生前整理は自分らしく生きるための活動!生前整理普及協会のご紹介

生前整理普及協会のアイキャッチ

エンディングジャーナル第6弾。今回は、「生きることを前提に、物・心・情報を整理することで、幸せなエンディングを迎える」という生前整理を広める活動を行う『一般社団法人 生前整理普及協会』をご紹介いたします。

『生前整理普及協会』とは

生前整理を「後悔しない生き方をするために、物・心・情報を整理してより良い人生を歩んでいくために行うこと」と、いう考えを広める活動をおこなっています。 「生前整理アドバイザー」「生前整理認定作業士」「生前整理診断士」などの認定講座などを全国で開講し、多くの認定士を輩出しています。

インタビューに応じてくださったのは、代表理事・大津たまみ氏と副代表理事・林茂行氏です。

協会を立ち上げたきっかけや、なぜ生前整理をするとなぜそれからの人生をより良く歩めるのかということを語っていただきました。

この記事を最後まで読んで、明るく前向きな人生を歩むために何をするべきなのかを考えてみませんか。

生前整理普及協会の大津たまみさん

一般社団法人 生前整理普及協会 代表理事・大津 たまみ氏 プロフィール

愛知県東郷町出身。清掃業界にアルバイトから飛び込み、2006年に1人で株式会社アクションパワーを設立。その後、一般社団法人生前整理普及協会を立ち上げ、精力的な活動を行っている。

  • 株式会社アクションパワー 取締役会長
  • 一般社団法人 生前整理普及協会 代表理事
  • 株式会社アクションラボ 代表取締役
  • 株式会社リンクリンク代表取締役
  • 一般社団法人 日本清掃収納協会 会長 などを務める

取材・文/Life.編集部

この記事の目次

  1. 生前整理普及協会の成り立ち
  2. 生前整理をすることで、前を向いて歩いて行ける理由
  3. 生前整理普及協会の活動を通して叶えていきたいこと
  4. 生前整理をするかしないかで、その後に天と地の差が出る
  5. 一般社団法人 生前整理普及協会の概要

生前整理普及協会の成り立ち

編集部ロゴLife.編集部

大津さん、林さん本日はよろしくお願いいたします。まず初めに、生前整理普及会の成り立ちについてお伺いさせていただきたいです。大津さんが起業する際に、「お片付け」の業界を選ばれた背景を教えていただけますでしょうか?

大津さん:2006年7月に起業をしたのですが、お掃除・お片付けの業界を選んだのには3つの理由があります。

  1. 清掃業界での知識・経験があった
  2. 主婦としての経験が生かせる
  3. ワーキングマザーで子供を育てる中で自分が欲しかったサービス

この3つが主な理由で…清掃業界歴としては、現在25年以上になりますね。アルバイトで清掃業界を経験していたので、皆さんに提供できるスキルがあると思いました。そしてお掃除・お片付けの業界を選んだのは、3つ目の理由が特に大きいんです…。

清掃業界というとビルメンテナンスの清掃会社は多いのですが、一般家庭に特化している会社はほとんどなくて…。働いて子育てをしている私にとって、本当に欲しい!と思うサービスがお掃除・お片付けでした。だから、一般のお客様だけに特化しているサービスを立ち上げようと思い起業いたしました。

編集部ロゴLife.編集部

確かにそうですね・・・。なかなかお家のお掃除だけに特化している会社は、ないですもんね。

大津さん女性の人生って家事が付いてくるんですよね・・・。結婚をすると、「家事減らず、子育て増えて…介護増える」と負担が積み重なってくるので結構しんどいですよ。

でも一方で女性の社会進出が言われている時代、そこにお仕事が重なってきます。でも家事があると、パフォーマンスを十分に発揮できないんじゃないかって思ったんです。だからこそ、社会で活躍している女性を支えたい!と思ったのがこの業界で起業した理由です。

編集部ロゴLife.編集部

お勤めに出ている女性が増えている今、その女性たちを支えたいとうお気持ちで始められたのですね。
では、その一般家庭に特化した清掃会社から生前整理普及協会の立ち上げまではどのような経緯があったのでしょうか?

