【納骨堂の法要】参加の際の注意点・マナーについて分かりやすく解説!

【納骨堂 法要】アイキャッチ

納骨堂の法要とは?徹底解説

  • 納骨堂の法要は合同と個別の2タイプあり。
  • 法要の服装は喪服か地味な服で、親族と相談可。
  • 法要の持ち物には数珠やお布施、線香が必要で事前確認を。
  • 法要参加は必須でなく、供養の心が重要。

納骨堂での法要は、利用者全体に向けて執り行われる合同法要のほか、納骨時・法事などで個別の利用者に向けて行われるものもあります。

そのため法要のタイプによって参加の仕方や実施のタイミングも変わってきます。
普段の生活の中で仏事そのものに触れる機会が少ないため、法要の内容やマナーについてはよく分からないという方も多いのではないでしょうか。

この記事では納骨堂での法要内容、服装、参加マナー、注意点まで詳しく解説しています。
ぜひ、法要への参加時にお役立てください。

ライフドット推奨
後悔しないお墓のために今から準備してみませんか?

終活といっても、生前整理、葬儀、お墓の検討などさまざまです。
そのなかでも「お墓」は、一生に一度あるかないかの買い物ですね。

  • 自分のライフスタイルに合ったベストなお墓はどういうものなのか知りたい
  • お墓選びで複雑な手順を簡単に詳しく理解したい
  • お墓選びで注意するべきポイントを詳しく知りたい

など、数々の不安を抱えている方が多いのではないでしょうか。
お墓の購入に関しては、初めての方が多いため、不安や疑問を持つことは仕方のないことでしょう。
しかし、お墓購入後に後悔することだけは避けたいですよね。
そのためにも複数の霊園・墓地を訪問して実際に話を聞き、しっかりと情報収集することをオススメします。

情報収集するために、まずは気になる霊園・墓地の資料請求をしてみましょう。

あなたの条件に合う墓地・霊園を検索

この記事の目次

  1. 納骨堂の法要には合同開催と個別開催がある
  2. 納骨堂の法要時の服装に決まりはない
  3. 納骨堂の法要に必要な持ち物
  4. 納骨堂での法要のお布施の相場
  5. 納骨堂での法要の流れ
  6. 納骨堂の法要に参加時のマナーと注意点
  7. 法要には必ずしも参加する必要はない
  8. まとめ
  9. 監修者コメント

納骨堂の法要には合同開催と個別開催がある

位牌型の納骨堂

法要とは、お寺にご縁のある檀家や信徒が一同に集まり、共に死者を追善供養することを指します。
また、各家々で故人や先祖の年忌に合わせて行う法要もあります。
これらの違いで特別な呼び名があるわけではないのですが、前者を「合同法要」と呼ぶならば後者は「個別法要」と呼べるでしょう。

そもそも法要では何が行われるのか

法要とは、本来は釈迦の教え(=仏法)を学ぶ場のことです。分かりやすく訳すならば「仏法の要点」を知ることから「法要」という字が充てられます。
法要では、ただ信者が集まって師匠(住職)の話を聴くのではなく、そこでは諸仏を礼拝する宗教儀礼も合わせて行われるようになりました。

日本ではしだいに死者供養のことを法要と指すようになりましたが、多くの場合、死者供養の儀礼と導師による法話がワンセットになっています。
導師がお経を読み、そして参列者は焼香をして祖先や故人の安寧を祈ります。その後、住職や説教師の話を聞くきます。

お寺の檀家や納骨堂利用者全体で行われる合同法要

納骨堂は多くの人が利用しますが、利用者全体が集まる合同法要が年に数回ほど執り行われます。
お寺の檀家や納骨堂の利用者が集まって、それぞれの故人や祖先の供養を共に念じます。
また、合同法要ではそのお寺で永代供養をされた人の供養も合わせて行われます。

個々の利用者に向けて行われる個別法要

お寺全体で執り行う合同法要とは別に、故人や先祖の命日に行う個別法要があります。
個別法要は、家族が希望してお寺に申し出た場合にのみ行います。

法要が行われるタイミング

合同法要の場合は年に数回あるお寺としての法要(たとえば、彼岸法要や施餓鬼法要など)の中で、納骨堂の利用者や永代供養の人たちへの供養が行われます。
お寺によっては、法要への参加を促す連絡が事前にやってきますが(ハガキや手紙であることが多い)、絶対に参加しなければならないわけではありません。

一方、個別法要では家族が希望するタイミングで法要を行います。
多く選ばれているのは、一周忌や三回忌等の年忌に合わせて行うことが多いようです。

納骨堂の法要時の服装に決まりはない

ハンガーラックに掛かっている数種類の服

納骨堂で行われる法要の服装には絶対にこうでなければならないという決まりはありません。
しかし、一周忌や三回忌など、比較的親族が集まりやすい法要では喪服が望ましいでしょう。

