墓石の再利用ってある?あまり知られていない墓石の処分方法を解説

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年季がたったお墓

墓じまいをしたあとの墓石は処分されるのか、あるいはリサイクルされるのか、ご存じですか?
自分たちが大事にしてきたご先祖様のお墓ですから、処分するにしてもその行き先や扱われ方が気になるものです。

この記事では、墓石の処分、再利用、リサイクルについてご説明いたします。
また、墓石の移転についても詳しく解説しましたので、あわせて参考にしてみてください。

墓石の再利用  2つの方法と再利用する時の流れ

不要となった墓石を、そのままの形で再利用するというのは現実的にはほとんどありません。
墓石の表面には文字が彫刻されていますし、墓石の中には魂が込められていますし、亡くなった人や先祖を守ってきたものです。

物理的に、あるいは宗教心情的にまずないことでしょう。
墓石の「再利用」を考えるならば、次の2つに分けられます。

  • いまある墓石を使用して別の石造物を作る
  • 不要となった墓石を処分して砂利やバラスなどの土木・建築資材に再利用する

これら2つについてご説明いたします。

いまある墓石を使用して別の石造物を作る

いまある墓石を小さくして、お墓を作り直すことは可能です。
たとえば既存の墓地から新しい墓地に移設するのに、移設先の墓地が狭い場合、加工しなおすことで墓石を新調せずに済みます。

墓石の一部分を加工することで、新しい墓地に納まるお墓に作り直すのです。
また、竿石の文字彫刻を新しくしたいというケースもあります。

たとえば、「◯◯家之墓」という文字を「南無阿弥陀仏」にしたい場合、墓石をカットし、表面を研磨しなおし、新たな文字を彫刻すれば可能です。

ただし注意点としては、竿石が小さくなると台石も小さくせざるを得ず、結果、一回り小さな墓石になってしまうことです。
その他、台石などを使用して、お地蔵様などの石造物を作ることも可能でしょう。

しかし、このようなケースはほとんど稀です。
しかもこれらは決して「不要になった」墓石のリサイクルではなく、あくまでも自分たちのお墓を新しくリフォーム、リメイクしたものです。

砂利やバラスなどの土木・建築資材に再利用する

墓じまいをして業者が持ち帰った石材は、産業廃棄物として処理されます。
不要となった石材を収集、運搬をするためには、都道府県知事から産業廃棄物収集運搬許可を得なければなりません。

石材店のほとんどはこの事業許可を受けていません。自社の工場や倉庫に持ち帰るだけです。
そこに事業許可を得ている回収処分の専門業者がやってきて、墓石を引き取り、処分します。
回収された石材は中間処理業者を通して、可能なものは採石などに再利用されます。

特にRC-40という再生採石にします(Rの文字がリサイクルの意味)。
国がリサイクルを推進しているために、公共事業などでよく利用されているようです。
また、施主の希望により、竿石だけは処分せずに寺院の無縁塚などに集めて供養することもできます。

リサイクルで回収された墓石の扱い 墓じまいされた石材の再利用までの流れ

墓じまいで回収される墓石の処理は、思いのほか大変です。
現地での作業から、墓石の再利用までを順番にご説明していきます

墓地での解体撤去工事

墓地での解体撤去工事は、墓石を取り外して、土台の根石(巻石)も解体して、きれいに整地化します。
言葉で言うのは簡単ですが、作業は大変です。
墓石は、ただ土の上に石を重ねているだけではありません。

地盤を固めるために鉄筋コンクリートを使用しますし、石材を固定して、水平を保つためにコンクリートやモルタルや石材用ボンドを使用します。

ですから、墓石を解体する時には、石、コンクリートガラ、金属片、残土などをすべて分類しなければならないのです。
その上で、きれいに整地化をします。

運搬業者が回収し、リサイクル業者が砕石にする

竿石や台石、さらには長尺の根石などは削岩機である程度の大きさに割っていきます。
また、石材、コンクリートガラ、金属片、残土などはすべて分別して、それぞれの廃棄業者が処理します。