大津さん:初めに株式会社アクションパワーという清掃業務を行う会社を立ち上げました。アクションパワーでは、家事代行・ハウスクリーニング・整理収納サービスなどの清掃業務を行っております。

そのなかの整理収納サービスでのご依頼として、遺品の整理を頼まれるお客様が非常に多かったんです。サービスを立ち上げるときには、お片付けが苦手な人のお手伝いをするというイメージだったのですが…。

そして数多くの現場を経験していくなかで、亡くなってからではなくて生前に整理することの大切さに気付かされるようになりました。ただの整理だけではなく、「物・心・情報」の3つの整理が大事だと思ったんです。特に物を片付けるというところからの入口が非常に大事だなって。遺品の整理をしていると、心の整理に繋がってくるんですよね。心の整理というのは、エンディング情報の整理や財産情報の整理、こういったことです。

編集部ロゴLife.編集部

遺品整理の現場から、生前整理の大切さに気づかれたという事ですね。
では、生前整理を広めるための活動はどのようにされてきたのでしょうか?

大津さんまず生前整理の大切さを伝えるために行ったのは、本の出版です。2013年に生協限定で『「生前整理」で幸せな老いじたく』という書籍を出版し、現在はおかげさまで2万部以上流通しています。生協の担当者様も、これだけ反響があるのは珍しいとおっしゃってくださって。

この本の反響から、みんな生前整理に対して思うところがあるんだ!という事が分かり、アクションパワーではどうしてもお片付けの一環という事になってうまく打ち出せないため、その年に生前整理普及協会を設立しました。

編集部ロゴLife.編集部

本への反響から、世の中で生前整理へのニーズが高いという事を感じられたのですね…。では実際に、活動されていくうえで苦労されたことはありますでしょうか?

大津さん:生前整理普及協会を立ち上げたのは7年前で、それよりも前から生前整理のノウハウは確立していたので本を書くまではスムーズだったのですが…。

活動を始めたころは、生前整理の話をするとネガティブなイメージが先行しているために話を聞いていただきにくいのが大変でした。「生き死にの話をするな!」と、よく言われてましたね…。ものすごくネガティブ要素が強いため、話を聞くという入口のところにストッパーがかけられている感じです。しまいには、怪しい活動をする宗教家なのか?!と拒否感を出されることもありましたね…。

でも世の中的にも東日本大震災を境に、少しずつではありますが「人生には終わりがある」という事を意識されるようにはなっていたんですよね。冷静に考えると、命ってゴールがあることですから。

編集部ロゴLife.編集部

命にはゴールがありますもんね。とても考えさせられます…。

大津さん協会では生前整理の事を「生き活」と呼んでいるのですが、最後の1秒まで思いっきり生きるための活動が生前整理なんですよ。

イメージしてみてください…。ピクニックに行くときに、皆さん準備をしてから行きますよね?それと同じなんです。

あの世に行くときに、準備をしないのはなぜでしょうか?命のゴールは必ず来ることなんですよ。だからこそ、ご葬儀やお墓のことは絶対に考えなければいけないですよね。

編集部ロゴLife.編集部

仰る通りですね。必ず旅立つときがくるので、そのために準備をすることは大事だと思います。

大津さん:そうなんです。そして旅立った後には遺される家族がいると考えると、ネガティブ要素の強い生前整理を何とかしないといけないなって思い、明るく伝えています。そしてこの活動を通して、4000人弱のアドバイザーと375人の指導員を育成することができました。

編集部ロゴLife.編集部

立ち上げられた時から、とても多くの仲間が増えていらっしゃるんですね。ニーズと共に、賛同される人が多くいらっしゃるのは素敵です。

生前整理をすることで、前を向いて歩いて行ける理由

整理普及協会の大津さんと林さん

編集部ロゴLife.編集部

整理することが大事なのは理解できましたけど、前を向いて歩いていくことができるようになるのはなぜでしょうか?

