霊園の管理事務所で対応してくれる内容の紹介!お墓を建てるときの手続きなど

霊園の管理事務所

霊園の管理とは?徹底解説

  • 墓地は公共団体や宗教法人が運営し、非営利で公益的な運営が必要。
  • 管理事務所は墓地取得や墓石の手続き、納骨、相談などをサポート。
  • 公営・民営・寺院霊園で管理違い、購入前には体制をチェック。
  • 使用許可証や改葬申請書など、手続きに必要な書類を管理事務所が発行。

お墓を建てている霊園の管理事務所には、どういう時に行けばいいのでしょうか。

また、霊園によっては管理事務所が見当たらない時もありますが、どうすればいいのでしょうか?

この記事では、墓地の利用者がどのような時に管理事務所に出向けばいいのか。
そもそもどういった団体が管理しているのかなど、霊園の管理そのものや管理事務所について詳しくお教えします。

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この記事の目次

  1. 霊園・墓地を管理している団体
  2. 霊園の管理事務所が対応してくれる内容
  3. 売店併設の管理事務所もある
  4. 公営霊園は手続きが煩雑になりやすい
  5. 霊園の管理事務所で発行してくれる書類
  6. まとめ
  7. 監修者コメント

霊園・墓地を管理している団体

霊園や墓地を管理運営できるのは、地方自治体と、公益法人と、宗教法人だけと定められています。
平成12年12月6日に厚生労働省から通達された「墓地経営・管理の指針等について」の中には次のように明記されています。

墓地経営者には、いわば公共的サービスの提供者として、利用者の要望に責任をもって応えられる高い倫理性が求められる。

墓地経営・管理の指針等について から引用

そして、それを満たす団体が、地方公共団体、宗教法人、公益法人と定められているのです。
墓地経営主体は、市町村等の地方公共団体が原則であり、これによりがたい事情があっても宗教法人又は公益法人等に限られること。

墓地経営主体に求められる3つの要素

遺骨の埋葬や死者の供養は、私たち人間がよりよく生きていくためにとても大切な行為です。
古今東西、世界中のどの地域を見渡しても死者はその尊厳を保証されながら、葬儀を執り行い、埋葬されます。

もちろん、日本は法治国家で、信教の自由が保障されています。
どの宗教の教義に則って死者を埋葬供養するかは個々人の自由に委ねられます。

そうした公共性と倫理性を保てるという点で、厚生労働省は地方公共団体の墓地経営が最も望ましいとしていますが、それでは墓地行政サービスが行き届かないために、宗教法人や公益法人の墓地経営も認めている、という見解を示しています。

公共性と倫理性をより確保するために求められる3つの要素をまとめました。

  • 永続性
  • 公益性
  • 非営利性

    それぞれ詳しく、説明いたします。

永続性

墓地は、いつまでもそこにあり続けるべきものです。簡単に倒産しては困ります。
特に日本は、世代を超えて先祖を祀ることを長い年月をかけて文化としてきた背景があります。

人の寿命よりも長く、お墓がそこにいつづけることが、
日本人の宗教感情から照らし合わせた時にとても大切なことなのです。
だからこそ、墓地の経営主体には永続性が求められます。

公益性

死は誰にでも訪れ、その亡骸はしかるべき方法で処理されなければなりません。
そういう意味では、火葬場と同様、墓地や納骨堂などの埋葬地も高い公益性が求められます。

火葬場のほとんどが地方自治体による管理運営であるのと同じように、墓地や納骨堂の経営も、本来は地方公共団体によるのが望ましいのでしょう。

しかし、日本では信教の自由が保障されています。
また、地方公共団体の力だけでは、埋葬の受け入れに対応しきれないため、宗教法人や公益法人にも墓地経営をしてもらうことで、公共サービスとしての不足を補ってくれるという面もあるでしょう。

非営利性

営利目的に走らないことです。
死は誰にでも訪れ、お墓も同様に誰もが必要なものです。

墓地の経営主体がお金儲けに走ることで、サービスを受ける側に格差が生じてはなりません。
会社法人は、基本的には営利目的の組織です。
墓地の経営主体に会社法人が含まれないのは、この非営利性に最大の理由があるでしょう。

公営霊園を管理しているのは行政

公営霊園とは、地方公共団体が経営管理している墓地のことです。
市区町村が直接管理している自治体もあれば、指定管理者制度を用いて、民間企業やNPO法人に管理を委託している自治体もあります。
指定管理者になるためには、行政による基準やプロポーザル等を経て決定され、さらに第三者評価等が定期的に入り、厳しいチェックが行われることになります。