石材業界の慣例で、石材店や解体業者は運搬事業の許可を得ていないために、運搬許可を得た業者が引き取った墓石を回収していきます。

運搬業者が回収した墓石は、中間処理業者でさらに細かく分類された上で、産業廃棄物処理業者によって採石にされます。

墓石を移転させる時の流れ

いまの墓地から別の墓地に墓石を移転させるにはどのような流れで行われるのでしょうか。
また、どのような注意点があるのでしょうか。
施主目線に立って、ご説明いたします。

移転先の霊園を決めるの許可が必要

まずは移転先の霊園を決めます。
予め永代使用権を取得して、墓地の使用許可証、あるいは受入証明書を入手しましょう。
改葬の手続きで必要な書類です。

いまの墓地の返還手続き

いまお墓がある霊園に、墓地の返還手続きをします。
手続きそのものは書類に必要事項を記入するだけなのでそう難しいことはありません。

ただしこれが寺院の境内墓地の場合、「離檀」の問題が発生します。
境内の墓地は檀家向けに作られているために、その墓地を手放すということは檀家関係を解消することをも意味します。

また、墓石の移転で必要な『改葬許可証』には、墓地管理者に署名と捺印をもらわなければならず、つまりは住職の同意が必要なのです。

自治体から改葬許可を得る

遺骨を別の場所に移すことを「改葬」と呼びますが、改葬をする時には、いまお墓のある自治体から改葬許可を得なければなりません。

改葬許可を得るためには一般的に次の書類を用意しなければなりません(自治体によって異なる場合があります)。
これらの書類が全て受理されることで、改葬許可証が手に入ります。

  • 改葬許可申請書
    自治体のホームページからダウンロードできます。
    改葬許可申請書には次の事柄を記載します。
    • 申請者の住所・氏名などの情報
    • 死亡者の本籍地・死亡日などの情報
    • 改葬元の場所
    • 改葬先の場所
    • 現在の墓地の管理者の住所・氏名・捺印

  • 移転先の墓地霊園の使用許可証
    改葬許可申請をするためには、事前に改葬先の霊園を決めておかなくてはなりません。
    霊園が決まれば、使用許可証あるいは受入証明書を入手しましょう。

  • 埋火葬許可証(あるいは納骨証明書)
    埋火葬許可証とは、火葬時に火葬場の職員から渡される書類で、お墓の埋葬時に墓地の管理人から手渡されるものです。
    返還手続きの際に返却してもらえるでしょう。

閉眼供養

石材店の解体工事の前には必ず寺院に閉眼供養をしてもらいます。
また、遺骨が取り出せるようであれば、寺院の読経のあとに取り出しましょう。
自分たちで取り出せない時は石材店に相談すれば手伝ってもらえます。

石材店による解体〜運搬〜据付

墓石の解体、運搬、据付は石材店に依頼します。
すべての行程を1つの業者に任せるのが理想ですが、もしも移転先が遠方の場合は、あるいは施行業者が指定されている場合は、解体と据付を別々の業者に依頼することもあります。

また、既存の墓地と新しい墓地の面積が異なるために、石材を加工しなければならないこともあるので注意が必要です。

開眼供養

新しい墓地に墓石の設置が完了したら、晴れて開眼供養を執り行います。
寺院に読経を頂き、お墓の中に納骨をします。
また、改葬許可証は霊園の管理事務所や寺院の住職など、霊園の管理者に渡しましょう。

墓石を移転させる時の注意点

チェックリスト

墓石を移転させるためには、役所への手続き(改葬許可)、霊園への墓地返還手続き、寺院による閉眼法要や開眼法要、石材店への工事の依頼など、複数の窓口とやりとりをしなければなりません。

筆者のこれまでの石材店への勤務経験の中で、特に気をつけなければならないことは次の4つではないかと思います。

  • 親戚などへの連絡
  • 寺院への連絡(離檀の問題)
  • 新しい墓地に墓石をどう納めるか
  • 撤去と据付を同じ石材店でできるか

これらについて詳しく解説していきます。

親戚などには事前に連絡をして理解を得ておく

親戚や、お墓参りに来る可能性がある人には必ず連絡をしておきましょう。
ある日お墓参りに行ったらお墓がないことで、トラブルにも発展しかねません。

お墓をどのように祀るかは、祭祀承継者の自由ですが、お墓参りそのものは誰にでもする権利があります。
全ての人へは適わないとしても、近い親戚や、お墓参りをしている人には事前に連絡をし、こちらの事情や想いを伝えておきましょう。