以降、七回忌や十三回忌など、徐々に集まる人も減って来て、本当に近しい人たちだけの法要となってきたら平服でも構わないでしょう。
また、法要は予め日程が分かるものなので、事前に親族同士で示し合わせてもよいでしょう。

納骨堂の法要に必要な持ち物

数珠と供花

納骨堂の法要に臨む際にはどのようなものを持参すればよいのでしょうか。

  • 数珠
    仏教では、葬儀や法事やお墓参りなど、仏様や亡き人に向かって手を合わす時に必ず数珠を用います。
  • お布施
    寺院には謝礼としてお布施を渡します。御布施については次章で詳しく解説いたします。
  • 袱紗(ふくさ)
    お布施は袱紗に包んで持参します。お布施を差し出す時は袱紗を名刺盆の代わりに用います。
  • 線香、ローソク
    線香やローソクの取り扱いはお寺によって異なります。屋内施設である納骨堂では火事の危険性があるために、火の使用を一切禁止しているところもあります。
    一方、火の使用を容認しているところもあるため、事前にお寺に確認しておきましょう。
  • お花
    生花のお供えも事前にお寺に確認しておきましょう。花が枯れたり腐ったりすることで、堂内に異臭を放ち、水を汚してしまいます。複数あるお花をお寺がそつなく管理することは大変困難なため、生花のお供えを禁止するのです。
  • お供え物
    故人のために供えたものはそのままにせず、お参りが済んだら一緒に持ちかえるようにしましょう。
  • スリッパ
    納骨堂は、下足のまま中に入れるところもあれば、玄関などで靴を脱がなかればならないところもあります。
    施設にスリッパがあれば良いのですが、もし、ない場合は持参しましょう。
  • 掃除道具
    納骨堂は、屋外のお墓に比べると、汚れにくく掃除をしやすいのが特徴です。おすすめなのがウェットティッシュです。少ない持ち物で手軽に納骨壇を掃除できます。
  • 御香典
    施主の立場ではなく、法要への参列を招待された場合には御香典を持参しましょう。

納骨堂での法要のお布施の相場

お金のことを考える老人

納骨堂での法要は、お寺に読経をしてもらうため、お布施を用意しなければなりません。
どれくらいの金額を、どのタイミングで渡せばよいのでしょうか。

お布施の相場

お布施はあくまでも包む側の「気持ち」なので、自分たちが思う金額にすればよいでしょう。
また、金額に迷ってしまった場合、まずはお寺に相談することをおすすめします。

金額を明示するところもあれば、「お気持ちで」と言われるところもあるでしょう。その時にはじめて、これから挙げる相場を参考にしてみてはいかがでしょうか?

合同法要の場合 3,000円〜10,000円

合同法要はほとんどの場合、彼岸法要や施餓鬼法要など、毎年定期的に行われる法要と合わせて行われます。

またこの他に塔婆供養を希望する場合は、別に3,000円〜5,000円が必要になります。
塔婆と呼ばれる木の板に故人や先祖の名前を書いて、それに向かって読経をし、供養してもらうのです。

個別法要の場合 30,000円〜50,000円

個別法要は、一般的な一周忌や三回忌などの年忌法要と同じくらいだと思えばよいでしょう。
通常、年忌法要のお布施の相場は30,000円前後だと言われています。

お布施を渡すタイミング

葬儀の時と異なり、法要はそこまで慌ただしいものではありません。
また、納骨堂の法要では、家族がお寺に出向くので挨拶のタイミングでお布施を渡すのが一般的です。

合同法要の場合

合同法要には、お寺の檀家や納骨堂の利用者など大勢の参列が見込まれるため、本堂の入り口に受付を設ける場合があります。

そこでは記帳をし(あるいは名前を受付係の人に伝え)、お布施を差し出しましょう。
また、ご本尊の前に置かれた経机に各々がお布施を置く慣習のところもあるようです。

どうしても法要に参加できない人が、事前にお寺にお布施だけ納めるというケースもあります。
ただし、お布施のしきたりは寺院によってさまざまですし、施主一人一人の「気持ち」のものでもあります。
ケースバイケースで対応すればよいでしょう。

個別法要の場合

個別法要の場合は、一連の法要をすべて終え、お礼の挨拶を述べる時に住職に差し出すのが最も自然でしょう。

お布施についてより詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

納骨堂での法要の流れ

喪服姿で合掌する女性

どの法要であれ、基本的な流れは【寺院による読経】→【法話】といういたってシンプルなものです。
そして、寺院の読経の中で参列者は焼香をして、故人や先祖に弔意を表します。
個別法要と合同法要、それぞれの場合で具体的な流れを見てみましょう。