民営霊園を管理しているのは宗教法人や公益法人

民間企業は墓地の経営主体にはなれません。
民営霊園の経営主体は、寺院をはじめとする宗教法人であることがほとんどで、あるいは墓地の経営が認められた公益法人になります。

公益法人とは、公益法人認定法にもとづき行政庁から公益性を認められた財団法人のことです。
一般財団法人が公益法人を取得するには、とても厳しい審査があり、
18の審査基準から民間有識者を交えて審議します。

しかし、実際に宗教法人や公益法人が経営するのかとそうではなく、
石材業者などが「代行管理」を受託する形を取っています。

「◯◯寺霊園」のような名前の墓地でも、直接寺院が経営するケースと、石材店が代行するケースがあります。
「◯◯メモリアルパーク」のような、宗教色を排した霊園の場合は、より民間業者による管理が強くなる傾向にあるでしょう。

民営霊園では、販売会社と管理会社が別のこともあるため、墓地購入時には管理体制などもしっかり確認しておくことが大事です。

寺院霊園を管理しているのは寺院

寺院霊園の管理は寺院が行います。
寺院霊園にも大きく分けて2つあります。

1つは、その寺院の檀家向けの墓地です。
檀家のための墓地なので、広告を打つなどして一般の人たちに広く売り出し、募集することはありません。

もう1つは、寺院による事業型墓地で、これは「民営霊園」に含んでもよいものです。
寺院が、境内地の一部を事業用の墓地として貸し出すものです。

管理運営も寺院ですることもあれば、石材店が代行することもあります(後者の方が多い)。

霊園の管理事務所が対応してくれる内容

公営霊園や民営霊園には管理事務所があります。
お墓に関する手続きや相談事は管理事務所に相談しましょう。

公営霊園の場合は、内容によっては窓口が地方自治体と霊園の管理事務所の間で分かれることがあるので、
事前に確認しておきましょう。

なお、寺院墓地の場合は特に事務所を設けてはいないことの方が多いので、寺院に直接問い合わせしましょう。
管理事務所が対応してくれることには次のようなものがあります。

墓地の取得

墓地を取得したい場合は、まずは管理事務所に相談しましょう。
必要な手続きを教えてくれるでしょう。
墓地は、空きがあれば先着順に取得できるのが基本です。
もしも空きがなく、返還地の再貸付が行われる時は抽選になる可能性がとても高いでしょう。

墓石の建立

墓石の建立の際にも管理事務所に届け出をします。
工事届は施主よりも業者が出すことの方が多いでしょう。
必要書類は霊園によって異なりますが、完成予想のCG図を求められることもあります。

また、公営霊園の場合、墓石工事の業者指定はありませんが、
民営霊園や寺院霊園の場合は業者が指定されている可能性が高いと思われます。
管理事務所に訊ねたら話を通してもらえるでしょう。

リフォームや修繕などのお墓の小口工事

墓石の建立までではないですが、リフォームや部分的な修理等の小口工事の場合でも、
管理事務所に連絡しましょう。
内容によっては石材店の車両や重機が必要な場合もあります。
工事届に提出を求められることもあるでしょう。

お墓への納骨

遺骨をお墓の中に納骨する際も、管理事務所に連絡しましょう。
遺骨には必ず『埋火葬許可証』と呼ばれる書類が添えられています(火葬場からいただける書類)。
納骨の際には、この書類を墓地の管理者に預けますので、忘れないようにしましょう。

承継の手続き

墓地の利用者を承継する場合も、管理事務所に届け出が必要です。
承継の手続きはなかなか厄介です。

というのも、ひとりしか承継できないものを、他の承継の権利がある人たちが
認めていることを書類にしてよういしなければならないからです。

墓地や墓石は相続上では「祭祀財産」と呼ばれ、遺産と違って、分割相続ができません。
承継に必要な書類は主に次に挙げるものです。ただし霊園によって異なることもあるので必ず事前に確認しましょう。

  • 墓地の使用許可証
  • 墓地の使用者(死亡者)と承継者(新しく使用者となる者)の戸籍の情報と、お互いの続柄が分かるもの
  • 他の承継の権利を有する人たちの同意書

たとえば、両親と三兄弟の5人家族だとします。
墓地の使用者だった父が亡くなり、長男が墓地を承継するとします。
この場合、故人の妻と、次男と、三男の同意書を用意しなければなりません。
霊園側としては、あとからもめごとをなるのを避けたいのでしょう。