大津さん:物を整理することで自分を客観的に知ることが、未来を歩むことに繋がるからです。

頭の中の状況は、部屋の状況とイコールなんです。私、部屋を見るとその人が頭の中で何を考えているのかがわかるんですよ。

思考の整理をするためには、部屋の整理をするのが良いんです。なぜなら、物を整理することで過去と向き合うことができるからなんです。整理を進めるうちに「あー、私はこれに執着していたんだなー」って分かることで、自分の事を客観的に知ることができるんです。

物は思考の出口にあり、物を整理することは過去と向き合うこと。自分で自分を知ることで、満たされているかを知ることができる。

編集部ロゴLife.編集部

自分が今までにどれだけ満たされてきたかを知ることが、未来に繋がるという事ですね。

大津さん人は役割や目的がなくなると、すごく元気がなくなるんだなって思います。

私は学生の頃にスイミングスクールでコーチをしていて、高齢者クラスをいくつか受け持っていました。みなさんイキイキと通われていて、とても充実しているんだなって表情をされていました。

でもヘルパーの免許を取得して介護の現場に行ったとき、そこで出会う高齢者の人たちからは元気を感じられなかったんです。スイミングスクールにいた高齢者と比較して、人は自分には何の役割も目的もない…と思ったときにすごく元気がなくなるんだなって気づかされました。

自分自身の中で整理をすることで「私って満たされているよね!」って気づくことで、前を向いていくことができます。だから、生前整理が人生の最後の1秒まで生きるための活動というわけなんです。

生前整理普及協会の活動を通して叶えていきたいこと

編集部ロゴLife.編集部

生前整理普及協会の活動を通して、目指しているビジョンや叶えていきたいことは何でしょうか?

大津さん「最後の1秒まで生ききる人」を1人でも多く増やしたいと思っています。これは、当協会の本気の想いです。本当に最後の1秒まで…。生きるではなく、生ききるという事が大事です。だって長く生きていると、健康じゃなかったり体を思うように動かせなかったりする時間があるんですよ。

昨年実の父を見送って改めて感じたのですが、最後の1秒までその人らしく生ききってほしいというのが願いです。そしてそのために必要なのは、周りの人のお手伝いです。

編集部ロゴLife.編集部

周りの人のお手伝い、、、ご家族ですね。

大津さん:生前整理のお手伝いをさせていただき、印象に残っているご家族様がいらっしゃいます。

ご依頼者様は一人息子がいらっしゃるお母様でした。ご本人が高齢のため施設に入るタイミングで、生前整理のお手伝いをさせていただきました。

お母様はお一人で非常に散らかっているお部屋で暮らしていらしたんです。息子さんはご結婚はされていないのですが、別々で暮らしていらっしゃって。お母様は離れて暮らす息子さんの事をとても心配されていたのですが、親子関係としてはあまり良好ではありません。息子さんがおっしゃるには「母親は、何も自分の事をわかってくれない。何もしてくれなかった。」と。

しかし、整理を進めていくと、お母様が息子さんを愛しているということが分かる物がいくつも出てきました。例えば旅行のパンフレット。お母様は体調が悪くて遠出ができるお身体ではなかったのですが…息子さんといつか一緒に行けたらいいな!と集められていたんですね。

そういった物を見つけることで、息子さんの考え方が徐々に変わっていかれたんです。非常に冷えた親子関係であったのですが、最終的には息子さんも一緒にお母様の施設の事を考えるまでになられて…。

整理のお手伝いが終わるころには、お二人の親子関係がとても改善されたのです。息子さんがお母様からの愛情を実感したことで、歩み寄られたんです。

このご家族の現場については、忘れることができません。とても印象的なお客様でした。整理をされるご本人だけではなく、周りの人にも影響するんです。物の整理から、最終的に情報の整理となるのです。

編集部ロゴLife.編集部

物を整理することで気づかされるのは、ご本人だけではなく周りの人でもあるという事ですね。一緒に整理を進めることの大切さを考えさせられます。

大津さん:一緒にできるのは、生前だからという事も重要です。遺品整理の場で、ご遺族の人が「あぁすれば良かった…こうすれば良かった」と仰るのをよく聞きます。遺される人が後悔しないためにも、生前整理が必要なのです。