個別法要の流れ

日程の決定

個別法要は、家族が故人の供養を祈るために執り行われます。
日程などは家族と寺院で直接話し合って決めましょう。

準備するもの

喪服、数珠、お布施などを用意します。お供え物(ローソク、線香、生花、供物、塔婆)は、納骨堂によって取扱が異なるので事前に寺院に確認しましょう。

寺院に到着

予定の15分前には寺院に到着しておくようにしましょう。

寺院による読経

住職に読経を頂き、法要が始まります。
法要の場所はいくつかのパターンが考えられます。

  • 納骨壇の前にスペースがある場合は、そこを囲むようにして法要を行います。
  • 納骨堂の中に礼拝スペースがある場合は、そこに安置された本尊に向かって法要を行います。
  • 納骨堂の中のスペースが限られている場合は、別室の法要室や寺院の本堂で行います。

御布施を手渡して解散

住職にお礼を述べ、お布施を手渡して解散となります。
法要を終えた後、場所を移して食事の席を設けてもよいでしょう。

合同法要の流れ

日程の決定

合同法要の場合は寺院側が日程を指定します。
事前に案内状が送られてきます。必要であれば参加の可否をお寺に連絡しておきましょう。

準備するもの

服装は平服でよいでしょう。その他、数珠や御布施を用意します。本堂へのお供えをしたい人は合わせて準備しておきましょう。

寺院に到着

予定の15分前には寺院に到着しておくようにしましょう。当日は、大勢の参列者が見込まれます。受付を設けている場合は、そこにお布施を差し出します。

寺院による読経

参列者が多いため、法要は本堂や法要室で行われることが多いでしょう。
寺院が読経をして参列者は順番に焼香をします。

法話

法話は住職や外部から招かれた講師や説教師が行います。

納骨堂へのお参り~解散

合同法要が終わるとそれぞれが個別に自分たちの納骨壇にお参りをして解散となります。

納骨堂の法要に参加時のマナーと注意点

納骨堂で法要を行う時には、まずはお寺の指示に従って周囲への配慮に気をつけましょう。
納骨堂は、屋内という閉ざされた空間にありますし、隣や周囲の納骨壇と隣接しています。

自分たちが法要を行っている最中に他のお参りの人がいるかもしれません。
そんなときは、おたがいがゆずりあいの気持ちを持って、迷惑をかけないように気をつけましょう。

法要には必ずしも参加する必要はない

法要は必ずしなければならない、参加しなければならないというものではありません。
納骨堂の利用者は、檀家ほどお寺との結びつきが強いわけではないことが多く、自分たちのお参りしやすいタイミングで行えばいいでしょう。

もちろん、一周忌や三回忌などの年忌法要を行うことで、故人も喜び、親戚同士もつながりを再確認できます。
しかし、現実的には永代供養として納骨堂を利用している人も多く、法要の実施は義務ではありません。

これはお寺が主催する合同法要も同じです。時間的な余裕があれば参加をすればよいでしょう。
大切なのは供養の思いを持ち続けることです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
最後に、この記事のポイントを箇条書きでまとめます。

  • 納骨堂での法要には合同法要と個別法要がある。
  • 合同法要は、お寺にご縁のある檀家や信徒が一同に集まり、共に死者を追善供養する。他の法要とあわせて行うことが多く、毎年定期的に行われる。
  • 個別法要は、家族が希望して故人のために執り行う法要のこと。
  • 納骨堂での法要の服装に決まりはない。喪服、あるいは地味目の平服でよい。
  • 必要な持ち物には、数珠、お布施、袱紗などがある。
  • 線香、ローソク、供花、供物などの取り扱いは寺院によって異なるため、事前に確認しておく。
  • 合同法要の御布施の相場は3,000円~10,000円。個別法要の場合は30,000円~50,000円。
  • 御布施を渡すタイミングは、合同法要は受付時、個別法要はすべてのお勤めを終えた後に渡すのがよい。
  • 法要の場所は、納骨堂内、法要室、本堂などさまざま。
  • 納骨堂の法要は、必ず参加しなければならないわけではない。

監修者コメント

監修者
終活・葬送ソーシャルワーカー
吉川美津子

納骨堂の多くは、寺院の境内にあったり、本堂が併設されています。宗教施設ですので「宗旨・宗派不問だから購入した」という人でも、少なくとも寺院の宗旨・宗派に対して理解があることを前提に購入しているのではないでしょうか。

お盆やお彼岸、施餓鬼会、宗祖の記念法要等には、寺院から法要のご案内があると思います。参加について強制ではありませんが、「檀家ではないから」と遠慮せずぜひ訪れてみたいものです。おすすめできるかどうかは別として「我が家はお盆やお彼岸などの合同法要に参会すことで、個別の法要は省略している」という人もいます。個別法要でなければダメというわけではありません。納骨堂を通じて、仏法とご縁をいただくことに意味があると、多くの寺院は感じていると思います。