一するために、遺骨の半分を合葬して、
残りの半分を小さな壷に移し替えすこともあるでしょう。

まとめ

いかがでしたか?
納骨堂や、永代供養について少しでもみなさんの参考になれば幸いです。
では、この記事の内容をまとめます。

強調したいポイント

  • 納骨堂とは、遺骨を安置する施設を持つ建物
  • 納骨堂の管理は寺院や霊園
  • 棚式、ロッカー式、室内墓、仏壇式、自動搬送式など、納骨堂にもさまざまな種類がある
  • 納骨堂のメリット
    • あとを見る人がいなくても安心できる
    • 天候に左右されずにお参りができる
    • 屋内に設置されているため、お墓の掃除が不要
    • 費用を安く抑えられる
  • 納骨堂のデメリット
    • 墓石に慣れている人にとっては供養に対しての満足度が低い
    • 納骨できる数に限りがある
    • 参拝時間やお供えものなど、お供えやお参りの仕方に制限がある
    • 合葬されてしまったら遺骨を取り出せない
  • 個別供養では、命日などに個別に供養してもらえる
  • 永代供養になると、年に数度の合同法要で、その寺院に納められた人たちと一緒に供養してもらえる
  • 「永代」とは、そのお寺続くまでの期間

監修者コメント

監修者
終活・葬送ソーシャルワーカー
吉川美津子

納骨堂とは、「墓地・埋葬等に関する法律」では、「他人の委託をうけて焼骨を収蔵するために、納骨堂として都道府県知事に許可を受けた施設」のことをいいます。墓地と違って建物内になりますので、暑さ寒さに関係なく、メンテナンスが不要ということもあって注目を集めています。特に、都市部では機械式の納骨堂が急速に増え、現在で20施設以上。1施設につき、数千基(数千区画)納骨できますので、供給過多といわれているくらいです。

2019年には、書架式納骨堂が誕生したことで、ちょっとした話題になっています。辞書のようなブック型の箱に遺灰や記念品を納め、納骨堂内に並べていくのですが、その光景はまるで図書館のようです。「機械で遺骨が運ばれるのは抵抗がある」「機械式はメンテナンス時にトラブルが起きそうだから、固定式の納骨壇を希望している」といった声に対応してできた新しいタイプの納骨堂と言えるでしょう。