寺院にも連絡を 離壇の手続きが必要なこともある

いまあるお墓が寺院の境内にある場合、離檀の手続きが発生するかもしれません。
これは移転の目的が何によるかによって変わってきます。

移転先のお墓にも引き続き同じ寺院にお参りに来てもらうのであれば、離檀の必要は全くありません。
墓石と遺骨の引っ越しだけで済みます。

ところが、遠方に墓石を移転して寺院のお参りが現実的に不可能となる場合、あるいは何らかの理由で寺院とのつきあいと断ち切りたい場合には、離壇に踏みきらざるを得ないかもしれません。

しかし、これは決して家族だけで決めず、寺院と相談しましょう。
もしも距離の問題で離檀を考えているのであれば、寺院によっては、遠方でもお参りに行くこともあります。

筆者が知っているだけでも、広島の寺院が大阪の家に、和歌山の寺院が東京の自宅に、毎年のお盆参りに行っています。
それでも家族側が、寺院とのつきあいをやめたいと思うのであれば、正直にその旨を伝えて理解を得るしかありません。

昨今は、地方は過疎化しているために、離壇に理解がある寺院も少なくはありません。
しかし、寺院側としても檀家の現象は死活問題なので、悩ましいところでしょう。

新しい墓地に墓石をどう納めるか

元の墓地と新しい墓地で面積が同じということは極めて稀です。
お墓は、根石(つまり土台となる巻石)とその上に乗る石塔で構成されていますが、墓地の面積によって構造が変わる根石をそのまま納めることは不可能でしょう。

いまあるものをカットや加工をして再利用するか、あるいは新調のいずれかをしなければなりません。
また墓石本体は納まることが多いのですが、まれに納まりきらないこともあります。

墓石の一部を加工して再利用するというのは極めて難しく、その場合は、古い墓石を処分して新しいお墓を購入することになるでしょう。

撤去と据付を同じ石材店でできるか

墓石の移転には、撤去、運搬、据付という3つの行程が伴います。
一番手っ取り早いのは、同一の石材店で全部してもらうこと。

どんなに遠方でも、石材店は現地まで走り、見積もりし、工事も運搬もしてくれるでしょう。
新しい墓地に墓石を納めるためには石材を新調、加工の必要も出てくるため、同一の石材店にしてもらうのが一番なのです。

ただし、霊園によっては指定石材店制度があります。
この場合、霊園内の工事は指定業者でなければできないのです。

もしも、元の霊園、新しい霊園、ともに石材店が指定されていたならば、それぞれの業者にお願いしなければなりません。
柔軟に対応してもらうこともありますが、必ず事前に確認しておきましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
では最後に、この記事のポイントを箇条書きでまとめます。

この記事のまとめ

  • 墓石をそのままの形で再利用することはほとんどない
  • 墓石の再利用には次の2つがある
    • いまある墓石を使用して別の石造物を作る
    • 不要となった墓石を処分して砂利やバラスなどの土木・建築資材に再利用する
  • 石材店(解体業者)、運搬業者、産廃業者と渡って再利用されていく
  • 墓石を移転は次の流れで進んでいく
    • 移転先の墓地を決める
    • 改葬許可を得る
    • 墓地の返還手続き
    • 閉眼供養
    • 石材店による解体、運搬、据付工事
    • 開眼供養と納骨
  • 墓石を移転する時は次のことに注意する
    • 親戚などへの連絡
    • 寺院への連絡(離檀の問題)
    • 新しい墓地に墓石をどう納めるか
    • 撤去と据付を同じ石材店でできるか

一口にお墓・霊園と言っても、豊かな自然を背景にしたり、規模や宗派だけではない様々な特色があります。
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