また、ご遺品やご葬儀の時に困るのが故人様の写真です。ご葬儀の場合は、亡くなられてから数時間のあいだに何を遺影に使用するのか考えなければなりません。本人のスマホから選ぼうとなっても、パスワードを知らなければ開くことすらできません。そういった情報の整理のためにも、生前整理は必要なのです。後悔しない、困らないために。

また、先ほどの心の整理のためにも写真を整理することが大事です。生き生きと笑顔で写っている写真を見ることで、こんなに満たされた人生を歩んできたんだなって気づかされるからです。だから、1日でも長く生きてほしいし、幸せに生きてほしいと思うのであれば、生前整理スクラップブッキングをお勧めします。

実際にスクラップブッキングを作った人たちの感想を当協会のサイト上で紹介しております。ぜひ、ご覧ください。

※生前整理をされた人たちの感想はこちらからご覧いただけます。

編集部ロゴLife.編集部

写真を整理することで、簡単に過去を振り返ることができますもんね。また、元気な姿が載っている写真がアルバムにまとめられているのは、ご家族としても嬉しいことだろうなと想像できます。

生前整理をするかしないかで、その後に天と地の差が出る

大津さんの横顔

編集部ロゴLife.編集部

明るく前を向いて生きていかれる人や、家族関係が改善されるなど生前整理をすることは良いことばかりですね。協会の運営の原動力も、そういった点でしょうか?

大津さん:はい、そうですね。生前整理で人生が変わった人を見たときは、この活動をしていて良かったと喜びを実感します。本当に生前整理をするかしないかは、天と地の差ぐらい違います。当事者としては自分の人生を生ききるという覚悟ができますし。

そうしてもう一つ嬉しいのは、生前整理のメリットは整理される本人どまりではないという事です。生前整理をしなければ、ご本人も遺されるご家族も後悔ばかりですよね…。でも、生前に整理をしておくと違ってきますよね。

整理される人が大切にされている人が喜んでいる姿を見るのも、とても嬉しいです。これらが当協会を運営するうえでのモチベーションになっています。そして指導員やアドバイザーも、同じ気持ちで活動をしてくれています。

だからこそ、明るく前向きに生ききる生前整理を広めていきたいし、活動ができています。

編集部ロゴLife.編集部

大津さん・林さん、ありがとうございました。

一般社団法人 生前整理普及協会の概要

整理普及協会の本棚

名称一般社団法人 生前整理普及協会
代表理事大津 たまみ
本社所在地〒450-0003
愛知県名古屋市中村区名駅南1丁目19-27

オルバースビルディング名古屋 5階
設立趣旨生きることを前提に、物・心・情報を整理することで、幸せなエンディングを迎える
電話番号052-485-8137
一般社団法人 生前整理普及協会 公式サイトhttps://www.seizenseiri.net/
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    生前整理普及協会では、これからの人生をよりよく生きるための「物・心・情報の整理の仕方」を学ぶ事が出来ます。片づけの仕方だけでなく、写真整理法やエンディング情報や財産情報やデジタル情報の整理の仕方を学ぶ事が出来ます。生前整理をトータル的に学んでいませんか?スクーリングだけでなくご自宅でゆったりとオンライン講座としても受講可能する事も可能です。
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編集後記

大津さん、林さんお忙しいところお話をお聞かせいただき有難うございました。生前に整理をすることで、物が片付くだけではなく心の整理がされ、そこからを前向きに生きていけるという考えがとても興味深い点でした。何度やっても良い、という事でしたので私自身も生前整理を行い、これまでの人生を振り返りたいと思います。振り返った先に、これからの未来がどのように見えるようになるのか楽しみです。読者の皆様も、ぜひ写真の整理など小さなことからでも過去を振り返るための整理をしてみてはいかがでしょうか。

ライフエンディングジャーナルは、「Life.(ライフドット)」が企画・発信する特別インタビュー企画です。ライフエンディング業界のイマを取り上げ直接取材し、業界全体をライフドットからも盛り上げて行きます。業界に関わるサービスや商品、そして第一線で活躍する人々にフォーカスし、ライフエンディング業界に対する想いやこれからの展望をお届けいたします。