お墓の引っ越しや墓じまい

お墓の引っ越しや墓じまいを考えている時も、管理事務所に相談します。
お墓の引っ越しも、墓じまいも、ともに遺骨を移動しなければなりません。
これを「改葬」と呼びます。

この場合は、改葬の手続きと、墓石の解体撤去の手続きと、墓地の返還手続きをしなければなりません。
また、寺院墓地を利用している場合は、引っ越しや墓じまいがそのまま「離檀」を意味するかもしれません。

これは、ただお墓や遺骨を別の場所に移すだけではなく、寺院とのつながりをも終えることを意味します。
どうして、お墓を別の場所に移したいのかなど、こちらの意思や想いをきちんと伝えましょう。

改葬について詳しく知りたい人は、「改葬でお墓問題を解消!いま増えているお墓の引っ越し」の記事もぜひ確認してみてください。

各種申請

利用者の住所が変更になったりした場合は、速やかに届け出を行いましょう。

墓地内の気になる点

墓地内で気になることがあればすぐに管理事務所に相談しましょう。
・「隣の墓地の雑草が気になる」
・「ゴミ捨て場や水回りの管理が行き届いてない」
・「墓地の中で危険な場所がある」など
もろもろの相談事は管理事務所にしましょう。

売店併設の管理事務所もある

大きな霊園では、売店が併設されている管理事務所もあります。
どんなものが売られているかというと、仏花、線香、ローソク、数珠などがあります。
また、休憩所や食堂のある霊園もありますので、ぜひとも利用しましょう。

公営霊園は手続きが煩雑になりやすい

書類上の手続きは、公営霊園が最も煩雑でしょう。
よく言えば、それだけ仕事にも公共性を保っていることの証です。

墓地の取得、墓石の建立、小口工事、墓地の承継、墓じまいや改葬など、
あらゆる点で書類を揃えて届け出をしなければなりません。

一方、民営霊園は公営霊園よりはもう少し楽に手続きができます。
寺院霊園の場合は、寺院の考え方によって、管理が厳しいところもあれば緩いところもあります。

霊園の管理事務所で発行してくれる書類

霊園で発行される書類には次のようなものがあります。

墓地使用許可証

墓地を取得した際に、墓地の利用者名、住所、墓地の取得日、区画番号、面積などが記されています。
もろもろの届け出の際に必要になるので、大切に保管しましょう。

改葬許可申請書への署名

改葬許可証は、お住まいの役所が発行しますが、そのための申請書には霊園管理者の署名と捺印が必要です。
管理事務所に申し出れば対応してくれるでしょう。

まとめ

いかがでしたか?
霊園の管理や、管理事務所についてご理解いただけましたでしょうか?
では最後にこの記事をまとめます。

この記事のまとめ

  • 墓地の経営主体は地方公共団体、宗教法人、公益法人と定められている
  • 墓地の経営主体には、永続性と公益性と非営利性が求められる
  • 公営霊園は、地方自治体の直接管理と、指定管理者制度を用いて民間企業や
    NPO法人などに委託しているケースとがある
  • 民営霊園は、宗教法人や公益法人が管理運営しているが、石材店や民間業者に
    管理代行してもらっているケースが多い
  • 寺院霊園は、宗教法人である寺院が管理運営している。檀家向けの墓地と、事業型の墓地とがある
    次のような時は管理事務所に届け出しなければならない
    • 墓地の取得
    • 墓石の建立
    • リフォームや修繕などのお墓の小口工事
    • お墓への納骨
    • 承継の手続き
    • お墓の引っ越しや墓じまい
    • 各種申請
    • 墓地内の気になる点
  • 管理事務所併設の売店も利用しよう
  • 公営霊園はきちんとした届け出が求められる
  • 管理事務所では、墓地の使用許可証や、改葬許可申請書への署名捺印に応じてくれる。

監修者コメント

監修者
終活・葬送ソーシャルワーカー
吉川美津子

墓地の管理は、どこも同じように見えがちですが、少しずつ異なります。公営霊園では、指定管理制度で民間企業に管理を任せているところが多いようです。指定管理者になるためには、行政による基準やプロポーザル等を経て決定されます。さらに第三者評価等が定期的に入り、厳しいチェックが行われています。しかし、宗教色がないため、法要や供養等についての相談には積極的に関与していません。

民間霊園の場合、販売会社と管理会社が別のことがあります。そのため、墓地を購入したときに聞いた話と、実際の管理状況が異なるといったケースも出てきています。購入する際は、どのような管理・運営をしているのか、あらかじめしっかり確認しておくようにしましょう。